君の名はの紹介:1953年日本映画。1952年~1954年にかけてNHKラジオにて放映されていた人気ラジオドラマを三部作として実写映画化した作品の第1作です。(新海誠監督の『君の名は。』(2016年公開)とは全く関係ありません)太平洋戦争の最中に偶然出会った男女の数奇な運命と許されざる愛を描きます。
監督:大庭秀雄 出演者:岸惠子(氏家真知子)、佐田啓二(後宮春樹)、淡島千景(石川綾)、月丘夢路(後宮悠起枝)、川喜多雄二(浜口勝則)ほか
映画「君の名は」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「君の名は」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「君の名は」解説
この解説記事には映画「君の名は」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
君の名はのネタバレあらすじ:起
1945年11月24日、佐渡島へ向かう連絡船のデッキに、氏家真知子(岸惠子)は物憂げな表情でたたずんでいました。そんな彼女を心配して、島の料亭「ひさご」で働いているという石川綾(淡島千景)という女性が声をかけてきました。真知子はやがて重い口を開き始めました…。
1945年5月24日、東京を大空襲が襲ったあの日、戦火を逃げ惑う真知子を助けた一人の男…後宮春樹(佐田啓二)がいました。数寄屋橋に落ち延びた二人は、自分たちが生き残ったということを強く実感するとともに、もし生き延びたならば半年後の11月24日、それでも会えなかったら1年後の5月24日にこの数寄屋橋で再会しようと誓い合いました。別れ際、春樹は真知子を呼び止め、「君の名は…」と問いかけたところ、鳴り響いた空襲警報に遮られてしまい、二人は互いに名を知らぬまま別れました。
君の名はのネタバレあらすじ:承
半年後の11月24日、春樹は約束通り数寄屋橋で真知子が来るのを待っていましたが、その日遂に真知子が現れることはありませんでした。春樹は売春婦摘発のために通りがかった警官に自分の勤め先である出版社「自由クラブ」の名前が入った名刺を渡し、もしこれから会う女性が現れたら渡してほしいと頼みましたが、肝心な女性の名前がわからないので警官も困惑の表情を浮かべました。時を同じくして、真知子は頑固な叔父の勘次(市川小太夫)に連れられ、縁談のため半ば強引に佐渡島に連れてこられていました。勘次はただ一度会っただけの見ず知らずの男との交際は認めず、浜口勝則(川喜多雄二)と言う男との結婚を勧めました。真知子は綾から本間朝彦(伊澤一郎)という人物を紹介され、「自由クラブ」の雑誌に一篇の詩「冬の夜、数寄屋橋のほとり…名も知らぬそなた…何処の人よ…」を寄せた後宮春樹という人物こそ5月24日に数寄屋橋で出会った男だと確信しました。
君の名はのネタバレあらすじ:転
真知子は浜口と共に東京に出ましたが、春樹は一足違いで故郷・鳥羽に帰っていました。真知子は興味津々の浜口と共に鳥羽まで出向きましたが、姉・悠起枝(月丘夢路)との再会を果たした春樹は1日違いで東京へ戻った後でした。戦争で夫を亡くした悠起枝は真知子のことを幸せそうだと羨ましがり、己の不幸を呪う発言をしました。そしてあの日から1年後の1946年5月24日、ようやく春樹は真知子と数寄屋橋で再会を果たし、初めて互いの名を名乗りましたが、真知子は既にこの翌日に浜口と結婚することが決まっていました。春樹は真知子の幸せを願ってその場を立ち去りました。2年後、出版社を辞めた春樹は偶然にも浜口が課長を勤める役所に勤務していました。どうしても春樹を忘れられない真知子は浜口との結婚生活は上手くいっておらず、姑の徳枝(市川春代)との関係も良好ではありませんでした。その頃、上京した綾は宴会の席で春樹に会い、真知子の現状を打ち明けていました。
君の名はの結末
浜口は真知子と春樹との関係を疑い、そんな春樹も上司である浜口とは反りが合わずにとうとう仕事を辞めてしまいました。真知子は夫の卑劣な仕打ちを詫びるため春樹の下宿を訪ねますが、春樹はそんな真知子に過去は忘れて他人同士になろうと切り出されました。その後、真知子は強い嫉妬心を抱く浜口や徳枝と口論となり、とうとう家を飛び出していきました。真知子は佐渡島へ向かい、春樹も綾に説得されて佐渡島へと向かいました。数日後、叔父夫妻の家に滞在していた真知子は浜口との離婚を決意していましたが、その時既に真知子のお腹には浜口との子が宿っていました。死を決意した真知子は断崖に架かった吊り橋の上に辿り着くと、そこに春樹が現れて真知子を強く抱きしめました。真知子は春樹に、あなたがいる限りは死ねないと言いながらも、子供が出来た今、自分の生きている限りは浜口と自分は太い鎖で繋がれているのだと辛い胸の内を明かしました。春樹は真知子に「君は生まれてくる子供のためにも浜口さんの元へ戻るべきだ…僕らはどうしても忘れていかなくちゃならないんだ…」と嗚咽を漏らしました。翌日、傷心の春樹はひとり佐渡島を離れました。(『君の名は 第二部』へ続く)
昭和の君の名は三部作をイッキ見しました!「自分の魂に嘘をついた事」により結婚生活や人間関係をこじらせにこじらせてゆく物語。嫉妬と執着、待てない心の弱さがテーマになっていて最後まで目が離せません。自分の心が生み出した嫉妬や執着を手放し、人々が苦しみから解放されてゆく様が心に響き、時を越えて愛される理由だと思いました。
白黒映画ながら東京、新潟、鳥羽や北海道に九州と壮大なロケと魅力あふれる役者さんが揃ってて飽きない。
とにかく主演の岸 惠子さんと佐田 啓二さんが美し過ぎます!
イッキ見して大満足しました。