日本の悲劇の紹介:2012年日本映画。2010年に東京で起こった年金不正受給事件をモチーフに、社会から見捨てられ追い詰められた父と子の葛藤を描いた社会派ドラマです。
監督:小林政広 出演者:仲代達矢(村井不二男)、北村一輝(村井義男)、寺島しのぶ(村井とも子)、大森暁美(村井良子)ほか
映画「日本の悲劇」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「日本の悲劇」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
日本の悲劇の予告編 動画
映画「日本の悲劇」解説
この解説記事には映画「日本の悲劇」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
日本の悲劇のネタバレあらすじ:起
元大工の村井不二男(仲代達矢)は、息子の義男(北村一輝)に付き添われて自宅に帰ってきました。不二男は肺癌を患っており、余命3ヶ月の宣告を受けていたのですが、治療を拒んで勝手に退院したのです。長年家族で囲んできた食卓の指定席に座った不二男は、これからは食事は採らず夜も寝ないと義男に告げます。この時、不二男はある決意を固めていましたが、知る由もない義男は好きにしろよと言いつつ、不二男の亡き妻・良子(大森暁美)の仏壇の傍に布団を敷いてあげるのでした。
日本の悲劇のネタバレあらすじ:承
実は不二男は、自分の死を隠し通して少しでも年金を息子のために残してあげようと考えたのです。不二男は部屋に閉じ籠もり、扉や窓に中から釘を打って誰も入れないようにし、自分が死んでも役所には死亡届は出さないよう命じます。不二男は義男の必死の説得にも応じず、もし開けたら自分の喉をノミで掻っ切るとまで言い放ちます。義男はかつては妻・とも子(寺島しのぶ)や子供と共に幸せな家庭を築いていましたが、数年前に会社をリストラされてから精神的に追い詰められ、自殺未遂を起こし、鬱病を患って精神病院へ入院していたのです。
日本の悲劇のネタバレあらすじ:転
義男は入院の事実をとも子に一切知らせず、とも子は1ヶ月もの間夫の消息を追っていたのですが、遂に諦めて離婚を決意します。その後とも子は我が子を連れて東北の実家に帰ったのですが、2011年の東日本大震災で津波に飲まれて死んでしまいます。やがて精神病院を退院した義男は実家へ舞い戻ってきたのですが、仕事も見つからず不二男の年金を頼りに暮らしていましたが、今度は不二男の妻・良子が病に倒れてしまいます。
日本の悲劇の結末
4年間に渡る介護生活の末に良子は亡くなり、それからというもの不二男と義男は毎日酒を飲んでばかりの日々を送っていました。義男は、父の前で「俺の人生何なんだよ」と愚痴をこぼし泣き崩れていました。
部屋に閉じ籠もった不二男は、やめてくれと頼む義男に「毎朝一度だけ、声をかけてくれればそれでいい」と言い、それから義男は毎日決して開くことのない部屋に向かって呼び掛け、父の生存を確かめる日々を過ごしました。ある日、義男は意を決して会社の面接を受けることになり、行ってくると部屋の父に声をかけて家を出て行きました。もう不二男の声は聞こえてきませんでした。
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