悼む人の紹介:2014年日本映画。天童荒太の直木賞受賞作を映画化。旅をしながら、人が亡くなった場所を歩き「誰に愛され、誰を愛したでしょう。どんなことで感謝されたでしょうか」と悼む青年の物語。
監督:堤幸彦 出演:高良健吾(坂築静人)、石田ゆり子(奈儀倖世)、井浦新(甲水朔也)、椎名桔平(蒔野抗太郎)、貫地谷しほり(坂築美汐)、麻生祐未(沼田響子)、大竹しのぶ(坂築巡子)、平田満(坂築鷹彦)ほか
映画「悼む人」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「悼む人」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
悼む人の予告編 動画
映画「悼む人」解説
この解説記事には映画「悼む人」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
悼む人のネタバレあらすじ:悼む人、記者、殺人犯、家族
静人は各地を巡って死者の人生を見つめ悼んでいました。蒔野は新人記者と、ある家を訪れました。子供が死亡事故にあった場所です。家のベルを鳴らしますが誰もいません。蒔野が去った後、静人がひざまずき死者を悼んでいました。裁判の席では動画が流れています。男が「殺します」とナイフを持ち、その様子を自分で撮影していました。助手席の女が殺されそうになっています。その女・倖世はウェイトレスとして働いていました。店長とホテルで関係を持ちますが、その横には死んだ夫、自分が殺した夫が立っていて、倖世に話かけます。店長に脅され殴られた倖世は、殺してくれ、と頼みます。静人は雪が残る土地で穴を掘り、骨を見つけました。静人は警察で事情聴取を終え、警察署から出てくると、蒔野がいて、喫茶店に連れていかれます。静人は「どうして殺されたのかには興味がない。悼むのに関係ないから」と言います。病院では巡子が入院していた病室に入り、元気をアピールしていました。まだ癌は治っていないが、在宅を選んだのです。巡子の夫は人と打ち明けない人でした。病院の車で家に帰ると、警察から静人の身元確認があったことを聞きます。妹の美汐は怒ります。美汐は妊娠していて、子の父である高久保と別れて子供を産む、と言います。
悼む人のネタバレあらすじ:現場での悼み
蒔野は暴力団員の殺人現場へ静人を連れて行きました。静人は警察や野次馬がいる中で悼みます。蒔野はその姿を写真に撮りました。静人は死んだ人の話をしますが、蒔野は信じません。二人は別れます。ある日、蒔野の元に女が面会に来ました。父親が死にそうだが、母の死は父が原因だと思い、蒔野は会いに行きません。甲水朔也が亡くなった現場で悼んでいると、倖世が来ました。静人は、甲水がどういう人だったか倖世に聞きます。倖世は死んだ甲水から「こいつに殺してもらえ」とささやかれます。
悼む人のネタバレあらすじ:静人の過去
実家には、高久保とその兄が来ていました。静人の行動理由がわからないと巡子は語ります。静人は医療機器メーカーに就職していましたが、親友が亡くなり、死にとりつかれるようになりました。会社を辞めて家に帰らなくなり、自分なりの悼み方を考えてきました。高久保の兄は結婚させられない、と言い、死産をするように求めます。しかし美汐は「高久保の子供はいない」と言い、産む決心を伝えます。
悼む人のネタバレあらすじ:倖世と共に
静人の悼み旅に倖世がついてきます。ある学校で悼んでいると、女が止めるよう言います。彼女は息子をそこで亡くした沼田響子で、静人たちを家に連れていきます。そして、静人がこの場所を知ったであろう記事は、ねつ造だったと言います。息子はいじめられて、同級生に殺されたが、警察が事故報告をして息子を悪者扱いした、ということでした。一緒に恨んで、と言われた静人でしたが「できない」と言います。恨むと犯罪が頭に残る、本人を覚えておきたい、と言います。静人の実家に蒔野が来ます。自分が作成した静人に関するホームページで、静人は「悼む人」と呼ばれていて、否定的な意見が多いと言います。巡子は「静人があなたにどう映ったのか」聞きます。そして倒れるも、帰るよう言います。静人は夫の暴力で死んだ女を悼んでいましたが、倖世に止められます。そして自分が夫を殺し、その夫はいつも隣にいる、と告白します。倖世は過去に警察官と結婚しましたが、自分の母親同様、DVを受けていました。母の骨を供養するために訪れたお寺で、甲水に出会います。甲水は倖世をシェルターに連れて行き、離婚させ、そして二人は結婚しました。しかし甲水は、自分を殺すように言います。そして倖世にそれを実行させるよう苦しめます。そして雨の日、車の中で動画を撮り、車外に出た倖世を脅し殺させようとします。倖世は甲水の気持ちが他の女に行かないよう、殺してしまいます。そして静人に自分を殺してほしい、と言います。蒔野は父の死が間近、という電話を受けていました。中学生の女の子と援助交際取引をしていた時、父の死を知り、ホテルの部屋を出ます。父の経営していた店に行くと、父が残したメモには「息子に会いたい、謝りたい」というものがありました。それを持って外を歩いていると、援助交際元締めの若い男たちに誘拐されます。大雨の日、廃車に身を隠していた静人は、倖世の夫と話したがります。甲水は「倖世をどうしたいか」聞いてきます。蒔野はリンチされ生き埋めにされました。自分を悼む静人の姿を見たとき、警察から助け出されました。大雨の日に歩いて怪我をした倖世を、静人は病院へ連れて行きます。その時に自分のホームページがあるのを見せられます。巡子と夫は、今治の海に来ていました。もう長くないと感じている巡子は、静人の味方でいてあげて、と言います。静人は病院で倖世に、昔母から言われた言葉を伝えます。そして「甲水さんはあなたに感謝している」と言います。そして甲水を悼みます。
悼む人の結末
ホームページには、母の具合が悪いから帰宅するよう、静人にあてたメッセージがありました。しかし静人はすぐに帰ろうとはしません。道中、倖世は具合が悪いから休む、と言って、静人と別れます。蒔野は事件で目が見えなくなっていました。静人の家に行き、巡子に自分の親のことを話します。美汐は隣の部屋でいつ陣痛がきてもおかしくない状態でした。巡子は蒔野の頭をなでて、蒔野は泣きます。倖世は「生きていては残れない」と思い、自殺しようとします。静人はそれを止め、倖世を抱きしめます。夜、倖世はトンネルの先に見える夫を静人と同じポーズで悼みます。朝、二人は別れます。倖世は旅をつづけ、静人は家に帰るためです。美汐は自宅で無事出産しました。巡子は隣の部屋で意識朦朧としながら今治の海の風景の中で赤ちゃんを見ます。そして静人が家に帰ってくるのを見たのです。
以上、悼む人 のあらすじと結末でした。
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