悪の教典の紹介:2012年日本映画。悪の教典は貴志祐介氏のサイコホラー小説が原作で三池崇史監督が実写化した作品。他人と共感ができない人間が様々な人間を殺戮する様が描かれます。
監督:三池崇史 出演者:伊藤英明、二階堂ふみ、染谷将太、林遣都ほか
映画「悪の教典」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「悪の教典」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「悪の教典」解説
この解説記事には映画「悪の教典」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
悪の教典のネタバレあらすじ:評判の良い先生
ある男がナイフを片手に両親の寝室に入り、彼らを惨殺していきます。その前に両親は男について、他の人に共感できない人間で、早く社会から遠ざける必要があると言い、彼が隣で聞いていたからでした。彼の名は蓮実誠司という人間で、彼は英語教諭として高校に勤務しており、彼は生徒、PTA、同僚からも評判のすごく良い先生として有名でした。彼はカンニング防止のために生徒全員の携帯電話を電波妨害により使用できなくするなど、奇抜なアイデアを持って教育に邁進していました。
悪の教典のネタバレあらすじ:裏の顔
しかし、彼の正体は他人との共感ができないサイコキラーとしての暗い人格でした。そのため、気に入らない生徒がいれば即殺すということを行います。最初に彼が気に入らなかったのは何かにつけて難癖をつける生徒の親でした。彼は親の家にいき、猫よけに置かれていたペットボトルに灯油を入れ、親のタバコのおかげで家は全焼し、さらに親は焼かれて死亡します。次に彼はクラスの不良である生徒を排除するため、学校の裏掲示板に親の家を放火した男だと書き込み、それにより仲間はずれにした挙句、自暴自棄となったときにお酒に誘い、そして殺害を決行します。
悪の教典のネタバレあらすじ:蓮実の過去
この一連の事件で蓮実のサイコぶりを疑っていた同僚はある生徒と彼の過去について話します。彼は京都大学を入学後も2ヶ月で中退し、ハーバード大学を卒業してMBAタイトルを取得すると金融会社でトレーダーとして活躍するも2年で退職に追い込まれます。それは上司の手柄を自らのものに改ざんしようとしていたためであり、彼はテロリストの宣告を受けてアメリカに入国が禁止されます。それにより日本に戻り、仕方なく英語教諭として勤務を始めたのでした。
悪の教典のネタバレあらすじ:生徒全員を殺す蓮実
二人の話しを録音していた蓮実は同僚を殺害し、さらに生徒を拷問した上で殺害します。また、自分と関係を持っていた女子生徒が殺した生徒の携帯電話を自分が持っていたとばれたため、彼女を殺害することにし、他の先生に陵辱されたために命を絶つと遺書を書き、自殺に見せかけて殺害しますが、その現場に別の生徒が入ったため、彼女も殺します。どうにか彼は辻褄を合わせるために射撃が趣味の先生のせいにしようと全校生徒と先生二人を射殺し、射撃が趣味の先生を自殺に見せかけて殺します。
悪の教典の結末:逮捕される蓮実
全てが終わったと思った矢先、裏をかいた生徒とAEDに残された声により蓮実が行ったことがばれ、警察に逮捕されます。彼はその後、悪魔に取り憑かれたと言い、心神喪失を訴えます。校内では、殺害された死体に埋もれた一人の女子生徒が目を覚ましたのでした。
以上、映画 悪の教典のあらすじと結末でした。
「悪の教典」感想・レビュー
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伊藤英明演じる英語教師・蓮実は、多くの問題を抱える高校の生徒達から大人気だが、巧妙な凶悪犯罪に手を染める裏の顔があった。均衡は長く続かず、やがて惨劇の日がやってくる。悪の教典の冒頭からしての不気味な気配、三池監督が得意のアクションシーンが、細かな事を気にさせずに物語へ引き込んでゆく。流血はかなりの迫力で、R15指定はやむを得ないだろうが、『バトルロワイヤル』が大きく騒がれたのが大昔のようだ。その背景に、なぜこのような行動に至ったのか、精神分析や形而上学を持ち出すのは蛇足にも思えた。悪の教典は、派手さの一方、マニアックな物理教師の自宅や、剣道部の練習シーンなど、自然な雰囲気が作られていて気配りが感じられた。高校生達の恐怖の演技も見事だったし、脇役の滝藤賢一や矢島健一は『クライマーズ・ハイ』の映画にも重なり、その個性的な演技も光っていた。
伊藤英明が今までの好青年のイメージを一新して、生徒たちの生命を躊躇いもなく奪い去ってしまう教師に扮しているのには驚かされました。高い知性と身体能力に恵まれながらも、力の使い方を誤って破滅していく姿が印象深かったです。高校生離れした教え子たちとの間で繰り広げられる、映画後半の生き残りをかけた戦いが迫力満点でした。