鍵泥棒のメソッドの紹介:2012年日本映画。堺と香川の掛け合いが面白く、Wヒロイン広末涼子と森口瑤子のやり取りが痛快なアクションコメディ。予想外の展開が繰り広げられ、一瞬も目が離せないストーリー展開を持つ作品。
監督:内田けんじ 出演:堺雅人(桜井武史)、香川照之(コンドウ/山崎信一郎)、広末涼子(水嶋香苗)、荒川良々(工藤純一)、森口瑤子(井上綾子)ほか
映画「鍵泥棒のメソッド」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「鍵泥棒のメソッド」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
鍵泥棒のメソッドの予告編 動画
映画「鍵泥棒のメソッド」解説
この解説記事には映画「鍵泥棒のメソッド」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
鍵泥棒のメソッドのネタバレあらすじ:起
まじめで実直な性格の水嶋香苗(広末涼子)は、34歳の若さで雑誌の編集長をしています。彼女の父親は病気療養中で、父親のために結婚を焦る香苗は、健康で努力家の男性との出会いを求めていました。
一方、35歳になっても定職に就かず、売れない貧乏役者を続ける桜井武史(堺雅人)。ある日、銭湯に行った武史は、風呂場で足を滑らし頭を強打して意識を失った山崎信一郎(香川照之)と遭遇します。倒れた信一郎の近くには脱衣場のロッカーの鍵が落ちており、武史はとっさに自分のロッカーの鍵とすり替えました。
その後、信一郎は救急隊員によって病院へと運ばれます。何も知らない救急隊員は、信一郎の近くにあった鍵を拾いロッカーの荷物を持って行きました。
風呂場から出た武史は、何食わぬ顔で信一郎のロッカーを開けて、彼の服に着替えます。そして、信一郎の車に乗り込み走り出す武史。信一郎の財布には大金が入っており、武史はこれまで借金をしていた友人たちをまわって金を返すと、信一郎が入院している病院を訪れました。
寝ている信一郎のベッドの横に、彼の服や車のキーをそっと置いて帰ろうとする武史でしたが、運悪く信一郎が目を覚ましてしまいます。「私の知り合いの方ですか?」と尋ねられて焦る武史。銭湯で頭を強打した信一郎は何も覚えておらず、武史はとっさに「私は銭湯であなたを見て、心配になって見に来ました…。」と、嘘をつくことにしました。
信一郎が倒れた時に救急隊員が運び出したロッカーの中身には、武史の服と彼宛の手紙があり、それを見た信一郎は自分が“桜井武史”だと思い込んでいました。
しばらくして退院した信一郎は、父親の見舞いに来ていた香苗と偶然出会い、車で家まで送ってもらうことになります。「自分がどこの誰だかわからない、記憶喪失なんです。」と打ち明ける信一郎。家まで送り届けた香苗ですが、信一郎が心配になり家の中まで彼の様子を見にやってきます。
古いアパートの一室はゴミと物が乱雑に入り乱れ、その中で途方に暮れる信一郎がいました。部屋を見渡した香苗は、物の中から一冊の台本を見つけます。信一郎が役者をしているのではないかと推測する香苗。
鍵泥棒のメソッドのネタバレあらすじ:承
その頃、武史は、信一郎の金を勝手に使ってしまったことを反省し、自殺しようと考えていました。そのために、信一郎の家で遺書を書き始める武史。しかしなかなかうまく遺書が書けず、ビデオに「自殺をしてお詫びします。」と残しました。
首をくくるためのロープを探すために部屋の物色を始めた武史は、クローゼットに変装道具や偽装の証明書が大量にあるのを発見します。そして、拳銃を見つけた武史は自殺しようとしました。
そこへ突然、信一郎の携帯が鳴り響きます。武史が電話に出ると、相手が「コンドウさんですか?」と尋ねます。ギャラを渡したいと言われた武史は、戸惑いながらも自分のアパートの郵便受けに入れるよう指定しました。
翌日、武史はアパートのポストへ金をとりに行きます。そこへ信一郎が偶然帰ってきました。何も知らない信一郎は、武史が自分を心配して来てくれたのだと思い、喜んで彼を家にあげることにしました。
そこへ香苗も来て、名前を聞かれた武史は自分のことを“コンドウ”と名乗ることにします。武史は逃げるようにアパートを出て、ポストに入っている金をとろうとしました。そこへ、電話をかけてきた暴力団員の工藤(荒川良々)の手下の男がやって来て、車に乗るよう指示します。
暴力団員の工藤(荒川良々)は、コンドウに社長の殺人を依頼していました。社長が亡くなり金が手に入る予定だった工藤ですが、金のありかがわからず、今度は社長の愛人だった井上綾子(森口瑤子)の殺人を依頼。「殺害後、金を渡します。」と約束された武史は、まずはコンドウが何者なのか探ることから始めました。
その頃、信一郎と香苗は二人でレストランにいました。真面目な信一郎に惹かれていく香苗。二人で一緒に演劇を見に行く仲となり、どんどん距離が縮まっていきます。信一郎は自分が役者を目指していたのだと思い込み、エキストラとして映画に参加するなどして充実した日々を過ごしていました。
そんな時、香苗は信一郎に逆プロポーズをします。最初は驚いた信一郎ですが、真剣な彼女を見て結婚を前提にお付き合いをすることにしました。
鍵泥棒のメソッドのネタバレあらすじ:転
週刊誌のコンドウの記事やネットの書き込みから、武史はコンドウが誰も正体を知らないプロの殺し屋だとわかります。武史は変装して綾子に会いに行くのですが、すぐに彼女に一目ぼれしてしまいます。
後日、武史は彼女の家まで行き、殺人依頼を受けたことを説明。逃げるよう忠告し、隠れ場所まで提供しました。しかし、彼女の家は盗聴されており、武史は工藤から「どういうつもりですか?」と脅されます。とっさに銃を取り出して逃げる武史。
一方、香苗の会社でアルバイトとして働き出し、劇団にも所属して充実した毎日を送っている信一郎に、香苗は結婚に向けてどんどんプランを進めようとします。しかし信一郎は「もう少しお付き合いを続けたうえで、結婚は考えるべきでは…」と伝えました。
そこへ、香苗の携帯がなります。病気療養中だった香苗の父が亡くなったとの連絡でした。香苗の父の葬儀に参列した信一郎は、そのあと香苗の家を訪れます。父との思い出のレコードを香苗がかけた瞬間、信一郎の記憶がすべて戻りました。
記憶を取り戻した信一郎は、自宅で武史を待ち構えます。そこへ何もしらない武史が帰ってきました。部屋にいる信一郎を見て驚く武史ですが、そこへ彼を尾行してきた工藤たちもやってきます。急いで隠れ部屋の隣室に移動する信一郎と武史。武史から事情を聞かされた信一郎は、コンドウ殺害の偽装計画を立てます。
武史のことをコンドウだと思っている工藤に殺害現場を見せつけ、コンドウが死んだと思わせる作戦です。そのために、入念に殺される芝居を練習する武史。
鍵泥棒のメソッドの結末
工藤を呼び出し偽装工作を行う現場に向かう車中で、武史は信一郎が殺し屋ではなくただの便利屋だと知ります。殺害された社長は、実は沖縄にいることも判明。誰も来ないような路地裏に工藤を呼び出したのですが、そこへ香苗がやってきます。そしてそこへ工藤もやって来て、偽装工作どころではなくなり3人は慌てて逃げ出すことにしました。
信一郎が実は便利屋だと知り、驚く香苗。信一郎は香苗の身にも危険が及ぶ可能性を心配して、一人で工藤に立ち向かうことにします。しかし運悪く工藤に捕まってしまい、そのことを知った武史と香苗は信一郎を助け出そうと考えます。武史と香苗は、綾子の隠れている団地へ行き、彼女を殺したように偽装することにしました。
しかし、一方の信一郎にも作戦がありました。「自分はコンドウの手下で、これからは工藤さんの下で働きたい。そのために自分がコンドウを殺す。」と、工藤と約束していました。
そして、工藤と信一郎が綾子の家にやってきます。部屋では血まみれの綾子が倒れており、武史は工藤の前で大芝居を打ちます。しかしすぐに見破られてしまい、八方塞がりとなる武史。金を回収したい工藤は、綾子に金のありかを尋ねますが、彼女は金のことなど全く知りません。
すると、香苗があることに気が付きました。綾子の家にある家具などはビンテージや高価な物が多く、それを売れば金になると提案。金が手に入ればいい工藤は、それらの道具を持ちだし売ることにしました。信一郎は、「自分がコンドウを殺します。」と工藤に持ち掛け、車に武史と香苗、そして綾子を乗せて走り出しました。
その後、綾子の家から家具を持ちだそうとする工藤ですが、信一郎が警察に通報していたために逮捕されてしまいます。すべてを知られてしまった信一郎は、香苗を送り届け別れを告げます。しかし香苗への芽生えた感情は抑えきれなくなり、香苗の家に車を走らせる信一郎。家の前にいた香苗と固く抱き合い、お互いの愛を確かめ合うのでした。
そして一方、自分のアパートに戻った武史にも、階下の猫好きの女性との恋の予感を感じさせたところでストーリーは幕を閉じるのでした。
以上、映画「鍵泥棒のメソッド」のあらすじと結末でした。
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