火宅の人の紹介：1986年日本映画。檀一雄が自らをモデルにした小説を深作欣二監督が映画化したもので、檀一雄の娘である檀ふみも出演しています。自由奔放に生きる作家と、彼を取り巻く3人の女性とのなれそめを、濃厚な性描写も交えて描いています。
監督：深作欣二 出演者：緒形拳（桂一雄）、いしだあゆみ（ヨリ子）、原田美枝子（矢島恵子）、松坂慶子（葉子）、檀ふみ（桂一雄の母）ほか
映画「火宅の人」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「火宅の人」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「火宅の人」解説
この解説記事には映画「火宅の人」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
火宅の人のネタバレあらすじ：起
作家の桂一雄（緒形拳）は、幼少だった大正の頃に父（石橋蓮司）から度々暴力を振るわれていた母（檀ふみ）が大学生と駆け落ちして自分の前から姿を消したという苦い過去がありました。その後、一雄は最初の妻と死別、新たにヨリ子（いしだあゆみ）と再婚します。一家は前妻との子・一郎（利根川龍二）をはじめ、ヨリ子との間にもうけた次郎（一柳信之）、弥太（大熊敏志）、フミ子（米沢由香）、サト子（岡村真美）と5人の子供がいました。太平洋戦争終戦から間もない頃、一雄は知人の紹介状を持って訪ねてきた女優志望の矢島恵子（原田美枝子）と出会います。恵子は一雄が紹介したバーで働きながら演劇の勉強に勤しみ、一雄は恵子に惹かれてはいたものの指一本すら触れることはできませんでした。
火宅の人のネタバレあらすじ：承
一雄の次男・次郎が日本脳炎を発症して入院、一命は取り留めたものの言葉と手足に麻痺が残ってしまい、ヨリ子は苦悩のあまり怪しげな宗教にのめり込んでしまいます。一雄は、かつての友人だった太宰治（岡田裕介）の文学碑の除幕式への出席を利用して、新劇女優になっていた恵子を伴って青森行きの列車に乗り、温泉宿で二人は結ばれます。このことを一雄から聞かされたヨリ子は家出してしまいます。一雄は家族を顧みずホテルで恵子と情事を重ね、一連の出来事を小説として執筆し始めます。数日後、ヨリ子が子供たちのためにと覚悟を決めて家に戻ってきました。
火宅の人のネタバレあらすじ：転
一雄はヨリ子と入れ替わりに家を出て、浅草にアパートを借りて恵子と同棲生活を始めました。ある日、二人の関係を快く思わない長男・一郎が二人のアパートに空き巣に入り、事情聴取に呼ばれた警察署で恵子とヨリ子は鉢合わせしてしまいます。騒動が落ち着いたと思ったその時、一雄は編集者の中島（下條アトム）から、恵子が怪しげな人物の寵愛を受けていると聞きつけ、激怒してわざわざ恵子が公演で滞在している京都にまで押しかけ、騒動の最中に怪我を負ってホステスの葉子（松坂慶子）に介抱されます。やがて恵子は一雄との子を身籠りますが、女優の仕事を優先して中絶したいと申し出ます。執筆活動で多忙を極めていた一雄は病院探しを断ると、恵子は怒ってアパートを出ていってしまいます。
火宅の人の結末
京都で負った怪我の影響で筆が持てない一雄は、ヨリ子に頼み込んで代筆してもらっていました。しばらくして、中絶した恵子が一雄の元に戻って来ますが、二人は激しい喧嘩をしてしまい、一雄は逃げるように東京を離れて長崎・五島列島に向かいます。島に向かう連絡船で、一雄は京都で世話になった葉子と再会します。葉子は五島列島の出身で、かつて養父（山谷初男）から性的虐待を受けたあげくに中絶させられた暗い過去を持っていました。一雄は葉子とあてのない旅に出て、旅先で肉体を重ねます。しかしクリスマスの日、交際相手から求婚されていた葉子は、一雄と別れて一人旅立っていきました。大晦日、東京に舞い戻った一雄を待っていたのは、次郎の死という知らせでした。それからしばらくして、公園で子供たちの遊びに付き添っている一雄に、ヨリ子は「私はあなたのことは何でもわかるんです」と意味深な笑みを浮かべました。
以上、映画「火宅の人」のあらすじと結末でした。
「火宅の人」感想・レビュー
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そういったことができるような、常識人ではなかったのでしょう。
芸能の世界を志す人は、どこか欠落しています。
一雄さんは、ホントに好きな人のことを大切にすべきです。先ず、妻が一番じゃないなら、別れてからに、してほしいです。