蛇のひとの紹介:2010年日本映画。第2回WOWOシナリオ大賞受賞作。その人は出会った人をすこし不幸にする~人間の血と業、哀しいひとの物語。今までにない新しい展開。よくできた脚本と俳優陣の演技力。
監督:森淳一 出演:三辺陽子(永作博美)、今西由起夫(西島秀俊)、今西の幼なじみ(板尾創路)、島田剛(劇団ひとり)、田中一(田中圭)、里中(勝村政信)、柴田(河井)、のりこ(ふせえり)、里中の妻(佐津川愛美)、原田(北村有起哉)、原田の妻(奥貫薫)功太夫(河原崎建三)、今西の母(遠山景織子)、伊東部長(國村隼)、伊東牧子(石野真子)、陽子の婚約者(ムロツヨシ)
映画「蛇のひと」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「蛇のひと」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
蛇のひとの予告編 動画
映画「蛇のひと」解説
この解説記事には映画「蛇のひと」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
蛇のひとのネタバレあらすじ1
三辺陽子(永作博美)は商社営業部で事務を担当する独身OL。ある朝、出社すると会社では部長の伊東(國村隼)が自殺し、大混乱。こんな時に限って課長の今西(西島秀俊)とも、連絡が取れず、困惑しつつ対応に追われる三辺。まず、今西の自宅に向かいそこで隣に住む漫画家志望の島田剛(劇団ひとり)が通りかかり話を聞くと島田は、6年前、今西に励まされ、周囲の大反対を押し切り務めていた会社をやめ、漫画家という夢を追う道を選んだという・・。
蛇のひとのネタバレあらすじ2
部長の葬儀後、陽子は副社長に呼ばれ、今西が会社の金1億円を横領して姿を消した疑いがあり、その証拠を伊東部長に握られていたらしいと聞かされる。会社の幹部や同僚からも、三辺と今西は同じアラフォー同士、親しい関係にあると誤解され今西探しを命じられる.今西の机の中、手がかりはと探す三辺。今西が600万円キャッシュで支払ったという赤いスポーツカーの中の1枚の名刺から今西にふられて今西の友人と結婚し、DVにあって離婚した女性、柴田のりこ(ふせえり)。今西の言葉に従い、分不相応のマンションを購入し、ローンで疲れ果てている夫婦(勝村正信、佐津川愛美)。今西の仲裁で、愛人と妻(奥貫薫)と3人で住むことになった友人(北村有起哉).途中、会社側から三辺を見張るよう命じられた田中一(田中圭)と合流し、つぎつぎと話を訊いていった。
蛇のひとのネタバレあらすじ3
今西が関わると微妙に不幸になっていた田中は、今西はみんなが好きで悪気なく変な提案をしてしまうのではないかという。その言葉に納得がいかない顔の三辺。会社に戻ると、伊東部長の妻(石野真子)が、会社の金を横領したのは夫だったと謝罪と1億を返金に訪れていた。夫は、今西に劣等感を懐いており、横領の罪を今西に被せようとしたが、それに気づいた今西が部長宅にやってきて、夫を責めるでもなく、横領犯として姿を消すといい残して帰り、その後伊東は自殺したと妻から語られる。三辺は、今西由起夫夫は、賢くて、抜け目ないひとだと確信する。代々、義太夫をやっていた家が残っていると聞き大阪の実家を訪れる。そこで、今西の実の母親の面倒を見続ける幼馴染(板尾創路)に会う。ここから、今西の幼いころの回想のシーンにはいります。
蛇のひとのネタバレあらすじ4
儀太夫のお師匠さんで地元の名士だった今西の父芸の才能に恵まれた妾の子である今井と本妻の子で普通の才能の兄弟子でもある和夫。日々、兄弟子たちからのいじめにあう辛い日々。そのためか、ゆきおの語りも平凡になっていき、父の興味もゆきおから離れていく。そうなると兄弟子からのいじめも次第になくなっていく。ある日、口笛を吹きながら風呂掃除していると和夫から夜口笛吹いたら蛇が出る。邪悪なものがくるといわれると邪悪って僕ですよね、と子供らしからぬセリフで、和夫の心を開く。そして、和夫の初公演の日、和夫をだまして自分が舞台に立ち非凡な才能をみせつける。最高の語りを披露すると、幼馴染を連れ妾である母のもとへ。ショックを受けた和夫は、父や母、兄弟弟子を皆殺しにてしまう。お前のせいだと詰る幼馴染に動じることなく、こうなることは大体予想がついていたと何もかも計算し、仕向け、復讐を果たしたのでした。言葉で人を生かして殺す・・。口車に乗せること、自分の言葉一つで人を思うように生かして、そして殺す。それがたのしくて仕方なくなっていたのではないか。
蛇のひとのネタバレあらすじ5
そして幼馴染は言います。「ユキちゃんは、今西の家を恨んでつぶしたけど、皮肉なことにそうさせたのは誰でもなく濃い語りの血だったのだ」と。今西は今どこにいるのか。三辺は考えます。今までの今西との言葉のやり取りを。そして、今西が三辺の人生を変えてしまおうと考えるならと、今西のスポーツカーで、地方の工場経営者である婚約者(ムロツヨシ)のもとへ。そしてそこで、今西と再会します。「顔では笑って、腹の中では何考えているかわからない。病気や、一生治らへん」そういう今西。一緒に帰りましょうという三辺に人を殺してんねんぞ、また人を殺すかも知れないという今西。そして三辺は「私が見張ってます。ずっと。見張ってます。」と告白ともとれるセリフを言います。
蛇のひとの結末
一瞬、驚き、うれしいような困ったような間の後、奮い立たせるように「何それ監禁?おお怖っ」と、三辺のもとを去ります。死ぬつもりなのか、空を見ながら車のアクセルを踏み込む今西。海に落ちる寸前、ダッシュボードに三辺からの土産を発見し急ブレーキ。それは、幼い頃兄に捨てられてしまった万華鏡。師匠である父から唯一買ってもらった宝物だった。「そうや、俺はこれ探しててん・・・。」三辺は今西のいない元の生活に戻っていた。そして雑誌で新人賞を受賞したという島田の記事を発見する。「今西さんが唯一幸せにした人っていうことですよね?」という田中に 「違うよ。今西さんは関係ないよ。この人は自分で頑張ったんだよ。」すがすがしい表情で一歩一歩あるいていく。
以上、映画「蛇のひと」のあらすじと結末でした。
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