だれかの木琴の紹介:2016年日本映画。美容師へのストーカー行為を繰り返す主婦を描いた、井上荒野の小説を映画化したサスペンス作品。常盤貴子と池松壮亮が初共演し、監督は「わたしのグランパ」などを手がけた東陽一。夫と一人娘と郊外に越してきた主婦の小夜子。彼女は、家の近くに見つけた美容院で髪を切ることにします。小夜子の担当になった美容師の青年・海斗を気に入り…。
監督:東陽一 出演者:常盤貴子(親海小夜子)、池松壮亮(山田海斗)、勝村政信(親海光太郎)、佐津川愛美(唯)、山田真歩、岸井ゆきの、木村美言、小市慢太郎、細山田隆人、河井青葉、螢雪次朗、ほか
映画「だれかの木琴」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「だれかの木琴」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
だれかの木琴の予告編 動画
映画「だれかの木琴」解説
この解説記事には映画「だれかの木琴」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
だれかの木琴のネタバレあらすじ:起
美容室・MINTに勤める美容師の山田海斗(池松壮亮)。ある日、彼の店に新しい客・親海小夜子(常盤貴子)がやってきます。彼女は夫の光太郎(勝村政信)と一人娘・カンナと共に東京郊外に引っ越してきたばかりです。
小夜子が店を訪れた後、彼女の携帯に海斗から営業メールが届きます。小夜子は丁寧に返信をして、海斗は再びメールを送りました。
後日、小夜子は『新しいベッドが家に届いた』と、写真付きで海斗にメールをします。そのことが気になった海斗は、彼女の唯に相談。唯は小夜子が海斗に気があるのではないかと心配になりました。
それから二週間後、カットしたばかりの小夜子が再び店を訪れます。小夜子は家に帰った後、携帯のメールをチェックしますが海斗からのメールはありません。するとなぜか店にいたずら電話が入るようになりました。
その夜、一人で家の近くの居酒屋「ふくろう」で飲んでいた海斗。夜遅くにアパートに帰ると、玄関に袋が掛けてあるのを見つけました。てっきり唯が置いていったものだと考えましたが、袋の中にはイチゴと小夜子からの手紙が入っていました。
手紙には「たくさん買ったので食べてください。」と書いてあり、海斗は小夜子の髪を切りながら自分の家の近くにある飲み屋のことなどを話したことを思い出し、後悔するのでした。
だれかの木琴のネタバレあらすじ:承
翌日、海斗は小夜子の自宅に電話を掛けてイチゴの礼を言います。その様子を横で聞いていた夫・光太郎は不審に思いました。
ある火曜日、海斗が休みだと聞いていた小夜子は彼のアパートを訪れます。自宅まで押し掛けてくる小夜子に驚きながらも、海斗は彼女を家にあげました。家の中には唯がいたことで、小夜子はかなり動揺します。
「近くまできたので何となく…」と申し訳なさそうにする小夜子。唯は、小夜子に興味があるふりをして色々聞き出そうとします。空気が悪いのを察した海斗は、小夜子の娘が前日に店に来たことを話しました。
小夜子が帰った後、海斗と唯は「ふくろう」で食事をします。唯は小夜子が海斗のストーカーなのではないかと心配し、店主に相談。しかし海斗はそんなことはないと不満気です。
海斗のアパートを出た小夜子は、雨に濡れながら家に帰りました。その夜、熱があると言って夕食を作らずベッドで横になる小夜子。光太郎は娘を連れて外に食べに行きます。その時に、娘のアンリが家の中で異変が起きそうだと不安を口にしますが、光太郎は笑っているのでした。
翌日、海斗の店に一人の男性客が訪れて、女性の美容師を指名します。「あいにく女性の美容師は、40分待ってもらうことになります。」と海斗が告げると、男性客は渋々海斗が担当になることを了承しました。
男性客は、「3ミリ切ってほしい。」と細かい注文を付けてきます。海斗が困っていると、見かねた女性の美容師が代わりに担当することになりました。男性客は、女性に触れてほしかっただけのようで、髪を切ると満足してさっさと帰って行きます。
その頃、唯が働くブティックに小夜子の姿がありました。真っ白のフリフリのワンピースを試着もしないで購入した小夜子。怖くなった唯は、そのことを急いで海斗に連絡します。
だれかの木琴のネタバレあらすじ:転
家に帰った光太郎は、ベッドの上に白のワンピースがあることを不思議に思っていました。小夜子は「知り合いから売りつけられて買ったが、似合わなければ捨てる。」と、嘘をつきます。この頃から小夜子の行動が気になり始める光太郎。
ある日、ゴミを出すと言って夜遅くに出かけた小夜子が、帰って来ないことがありました。光太郎は小夜子が心配になり携帯に電話をかけますが、彼女の電話はテーブルに置かれたままです。携帯のメールの送信欄を見ると海斗の名前ばかり出てきて、気になった光太郎はMINTへ行ってみることにしました。しかしそこに小夜子の姿はなく、仕方なく家に帰った光太郎。その後、しばらくしてようやく小夜子が家に帰ってきます。
店にいた海斗は、店長に小夜子のことを相談していまいた。店長は「これ以上メールはするな。」とアドバイスします。担当を変えることはできないかと相談しますが、それはできないと店長から言われ、渋々家に帰った海斗の目に白いドレスが飛び込んできました。アパートの前に無造作に置かれた白いワンピースにぞっとした海斗は、ドレスをゴミ袋に詰めると、そのまま捨ててしまいました。
翌日、予約をしていない小夜子が店にやって来て、いきなり「ショートカットにしてほしい。」と頼みます。髪をばっさり切った小夜子は、海斗の行きつけの店「ふくろう」を訪れ一人で食事を楽しんでいました。そこへ、唯が偶然やってきます。すでに酔っ払っていた唯は、小夜子に殴りかかり、店主が止める騒動になってしまいました。
あくる日、朝遅くに起きていた小夜子は、学校に行っているはずの娘・カンナがまだ家にいることに驚きます。カンナは、真夜中まで家に帰ってこなかった母親を心配していました。近頃は父親の帰りも遅く、両親のことを心配しているカンナ。すると小夜子は、「私は母親としてだけ生きているわけではないのよ!」と言い放ちます。
カンナは家の中で何か異変が起きていると感じ、「いったいどうなってるの、この家!お母さん浮気してるの?」と尋ねます。カンナは取り乱し、父親に「早く帰って来て…」と泣きながら電話するのでした。仕事から帰った光太郎は、小夜子に「娘が何か勘違いするようなことがあるのか?」と尋ねます。しかし小夜子は何を聞いてもはぐらかします。
だれかの木琴の結末
そこへ、玄関のチャイムが鳴りました。玄関には唯と海斗が立っていました。唯は家に勝手に入って来て、光太郎に「あんたの奥さんストーカーなんだよ!」と言い放ちます。光太郎は落ち着いて話すよう求め、「俺の妻がストーカーなんてするわけがない!」と強気な態度にでました。
すると唯は動揺し、暴れ出します。海斗は唯を連れて外に出るが、その後も彼女の興奮は冷めません。海斗と唯の関係はぎくしゃくし、二人はついに別れることにしました。
海斗と唯が帰った後、光太郎と小夜子は話し合うことにします。しかしまともに会話をするのではなく、携帯を介して話し合うことにしました。『これまで仕事ばかりで苦労をかけた』と謝る光太郎。小夜子は『夫の苦労を知らずに申し訳ない』と謝り、二人は固く手を取り合います。
その後、カンナから海斗宛の手紙が店に届きました。MINTを訪れてから母親の様子がおかしくなったこと。『これ以上母にメールをしないでほしい』と手紙に書かれていました。それからは、カンナにも海斗にも以前のような平穏な生活が戻ります。
海斗が25歳の誕生日、コンビに行くと偶然小夜子と再会しました。二人は頭を下げ、ただ挨拶するだけです。その後、家に帰った小夜子のもとに光太郎から電話があります。部下を連れて家で食事をしたのですが、小夜子の料理が評判だったと嬉しそうに話す光太郎。それを聞いた小夜子は、部下の男性にうれしそうにメールをするのでした。
以上、映画「だれかの木琴」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する