キッチン・ストーリーの紹介：2003年ノルウェー,スウェーデン映画。キッチンに生活を観察しにやって来た調査員はいつしかそこに住むイザックと親交を深めていく。日常の些細なやり取りから始まるハートフルストーリー。
監督：ベント・ハーメル 出演：ヨアキム・カルメイヤー（イザック）、トマス・ノールシュトローム（フォルケ）、ビョルン・フローバルグ（グラント）、ほか
映画「キッチン・ストーリー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「キッチン・ストーリー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「キッチン・ストーリー」解説
この解説記事には映画「キッチン・ストーリー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
キッチン・ストーリーのネタバレあらすじ：研究対象は独身男性
スウェーデンの主婦の生活同線を研究していた博士は、ノルウェーとフィンランドで独身男性の生活同線の調査をすることに。なお、調査員はトレーラーハウスで寝泊まりし、会話などの干渉は一切禁止。被験者イザックこの調査に応募したことを後悔していて、担当する調査員は彼が家に入ることを許してくれず、上司や係り付けまでもが彼の家を訪れた。数日後、外に出たイザックはついで無言で扉を開けておいた。開始した調査では、キッチンの隅に入れた高い椅子から調査員がイザックを見下ろし、彼がキッチンの中で動く度に、調書に書き込んだ。
キッチン・ストーリーのネタバレあらすじ：無言の攻防
イザックは、ある日これ見よがしにチョコレートを調査員の前で食べた。そして、電気を消して再び座り食べ始めると、調査員はヘッドライトをつけて記録をつけた。後日、調査員はチョコレートを買い込みトレーラーの中で食べた。別の日、イザックがネズミの罠にチーズを仕掛けていると、調査員の咳に驚いて指を挟んでしまった。イザックはキッチンの天井に穴をあけ、自分を監視する調査員を上から監視することにした。わざと水が垂れるようにコックを緩めておいたり、キッチンでは料理をしなかったり、ここでは成果がないから被検者を変えられないかと調査員は上司に相談したが却下。代わりに叔母宛にニシンを送ってくれるように手紙を投函してもらった。
キッチン・ストーリーのネタバレあらすじ：些細なことからかかわりを始める二人
ある日昼ごはんのゆで卵に塩気がほしくなった調査員は、イザックのいないうちに塩をほんの少し拝借した。しかしもとに場所に戻しそこね、イザックに指差しで教えた。 ある日はおパイプの葉っぱを切らしたイザックに自分のたばこの葉を投げ渡すこともあった。そのお礼に、イザックはコーヒーを入れ、調査員は初めて「ありがとう」と言葉を交わした。 イザックは調査員のフォルケ用にスウェーデンのたばこを買ったり、パイプを吸いながら世間話をするようになり、椅子の上で眠ってしまったフォルケに上着を掛けるようになった。そんな二人の所へ上司がやってきて、被験者と酒を飲んでる調査員がいるので変わってほしいと頼んできた、フォルケは軌道に乗って来たのでこのまま調査をしたいと断った。そして問題の調査員は真夜中にフォルケのトレーラーを訪れ、お互い意見を交わさなければ意味がないと言った。そんな彼にフォルケは自分も被験者と話したと打ち明ける。 イザックとフォルケは、電話のベルを鳴らすが取らない理由や、電力の話、戦争中の話、歯の詰め物がラジオの電波をとらえる事、応募した理由など、様々なことを話した。そして、フォルケが風邪を引けば暖かな馬の上で寝かせ、その間にフォルケのノートに同線を描いた。
キッチン・ストーリーの結末：クリスマスの約束
フォルケの上司は、自分にノルウェーの調査を任せた博士がフィンランドでゆく英不明になるは、調査はかどらないわで焦っていた。そして、イザックの茶飲み友達のグラントは、イザックがフォルケの話ばかりすると医者に愚痴ると、医者はクリスマスまでに帰る奴だよと彼をなだめた。 フォルケは身上書で知っていたイザックの誕生日を自分のトレーラーに彼を呼び、二人は酒を飲み祝った。しかしその翌日上司がやってくる。キッチンのテーブルは飲み明かした後で、調査用の椅子にはイザックが眠っていた。上司がトレーラーにも見つからないと声をかけると、フォルケはイザックの寝室で寝ていた。そしてイザックはキッチンの天井に開けた穴の事をフォルケに打ち明けた。上司はフォルケも調査対象と交友関係を持っていた事を怒り、彼のノートを取り上げると、帰国処分にすると言って帰っていった。どのみち解雇なら、クリスマスもここで過ごすように話をしていた所、そこに上司がやってきて解雇を言い渡し、トレーラーをスウェーデンまで持って帰るように命令した。一度は従ったフォルケだったが、国境まで来ると、トレーラーを自分の車から外しイザックの元へ戻るべく車を走らせた。 一方、行方不明になっていた博士はフォルケの調査ノートを見ると、フォルケが調査対象に監視されていたという事を面白いと言った。フォルケがイザックの家へ戻ると救急車が止まっていて、グラントと医者がフォルケを彼の家へ迎える。春、電話のベルを聞き、グラントにコーヒーの用意をするフォルケの姿がその家にあった。
キッチン・ストーリーのレビュー・感想：たった一言が繋ぐ
調査員と被験者でしかなかった二人の間をとかしたのは「ありがとう」と言う、一言の言葉だという事が見ているとよくわかる。それまでは調査員をいかにして困らせよう言うイザックだったが、煙草とコーヒーというし好品のやり取りで、その壁は消える。話していた内容は世間話から戦争の話まで各種あるにせよ、たった人この「ありがとう」という言葉を境に二人の関係が変わったのは一目瞭然。
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