ツナグの紹介:2012年日本映画。「ツナグ」とは死者とその縁ある者を1度だけ対面させる仲介人です。その「ツナグ」の見習いとしての歩美と師匠であり、祖母でもあるアイ子は3名からの依頼を受けます。1人目は母の死をめぐって家族との間に溝ができた男性、2人目は親友の死に対して聞きたいことがあるという女子高生、3人目は結婚の約束をした女性を探す男性です。歩美は見習いとして「ツナグ」の仕事をこなしていきますが、見習いから正式に「ツナグ」を継承する際、自分の父親の死について秘密を知ります。直木賞作家で辻村深月さんの小説を映画化した作品です。主人公に松坂桃李さん、祖母役に樹木希林さんが演じています。
監督:平川雄一朗 出演:松坂桃李(渋谷歩美)、樹木希林(渋谷アイ子)、佐藤隆太(土谷功一)、桐谷美玲(日向キラリ)、橋本愛(嵐美砂)、ほか
映画「ツナグ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ツナグ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ツナグの予告編 動画
映画「ツナグ」解説
この解説記事には映画「ツナグ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ツナグのネタバレあらすじ:起
「ツナグ」とは死者とその縁ある者を1度だけ対面させる仲介人のことです。小さい頃に両親が亡くなった高校生の歩美は「ツナグ」を正式に継承する前に見習いとして働き、師匠であり、祖母でもあるアイ子と2人で暮らしています。そんな歩美は祖母から「ツナグ」の仕事として1人の男性を案内するように言われます。依頼者である畠田は癌だった母の死をめぐり、告知しなかったことで家族との間に溝ができていました。歩美はルールとして死者に会えるのは夜の間のみ、死者が拒否した場合は会う機会はなくなることを伝え、月の出る夜に指定のホテルで待つよう伝えます。当日、ホテルに向かった畠田は歩美に部屋を聞き、母と会うことができました。畠田は母に自分の病気のことを知っていたのか尋ね、家族(特に息子)との関係がうまくいっていないことを相談すると、「自分は幸せだった、あなたの子どもなんだから見てあげなさい」と言われます。母との対面を終えた畠田は歩美にお礼をし、「何かあったら連絡してほしい」と名刺を渡すのでした。
ツナグのネタバレあらすじ:承
次の依頼者の嵐美砂は歩美と同じ高校に通う演劇部の高校生です。嵐は亡くなった親友の御園について悩んでいました。彼女達が所属する演劇部ではもうすぐ公演を控えており、その主役オーディションが行われる予定でした。そんな中、嵐は部室に行こうとした際、御園が「私には絶対に勝てない」と部員達に話しているのを聞いてしまいます。その後主役に御園が選ばれたことに嫉妬した嵐は帰り道の坂道で水道の蛇口を開けます。これは一緒に帰っていた御園が「道が凍っていたら危ない」といって水道の蛇口を閉めていたことを思い出したからでした。その後、自転車で帰った御園は交通事故で亡くなってしまいます。葬儀の際に御園の最後の言葉が「嵐、どうして」だったことを聞いた嵐は自分が殺したのではないかと悩み続けた末、歩美に「ツナグ」を依頼したのでした。畠田同様、御園に会うことができた嵐は謝罪するものの蛇口を開け、自分のせいであることを打ち明けられずにいました。歩美は御園が「道は凍っていなかった」と嵐にメッセージを伝えると、嵐は2度と会うことができない御園に対して泣き叫びながら後悔するのでした。
ツナグのネタバレあらすじ:転
次の依頼者は病院でアイ子が偶然会った男性・土谷功一でした。彼は7年前に失踪した婚約者を探してほしいと依頼します。しかし失踪した婚約者日向キラリは結婚報告のため、実家に帰るフェリー事故で亡くなっていたことがわかり、その上、土谷が知っていたキラリの本名や年齢もすべて嘘であったことが判明します。「ツナグ」の働きでキラリに会える機会のできた土谷ですが、彼女の死を受け入れることができず、待ち合わせ場所にきませんでした。土谷を探し出した歩美は「彼女には今日しかない」と説得し、2人を会わせます。キラリは自分の生い立ちや土谷と出会って幸せだったことを伝え、遺品を親に渡してほしいと土谷にお願いします。部屋に隠していた缶を開けるとデートで食べたポップコーンの紙や映画の半券が出てきました。キラリは土谷との思い出を大切に保管していたのでした。
ツナグの結末
「ツナグ」を継承する前にアイ子は歩美に「話しておくことがある」と伝えます。それは歩美の父親のことについてでした。「ツナグ」を継承する際には決まりがあります。それは家族の誰にも話してはいけないこと、「ツナグ」を継承の際に鏡を渡し、その鏡は誰にも見せてはいけないことでした。もし破った場合は鏡を見た者と「ツナグ」継承者は亡くなってしまうからです。一度「ツナグ」を譲った歩美の父親の行動を歩美の母親は不信に思っていました。そして鏡を見つけた母親はその鏡を見たため、父親と共に亡くなってしまったのです。そのことを悔やんでいたアイ子に対し、歩美は「きっと父は母に『ツナグ』を話していたと思う。ただ鏡をみたら死ぬことは言わなかったんじゃないか、おばあちゃんのせいではない」と話します。その後誰もいな浜辺でアイ子から歩美は「ツナグ」を継承するのでした。
久々に面白いと思える映画だった。
一生に一度だけ死者に会う事が出来るなら、自分だったら誰に会う為にその1回を使うだろうかと、見終わってからも真剣に考えてしまった。
小さなストーリーがいくつもあり、会えて良かったという感動ものばかりでは無く、会った事で一生後悔することになってしまった人物の物語も印象深かった。
キャストも良く、特に樹木希林さんの不思議な雰囲気がとてもハマっていて引き込まれました。