ばしゃ馬さんとビッグマウスの紹介:2013年日本映画。34歳独身、職業、アルバイトの馬淵みち代は、学生時代から脚本家を目指して日々馬車馬のように一生懸命シナリオを書き続ける日々を送っていた。ある日、新しく通い始めたシナリオスクールで出会ったのは、まだ一度も脚本を書いたことがないのに大口を叩くビッグマウスの天童義美だった。ばしゃ馬の馬淵とビッグマウスの天童、正反対の二人が織り成す青春ラブコメディ。
監督:吉田恵輔 出演者:麻生久美子、安田章大、岡田義徳、山田真歩、清水優、秋野暢子、松金よね子、井上順ほか
映画「ばしゃ馬さんとビッグマウス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ばしゃ馬さんとビッグマウス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ばしゃ馬さんとビッグマウス」解説
この解説記事には映画「ばしゃ馬さんとビッグマウス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
映画ばしゃ馬さんとビッグマウスのネタバレあらすじ1
34歳独身の馬淵みち代は、学生時代からシナリオライターを目指して、日々脚本を書き続ける日々を送っていた。同年代の女性が欲しがる全てのものを諦め、脚本の勉強に勤しみ続けているのにも関わらず、未だコンクールで一次審査にも引っかからない。まだまだストイックに勉強しなければいけない、基礎から勉強し直そうと決意した馬淵は友人のマツモトを連れてシナリオスクールに通い出す。
映画ばしゃ馬さんとビッグマウスのネタバレあらすじ2
そのスクールで馬淵は、天童義美という28歳の大阪弁を話す男性と出会う。
天童は馬淵に一目惚れし、積極的にアプローチを試みる。しかし馬淵は脚本のことばかりで全く眼中にない。それどころか天童の上から目線で大口を叩くビッグマウスっぷりに呆れかえっていた。それでもめげない天童は「監督の友達」も来るからと、馬淵を飲み会に誘う。業界の繋がりが欲しかった馬淵は「監督」の言葉に食いつき、バイト仲間の小俣恵美、その双子の妹、美恵を連れて飲み会に参加。しかし、そこにいたのは監督は監督でも建築現場の監督をしている亀田大輔、中国人の中年のおじさん王だった。冴えないメンバーに馬淵は店の外で持ちこんだノートPCで脚本を打つ。そんな姿を見た天童は馬淵のことをまるで馬車馬のようだと評す。
映画ばしゃ馬さんとビッグマウスのネタバレあらすじ3
ある日、馬淵はスクールに講義に来た大物の映画監督、宇野にアピールし、介護士の話の作品を書けたら読んでもらえるという約束を交わした。嬉々となる馬淵は早速、元彼の松尾健志が務める老人ホームでボランティアを始める。一方、天童は脚本を全く書こうとせず、馬淵のことばかり考えていた。思い切って馬淵に「あんな、もしやで、俺が付き合ってほしいって言うたらどないする?」と告白するも、「ありえない」と一瞬で玉砕。それでも天童はめげず、偶然を装って休日の馬淵に会いに行く。喫茶店で脚本論を語り合う二人。だが馬淵は天童のビッグマウスに苛立ちを募らせる。馬淵はシナリオと介護ボランティアに精を出し、遂に介護士を主人公にした作品『向日葵が散る時』を完成させた。早速、宇野監督に持ち込んだが、あまり良くない反応に馬淵は肩を落とす。めげずに徹夜で脚本を修正していた馬淵は、老人ホームでまどろみ、寝てしまった。その間に入居者の老婆が暴れ出すトラブルが発生する。自身の作品を読んだ松尾にも「全部綺麗ごとで薄っぺらものにしか思えなかった、楽しく余生を過ごす老人たちと介護士の心温まる話? 現実はこれだよ」と言われ、自分の失態と現実の介護業の大変さを痛感し、ひどく落ち込む。
映画ばしゃ馬さんとビッグマウスのネタバレあらすじ4
一方、スクールではマツモトが一歩先にプロデビューを果たそうとしていて、馬淵は嫉妬と焦りを感じる。そしてまた大口を叩く天童に「私がどんだけ努力して苦しんできたか、才能ないなんてね、あんたに言われなくても分かってんの!」「書け!見せろ!それから言え!」と感情が爆発する。説教された天童は心を入れ直し、脚本をちゃんと書くと馬淵に宣言する。秋になり、介護ボランティアをやめることにした馬淵は松尾に挨拶をしにアパートに訪れた。酔った馬淵は「夢を諦めるのって、こんなに難しいの?」と泣きじゃくり、松尾に抱きつく。キスを交わした馬淵は「いいの? 私、また好きになっちゃうよ?」と告げる。すると、ゆっくりと馬淵から離れる松尾。馬淵は一人アパートから去っていく。馬淵は友人の結婚式に出席するために実家の旅館に一時帰省した。両親にお見合いや、こっちに戻って旅館の手伝いをと勧められるも脚本家になるんだからと頑なになる。式場では「オズの魔法使い」のロボットに扮して友人の結婚を歌い祝う馬淵。友人らに脚本はどうなの? と聞かれ、つい見栄を張りプロデビューしたかのように忙しくしていると嘘をつく。 その夜、ヤケになって公園で一人缶ビールを煽り飲む馬淵の元に、天童から新人脚本賞に落選したとの電話が入る。互いを慰め合い、励まし合った二人は再び自分の夢に向かって奮起する。
映画ばしゃ馬さんとビッグマウスのネタバレあらすじ5
春になり天童や亀田たちとの飲み会で馬淵は、次のコンクールで一次審査も通らなかったら脚本家の夢を諦めると宣言。天童が脚本家を目指すようになったきっかけを話し、涙する。松尾にも一次審査を通過出来なかったら脚本は諦めると話す。と、以前役者を目指していた松尾も「辞めずに頑張ってればもしかしたら何とかなってたかも」と今の仕事は頑張りつつも、昔の夢に今でも未練があると告白した。馬淵と天童は、コンクールに向けて自身の体験を重ね合わせた話を書き始める。馬淵は「脚本家を目指して奮闘して、でもやっぱりどうにもならない人の話」を、天童は、「ソープで働く母と、可哀想な息子の話」を。時には互いの脚本を見せ合い、アドバイス交換をするなど執筆に没頭する二人。遂に完成し、作品を送る馬淵と天童。
映画ばしゃ馬さんとビッグマウスの結末
時は流れ、秋。コンクールの大賞作品が選ばれた。授賞式に参加する馬淵。大賞を受賞したのは、マツモトだった。マツモトの受賞を静かな表情で見守る馬淵。馬淵は宣言通り、脚本家の夢を諦め、実家に帰るために引っ越しの準備を進める。押し入れの中から今まで書いてきた沢山の脚本が出てくる。その中にはぐちゃぐちゃになった『向日葵の散る時』もあった。馬淵は、切なそうに脚本を段ボール箱に入れていく。実家に帰る直前、馬淵は天童に呼び出されて川沿いの道へ。もう少し頑張ってもええやんと思い直させようと必死の天童に馬淵は「夢ってみんながみんな叶うわけじゃない、叶う人がいる分、その何倍も諦める人がいる。ただ自分は夢が叶う側の人だって信じてたけど、違ってた。悔いはあるけど、スッキリした」「とりあえず実家帰って旅館手伝って介護の勉強をしようと思う」とその決意は揺るがない。天童は「もしもの話やけど、俺が好きや言うたらどうする? 田舎帰らんと、こっちで俺と付き合わへん?」と再度告白するも、馬淵は笑顔を見せながら「ないかな」と返答。あっさり振られる天童。それでも「次の企画思いついたんやけど、夢を叶えて田舎に好きな女を迎えに行く天才作家の物語。どない思う?」と問いかける。馬淵は「……寒っ」と可愛らしい笑顔を見せながら去っていく。穏やかな日射しの中、二人は別れた。
以上、映画ばしゃ馬さんとビッグマウスのあらすじと結末でした。
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