映画「世界一キライなあなたに」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
世界一キライなあなたにの紹介：2016年アメリカ映画。ジョジョ・モイーズの恋愛小説「ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日」を映画化。「尊厳死」「安楽死」という非常に重いテーマを扱っています。バイク事故で障害を負い、車いすでの生活となり生きる気力を失った青年実業家と、その介護のために雇われた女性との切ない恋の物語。
監督：テア・シャーロック 出演： エミリア・クラーク（ルイーザ・クラーク（ルー））、サム・クラフリン（ウィル・トレイナー）、ジャネット・マクティア（カミーラ・トレイナー）、チャールズ・ダンス（スティーブン・トレイナー）、ブレンダン・コイル（バーナード・クラーク）、ほか
この解説記事には映画「世界一キライなあなたに」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
主人公のルイーザは職を失った両親と家族を養うためにパン屋で働いていましたが、パン屋は潰れてしまい、新しい職を探すことになります。
職業案内所で障害者のお世話係という仕事を紹介されます。他の仕事に比べてとても良い時給の仕事でした。
早速、クライアントの家へ行きます。クライアントの家まお城でしたとても裕福でしたが、息子が事故に遭い障害者となっていました。彼はとても愛想が悪く、ルイーザにも冷たくあたり、10日間経っても心を開いてくれませんでした。
障害者の男性はウィルと言い、事故に遭ってから首から下が麻痺し、車椅子生活で全く外へ出ようとしませんでした。ルイーザは彼の気をひこうといろいろなってことを試みますが、全くなびいてくれません。
頭にきたルイーザは、彼に本音をぶちまけます。本当はファションの仕事に就きたいこと、でも家族のためにお金が必要なこと。
全部晒せ出してウィルにぶちまけると、彼は翌日から徐々に心を開いてくれるようになります。少しずつ外へも出るようになります。
いつしかウィルはルイーザに笑いかけるようになります。
ある日、ルイーザはウィルの両親が衝撃的な話をしているのを耳にします。実はウィルは死を望んでおり、スイスの安楽死の協会へ半年後に行くことを決めていました。母親は何とかそれを思いとどまらせようと、若いルイーザを雇ったのでした。
ルイーザシはウィルに生きてほしくて、彼に考え方を変えさせるために、楽しいこと、嬉しいこと、珍しいことを彼にたくさん経験させようと計画します。
ウィルはルイーザといろいろ経験して行くうちに元気を取り戻していきますが、外出をすると身体に負担がかかるようです。看護師からウィルは脊髄をやられており、治る見込みがないことを知らされます。
ルイーザは彼氏と上手くいかなくなったり、ウィルの病状に落ち込んだりしますが、ウィルの元彼女の結婚式にハメを外して出席したり、コンサートに行ったり楽しく過ごします。
やがて、2人は恋に落ちます。そして看護師の協力を得て、南の島へ2人は旅行に行きます。楽しい日々を送りますが、ルイーザはウィルから安楽死の意志は変わらないことを聞かされ、絶望の淵に落とされます。
ウィルは言います。「君のことを愛している。そして君を抱きしめたい。でもそれができない。君を縛り付けたくない。」と。
ルイーザは帰国すると、姉の胸のなかで泣きます。彼の心は変えられなかったと。ルイーザの母親は子供の自殺をほう助する親なんて信じられない、とこれ以上関わらないようにすることをルイーザに言います。
しかしルイーザの父親はスイスへ行くことを勧めます。既に安楽死するためにスイスに行っためにウィルの家族を追いかけます。施設のベットの横で、ウィルに寄り添うルイーザ。最後のキスをして、ウィルは旅立ってしまいます。
時は経ち、ルイーザはパリのカフェテラスでランチを食べています。手元には生前ウィルがルイーザにあてた手紙がありました。「君は新しい世界へ羽ばたくんだ。」と。ウィルは財産の一部をルイーザのパリでの留学のために残してくれたのでした。
ルイーザは悲しい気持ちを振り切り、心にウィルへの想いを秘めて、新しい夢へ歩き出すのでした。
以上、「世界一キライなあなたに」のあらすじと結末でした。
この、映画を見ると、心が、綺麗になります、毎日見てます、会いたいな、2人に、イギリスに、行きたい
「果敢に生きろ」
この言葉を、例えば自分の息子や娘にも言えるような、生き方をしたいと思いました。人生は長短ではないと思いますが、失って色々わかることもあると思います。若さや時間、あるいは境遇上の自由など。
それでも、少しでも果敢に生き、誰かに対して「果敢に生きろ」と伝えたいなと思わせてくれる映画でした。
もう少し命を長らえても良かったのでは
、奇跡が起こらないのでは希望はどこにあるの？
もう少し命を長らえても良かったのでは
、奇跡が起こらないのでは希望はどこにあるの？
ハッピーエンドで終わる映画が多い中、2人でお互い支え合って生きるのではなく、自殺を選んでしまう終わり方でしたが、単なるバッドエンドではなかったように思います。
結局2人は結ばれなかった、という最後があってもいいかな！
ですが、スイス行きをルイーザに告げるシーンでの「君を縛りたくない。いつか君が少しでも後悔するのを見たくない」というセリフがありますが、そう観客に思わせるような2人の深い愛を伝えるシーンが少なかったように思います。
もろに愛を表現できる “sex”ができないという縛りの中で、キスやハグしかできないわけですから難しいとは思います…。
南の島でもずっとベッタリというわけでもないし（ルイーザが本を読んでいてウィルは寝ている）
例えば、同じ椅子に寝っ転がり、くっていて楽しそうな話をしたりするとか、プライベートジェットでイギリスに帰るときも、対面に座って重苦しい雰囲気ってだけじゃなく、離れた席に座って悲しんだり、トイレで我慢できずに涙を流してしまう、みたいな表現の仕方でも良かったはず！
最後にちゃっかりお金ゲットできた！ラッキー！に捉えられかねないのが残念です…。
安楽死を扱う、とても重たい話しですが見てよかったです。
中身は、ある事故をきっかけに半身不随となり心を閉ざした男性をヒロインとなる女性が支え次第に二人は魅かれあい、恋愛に発展するというよくある話です。
しかし、面白いのはそこからです。最終的にハッピーエンドで終わりません。ハッピーエンドが大好きな私ですが、この映画に関してはこの終わり方で良かったように思います。涙が止まらず、切ない気持ちになりましたが、安楽死という重たいテーマをそのまま軽く終わらすのではなく、ズシッと心に残し、これが正解なのかずっと問いかけてくるような作品でした。