永い言い訳(ながいいいわけ)の紹介:2016年日本映画。交通事故で他界した妻への悲しみを表せない小説家が、同じ事故で亡くなった妻の友人の遺族との交流を深める様を描く。これまでの「ゆれる」や「夢売るふたり」は人間関係が壊れていきながら、新たな道を模索する作品でしたが「永い言い訳」は壊れたところからはじまって、そこから新たな道を探します。というのも、今回の作品は2011年3月11日の震災で、突然家族を失ってしまった人達の後悔や、それを背負っていく人々の人生を描きたかったそうで、約1年かけて16mmフィルムで撮影したそうです。
監督・原作:西川美和 出演:本木雅弘(衣笠幸夫/津村啓)、竹原ピストル(大宮陽一)、藤田健心(大宮真平)、白鳥玉季(大宮灯)、深津絵里(衣笠夏子)、ほか
映画「永い言い訳」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「永い言い訳」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
永い言い訳の予告編 動画
映画「永い言い訳」解説
この解説記事には映画「永い言い訳」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
永い言い訳のネタバレあらすじ1:事故発生
人気作家の津村啓は自宅で妻に髪を切られていました。本名は衣笠幸夫。鉄人:衣笠祥夫と同姓同名で、本名を嫌っていました。夫婦生活は20年、もはやタレントと専属美容師の関係でした。夏子は片づけを頼み、高校時代の友達と山形の温泉へバス旅行に出かけました。その夜、幸夫は不倫をしていました。翌朝、バス事故の中継が流れています。幸夫はTVを消しますが、電話がかかってきました。内容は、夏子の死を告げるものでした。幸夫は、遺体の損傷が酷かったので、荼毘に付し、遺骨とともに帰りました。告別式では、「これから、誰に髪を切ってもらえばいいのでしょう?」と言って、お茶の間の涙を誘います。バス会社の謝罪会見は乱闘騒ぎになりました。でも幸夫は、冷静に遺族と、バス会社側の立場の意見をテレビカメラの前で語ります。その時、乱闘の原因になった男が話しかけてきます。「幸夫君だろ?」 握手を求めて泣きます。携帯番号を交換しました。帰ると、夏子の死に責任を感じた不倫相手が訪ねて来ました。でも、幸夫は不倫相手を押し倒しやるだけやって果てます。あきれた不倫相手に別れを告げられました。
永い言い訳のネタバレあらすじ2:アレルギー
出版社の花見で悪酔いし、今回の事故のことを書けと言った編集者を殴り倒します。その夜、電話がかかってきました。実は、幸夫と夏子、陽一と妻ゆきは同級生で幼馴染でした。幸夫はフランス料理店に招待します。ところが、長女の灯が、急に、吐きだします。アレルギ-です。陽一が灯を抱えて病院に走ります。その間、真平を幸夫が預かることになりました。食事後、マンションに向かいます。真平の宿題は幸夫でも分からない問題がありました。でも、真平は塾をやめると言っています。陽一の仕事は長距離トラックドライバーで週2日しか帰ってきません。幸夫は、留守番を引き受けることにしました。真平は塾に出かけ、灯は幸夫に懐かず、アニメを見始めます。幸夫はコンビニに行き、買ってきた弁当を食べ、真平の迎えに誘うと灯は承諾します。地域パトロールの女性2人に怪しまれますが、灯が「パパの従弟」とフォローしてくれました。
永い言い訳のネタバレあらすじ3:泣いてない
翌朝、灯はカレーを食べたがり、幸夫が炊飯します。カレーはレトルトなので、温めるだけです。食べ終わると、自転車に灯を乗せて保育園に送迎します。でも坂道は運動不足の幸夫には無理です。バス事故の遺族として、311の被災者と対談するという仕事が来たので、断りますが、それは、マネージャー岸本の口実でした。岸本「先生、一度でもちゃんと泣きましたか?」 誤魔化す幸夫は、事故現場にお参りに行く仕事を引き受けました。湖のほとりで、「天国の奥さんに何か一言」と言われ、暴言を吐いてしまいました。昨夜、復活した夏子のスマホで、幸夫宛てのメールに「もう愛していない。ダメかもしれない」と書かれていたからです。収録なので、岸本が止め、大宮一家との生活をつなぐことにしました。最後に妻ゆきを思い出して涙ぐむ陽一の姿を映して、「悲しみに耐え、新しい生活に挑もうとしています」と締めくくられました。数日後、真平がバスから降りず、寝ています。幸夫は灯を乗せたまま、自転車で追いつき、真平を起こします。泣きだす真平をなだめ、家に帰って話を聞くと、塾でのテストの点数が悪く、クラスも落ちたというのです。「お父さんに泣いたこと言わないで」と言われ「絶対言わない」と約束しました。
永い言い訳のネタバレあらすじ4:崩壊
4人で海に行きました。ふと陽一が言いました。「漸く、幸夫君が来てくれたのに、何でナッちゃんいないんだろう」幸夫は否定します。「あの人、子供嫌いだからムリ」 陽一「そんなことないよ」 幸夫「夏子の何を知ってるの?口出さないでくれる?」翌日、親子科学教室に参加しました。灯が、透明の液体にストローで息を吹きこみ、女性講師の液体は白く濁り、質問します。「なぜ濁ったのでしょう?」陽一が「ニンニク臭い息だったから」と答えて、会場では大うけでした。授業が終わり、真平は「何で二酸化炭素も知らないの?」と怒っています。陽一は、イタコに妻ゆきを呼び出してもらおうと言い出したので、「あのね。子供達は前向いて頑張っている。陽一君がいつまでもそれでどうするの?」「僕もいつまでも面倒見てられない。」女性講師が近づいてきました。幸夫のファンらしく、彼女も最近姉を失くし、こないだの番組で勇気づけられたと言われて「僕はまだ割り切れてないです。失礼します」といって、真平たちの方に走って行きました。陽一が、女性講師・鏑木を慰めていました。灯の6歳の誕生日パーティーにも鏑木はプレゼントを持って参加し、鍋も作ります。誕生日ケーキのローソクの火を灯が吹き消した時、陽一は「鏑木先生のご両親が経営する施設に灯を預かってもらおうと思うんだ」と言いだします。幸夫が「鏑木の両親は70代。老夫婦が送迎をするのは危ない」と言い出すと鏑木が「私が送迎します」といいますが、鏑木はそこに住んでいません。幸夫は邪推して「寝たんだ」「結婚したら、子供は邪魔」とか、散々嫌味を言って、出て行きました。陽一は幸夫を追いかけます。「俺はアンタと違うの。夏子が死んだ日。彼女のベッドで不倫してました。俺は彼女が死んでも泣けなかったんだよ。」陽一は何も言えませんでした。次の日から、放蕩生活です。当然、大宮家には通いません。陽一は携帯電話に残っていたゆきの留守電メッセージを消去しました。鏑木も通ってこないので、しわ寄せは全部、真平にきました。塾も通わず、灯の面倒を見ます。陽一が帰ってきても、寝るだけです。陽一が起きると、深夜3時半でした。部屋に行くと、真平はゲームをしていました。「早く寝ろ」という陽一に口答えします。真平「やったこともないくせに、口挟まないでよ」陽一は切れて、電源を抜き「親に対してそんな口の利き方があるか」と殴りました。真平「僕が塾を休んでいることも知らないくせに。母さんの代わりに父さんが事故ればよかったのに。」
永い言い訳の結末
陽一は居眠り運転で事故を起こしました。幸夫のもとに電話がかかってきました。大宮家に電話をかけると真平が出ました。「もしもし真平君、久しぶり。お父さんは無事だよ。
今からそっちに行くから。」真平「父さんが帰ってこない。」幸夫「大丈夫。一緒に迎えに行こう」翌朝、灯を鏑木の両親の施設に預けて、真平と一緒に列車に乗りました。幸夫「お父さんはお弁当を食べたら、眠くなって事故を起こしたんだ」 真平「僕、父さんが代わりに死ねばよかった…って言っちゃった。」 幸夫「お父さんは、君たちのことを深く愛し、心配してた。愛してくれる人を手放しちゃいけない。じゃないと僕みたいな人間になってしまう」病院に着くと、真平は陽一に謝ります。2人がトラックに乗って帰る様子を見守った幸夫は列車に乗り込んで、メモ帳に書きだします。「人生は他人だ」と。東京に帰ると、夏子の美容室を訪ねます。幸夫の髪は1年間で伸びまくってました。数か月後、「永い言い訳」の出版祝いパーティーで、中学生で丸坊主になった真平が挨拶します。幸夫は、灯からプレゼントをもらいました。大宮一家と楽しそうな夏子の写真です。幸夫の瞳から涙がこぼれました。翌日、夏子の遺品を整理し、ハサミを見つめます。部屋には、あの写真が飾られています。
以上、映画「永い言い訳」のあらすじと結末でした。
続いて、より詳細なネタバレあらすじを解説します。
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