僕だけがいない街の紹介:2016年日本映画。タイムリープ能力(リバイバル)を持った青年が、未来を変えるために奔走するストーリー。周囲で起こる事件を解決しなければ、ずっと同じ時間を何度も何度も繰り返してしまう主人公の悟。ある日、母親との買い物中に事件が発生。そのせいで母親が殺害され、悟は犯人として警察に追われる身となり…。
監督:平川雄一朗 出演:藤原竜也(藤沼悟)、有村架純(片桐愛梨)、鈴木梨央(雛月加代)、及川光博(八代学)、杉本哲太(澤田真)、石田ゆり子(藤沼佐知子)、ほか
映画「僕だけがいない街」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「僕だけがいない街」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
僕だけがいない街の予告編 動画
映画「僕だけがいない街」解説
この解説記事には映画「僕だけがいない街」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
僕だけがいない街のネタバレあらすじ:起
2006年、売れない漫画家の藤沼悟(藤原竜也)は、ピザ屋でアルバイトをして生活しています。実は彼には、悪い事が起こる直前の時間に戻ることができるという特殊能力がありました。
その原因である”悪い事”を取り除くまで、永遠に時を繰り返す悟。自分の意思や気持ちとは関係なく表れるこの能力のために、人と深くかかわることをせず、周りに壁を作るようになっていました。
ある日、ピザの配達中にこの能力「リバイバル」が起こります。悟は未然に事故を防ごうと行動し交通事故に遭ってしまい、病院へと運ばれました。病院のベッドで悟が目をさますと、同じピザ屋でアルバイトをしている愛梨(有村架純)の姿がありました。
悟が病院からアパートに戻ると、田舎の北海道から母親の佐知子(石田ゆり子)が来てくれていました。「かわいい一人息子が心配で、上京してきたよ。」と話す佐知子ですが、結局のところ観光目的のようで、その後、佐知子と悟は一緒に買い物に出掛けることになります。
その時もリバイバルが起こり、何か悪い事を見つけようとする悟。この時は佐知子が誘拐に気付き、未然に事件を防ぐことができました。しかしこの時に、佐知子は犯人と目が合ってしまいます。
その夜、佐知子は悟に18年前の事件を覚えているのか尋ねました。その時のことをあまり覚えていなかった悟は、『昭和事件史』を読んで当時のことを調べます。北海道の石狩市で起きた小学生の連続誘拐殺人事件。その記事を読んだ悟は、当時のことを少しずつ思い出すのでした。
僕だけがいない街のネタバレあらすじ:承
18年前の事件の犯人はすでに捕まり、死刑が確定しています。しかしまだ小学生だった悟は、犯人は別の男だと当時、佐知子に訴えていました。しかしその時の佐知子は、悟の話を信じていませんでした。今回誘拐犯と目が合った佐知子は、今回の誘拐犯こそが真犯人ではないかと勘付きます。そして元同僚に、そのことを電話で話す佐知子。
その後、佐知子がアパートに戻ると、あとを付けてきた真犯人に殺害されてしまいます。アパートに戻った悟は佐知子の死体を発見し、急いで犯人を追いかけます。しかし途中で見失ってしまい、警察からは悟が犯人だと思われてしまい、追いかけられることとなりました。
もうちょっとのところで警察に捕まりそうになった悟は、佐知子が死ぬ前に戻りたいと強く念じます。すると今まで経験したことがないくらい前の時間に遡り、気づけば18年前の1988年に戻っていました。
悟は未来の母親を助けるために、誘拐殺人で犠牲となった同級生の雛月加代を救おうと画策します。まずは彼女と仲良くなることから始めた悟。加代が亡くなった日はちょうど悟の誕生日の日で、悟は誕生日に加代を呼ぶことにします。
そうすれば誰かに殺されることはないと考えた悟でしたが、その後、加代が母親と彼女の恋人から虐待を受けていることが判明。悟は担任の八代学(及川光博)に相談しますが、児童相談所はなかなか動いてくれないことを悟は知りました。それでも悟は何とか加代を助けようと必死になるのですが、結局、加代は亡くなってしまいました。
加代が亡くなり現代へ戻ってきた悟はまたしても警察に追われます。そこを愛梨が助けてくれました。愛梨が居候する家に隠れることにした悟は、加代が亡くなった日付が2日から3日になっていることを知ります。
その後、愛梨が悟をかくまっていることがアルバイト先の店長にばれてしまい、悟のことを河川敷でかくまうことにしました。その時に愛梨が自分の携帯を悟に渡します。荷物を取りに家に戻った愛梨ですが、なかなか帰ってきません。すると愛梨の携帯にメールが来ます。宛先人は佐知子で「悟です。その場を動かないで。」と書かれていました。
嫌な予感がした悟が急いで愛梨の家に向かうと、家は火の海で愛梨は部屋で倒れていました。愛梨を助け出した悟は、再び警察から逃げることになります。
僕だけがいない街のネタバレあらすじ:転
悟は母親が残したメモに電話をかけました。その相手は、昔母親が働いていた報道局で同僚だった澤田真(杉本哲太)でした。彼は18年前の事件を追っており、真犯人は別にいると睨んでいます。
その後、悟は病院を抜け出した愛梨と落ち合うことに。しかし愛梨は警察に尾行されており、悟は連行されてしまいます。その時またリバイバルが起こり、悟は加代が亡くなる前日にタイムリープすることができました。
もう一度加代を守り現代の出来事を変えようと奮闘する悟は、弁護士の父親をもつ友人の助けを借りて、秘密基地の中に加代を隠して誘拐殺人から守ることにします。しかしその秘密基地も真犯人にばれてしまい、どうしようもなくなった悟は、自分の家でかくまうことにしました。翌日、加代は児童保護施設に保護され、こうしてまた現代へと戻ってきた悟。
しかしすぐにまた、小学生の頃に戻ってしまいます。真犯人を特定しなければ佐知子を救うことにはならず、またもや悟は真犯人を探すことになるのですが、その時に八代が真犯人だと気付いてしまう悟。そのことを確かめるために悟は、八代の車にわざと乗り込み、話を聞くことにしました。
すると、すべてを認めて自分が真犯人だと話す八代。彼は橋から悟を突き落とし、口封じのために殺そうとします。
僕だけがいない街の結末
橋から落とされた次の瞬間、悟は病室で目を覚ましました。2006年に戻ってきた悟の前には、愛梨ではなく加代の姿がありました。彼女のお腹には赤ちゃんがいて、もうすぐ母親になろうとしている加代。加代が無事に大人になれたことを知り、悟は安堵するのでした。
急いで病院を後にした悟がアパートに戻ると、佐知子の姿がありました。未来は大きく変わり、みんな無事でホッとしていた悟は、八代が今どこで何をしているのか調べることにします。
小学生時代に加代を一緒にかくまってくれた友人は、弁護士になっていました。彼が調べた結果、八代は市会議員をしており、名前も西園に代わっています。悟は、佐知子が誘拐現場を見たところに先回りし、八代と再会を果たすことができました。
この18年間、誘拐殺人を繰り返してきた八代。「友人が少なく、家庭環境にも恵まれない小学生ばかりを狙って犯行に及んできたのは、孤独から解放させてやりたかったからだよ!」と八代は主張。悟は、「あんたに子どもたちの未来を奪う権利はこれっぽっちもないんだよ!」と怒ります。
すると八代がナイフを取り出し、自分の首を切って自殺しようとします。悟が止めようともみ合った末、悟は八代に首を切られてしまいました。そこへ警察がやってきて、八代は捕まり悟は亡くなってしまいます。
10年が経ち、悟のお墓には毎年たくさんの友人たちと佐知子の姿があります。悟が命を懸けて守った加代も無事女の子を出産し、今はお母さんになりました。
一方、愛梨は悟が書いていた漫画を持って、自身の夢であった写真を今日もとるためにカメラ覗き込むのでした。
以上、映画「僕だけがいない街」のあらすじと結末でした。
続いて、「僕だけがいない街」のレビュー・考察を紹介します。
「僕だけがいない街」感想・レビュー
-
最近漫画を読んでまさか映画になってるとは思ってなかった。
残念な点がいくつかあったが、自分としては大きく2点。
原作の記憶を失って、リハビリしながら取り戻していく所が結構面白かったのでカットされた所。
小学時代がよく演技されてるのでラストが変わっているの所(勿体ないと思った)
しかし時間の制約がある中、このタイトルでこのエンドは(なるほど)と思った。OPタイトルが出て子供の手が空をかざすシーン、子供の手なので北海道をイメージした情景だと思う。
木、葉っぱの枯れ具合からその寒さ、冷たさ、なんと言うか北海道の匂いが伝わり、北海道出身の自分としては懐かしく思った。
よく出来た画だと思う。時間、予算が許すなら3部作がよかったかな。
逮捕される所で1部完。
矢代先生に川に落とされた所で2部完。矢代先生のトリックや子供時代、主人公の人間関係がもう少し深く掘り下げられたと思う。
映画しか見ていない人は是非漫画を読んでほしい。
この映画のポイントと言えば悟の母、佐知子に片桐の存在と小学生の頃の雛月だと感じました。母親を何者かに殺害され警察にも疑われ絶望的な状況の悟ですが、そんな悟を優しげに見方をしてくれる片桐の存在が観ている者の心を癒やしてくれて、また悟が過去にタイムリープして雛月を何処かに潜んでいる殺人犯から守る、友人とヒーローポーズから始まる冒険心、雛月を誕生日に迎えたりバスの廃車にかくまったりみたいな処も良かったです。悟の母親の佐知子も雛月を母親の暴力から守ってくれたり、雛月を守ろうとする悟の頭を撫でて褒めるなんて良い母親や!