きいろいゾウの紹介:2012年日本映画。西加奈子原作の同名小説を映像化した今作は、過去に傷を持つ売れない小説家と、動物や植物の声を聞くことができる妻が、近所の住民らとのふれあいや過去の清算などを経て絆を深めていくストーリーです。
監督:廣木隆一 出演者:宮崎あおい(妻利愛子/ツマ)、向井理(武辜歩/ムコ)、濱田龍臣(大地)、リリー・フランキー(夏目)、緒川たまき(緑)、柄本明(アレチ)、ほか
映画「きいろいゾウ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「きいろいゾウ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
きいろいゾウの予告編 動画
映画「きいろいゾウ」解説
この解説記事には映画「きいろいゾウ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
きいろいゾウのネタバレあらすじ:起
背中に大きな鳥の刺青を持つ、売れない小説家の「ムコ」こと武辜歩(向井理)は、海に近い田舎町の介護施設の職員として働きながら、ある満月の日に出逢ってすぐ結婚した妻の「ツマ」こと妻利愛子(宮崎あおい)と暮らしています。
ツマは幼少期に病を患い入院生活を送った際に一冊の絵本「きいろいゾウ」と出会い、それから周りの動物や植物の声が聞こえるようになっていました。
ムコとツマは近所に住むアレチ(柄本明)と妻で認知症を患うセイカ(松原智恵子)ら地元の住民と交流しながら平穏でつつましい日々を過ごしていました。お互いに秘密を抱えながら・・・。
きいろいゾウのネタバレあらすじ:承
ある日、ムコとツマは二人は大地(濱田龍臣)という少年と出会います。不登校に陥りムコたちの近所に住む祖父を頼って来た大地は、やがてツマと親しくなり心を通わせ合います。
そんなある日、ムコ宛に差出人の書かれてない一通の緑色の封書が届きます。封書を見るなり中を見ることをためらうムコの姿にツマは次第に不信感を募らせていきます。
ムコは気分転換にツマを海へのドライブに誘うも、車中でツマは感情を爆発させ、ムコに辛く当たります。夜、ツマは家の庭のソテツに語りかけます。初めてムコと出会った日のこと、ムコへの想いなどを。
きいろいゾウのネタバレあらすじ:転
ムコは密かに日記をつけていました。ツマは隙を見てこっそり日記を盗み見しており、ムコもそれに気付いていたようで、やがて二人は日常の会話すら交わさなくなり、日記を通じてコミュニケーションを図るという状態に陥っていました。
ムコはかつて慕っていた叔母の自殺や、ツマと出会う前の恋人との別れを未だに引きずっていました。
ムコは手紙の差出人に会うため東京行きを決意、ツマには仕事で行くと伝えますが、ツマは無表情のまま突然台所の蛇口を思い切りひねり出し、止めようとするムコの手に食器を何度も何度も叩き付け、ムコの手が血に染まり苦痛を訴えても止めず叩き続けました。
きいろいゾウの結末
手紙の差出人は、ムコの昔の恋人・緑(緒川たまき)の現在の夫・夏目(リリーフランキー)からでした。緑はかつてムコの背中の刺青の元となった大きな鳥の絵を描いた人物で、ムコと別れた後に夏目と結婚するも、娘を失ってから精神を病むようになり、見かねた夏目は「妻を助けてください」とメッセージをしたためたのです。
ムコは過去と決別するため単身東京に向かいます。緑と再会を果たしたムコは背中の入れ墨を緑に見せます。緑は過去を思い出し、ようやく心の重りが取れて解放されるのです。
一方、家に残されたツマは、改めてムコが自分にとって大切な存在であることを再確認し、満月に向かってムコを返してくれるよう願います。その後、ツマは動物や植物の声を聞くことができなくなっていました。
数日後、ムコが我が家に帰って来ました。ツマは笑顔で愛する人を出迎えるのでした。
以上、映画「きいろいゾウ」のあらすじと結末でした。
ツマは私ではないか…と思ってしまうほどキャラクターが似ていて、とても親近感を覚えました。
女性は月のリズムで生きるものというとても大切なことがわかる作品です。
ムコさんが一時的に上京することで不安になるツマの心の深い部分にいつも心がざわつきます。
この心のざわつきは私に大切なことを教えてくれるので、何度もこの作品を見てしまいます。
見る度に新しい発見を教えてくれます。