プラチナデータの紹介:2012年日本映画。東野圭吾の原作による「プラチナデータ」を元とする近未来ミステリー映画です。遺伝子によって犯人を特定し事件を解決するシステムが推進され、そのシステムに疑問をもち真相解明に乗り出す刑事の活躍と、システムの開発者でありながらそのシステムのために人生を翻弄された一人の男の悲哀を描いています。予想外に逃走劇が多く、それに伴うアクションが多いので驚かされハラハラしますが、しっかりと近未来ミステリーとしてのストーリーがあり、それに伴うテーマが、見るものに伝わるように制作されています。
監督:大友啓史 出演:二宮和成(神楽龍平/リュウ)、豊川悦司(浅間玲司)、杏(白鳥里沙)、生瀬勝久(志賀孝志)、鈴木保奈美(水上江利子)、水原希子(蓼科早樹)、遠藤要(戸倉稔)、ほか
映画「プラチナデータ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「プラチナデータ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
プラチナデータの予告編 動画
映画「プラチナデータ」解説
この解説記事には映画「プラチナデータ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
プラチナデータのネタバレあらすじ:プラチナデータ
近未来の日本では、犯人の残したわずかな証拠を元に遺伝子情報を分析し犯人を特定し、事件を解決するシステムが完成していました。実際に起きた事件でも、このシステムのお陰で真犯人を検挙できた事例がありました。しかしそのシステムについて以前から釈然としない思いを抱えていた刑事、浅間(豊川悦)がいました。システムの開発者である神楽(二宮和成)という男を訪ねた浅間は、自分たちが遺伝子を解析して特定した犯人を、あんたたちはただ捕まえれば良いと言われます。浅間は解析するために用いた遺伝子情報を持った国民のプラチナデータを、どうやって手に入れたのか?と反論しますが、もうすぐ法案が通り、全ての国民の遺伝子情報を管理することは合法になると言います。システムで分析した結果「NOT FOUND(該当者なし)」と出て、未解決事件も解決すると言います。
プラチナデータのネタバレあらすじ:神楽が犯人?
遺伝子情報が全てだと言う神楽に浅間は嫌悪感を抱きます。ある日、大学病院でプログラマーの蓼科早樹(水原希子)とその兄が何者かに殺される事件が起きます。蓼科兄妹は精神的な病気でしたが、天才的なプログラミング能力を持っており、遺伝子情報を解析するシステムも、彼らがプログラミングしたものでした。神楽は彼らと仕事をしており、週に何回がこの兄妹に会いに行っていました。捜査の結果、神楽の不審な行動が捜査の網に引っかかり、重要参考人としてマークされます。そんなことを知らない神楽は、兄妹の爪に残っていた犯人の皮膚片から遺伝子解析を始めます。しかし解析してみると、自分自身が特定されてしまいます。そこから神楽の逃亡劇が始まります。
プラチナデータのネタバレあらすじ:モーグル
警察とシステムの政治的責任者である志賀は、神楽を捕まえるべくシステムを駆使して神楽を追い詰めます。そんな中、同じシステム開発の同僚である白鳥は、なぜか神楽の逃亡を助けます。白鳥は蓼科兄妹が秘密裏に開発していた「真のプラチナデータ」を持つ、「モーグル」というプログラムを見つけ出してほしいと言います。神楽は「モーグル」を見つけるため、「真のプラチナデータ」とは何なのかを見極めるために行動します。一方、浅間は神楽の行動から神楽が本当の犯人とは考えにくいと思い、神楽の周辺を調査します。その結果、神楽は二重人格であり、蓼科兄妹の担当である水上教授の元に通っていたことが分かります。水上教授から、神楽にはもう一つの人格であるリュウという青年がおり、彼は神楽とは違って芸術肌で感情的であると言います。15年前に父親が自殺したことがショックで現れた人格だと言います。浅間はリュウが真犯人なのではないかと疑います。
プラチナデータのネタバレあらすじ:真のプラチナデータ
神楽の人格であるあるリュウと対面した浅間は、リュウが蓼科兄妹の妹である早樹に恋をしていたことを知り、リュウが犯人ではないと確信します。一方、白鳥は今回の事件に以前未解決で誰の遺伝子情報が分からなかった検体「NOT FOUND13(NF13 )」が絡んでいることを知り、その検体を研究所絡んで持ち出しますが、その帰りに何者かに殺されてしまいます。現場検証に立ち合った浅間は、この検体の遺伝子情報を持った人物こそが、犯人だと確信します。そしてこの検体を奪うことに成功します。更に蓼科兄妹が開発した「モーグル」もリュウの証言により見つけることが出来ます。この「モーグル」が持っている真のプラチナデータとは官僚、政治家、警察上層部たち本人とその家族の遺伝子情報でした。事件が起こりその犯人が彼らだったとしたら、「NOT FOUND」として解析されるようになっていたのでした。神楽と浅間は特権階級の者が犯罪者として特定されないように、システムが出来上がっていたことに驚愕します。
プラチナデータのネタバレあらすじ:真犯人
神楽と浅間は早速「モーグル」と真のプラチナデータを使って「NF13」を解析します。すると、真犯人は水上教授だと出たのでした。浅間が止めるにもかかわらず、水上教授に会いに神楽は飛び出していきます。浅間が追いついた時は神楽は水上教授を殺した後でした。神楽を事情聴取をすると、水上教授を殺したのはリュウであることが分かります。そしてリュウの方が神楽の肉体の最初の人格であり、神楽の方が父親自殺のショックで出現した人格であることが分かります。リュウは恋人を殺した水上教授を問い詰めました。すると、水上教授は究極の遺伝子情報主義者で、遺伝子情報が絶対であるという、理念を持っていたことが分かります。そしてその思いは、不完全な遺伝子情報を持つ人間を抹殺するという、危険な思想に至り殺人を犯していました。そのことを知った早樹は殺されてしまったのです。水上教授の危険な思想を止めるべく、リュウは教授を殺しました。彼の人格が神楽に戻ると、浅間はリュウのことを彼に伝えます。そして神楽は人の気持ちは遺伝子情報では分からないということが分かったと浅間に言い残し、警察へ連行されていくのでした。
以上、プラチナデータのあらすじと結末でした。
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