夜空はいつでも最高密度の青色だの紹介:2017年日本映画。詩人・最果タヒの同名詩集を映画化した作品で、東京を舞台に、昼は看護師・夜はガールズバーで働く女性と左目がほとんど見えない日雇い労働者、二人の孤独な男女の出会いと切ない恋を描いたラブストーリーです。2017年の第91回キネマ旬報ベスト・テンで日本映画1位を獲得しています。
監督:石井裕也 出演者:石橋静河(美香)、池松壮亮(慎二)、市川実日子(美香の母)、松田龍平(智之)、田中哲司(岩下)ほか
映画「夜空はいつでも最高密度の青色だ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「夜空はいつでも最高密度の青色だ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
夜空はいつでも最高密度の青色だの予告編 動画
映画「夜空はいつでも最高密度の青色だ」解説
この解説記事には映画「夜空はいつでも最高密度の青色だ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
夜空はいつでも最高密度の青色だのネタバレあらすじ:起
東京。美香(石橋静河)は昼間は看護師、夜はガールズバーでアルバイトの掛け持ちをして暮らしていました。一方、左目がほとんど見えない慎二(池松壮亮)は建設現場で日雇い労働者として働き、いつも先輩の智之(松田龍平)や岩下(田中哲司)、フィリピン人のアンドルス(ポール・マグサリン)らとつるんでいました。岩下は慢性的な腰痛を抱えて引退も検討しており、智之は首元に謎の古い傷跡がありました。アンドルスは故郷で借金を抱えているとの噂で、毎晩のようにアパートで同郷の友人らとともに近所迷惑も顧みず遊び惚けていました。ある夜、慎二は智之や岩下に誘われてガールズバーを訪れ、カウンターにいた美香と出会いました。
夜空はいつでも最高密度の青色だのネタバレあらすじ:承
智之はちゃっかり美香のメールアドレスを手に入れ、口説き落とそうとしました。数日後、慎二は偶然にも帰りの道で美香と遭遇、一言二言言葉を交わしました。そんなある日、仕事の休憩中だった智之は突然体調を崩し、そのまま帰らぬ人となりました。葬儀に参列した慎二は美香に「俺にできることがあればなんでも言ってくれ」と言いますが、美香は「死ねばいいのに」と突き放しました。ところがある日、腕に怪我を負い、病院に行った慎二は看護師として働く美香の姿を目撃しました。二人は休憩所で黙った煙草をふかしながら互いのメールアドレスを交換しました。その後、実家に一時帰省した美香は、彼氏と共に東京の大学に進学するという妹、母(市川実日子)の死因を教えようともしない父の姿にやりきれなさを感じ、夜の闇の中で一人涙を流していました。
夜空はいつでも最高密度の青色だのネタバレあらすじ:転
時を同じくして、慎二は夜空を見上げながら色んな事を考えていました。生活費、ガールズバーの料金、震災、海外でのテロ、社会問題…美香に「会いたい」とメールを送った慎二は二人で夜の新宿を歩きながら、たわいもない会話を続けるばかりでした。そんな時、慎二が手伝いをしていた隣人の老人(大西力)が亡くなり、慎二からその話を聞いた岩下は「幸か不幸か俺もお前も生きている」と言い、新しくできた彼女とデートのために走り去っていきました。その姿を見た慎二はたまらず美香の元に走り、男子禁制の女子寮で暮らす美香を慎二は夜通しで待ち続けました。慎二の頭の中には、路上で歌う無名の女性ストリートシンガー(野嵜好美)の歌う歌が自分への応援歌のように感じられていました。
夜空はいつでも最高密度の青色だの結末
慎二と美香は交際を始め、慎二は美香に髪飾りをプレゼントしました。遂に腰痛の限界を迎え、彼女にも振られた岩下は仕事を辞めることにし、慎二に「死ぬまで生きる」と言い残して去っていきました。アンドルスも仕事を辞めてフィリピンに帰ることになりました。美香の実家に挨拶に出向いた慎二は美香を自転車に乗せて田舎道をひた走り、互いに自分の弱い部分をさらけ出し合いました。東京に戻った二人の耳元に聞こえたのは、メジャーデビューが決まったあのストリートシンガーのデビュー曲でした。慎二のアパートで二人はテレビを見ながら不安定な社会情勢について語り合い、しかしながらも二人の間には微かに未来への希望が芽生え始めていました。
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