劇場版 機動戦士ガンダム00(ダブルオー)-A wakening of the Trailblazer-の紹介:2010年日本映画。テレビ番組として2期、通算1年間に渡り放映された「機動戦士ガンダム00」の完結編とも言える作品。テレビアニメの中で「来るべき対話」というセリフが何度も出るのですが、その具体的内容はテレビ版最終回を迎えても描かれませんでした。本作品では宇宙からの脅威に地球が危機を迎え、これを打開する為に「来るべき対話」を行う必要に迫られます。ガンダム00の世界において、なぜガンダムという兵器が現れたのか、来るべき対話とは何なのか、すべての謎が解き明かされるストーリーとなっています。
監督:水島精二 声の出演:宮野真守(刹那・F・セイエイ)、三木眞一郎(ロックオン・ストラトス)、吉野裕行(アレルヤ・ハプティズム)、神谷浩史(ティエリア・アーデ)、恒松あゆみ(マリナ・イスマイール)、磯部勉(イオリア・シュヘンベルグ)、古谷徹(E・A・レイ)ほか
映画「機動戦士ガンダム00 A wakening of the Trailblazer」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「機動戦士ガンダム00 A wakening of the Trailblazer」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
劇場版 機動戦士ガンダム00(ダブルオー)A wakening of the Trailblazerの予告編 動画
映画「機動戦士ガンダム00 A wakening of the Trailblazer」解説
この解説記事には映画「機動戦士ガンダム00 A wakening of the Trailblazer」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
劇場版 機動戦士ガンダム00(ダブルオー)A wakening of the Trailblazerのネタバレあらすじ:1
武力行使により世界各地のあらゆる戦争・紛争の根絶を目指す私設武装組織「ソレスタルビーイング」に所属し、モビルスーツあるいはガンダムと呼称される機動兵器の一つ、「ダブルオーライザー」のパイロットである刹那・F・セイエイは、仲間らとともに地球連邦政府が樹立された後も世界平和を乱す不穏な動きを封じる活動を継続していました。そして、刹那専用の新たな機体「ダブルオークアンタ」が最終調整前の段階を迎えています。そんな中、宇宙から飛来してきた謎の物質による奇異な事件が地球で頻発します。列車や車両が勝手に動き出して事故を発生させたり、その正体不明の物質と人体とが融合したりするのです。連邦政府がELSと名付けた地球外金属生命体は、やがて木星から大群となり地球へ進行します。連邦軍がこれを阻止しようとするも圧倒的敗北を喫します。それだけでなくELSは地球側の艦船、モビルスーツ、兵器と融合し特性を取り込むことで自らを同じものに変化させたり、攻撃を受ける際の被害抑止方法まで編み出したりするのです。
劇場版 機動戦士ガンダム00(ダブルオー)A wakening of the Trailblazerのネタバレあらすじ:2
GN粒子と呼ばれる特殊粒子散布化において他者との高い意識共有能力を持つ「イノベーター」なる新たな人類へと進化していた刹那は戦闘中にELSとの対話を試みますが、脳に激しいダメージを追い、対話に失敗したうえ昏睡状態に陥ります。乗機のダブルオーライザーもこの戦闘で失いました。月付近まで接近したELSの大群に対して連邦軍は残存勢力を集結し絶対防衛線を築いて排除しようとしますが、段々とELSに圧倒されていきます。刹那は意識の戻らない中で、地上や宇宙で必死になって地球を守ろうとする仲間、連邦軍、民間人の姿を見ることが出来ました。そして、過去の戦闘で命を落としてしまった懐かしい人々の姿も浮かびます。彼らは刹那を励ました。
劇場版 機動戦士ガンダム00(ダブルオー)A wakening of the Trailblazerのネタバレあらすじ:3
そして、刹那は重症の身から奇跡的に回復し目覚めるのです。最終調整が完了したばかりのダブルオークアンタで彼は戦線に復帰しました。ダブルオークアンタはGN粒子による意識共有空間の形成能力に最も長けています。相互が理解しあうことで戦闘を止めさせる、それを目的とした機体なのです。再びELSとの対話へと臨む刹那をソレスタルビーイングだけでなく連邦軍も援護にまわりその進路を確保します。ダブルオークアンタはELSの群れの猛攻をかいくぐり、月と同等の大きさである大型ELSの中枢へと進入することに成功します。そして、刹那は対話を始めますが、前回と同様に彼に激しいダメージが襲い掛かります。それはたくさんのELS達の叫びだったのですが、その中から刹那はELSの真意を見つけることができました。
劇場版 機動戦士ガンダム00(ダブルオー)A wakening of the Trailblazerのネタバレあらすじ:4
地球から遠く離れた宇宙にあったELS達の母星は、終末期を迎えた恒星の大爆発により暗い宙に浮かぶ星となってしまい、このままでは生涯を終えてしまいます。そこで、新たに生きられる場所を探すべく、ELS達は方舟の役目となる大型ELSを作り母星を離れ旅に出ました。そして、地球の存在を知ります。地球人の身体とELSとの融合は、地球側は侵食と解釈してしまいましたが、ELS側にとっては他者と相互理解する方法の一つでした。ELS側に侵略する意思は全く無く、共存を望んでいたのです。ELSの真意を知った刹那は更にわかりあう為にELS達の母星へ向かうことを決意し、テレポートを使って旅立ちます。すると、月近くに展開していたELSの大群が一つに集結し宇宙空間に大きな黄色い花を象るのです。それは、刹那が過去に手にしていた、彼の記憶に鮮やかに残っている花に似ているように見えます。地球とELSとの、ただの誤解から始まった争いは終わりを告げました。
劇場版 機動戦士ガンダム00(ダブルオー)A wakening of the Trailblazerのネタバレあらすじ:5
時間は200年程の過去へと遡ります。孤島でたった一人で研究を続けるイオリア・シュヘンベルグの下を友人が訪れていました。イオリアはソレスタルビーイングの創設者、GN粒子の発見者、機動兵器ガンダムの開発者です。彼は友人に将来の人類への願いを語ります。地球の中でも争いが続いている状態で地球外へと人類が進出を遂げたとしても、異なる文明と接触した際に些細な誤解から愚かな争いを引き起こすことを危惧し、相手を理解できるようにならなければいけないと説くのです。機動兵器ガンダムを世界各地に無差別に武力介入させたのは世界共通の敵を作る為でした。これにより曲がりなりにも対立していた国々が手を携えて地球連邦政府樹立が叶いました。そして、意識共有を深めるGN粒子散布化で相互理解の図れるイノベーターが現れることをイオリアは期待していたのです。
劇場版 機動戦士ガンダム00(ダブルオー)A wakening of the Trailblazerの結末
ELSとの闘いから50年が経過した地球では、いよいよ「外宇宙」へと人類が旅に出る段階を迎えていました。専用宇宙船のクルーは従来の人類よりも長寿で、相互理解能力のあるイノベーター達で構成されています。その頃、地球上のとある場所にオルガンの音が響いていました。弾いているのは、マリナ・イスマイールという老女です。彼女は、戦いを世界から無くしたいと思う気持ちでは刹那と同じでしたが、その手法は違いました。マリナは対話で、刹那は武力だったのです。しかし、刹那は自分と正反対に位置するマリナに感化される部分がありました。それが、闘いを止めさせるガンダム、ダブルオークアンタ建造に繋がったのです。マリナは目を患っていて何も見えない状態になっていましたが、自分の名を呼ぶ刹那に気づきます。彼女には見えませんが、50年に渡る長旅を終えた刹那の姿は金属生命体ELSと融合したことを思わせるものでした。二人は手を取り合い互いの信条を尊重する言葉を発しあった後、「俺達は、私達は、わかりあえた」と言い抱擁します。花畑に降り立っていたダブルオークアンタの全身が色とりどりの花に包まれていくのでした。
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