借りぐらしのアリエッティの紹介:2010年日本映画。スタジオジブリアニメ。小人のアリエッティは父と母の三人暮らし、人間の家の床下にひっそりと暮らしていた。しかし「決して人に姿を見られてはいけない」という掟が小人達にはあったのだ。夜になるとこっそりと人間の家に忍び込み、生活に必要な物を少しずつ借りていた。
監督:米林宏昌 出演者:アリエッティ(声)志田未来、ホミリー(声)大竹しのぶ、ポッド(声)三浦友和、スピラー(声)藤原竜也、翔(声)神木隆之介ほか
映画「借りぐらしのアリエッティ(詳解)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「借りぐらしのアリエッティ(詳解)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
借りぐらしのアリエッティの予告編 動画
映画「借りぐらしのアリエッティ(詳解)」解説
この解説記事には映画「借りぐらしのアリエッティ(詳解)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
借りぐらしのアリエッティのネタバレあらすじ:【小人の暮らす家】
心臓が生まれつき悪い翔は、海外で心臓の手術を受ける前の一週間を、療養の為に祖母の家で暮らす事になった。そこは自然に囲まれた大きな庭のある、古い建物だった。祖母の家に着いたその日、翔は飼いネコのミーヤがシソの葉が生えている場所で、何かを狙っているのを見つけ近づいてみる。そこで、慌てて姿を隠す小さな女の子の姿を見つける。少女の名前はアリエッティといい、何でも出来る頼りになる父ポッドと心配性の母ホミリーと共にこの家で暮らしていた。小人の家族はこの家から少ずつ生活に必要な物を、こっそりと借りてきて暮らしていた。しかし小人の数は昔に比べて減っており、人間に見つからない様に常に用心しながら生活をしていた。
借りぐらしのアリエッティのネタバレあらすじ:【初めての借りの日】
翔がこの家に来た日は丁度、アリエッティが初めてこの家で借りをする日だった。母のホミリーは反対するが、父はいつまでも自分達も生きていられないかも知れない、アリエッティにも借りの仕方を教えるべきだと言い、借りは決行される。借りは人間が寝静まった夜に行われる、この日の為に用意した赤いドレスに身を包み、小さな洗濯バサミで髪を束ねるとアリエッティは母の心配をよそに、勇んで借りへと出かける。父の作った通路を抜けると、そこは台所の茶箪笥の裏側へと続いていた。そこから見る景色は全てが大きく感じられ、冷蔵庫の音や水がしたたり落ちる音まで大きく聞こえる。父は両面テープを器用に使い、テーブルの足を登り角砂糖の場所まで行くと1つ手に取りアリエッティに合図する。それを見ていたアリエッティは、父に続き釣り針で作ったロープで下まで降りて行くと、角砂糖を父から受け取り小さなリュックに入れた。アリエッティが見つけた最初の物は「マチ針」だった、すると父が「初めての獲物だな」と褒めてくれる。
借りぐらしのアリエッティのネタバレあらすじ:【翔に見つかる】
次に必要なティッシュを借りる為に、翔の部屋へとやって来た父とアリエッティ、翔の部屋には人形の為の家ドールハウスがあり、アリエッティは「自分達に丁度いい物ばかり」と喜ぶが、父は「ここの物はダメだ、すぐにバレてしまう」と借りの注意点をアリエッティに教える。ティッシュを一枚抜き取るために、父と二人でティッシュの端を協力して引っ張り上げる。すると寝ていたと思っていた翔が目を開け、アリエッティの事を見ていた。慌ててティッシュの陰に隠れるが、翔がアリエッティに「君を昼間見たよ、母がこの家で小さい時小人を見たと話していた。その小人は君なのかな?」と話しかけてくる。アリエッティは驚いて、せっかく手に入れた角砂糖を床に落としてしまう。アリエッティは人間に見られていた事を父に謝り、心配性の母には内緒にする事にした。また、始めての借りが上手く行かなかった事に、酷く落ち込むアリエッティだった。
借りぐらしのアリエッティのネタバレあらすじ:【置かれた角砂糖】
翔はアリエッティが落としていった角砂糖と、手紙を一枚添えて床下の出入り口に置いた。それを見つけたアリエッティは、両親にその事を伝えると父は決して手を出してはいけないとアリエッティに行った。母のホミリーは「私たちをおびき寄せて捕まえる罠だ」と慌てふためき怯える。父は「借りはやめなければいけない、様子を少し見よう」と言う。しかし母は、住みやすい家を出なければいけなくなるかも知れないと落胆するった。アリエッティは、昼間人間に見つかった事、角砂糖を落してしまった事を酷く後悔していた。アリが食べ小さくなった角砂糖を拾い上げ、小さな紙に書かれていた「わすれもの」という文字を見てアリエッティは決心する。
借りぐらしのアリエッティのネタバレあらすじ:【翔と話をする】
借りの衣装に着替え気合を入れ、家のツタを登り翔がいる部屋へと登り始めた。小さくなった角砂糖を網戸の隙間から翔の部屋へと投げ入れ、立ち去ろうとするアリエッティに翔が話しかける。「待って行かないで、来てくれたの?」と翔が問うと、「もう、私たちに構わないで」とアリエッティは怒ったように言った。それだけを伝えに来たと言うアリエッティに翔は「君と話がしたい」と言う。しかしアリエッティは小人の掟通り、「人間は危険だから見つかれば、引っ越さなければいけないと父と母も言っている」と言うと、翔は「家族がいるんだ」と嬉しそうに言う。「名前はあるの?」と質問を続けてくる「もちろんあるわ、アリエッティよ」と自分の名前を教える。そして翔はアリエッティに「少しでいいから姿を見せて欲しい」と頼む。しかしアリエッティは断る、その時カラスが網戸を突き破り部屋へと侵入しようとする。カラスの羽ばたく風に飛ばされそうになるアリエッティを、翔は手に取り助ける。その時、お手伝いのハルが騒ぎに気づき入って来た為、アリエッティをとっさに隠す、その間にアリエッティは翔の手から逃げ家へと帰る。
借りぐらしのアリエッティのネタバレあらすじ:【新しい家を探す】
戻って来たアリエッティに父は「二度と近づくなと言ったはずだ」と叱る。しかしアリエッティは「自分で何とかしなければと思った、でも姿は見られていない」と言う。すると父は「お前は家族を危険にさらしているんだぞ、二度と関わるな」と厳しく諭す。ポッドはアリエッティの危険な行動や考えにより、妻のホミリーに「新しい家を探した方が良いかも知れない」と引っ越しを考えなければいけない事実を伝える。この家が気に入っていたホミリーは、がっくりと肩を落とした。
借りぐらしのアリエッティのネタバレあらすじ:【ドールハウスの話】
祖母に部屋に置いてあるドールハウスの話を聞くと、それは翔の母親の物だった事が分かった。しかし元々は祖母の父が小人建ちの為に、イギリスに注文して作らせたもった。祖母の父はこの家で、翔と同じようにこの家で小人を見ていた。小人達がいつか現れたら、ドールハウスをプレゼントしたいとずっと待っていたと言う。しかし祖母も祖母の父も、その後小人の見る事は二度となかった。祖母は「父から受け継いであなたで4代目になる、気にいったのならあなたにあげるわ」と翔に言った。そしてドールハウスについて詳しく教えてくれた。一階はリビングと書斎、奥にはトイレとお風呂もあり、全て本物の家具職人に作らせた物だった。しかし一番すごいのはキッチンだった、オーブンも電気を通せば本当に使用できる様に作られており、食器一つをとっても細かく作られてとても素敵だった。祖母は「このドールハウスに小人を住まわせてあげたかった、もうこの家には小人はいないのかしらね」と少し悲しげに言った。
借りぐらしのアリエッティのネタバレあらすじ:【小人のスピラー】
父は新しく暮らす家を探す為に出かけていた、なかなか帰ってこない父を心配していると裏口から父が帰って来た。その横には一人の小人の男の子が、足をくじいたポッドに肩を貸していた。小人は自分達しかもう残っていないと思っていた家族は、スピラーの存在を知り喜ぶ。ホミリーが「他にも仲間はいるのかしら?借りぐらしは私達だけになってしまったと思っていた」と尋ねる。スピラーは指を折り数えると「これだけいる」と、数が数えられないらしくめちゃくちゃな指の出し方をする。しかしそれでも他にまだ仲間が居る事を知ると、ホミリーは「従妹もきっといる」と期待に胸を躍らせる。スピラーはホミリーの食事を断り、こおろぎの足を見せ「これがあるから大丈夫」と言うと帰ると言う。スピラーを送りながらアリエッティは、スピラーに父を助けてくれた事を感謝し、「また遊びに来て」と告げる。スピラーは家の屋根までスルスルと登ると、ムササビの様にマントを広げて遠くへと飛んで行った。
借りぐらしのアリエッティのネタバレあらすじ:【翔からのプレゼント】
引っ越しの用意を黙々と進める母を見て、アリエッティは父に「私達ここを引っ越すの?」と問う。父は「人間に見られたら引っ越さなければいけない」と言うと「人間がみんな危険だとは思わない」とアリエッティが反論する。すると父は「昔この家にはもう2家族が住んで居た。1つの家族は行方が分からなくなり、もう一家族は引っ越ししていった。みんな人間に見られたからだ」と言って「我々は生き延びなければいけない」と真剣な表情で言い聞かせるようにアリエッティに言った。その時、家が大きく揺れてホミリーがいる台所の天井が剥がされた。古い台所は取り払われ、代わりにドールハウスの素敵な台所が置かれていた。そう翔がやった事だった、驚いたホミリーだったが「こんな台所が夢だったの」と言った。
借りぐらしのアリエッティのネタバレあらすじ:【急な引っ越しとアリエッティの姿】
翔が良かれと思って台所をプレゼントした事で、もはや安全には暮らせないと感じた父ポッドは急いでこの家を出る用意をする。アリエッティは、最後の別れを言う為に翔がいる水辺の傍へと来ていた。アリエッティの存在に気付いた翔が「台所は気に入ってくれた?」と聞く。「家はあなたのせいでめちゃくちゃよ。でも良いの、今日はお別れを言いに来た」と翔に告げる。翔はアリエッティに姿を見ても良いかと聞き、ゆっくりとアリエッティの姿を見ると「綺麗だね」と言う。そしてアリエッティは引っ越しの理由を翔に説明しだす。借り暮らしは人間には見つかってはいけない事、人間の家から気づかれない様に少しずつ必要な物を借りてきて暮らしている事、おじいちゃんの代からずっとそうしてきた事を話す。
借りぐらしのアリエッティのネタバレあらすじ:【滅びゆく種族】
翔はアリエッティ達が引っ越さなければいけなくなったのが、自分のせいだとようやく気づく。そして「この家には君の家族の他に、小さい人達はいるの?」と問いかける。アリエッティは「ここには居ない、でも他の家にはきっと居る、会ったのはまだ一人だけど」と翔に告げる。すると翔は「でもそのうち君だけになってしまうんだろうね。どんどん少なくなっているんでしょう?君たちは滅びゆく種族なんだよ」と残酷な言い方をする。アリエッティは怒って「そんな事ない、スピラーがまだ他にもまだ何人か居ると言いていた」とアリエッティが先日初めて会った同じ仲間の事を教える。しかし翔は「この世界にどれくらいの人が居るか知ってる?67億人だよ君達はもう何人かしか居ないんだよね?本で見た事しか事ないけど、これまでも多くの種族が地球の環境の変化に対応できずに絶滅してきた。君達もそういう運命の種族なんだ」と現実を突きつける。「運命ですってぇ!あなたが余計な事をしたから私達はここを出ていく事になったの、何としても生き延びなければいけないとお父さんも言ってた、だからこそ危険があっても新しい所へ行くの、そうやって私達の種族がどこかで工夫して暮らしている、あなた達が知らないだけ私達はそう簡単には滅びない」とアリエッティは強く言う。すると翔が謝り「本当は死ぬのは僕の方だ、心臓が悪く来週手術する、でも助かる見込みは少ない」と言う。自分が小さい頃から病気で何も出来なかったから、小さなアリエッティ達を助けてあげたいと思っていた。
借りぐらしのアリエッティのネタバレあらすじ:【ホミリーがハルに摑まる】
お手伝いのハルは以前から小人の話を知っていて、本当に居るのではないかと翔の行動から疑いを持つようになっていた。ドールハウスからキッチンが無くなっている事に気づくと、一階の物置の前にバールが置かれていたのを見つけ、物置を探ると床下の扉を見つける。その扉を開けると、ドールハウスのキッチンの前に居たホミリーを見つけ興奮する。そしてホミリーを摘み上げるとキッチンへ行き、逃げられない様に瓶に入れるとラップをし空気穴を開けると収納庫の奥へと隠す。そして翔の部屋に鍵を掛けると、害虫駆除の会社に電話をし床下にいる小さな何かを捕獲して欲しいと頼む。
借りぐらしのアリエッティのネタバレあらすじ:【ホミリーを探しに】
異変に気付いたアリエッティは、急いで家に帰るとキッチンにはお茶のこぼれたポットが落ちており、天井が少しずれている事に気づく。そして母が居ない事に気づくと、アリエッティは翔に助けを求める。部屋の外へ出ようするが鍵がかかっていて出られないと分かると、隣の部屋から出ようと試みる。しかし隣の窓にも鍵がかかっていたが、アリエッティが隙間から入り鍵を開ける。ハルの仕業だと分かっていた翔は、床下に置いたドールハウスのキッチンを木の茂みに隠すと、台所へと行きにアリエッティと共にホミリーを探す。そこへハルがやって来て、部屋に鍵をかけて閉じ込めた翔が居る事に驚くが、翔は知らん顔をし話をはぐらかす。その頃アリエッティは収納庫の奥で、瓶に入れられていたホミリーを見つけ助け出す。
借りぐらしのアリエッティのネタバレあらすじ:【愕然とするハル】
小人を見つけた事を家主である、翔の祖母に「泥棒の小人が居る」と説明し、床下を開けドールハウスのキッチンを見せる。しかしいち早く翔が持ちだしてドールハウスに元の場所へと返していたため、そこには何もない状態だった。ハルは愕然とし、しかし小人を捕まえたと今度はキッチンへと行き、瓶を見せるがこちらも逃げ出した後だった。ハルはドールハウスにキッチンが無い事を見せる為に、翔の部屋へと行くがそこにはちゃんとキッチンがあった為、ハルには何が何だか分からないといった様子で下へと降りて行った。すると祖母がドールハウスのキッチンでハーブの香りに気づき、「ハルさんは本当に泥棒小人の事を見たのね」と言った。すると翔が「泥棒なんかじゃありません、借りぐらしです」と言うとハッと気づき「いえ、僕も見たいです」と何も見ていなかった事にした。
借りぐらしのアリエッティのネタバレあらすじ:【家を出た小人達】
家を出たアリエッティ達は、スピラーとの待ち合わせ場所へと急いでいた。夜になり少し休憩を取る事にした、アリエッティは家族に対して申し訳ない気持ちでいっぱいだった。しかし父は「済んだ事だ」と言い、母も「また素敵な家を3人で作りましょう」とアリエッティを責める事は無かった。いたたまれなくなったアリエッティは外へと出ると、そこへ猫のミーヤがやって来た。しかしミーヤは襲うでもなく近づくと、アリエッティは何かを訴える様にミーヤを見てミーヤもアリエッティを見ていた。するとミーヤは分かったかの様に、一回目を閉じるとアリエッティの元を去って行った。翔の元へとやって来たミーヤが何か言いたげに翔を誘うように何度も振り返ると、何かに気づいたかの様に翔は走り出す。その頃スピラーの元へと辿り着いていたアリエッティ達は、水に浮かんだヤカンに荷物を詰め込み出発の準備が出来た。
借りぐらしのアリエッティの結末:【最後の別れと新しい旅立ち】
翔がミーヤの後を追いアリエッティがいる場所まで来るとアリエッティの名前を叫んだ。自分の名前を呼ぶ翔の声が聞こえたアリエッティは、翔に見える様に高い場所へと登った。アリエッティを見つけた翔が「ミーヤが教えてくれた、今度は受け取って欲しい」と角砂糖を渡す。アリエッティは素直にそれを受け取ると「手術はいつ?」と翔に尋ねた。「明後日、僕頑張るよ。君のおかげで生きる勇気が湧いてきた」と言う。するとアリエッティは自分の髪留めを翔に渡し「これを側に。守ってくれて嬉しかった、いつまでも元気でね」と言った。出発の時間が来て「さようなら」と言うアリエッティに翔は「君は僕の心臓の一部だ、ずっと忘れないよ」と言って別れる。そしてアリエッティ達は、川を下り次の借りぐらしの場所を求めて旅立つ。
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