13月の女の子の紹介:2020年日本映画。2017年に初演され、2019年に再演された同名舞台を、舞台演出を手掛けた監督・戸田彬弘と脚本を手掛けた角畑良幸が続投して映画化したSFファンタジーです。『特命戦隊ゴーバスターズ』『ラブライブ!サンシャイン!!』の小宮有紗が本作で映画初主演を飾り、主人公と亡くなった親友の世界線を超えた純粋な友情を描きます。
監督:戸田彬弘 出演者:小宮有紗(穴森一穂)、秋本帆華(唐木田巫女)、萩原みのり(浮間莉音)、茜屋日海夏(辰巳涼子)、田野優花(青砥景)、北村優衣(一之江瑞希)、大森莉緒(和光望)、酒井萌衣(八坂百子)、磯原杏華(中神早苗)、長谷川かすみ(乃木真琴)、石川瑠華(奥沢ほのか)、愛菜(四ツ木まどか)、杉本愛莉鈴(蓮沼鈴)、小瀬田麻由(上町瑠衣)、今野杏南(三ノ輪由梨)、津田寛治(井上努)、中島由貴(穴森七海)ほか
映画「13月の女の子」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「13月の女の子」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
13月の女の子の予告編 動画
映画「13月の女の子」解説
この解説記事には映画「13月の女の子」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
13月の女の子のネタバレあらすじ:起
女子高生の穴森一穂(小宮有紗)は階段に腰掛けながら桜の絵を描いていました。そんな時、一穂の元に後ろからペットボトルが転がり、振り向くとそこには同級生の唐木田巫女(秋本帆華)が倒れていました。巫女は生まれつき心臓病を患っており、突然の発作を起こしてしまったのです。
元々引っ込み事案な性格から学校に馴染めずにいた一穂にとって、巫女は初めての友だちとなりました。一穂と巫女は美術室を秘密のたまり場とし、巫女は一穂のヌードデッサンを描き始めました。しかし、巫女の病状は悪化の一途をたどり、とうとう巫女は入院することとなりました。
巫女は一穂に、自分が元気になったら必ず絵を仕上げてプレゼントすると約束しましたが、果たせずに巫女はこの世を去ってしまいました。一穂と出会ってから半年後のことでした。
13月の女の子のネタバレあらすじ:承
一穂が悲しみに暮れていると、そこに一通の手紙が舞い込んできました。手紙には「唐木田巫女について話があります。明日の夜、あの部屋に来て」と書かれていました。翌日の夜、一穂は不審に思いながらも校舎に忍び込みました。
一穂の前に現れたのは謎の転校生・浮間莉音(萩原みのり)でした。莉音は、自分の正体は何と“唐木田巫女”だと名乗ってきました。にわかに信じられない一穂に、莉音は自分は先日死んだ巫女とは姿も名前も違うけれど“異なる世界線”からやってきた”唐木田巫女”だと説明し、一穂と巫女しか知りえないはずの話をして、どうにか納得してもらおうとしました。莉音の言い分を信じることにした一穂は、莉音がその世界線から来たのなら、その世界にも巫女がいるはずだと考えました。
一穂は巫女に会いたいあまり、莉音に自分もその世界線へ連れて行ってほしいと懇願しました。莉音は「思いの強さが行き先を決めるから」と謎の薬を渡しました。
薬を飲んだ一穂が目にしたのは、一見いつもと変わらぬかのような学校の景色でした。そんな時、一穂は近くを走っている女生徒の姿に何やら不穏なものを感じ、後を追ってみると、保健の先生・三ノ輪由梨(今野杏南)や生徒たちが変死を遂げたひとりの男を取り囲んでいました。
生徒たちは死んだ男の処遇について話し合っており、様子を確かめようとした一穂はなぜか生徒たちから“莉音”と呼ばれました。保健室で休むよう言われた一穂は鏡を見てみると、なぜか自分の顔はあの莉音の顔になっていました。校内の誰ひとりとして“穴森一穂”の存在を知らず、室内のカレンダーはなぜか“13月”となっていました。
13月の女の子のネタバレあらすじ:転
そんな時、莉音(一穂)は保健室のベッドから起き上がろうとしている人物の姿を発見しました。その人物こそが元の世界では死んだはずの巫女でした。莉音(一穂)は必至で自分は“穴森一穂”であり巫女の親友だったことを説明しましたが、巫女は当然一穂のことを知らず、目の前の一穂は普段あまり会話を交わしたことのない“浮間莉音”だと信じて疑いませんでした。
しかし、莉音(一穂)が巫女の心臓の病のことを話すと、誰にも病のことを伝えていなかった巫女の表情は一変しました。巫女は莉音(一穂)の話を信用することにし、この世界で今起こっていることを語り始めました。
この世界では大地震により数多くの犠牲者が出、生徒たちも多くが家族を失っていました。生き残った生徒たちはこの学校に残り、校内に残っている食糧で飢えをしのぎながらみんなで力を合わせて生き抜こうと決意したということです。校内の誰もが学校の外に行ったことはなく、誰も状況を知らないというのです。
噂によると外の世界は地獄であり、行った者は誰一人として帰ってこなかったということでした。しかし、校内の食糧も少なくなっており、校内の誰もが不安から互いに嫌悪な空気になりつつありました。巫女はこの世界にいるよりも元の世界に戻った方がいいと莉音(一穂)を諭しましたが、もはや巫女と離れるつもりのない莉音(一穂)は聞き入れませんでした。
やがて食糧も底を突き始め、このままでは餓死者が出かねない事態になりました。生徒たちは話し合いの末、誰か一人を外の世界に追いやることにしました。誰を行かせるかはそれぞれがこの学校に不要だと思う人物の名を記入しての投票で決めることにし、匿名や無記名はルール違反とみなすこととしました。
13月の女の子の結末
生徒の誰もが外の世界に行きたくなく、互いに腹の内を探り合いながら投票用紙に記入していきました。そして開票の時間となりました。
莉音(一穂)は「誰もいなくなってほしくない」とあえて誰の名も書かず、ルール違反として“浮間莉音”に2票が課せられることとなりました。巫女は自分は心臓病で誰の役にも立たないと思い、投票用紙に自らの名を記入していました。
投票の結果、外の世界に行くことになったのは3票を集めた中神沙苗(磯原杏華)でした。沙苗に最多票が行くよう仕組んだのは乃木真琴(長谷川かすみ)でした。沙苗が絶望するなか、真琴は未だに恋人が亡くなった現実を受け入れられないでいる四ツ木まどか(愛菜)にまで牙を向きました。
絶望したまどかは屋上から飛び降りようとし、莉音(一穂)と巫女は止めに向かいました。巫女はまどかに「私が目を閉じてまどかのもとに行くから。もし私がまどかを捕まえられずそのまま落ちたら、その後は好きにしていい。けれど掴められたら生きよう」と声をかけ、まどかの元へ駆け寄るとその手を掴みました。同級生たちもまどかの元に駆け付け、彼女を慰めました。
その時、巫女は心臓の発作を起こして倒れてしまいました。しかも心臓の薬は既に使い果たしており、莉音(一穂)は「もう二度と巫女を失いたくない」をいう一心でこの世界に行くために飲んだ薬を巫女に飲ませました…。
…場面はいつしか冒頭の桜の季節に戻っていました。あの時と同じように桜の絵を描く一穂の足元に、あの時と同じようにペットボトルが転がり落ちてきました。
以上、映画「13月の女の子」のあらすじと結末でした。
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