聲の形(こえのかたち)の紹介:2016年日本映画。ガキ大将の石田将也はいつもクラスの中心となって、イタズラや危険な遊びをして毎日を過ごしていた。ある日、西宮硝子という女の子がクラスに転校してくる。硝子は自己紹介をする際に、スケッチブックを取り出し、自分は耳が聴こえないということを説明した。好奇心を抱いた将也は硝子に積極的に関わるようになる。そのうちエスカレートし、クラス全体を巻き込むようないじめへと発展してしまう。結果、クラスに馴染めない硝子はまた転校することに。それから5年後、高校生になった将也は小学生の時伝えられなかった想いを伝えるため、硝子に会いに行く。
監督:山田尚子 声の出演:入野自由(石田将也)、早見沙織(西宮硝子)、悠木碧(西宮結弦)、小野賢章(永束友宏)、松岡茉優(石田将也・小学生時代)ほか
映画「聲の形」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「聲の形」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
聲の形の予告編 動画
映画「聲の形」解説
この解説記事には映画「聲の形」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
聲の形のネタバレあらすじ:起
石田将也は退屈を何よりも嫌う、クラスのガキ大将的存在。色々なイタズラをして日々を過ごしていました。行き過ぎたイタズラをする将也に対し、周りの友達たちはだんだん抜けていくようになりました。退屈こそ自分の最大の敵だと考えていた将也は、このままでは退屈な日常に飲み込まれてしまう、負けてしまうと考えるようになっていました。そんなある日、将也のクラスに西宮硝子という女の子の転校生がやってきます。硝子はスケッチブックを取り出し、自分は耳が聴こえないため、このノートを通してみんなとコミュニケーションを取りたいと説明するのでした。最初はクラスのみんなも友好的に接していたものの、だんだん特別扱いをしなければならない硝子に対し、面倒臭さや疎ましさを感じるようになっていきました。さらに、硝子に優しくしようとした佐原みよこが偽善者などといじめられて不登校になってしまいました。その様子を見ていた将也は退屈をしのぐ最高の方法を見つけたと思うのです。執拗に硝子をかまい、池に硝子のノートを捨て、何度も補聴器を壊すなどしていじめるようになってしまったのです。その様子を面白がって見ていた子も、一歩引いたところで見ていた子もいましたが、特に止めに入るような子はおらず、いじめはどんどんエスカレートしていきます。高額な補聴器が何度も壊れてしまい、硝子の母親が学校に相談をします。そこで開かれた学級会ですべて将也の責任だということになってしまいます。将也の母、美也子は壊してしまった補聴器の総額170万を持参し、硝子の母、八重子の元へと謝りに行きます。そして、今度は逆に将也がいじめのターゲットに変わってしまいます。そのような中、硝子だけは将也に歩み寄ろうとしてきます。将也はそれが余計に悔しくて、硝子に手をあげてしまいます。今までおとなしくしてきた硝子でしたが、そのときは反抗し、取っ組み合いの喧嘩となります。ほどなくして、硝子はまた転校してクラスを去ってしまいました。
聲の形のネタバレあらすじ:承
硝子が転校しても、将也が再びクラスの中心的な存在に戻ることもなく時は流れていきました。誰ともコミュニケーションをとらず惨めで孤独な日々を過ごします。中学校に入学してもその状況は変わらず、自己否定をするようになった将也は人間不信も募っていき、次第に他人の顔に×マークが見えるようになっていきました。×のマークが顔全体を覆って誰が誰かも認識できず、まともに顔を見て話すこともできないまま将也は高校3年生になろうとしていました。そんな中将也は、硝子をいじめた後悔から手話を習っていました。将也は自殺を考えており、死ぬ前に硝子に謝罪しようと思っていたのです。手話教室で硝子と再会した際に、謝ったら死のうと考えていたのに、将也が手話で伝えた言葉は「友達になってくれ」ということでした。将也の手話に感動した硝子は快諾します。将也は自殺する前にもう1つ考えていたことがありました。それは母に肩代わりしてもらった補聴器代170万円を母に返すという事です。一生懸命バイト代を貯めてついに170万円を母親に返しますが、将也の母、美也子は将也に自殺願望があることを見抜いていました。こんなお金はいらないから絶対に死ぬなと、死ぬならこのお金は燃やすと将也を脅します。母親の必死な説得を受け、将也は自殺しないことを約束します。そしてある日、不良に絡まれているところを助けたことをきっかけに将也にも永束という初めての友達ができました。永束は非常に将也を好いてくれました。そんな中、将也が硝子に会いに手話教室にいったところ、ひとりの少年が会わせないように仕向けてきました。少年は硝子の彼氏だと言い張ります。しかし硝子は将也に気が付き、自分から近づいてきてくれました。二人が談笑していたところ、筆談ノートが川に落ちてしまい、将也が飛び込んで拾います。しかしその姿がネットに拡散されてしまい、将也は謹慎処分を受けてしまいます。謹慎中に姪の面倒をみていた将也は公園で偶然、また少年に会います。少年は家出中だったようなので家に連れて帰ることにしました。そこで二人は話をし、距離を詰めていきます。そして少年は実は女の子で、硝子の妹の結弦であるということも発覚しました。
聲の形のネタバレあらすじ:転
将也は硝子のために自分ができることはないかと考えていました。そこで、小学校時代、硝子をかばって不登校になってしまった佐原みよこと再会できないか、と考えます。そこで小学校からの同級生で現在も同じクラスの川井みきに佐原の学校を聞き、なんとか再会することができました。佐原と硝子は再会を喜んでいました。そして偶然にも、同じく小学校の同級生である植野直花にも遭遇します。植野は将也と硝子が一緒にいる姿をみて、ありえないと罵りました。植野は当時、将也ほどではないものの、一緒になって硝子に強く当たっているメンバーの一人でした。一方、将也への想いが芽生えていった硝子は好きと声に出して伝えます。しかし、将也は月と言っているように聞こえてしまい、伝えることが出来ませんでした。そんな中、先日の再会をきっかけに将也、硝子、結弦、永束、佐原、植野、川井、そして川井の友人の真柴を加えて遊園地に遊びに行くことになりました。遊園地では楽しく過ごせたものの、園内で将也の元悪ガキ仲間から将也をいじめるように一転した島田に会います。植野は将也と島田に仲直りしてほしかったと言いますが、将也としては切り離したい過去であり、植野にきつく当たってしまいます。将也のことが好きな植野は、そのこともあり八つ当たりで硝子にきつく当たってしまいます。次の日、将也は真柴から硝子をいじめていた過去を知っている旨を言われ、いじめは許せないと宣言されます。とっさに自分ひとりでいじめていたわけではないということを将也は言おうとし、川井に話をふると、将也が硝子をいじめていて自分は無関係だということをアピールされ泣き出してしまいました。クラスの視線に耐え切れなくなった将也は逃げ出し、そこに遊園地に遊びに行ったメンバー全員が集合します。結局互いを責め合い、責任を押し付け合い、将也は自分を慕ってくれていた永束にひどい言葉を放ち、再び友達を失ってしまいます。一方西宮家では硝子、結弦ともに大好きだった祖母が亡くなってしまい硝子も結弦もひどく悲しむのでした。
聲の形の結末
将也は、硝子と結弦の母、八重子の誕生日会に招待されます。最初は将也を警戒していた八重子でしたが、次第に心を入れ替えた将也を理解し、認めるようになります。そして夏には4人で花火大会に行きました。八重子と結弦は席をはずし、将也と硝子二人で花火を見ていました。突然、家に帰るといった硝子は将也にありがとうと伝えます。その後、結弦が戻ってきて、将也に家にカメラを取りに行ってくるようお願いします。すると、ベランダから硝子が飛び降りようとしていました。必死に硝子を助けましたが、反動で将也がベランダから落ちてしまいます。将也は水中に落ちたため一命はとりとめましたが、昏睡状態になってしまいました。病院では植野がつきっきりで将也を看ており、硝子や永束を病室にいれようとしません。とある夜、硝子は将也が死んでしまう夢をみて将也の病院へと向かいます。同じころ将也も目が覚め、病院を飛び出していました。道中で将也と硝子は出会い、改めて謝罪と生きることを手伝ってほしい、ということを硝子に伝えました。夏休みがおわり、将也は硝子を自分の学校の文化祭へ招待します。しかし、周りからの視線が怖い将也は怯えていました。そこへ、永束がやってきて将也へ泣きながら謝ってきます。永束と仲直りすると、川井と真柴もやってきて千羽鶴を渡されました。そして佐原と植野もやってきて、植野は相変わらず硝子に強く当たっていましたが、「バカ」と手話をし、植野の手話をみた硝子は笑顔で応じました。そしてこのメンバーで文化祭をまわることができ、将也は感動して泣いてしまいました。将也はようやく幸せになろうとしている自分を少し許すことができたような気がしました。
「聲の形」感想・レビュー
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周りがやっているからとどんどんエスカレートしていく、いじめの恐ろしさを感じました。
また、その負のオーラがどこでどう大きく膨らんでいくかわからない得体の知れない感じが上手く表現されていたと思います。
自分の過ちをずっと攻め続ける将也の言動に胸が苦しくなりましたが、最後の将也の笑顔で涙がぼろぼろ零れました。
心動かされる映画です。 -
この映画は友人に勧められたのですが、実をいうと勧められてすぐには観なかったのです。
でも観終わって思ったのは、もっと早く観ればよかった…。
これまでに3回観ましたが、何度でも観たくなる作品です。
内容は正直重いです。それでも観てよかった、そう思える作品なのです。
作画も素晴らしいですし、声優さんはすごいなと実感しました。
多くの方に観て欲しいと強く思います。 -
主人公に全くと言っていいほど共感出来なかった。これは硝子が優しかったからここまでになっただけであって、実際にこんな聖女みたいな人はなかなか居ないと思う。
虐めた相手に優しくできる人なんてなかなか居ないし、たまたま硝子だったからこそ上手くいったお話。
人は同じ目に遭わないと傷付けた人の気持ちなんて理解できないんだなあと改めて実感した。
でも一番のクズは将也の周りの奴ら。
直接手を下してないからって自分は悪くないと思ってる奴らの多いこと…そんなリアルさが忠実に再現されてました。 -
とても重い話ですね。泣きたくない方にはオススメしませんが見た方がいいと思います。
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私の小中学校時代は将也のようないじめっ子で、その後特にいじめられたわけではなく改心できたとはいえ、将也のように自己否定からくる×マークは、時折今でもあります。ですからこの作品を今日見て、心が動かされたというよりも心に何度も何度も刺さり、涙が止まりませんでした。
将也のように自分がいじめっ子だった当時の級友と再会することは一度もなく40年が経ちました。今私は、いじめのない笑顔の学級学校を目指して、過去の経験を大いに活かして、怖い先生として退職まで残り数年頑張っています。今日この作品に出会えて感謝の一言です。 -
思春期の子供の心の描写が上手いですね。まさに今時の子供って感じです。
ただ、現実として小学生でこんなイジメの状況になるかは疑問ではあります。 -
自分の過去を振り返させていただきました。とても酷かったです。
…………….語彙力無くて申し訳ございません。 -
きれいにまとめた感あるけど、現実には起こりえない願望を描いたんだと感じました。
実際にいじめにあったら、いじめた人に対して憎しみは消えないし信用することも出来ない。よく言う言葉ですが、心の傷は決して消えません。 -
噂で内容を知って、重いなと思い、見ないでいた。ストーリーが進むに連れしんどさが増した。イジメという象徵を題材に置きながらも、傷つき失った自分自身の心を癒やしながら少しづつ取り戻す作業を上手く描いた作品だと思う。
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感動しました
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私が初めて感動した映画が聲の形でした。何度観ていますがやはりいつ見ても感動します…
ストーリーが進むにつれしんどさがあります…
はじめは話題になった映画というだけで見始めたのですが、最終的にに涙が止まりませんでした。
将也の自己否定からくる×マークがとても悲しかったです。映画の中で将也は硝子ときちんと向き合おうとするけど、もし現実で話せない人がクラスに転校してきたら私はめんどくさいと思ってしまうかもしれない。この映画を見て感動はしたけれど当事者にならないと本当の意味で共感はできないのだなと思いました。でも障がい者の人について深く考えさせられる映画だと思いました。見て絶対損はないです。