今夜、ロマンス劇場での紹介:2018年日本映画。映画監督を夢見ている青年の牧野健司。助監督として京映撮影所で忙しく走り回る毎日を送っています。そんな彼は通い慣れている古びた映画館ロマンス劇場で忘れ去られたモノクロ映画『お転婆姫と三獣士』のお姫様の美雪に思いを寄せています。雨が降り、雷が鳴っていたある夜、健司に奇跡が起きます。なんと今まで映画のスクリーン越しに見ていたお姫様の美雪が彼の前に飛び出してきたのです。お転婆でわがままは彼女に振り回されながらも、いつしか健司は美雪に恋をするのです。
監督:武内英樹 出演:綾瀬はるか(美雪)、坂口健太郎(牧野健司)、本田翼(成瀬塔子)、北村一輝(俊藤龍之介)、中尾明慶(山中伸太郎)、石橋杏奈(吉川天音)、ほか
映画「今夜、ロマンス劇場で」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「今夜、ロマンス劇場で」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
「今夜、ロマンス劇場で」の予告編 動画
映画「今夜、ロマンス劇場で」解説
この解説記事には映画「今夜、ロマンス劇場で」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
「今夜、ロマンス劇場で」のネタバレあらすじ:起
牧野健司(坂口健太郎)は映画監督を夢見ている青年です。助監督として毎日撮影所を右に左にと走り回っています。その日も健司は撮影所を忙しく走り回りますが、大スターの俊藤龍之介(北村一輝)にペンキをかけてしまいます。必死で謝る健司を俊藤は許すのでした。
まじめな映画青年の健司には想いを寄せている人がいます。その女性は誰からも忘れ去られてしまった古いモノクロ映画『お転婆姫と三獣士』に登場するお姫様の美雪(綾瀬はるか)です。健司は古びた映画館ロマンス劇場でその映画を何度も飽きることなく見ています。
今日もまたいつものように映画を見ていた健司に奇跡が起きたのです。雨が降り、雷が鳴ったかと思うと映画館は停電してしまいます。しばらくして再び映画館に電気が灯った瞬間、健司の前にはモノクロ映画から飛び出してきたお姫様の美雪がいたのでした。
「今夜、ロマンス劇場で」のネタバレあらすじ:承
手を差し伸べた健司に美雪は、床に転がっていたラムネのビンで健司の頭を殴ってしまいます。そして「今日からお前は私のしもべだ」と言い放つのでした。健司は美雪を自分が住んでいるアパートに連れていきます。
翌朝、映画の撮影が見たいと言い出した美雪を健司はリアカーに乗せて撮影所に連れて行くのです。その道中、モノクロの世界から飛び出してきた美雪にとって、色がある現実世界を見て無邪気にはしゃぐのです。撮影所のメイク室で化粧をして洋服を着た美雪を目にした健司はその美しさに心を奪われます。
しかし、お転婆な美雪は撮影所を歩き回っていきます。セットで使う風景ボードを勝手にペンキで塗ったり、撮影用のスモークが入った箱にダイナマイトを入れて爆発させたりします。そんな彼女の言動に健司は振り回され、撮影所のスタッフから殴られてしまう始末です。
「あなたと一緒にいると悪いことばかりです。僕につきまとわないで下さい」と言うのでした。
「今夜、ロマンス劇場で」のネタバレあらすじ:転
美雪に言い過ぎたと反省した健司は、そのことを彼女に伝えます。そして色をひとつずつ教えていきます。そんな2人は奇妙な共同生活をしていく中で、お互いに少しずつ惹かれ合っていきます。
そして健司が働く映画会社社長の成瀬正平は、娘の塔子(本田翼)から頼まれ、助監督たちに脚本を書かせます。実は塔子は健司に密かに想いを寄せていたのです。健司は美雪との日々を映画にしたいと思い、シナリオハンティングとしてあちこち出かけていくのです。健司は脚本が社長に認められて、映画監督としての道が開けていきます。
しかし、美雪には健司に言えないある秘密があったのです。蛍を見に行ったある夜、美雪は健司に秘密を打ち明けるのです。その秘密とは、映画の世界から現実世界に飛び出してきた代償として、人のぬくもりを知ったら消えてしまうというものでした。
そんな危険を承知の上で、美雪は現実の世界に飛び出してきたのです。それはずっと自分の映画を見てくれていた健司に会うためだったのです。
「今夜、ロマンス劇場で」の結末
好きな人に触れることができない美雪は、自分が健司にとってふさわしい相手ではないと思います。そこで、映画会社社長の娘である塔子に会い、健司と一緒になって欲しいと言うのです。
好きな人に触れたくても、それができない。それでも健司は美雪と一緒にいたいという思いを伝えます。やがて2人は結ばれます。決して触れることはできませんが、それでも2人は幸せな時間を過ごしていきます。
そんなある日、美雪の元にある一本の電話が入ります。健司が病気で病院に運ばれたのです。そんな彼に触れたくても触れることができない美雪。そんな彼女は最後のわがままで健司を抱きしめるのです。そして消えていってしまうのでした。
以上、映画『今夜、ロマンス劇場で』のあらすじと結末でした。
「今夜、ロマンス劇場で」感想・レビュー
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映画の中の人物が出て来て自分に寄り添ってくれたら、そんな風に思いますが、実際出て来たら、いろいろ大変です。
ましてや彼女は、モノクロ映画のお姫様。
モノクロのまま、リアルな世界にやってきます、でも青年は映画関係者で、映画の撮影所には、彼女の為の道具が沢山あって体にファンデーションを塗って普通の人のようになるし、洋服もあります。
メルヘンとリアルが入り混じった中で、青年とお姫様の生活が始まって、その生活が、つい微笑んでしまうようなそんな物語で幸せな気持ちになります。
青年が年をとってもお姫様は若いまま、加藤剛さんの最期の映画作品にもなったことかから、このラストのストーリーと重なって感じられます。 -
真実の愛とは何かを改めて考えさせられるお話でした。自分が思う愛を感じる瞬間は、やはり相手の温もりを肌で感じ取れたときです。そんな温もりが感じられないとしたらと思うと、もはや恐ろしいです。好きな人の肌に触れられるという、今ある幸せに感謝しようと思いました。
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めちゃくちゃ泣いたし、こんなに感動した自分に驚いた・・・綾瀬はるかさん扮する美雪が本当に美しくて、モノクロの世界から飛び出してくるんだけどもちろんモノクロでも美しいんだけど、色を纏った時の美しさは凄かった!ラストを勝手に自分で想像してたので、その斜め上をいく結末にかなりびっくりしたし、こういう愛の形もあるんだなぁ・・・とただただ感動。脇を固める役者さんたちも素晴らしく、終始笑わせてくれた北村一輝さんや映画館のオヤジ・柄本明さんの存在、映画全盛期の華やかな世界の舞台裏もとても丁寧に描写されていて本当に笑えて泣いて最後はそうきたかー!!という良い意味で裏切られたラストでした!素晴らしかったです!
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本当に顔がぐちゃぐちゃになるまで泣きました。綾瀬はるかも坂口健太郎もはまり役だったと思います。本田翼の大根役者っぷりが、綾瀬はるかの美しさ、女優としての力を更に引き立てているように感じました。起承転結の「転」からの展開が早く、涙なしでは見られませんでした。ここ数年の邦画ナンバーワンをつけたい、本当に良い映画でした。
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二人は触れると消えてしまうから、触れたくても触れれないその辛さがまた泣いてしまいました。
綾瀬はるかさんは、口が悪い不器用な人の役だけど二人の間には愛が溢れていてとても泣けました。今まで見た映画館の中で一番声を殺し号泣した作品でした。 -
又、観たいですね。
ヒロインの綾瀬はるかの衣装がどれも素敵で、ファッションショーのようです。はまり役でした。
色とりどりの映像も素晴らしく、心情ともマッチした表現、切ないけれど温もりも感じる心のあるストーリー。純愛に胸が打たれました。
終盤では涙が自然に溢れてきて、上映中何度も画面が滲みました。
大きなスクリーンでもう一度観たいと思い、思わず二度、劇場に足を運んでしまいました。
私の中でずっと記憶に残る、また観たいと思う映画です。