劇場版 MOZUの紹介:2015年日本映画。最愛の妻子を惨い殺され方で奪われた刑事、倉木尚武が家族の死の真相を知るべく最強の敵「ダルマ」に立ち向かう。逢坂剛のベストセラー小説を基にしたテレビドラマの劇場版。
監督:羽住英一郎 出演:西島秀俊(倉木尚武)、香川照之(大杉良太)、真木よう子(明星美希)、伊勢谷友介(高柳隆市)、松坂桃李(権藤剛)、長谷川博己(東和夫)、小日向文世(津城俊輔)、池松壮亮(新谷和彦)、伊藤淳史(鳴宮啓介)、大杉恵(杉咲花)、阿部力(村西悟)、ビートたけし(だるま【吉田こまお】)、マーシュ彩(えれな)
映画「劇場版 MOZU」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「劇場版 MOZU」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
劇場版 MOZUの予告編 動画
映画「劇場版 MOZU」解説
この解説記事には映画「劇場版 MOZU」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
劇場版 MOZUのネタバレあらすじ:起
冒頭で母と幼い娘が笑顔でクリスマスツリーの飾りつけをして微笑んでいます。そして彼女達と夫が写ったポラロイド写真が焼けただれていきました。その夫であった男は、妻子を失った公安部に所属する警察官、倉木尚武。ある日、東京銀座で起きた爆発テロ事件によって妻の千尋の死の真相を突き止めるべく、警視庁刑事部捜査一課官で今は探偵事務所を持つ大杉良太と協力します。爆破事件の現場にいた同じく公安部の巡査部長の明星美希は特別任務により、殺し屋の新谷和彦を追っていました。和彦はアイスピックを持つ殺人犯として有名でした。また、和彦の双子の弟、宏美も殺し屋です。夢の中に「ダルマ」という謎の男が現れるという都市伝説的な噂がありました。ダルマは多くの人が夢の中で目撃していて、彼の似顔絵を描かせるとスキンヘッドに左目に痣があるという共通点がみられました。大きな特徴からダルマは存在するのかどうなのかベールに包まれた人物でした。倉木の夢にもダルマは現れます。東京港区のトランスタワービルで爆死と発砲事件が発生しました。爆弾テロの犯人、権藤剛は散弾銃を持ち、大勢の人質をとって5億ドルという多額の身代金を政府に要求してきます。大混乱のなか、同じ事件のテロ組織の一味は、美波新橋にあるぺナム共和国の大使館者を襲撃し、中に乗っていた母娘を誘拐しようとします。そこへ偶々居合わせた倉木がテロ組織を倒し、親子を助けました。病院で救急車に乗せられた母は、娘を警察ではなく、何故か大使館へ連れて行くよう倉木に訴えます。倉木は意味が分からず、その娘、えれなを大杉に任せる事にして現場を後にしたのでした。
劇場版 MOZUのネタバレあらすじ:承
権藤はぺナム共和国の車を襲ったテロリスト達に連絡を取りますが、作戦失敗を知って人質を解放すると撤収を命じました。明星は監視カメラでぺナム大使館の車を襲うテロリストを退治したのが倉木だと知り、協力を頼みましたが彼は冷淡に断ります。明星の調べで倉木が助けた母娘の素性が明らかになります。16歳のえれなは知的障害を抱えているぺナム人の母と日本人の父との間に生まれたハーフの一人娘でした。大杉は路地裏に隠れていたえれなを発見し、自分の探偵事務所で保護する事にしました。えれなの障害は重く、日常会話が殆ど困難です。喃語を話し、唯一、彼女が言葉を発するのは、子守歌のような民謡を歌うだけでした。えれなの誘拐を邪魔した相手は「次の歯車」で、自分達の仲間になるだろうと権藤は聞かされていました。そして、爆破テロはおとりで、えれな母娘の誘拐が本来の目的でした。しかも、標的は母ではなく、えれなだったのです。消防庁に扮して警察病院に侵入した権藤は意識が朦朧としているえれなの母の命を無残に奪いました。大杉の高校生くらいの娘、恵。誕生日であるその日、父と待ち合わせをしていましたが、到着が遅いのでむくれていました。ある事件をきっかけに、親子の間には深い溝がありましたが、2人の関係は修復に向かっています。大杉は恵と携帯で連絡を取りながら事務所を後にします。大杉がえれなの事を部下だった警官に任せて事務所を出てから、入れ違った恵は事務所に一人で到着していました。そこへえれなを探している権藤が憧れている「宏美」になり済まして大杉の探偵事務所を襲います。大杉の部下達を残忍に殺し、既に他の場所に移されたえれなの代わりに恵を拉致して去っていったのでした。事件の事が気になり、上司の津城に問いただした倉木ですが、彼は深入りしないよう忠告します。また、津城は「我々はダルマにたどり着いた」と意味深な発言を残して倉木の元を去っていきました。恵が連れ去られた事を知った倉木は明星の身を案じて彼女の自宅に向かうと、かつて我が子の雫が残酷に命を奪われた時の状態と全く同じ状況を示す落書きが残されていて、倉木はフラッシュバックを起こします。そして、今回の事件が雫と妻の死の真相に深く繋がっている事を感じ、事件を追います。津城ともう一度話をしようと彼を訪ねた倉木は津城が自殺に見せかけて何者かに殺害された姿を目撃したのでした。今回の事件にもう一人関わっている犯人、高柳という男から事務所にいる鳴宮と倉木、大杉、倉木の後輩で明星の部下でもある、村西の元に連絡が入りました。高柳は「先生」と呼ばれるボスの元で働いていて、えれなを彼らに引き渡せば、恵と明星を解放すると伝えます。大杉は恵に何かしたら許さないと高柳に怒りをぶつけます。引き渡し先はえれなの母の故郷、ぺナム共和国でした。倉木と大杉、村西は保護しているえれなを連れてぺナム共和国へと向かいました。しかし、えれなは途中でマフィアに捕まり、何処かへ連れて行かれてしまいます。えれなの後を追いかける大杉と倉木。泣き叫ぶえれなに暴力を振るったマフィア達はえれなを一度、金髪のボスの元へ連れて行きます。そのボスやマフィア達は児童人身売買に関わっていました。障害のある10代のえれなを「高値で売れる」などと心無い事を言うボス。ふと、マフィアの一人が、えれなのうなじにバーコードの印がつけられていた事に気付き、慌てて彼女を大勢の子ども達の中に連れて行きました。その場所にいた他の子ども達もまた、うなじに故意によってバーコードをつけられていたのでした。倉木はアジトに辿り着いてえれなを連れて逃げたマフィアのボスと闘います。高柳と合流し、マフィアのボスを殺した彼は、倉木に「ダルマ」は存在すると言うのです。そして、ダルマの正体は吉田こまおという男であることを告げて去っていきました。こまおは戦時中、武器の商人として巨万の富を手に入れ、戦後は裏社会の人間を支配下に置きながら日本の首相を決められる程の権力の持ち主で、国外で数々の事件の深い関係者だったのです。そして、彼は表向きは死亡した事になっていますが、「ダルマ」として生存しながら悪事に手を染めていました。それで倉木達公安部も発見しにくい人物だったのです。その頃、大杉の娘、恵と明星は鎖のようなもので繋がれて監禁されていました。不意に現れた権藤が恵だけを無理やり連れて行き、現場に到着した大杉と再会させました。権藤は大杉に恵とえれなを好感して引き渡す事を要求してきます。大杉は渋々、条件を了承し、交換に応じます。しかし、娘を想う父である大杉は、良心の呵責から、えれなも助けようと、事前に彼女の服のベストに巻き付けた爆弾を爆発させるかもしれないと権藤達を脅します。そして、えれなに自分の元へ来るよう促すと、ベストを素早くとって投げます。爆弾が爆発し、2人の少女と大杉は助かりますが、簡単に怯まない権藤が大杉にアイスピックで襲い掛かります。そして、彼の目の前でえれなや恵の命を奪おうとしますが、そこへフードを被った男、和彦が現れて権藤と激しいバトルを繰り広げながら彼を突き落として殺します。権藤は東から宏美の真似をして犯行に及んでいると兄が制裁しに来ると言われ、兄の和彦を殺して「新谷宏美」の存在を美化しようとしていました。それで双子の兄である和彦と会えるのを心待ちにしていたのです。和彦のお陰でえれなと大杉親子は助かりました。
劇場版 MOZUのネタバレあらすじ:転
料理屋にて、倉木は自分達の行動が最初からばれている事、明星が誘拐された時に彼女が来客用のスリッパを出していた事から近しい人間が陰で動いている事を感じ取った倉木。村西を問い詰め、彼が組織からダルマによって送り込まれた事実を知って大乱闘となります。倉木は大杉に今回の事件が家族の死に関わっている事を伝え、単独行動に出ると言って彼と別れます。その後、倉木はわざと街中で発砲事件を起こして警察に捕らえるよう仕向けさせました。村西から倉木は衝撃の言葉を突き付けられます。「カッコウは自分の卵をモズの素に入れてモズに育てさせる。モズは何も知らず自分の子と思ってその小鳥を育てる!お前はモズだ」と。倉木と娘であるはずの雫の血液型は一致していないのです。倉木は走り出す車の中で、村西に暴行を受けながらダルマの元へ連れて行かれそうになりますが、東和夫という男が現れ、倉木が乗せられた車にロケットランチャーを仕掛けて爆破させて彼を助けます。傷だらけの倉木を面白がるように携帯で写真を撮った和夫はダルマの居場所を記録させたスマートフォンを倉木に渡して去っていきました。ダルマは90歳になろうとしている高齢で、体は呼吸器が取り付けられた寝たきりの状態で船の中にいました。高柳と再会した倉木は娘の雫の死の真相を言うようダルマこと、こまおを追い詰めます。こまおは倉木を「モズ」と呼び、娘に似ていないと挑発してきました。そして、雫は倉木の妻、千鶴をこまおの仲間「歯車」として利用する為に千鶴の目の前で娘を手にかけさせたのでした。幼い我が子を理不尽に奪われた千鶴は、夫である倉木の命も掛かっていると脅迫されていました。倉木は船を爆発させて船から去ります。
劇場版 MOZUの結末
無事、日本に帰国した大杉親子とえれな、倉木。えれなはぺナム共和国の大使館にて保護されますが、こまおと高柳はまだ生きていて、爆破事件が発生します。倉木は現場へ駆けつけてえれなを探しますが見当たりません。しかし、彼の前を素通りした救急隊の一人が何かが入ってくぐもった音がする不審なオレンジのバッグを抱えていたことに倉木は気付きません。倉木は明星と再会し、彼女も妹とその家族の命を狙われていて、歯車として利用されていた事実を打ち明けます。明星は倉木が暴走したら殺せと命じられていたのです。倉木は東と高柳、そしてこまおと再会します。こまおから妻、千鶴が「歯車」として働かされていた事や、あの爆破事件の後でえれなの臓器移植手術が進行してしまい、えれなは命を奪われた上に彼女の臓器がこまおに移植されたという残酷な事実を知ります。こまおは自分が生き続ける為に健康な子どもの臓器を必要としていて、他の子ども達の中でえれなが検査の結果、彼と適応していたのです。えれなや子ども達のうなじに無理やりつけられたであろうバーコードは「ダルマの子」としての証明だったのでした。その事を伝えてこまおは乱闘で傷ついて倒れた倉木を残し、ヘリに乗って東と共に去っていきました。ここでニュース速報の画面になり、ヘリが東京湾に脱落して身元不明の三人の遺体が発見されたと伝えられます。事件が解決し、明星と大杉がレストランでほろ酔い気分で食事をしながら倉木の到着を待っています。倉木は傷も治り、電話に出ると待ち合わせ場所へ向かう為、電話に出て歩き出すのでした。
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