淵に立つの紹介:2016年日本,フランス映画。平凡で穏やかな暮らしを送っていたごく普通の家庭が、ある前科者の男の出現を機に崩壊に向かっていく姿を二部構成で描いた衝撃のサスペンス映画です。
監督:深田晃司 出演者:浅野忠信(八坂草太郎)、筒井真理子(鈴岡章江)、古舘寛治(鈴岡利雄)、太賀(山上孝司)、三浦貴大(設楽篤)ほか
映画「淵に立つ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「淵に立つ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
淵に立つの予告編 動画
映画「淵に立つ」解説
この解説記事には映画「淵に立つ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
淵に立つのネタバレあらすじ:起
下町で小さな金属加工工場を営む鈴岡利雄(古舘寛治)は、妻の章江(筒井真理子)と10歳の娘・蛍(篠川桃音)との三人暮らしで、家族同士の会話はあまりないもののごく普通の穏やかな家庭を築いていました。章江は敬虔なクリスチャンで、時折我が身を犠牲にして子を守る母蜘蛛の話をしたりしていましたが、利雄は信仰に興味はない素振りをしていました。そんなある日、利雄の前に旧友である八坂(浅野忠信)という男がやってきました。かつて人を殺めた過去を持つ八坂は11年の刑期を終えて間もない身の上であり住む家もないことから、利雄は独断で自宅の一室を八坂に短期間だけ提供することにしました。章江は突然のことに戸惑いましたが、次第に八坂の誠実さと人柄の良さに好感をもち打ち解けていきます。
淵に立つのネタバレあらすじ:承
八坂は教会での演奏会のためオルガン練習に励む蛍にアドバイスを送り、次第に蛍の心をも掴んでいきました。すっかり一家に溶け込んだ八坂は一緒に河原にピクニックに出向いていたりしていました。そんなある日、八坂は章江に過去の罪を告白し、後悔していることを明かします。しかし章江にとってはより一層八坂への理解を深めることとなります。しかしある日、遂に八坂はヤクザ者の本性を現し、過酷な刑務所暮らしを送って来た自分と幸せな家庭を築いた利雄とを比べると、かねてから想いを寄せていた章江を犯そうとして拒否され、その怒りの矛先を蛍に向けて乱暴してしまいます。利雄が駆け付けた時には、既に八坂の姿はなく、そして二度と八坂が姿を現すことはありませんでした。
淵に立つのネタバレあらすじ:転
8年後。心身ともに傷付いた蛍(真広佳奈)は車椅子生活を送り、過剰なまでの潔癖症に陥っていた章江は娘の介護に専念する毎日を送っていました。利雄は探偵を雇って八坂の行方を追わせていましたが、何一つ有力な手掛かりは見つかりませんでした。そんなある日、利雄の工場では勤めていた工員の設楽(三浦貴大)が退職することになり、代わりとして山上孝司(太賀)という男を雇うことになりました。好青年の孝司は周囲から好意的に迎えられていましたが、ある日、孝司は利雄に、自分の実の父親は八坂であることを明かします。しかし孝司には父の記憶はなく、寝たきりの母と二人暮らしで、何か父の手掛かりを求めてこの工場に来たというのです。
淵に立つの結末
ある日、利雄は章江に、かつて自分は八坂の犯罪に加担していたことを明かします。八坂への復讐心に駆られた章江は孝司に、八坂の目の前であんたを殺してやると吠えますが、孝司は気が済むならと答えるのみでした。そんなある時、探偵から八坂と思われる人物が見つかったという連絡があり、利雄は一家と孝司を連れて地方の田舎町へ向かいますが、八坂と思われた人物は全くの別人でした。もはや心が完全に折れてしまった章江は、蛍を道連れに橋の上から川へ身を投げます。助けようとした孝司も溺れてしまい、利雄は何とか3人を助けますが既に手遅れでした。利雄は川の淵にただ一人取り残されていました。
この映画の感想を投稿する