薄桜記の紹介:1959年日本映画。五味康祐による連載小説の最初の映像化作品(1969年に映画としてリメイク。さらに1991年、2012年にはテレビドラマ化)。脚色を名匠・伊藤大輔が担当し、見事な構成にまとめ上げている。
監督:森一生 出演:市川雷蔵(丹下典膳)、勝新太郎(中山安兵衛)、真城千都世(千春)、三田登喜子(浪乃)、大和七海路(三重)、北原義郎(長尾竜之進)
映画「薄桜記」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「薄桜記」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
薄桜記の予告編 動画
映画「薄桜記」解説
この解説記事には映画「薄桜記」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
薄桜記のネタバレあらすじ:起
元禄7年2月11日、必死の形相で街道を駆け抜けていく侍がいました。名前は中山安兵衛。目指すは江戸郊外戸塚村の高田馬場です。その途中にすれ違ったのが、旗本の丹下典膳の一行。安兵衛の襷の締め方が甘いのが気にかかった典膳は彼の後を追い、高田馬場までいきます。そこでは伊予西条藩の菅野六郎左衛門一族と村上庄左衛門の一族が決闘をしていました。安兵衛は多勢に無勢の菅野を助けるために駆けつけたのでした。村上兄弟は典膳にとって知心流の同門であり、本来なら助太刀をするべき関係です。しかし老中の命によって旗本知行所の実情視察に赴く出立日でもあったため、あえて兄弟を見捨ててその場を立ち去ります。
薄桜記のネタバレあらすじ:承
その後、このことが仇となりました。典膳は兄弟弟子を見捨てたというので指弾され、師匠の知心斎から破門の憂き目にあいます。一方、浪人暮らしだった安兵衛の方はこの決闘ですっかり名を上げて、仕官の口があちこちから舞い込むことに。安兵衛はその中から上杉家を選ぶことにします。それは上杉家江戸家老千坂兵部の名代・長尾竜之進の妹・千春に一目惚れしたからでした。しかし千春には言い交わした相手がありました。それが丹下典膳だと知り、安兵衛は驚きます。結局、安兵衛は千春のことをあきらめ、決闘で手助けをしてくれた堀部弥兵衛の娘お幸の入婿となり、浅野家に仕えます。典膳は千春との祝言を終え、京都での用向きのため江戸を旅立ちます。その留守宅に夜陰に乗じて忍び込んだのが知心流の門弟5人です。彼らは千春を襲い、その貞操を奪います。彼らは弟子仲間を裏切った典膳が許せず、辱めを与えたかったのでした。
薄桜記のネタバレあらすじ:転
京都から帰った典膳に対し、千春は自分が凌辱されたこともいえず、陰気な顔を見せるだけです。やがて5人は「千春が安兵衛と密通している」という噂を流します。しかし安兵衛の性格を知っている典膳はそんな噂を信じません。やがて真相に薄々気づいた典膳は復讐を決意。まず長尾家に迷惑をかけないために千春を離縁することにするのですが、理由もなく妹を実家に帰すという行為に腹を立てた竜之進によって右腕を切り落とされます。典膳は必死に家に帰ったあと、米沢の白布の湯治場で傷を癒やすことに。その間に安兵衛が仕える浅野家では大変なことが起こっていました。浅野内匠頭が江戸城松の廊下で上杉家当主の吉良上野介を傷つけ、内匠頭は切腹、赤穂藩も取り潰しとなったのです。
薄桜記の結末
赤穂藩士の一部は仇討ちを決意し、吉良上野介の動向を伺うことになります。その一派の中には安兵衛もいました。吉良屋敷で茶会の催しがあると聞き、吉良邸に出入りする茶の師匠に接触しますが、それは何と千春でした。しかも彼女によれば、典膳も江戸に帰ってきていたのです。典膳は吉良邸の用心棒となっている仇の5人を付け狙いますが、居場所を付き止められ、逆襲を受けます。その戦いの最中に安兵衛も駆けつけて助太刀し、5人を斬りますが、結局典膳も千春も死を迎えます。やがて吉良邸討ち入りの夜、火事装束姿で雪の中を進んでゆく安兵衛。彼の死も間近に迫っていました。
以上、映画「薄桜記」のあらすじと結末でした。
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