3人の信長の紹介:2019年日本映画。主君今川義元の憎っくき敵である織田信長を捉えた元今川軍の侍たち。しかし捉えた信長が3人いた?もし影武者を撃とうものならいい笑い者になってしまう、あの手この手で本物を炙り出そうとしますがどの信長も我こそが本物と引かない姿勢を見せる。
監督:渡辺啓 出演:TAKAHIRO(信長・甲)、市原隼人(信長・乙)、岡田義徳(信長・丙)、相島一之(瀬名信輝)、前田公輝(半兵衛)、坂東希(朽木ハル)、高嶋政宏(蒲原氏徳)、ほか
映画「3人の信長」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「3人の信長」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
3人の信長の予告編 動画
映画「3人の信長」解説
この解説記事には映画「3人の信長」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
3人の信長のネタバレあらすじ:起
元禄13年、金ヶ崎の戦いの敗戦により敗走を始めた織田信長。憎きその首を取ろうと、10年前の桶狭間の戦いで破れた元今川軍の残党である蒲原氏徳(高嶋政宏)は、この機を逃さず信長を捕らえる事に成功しました。
しかし、捕らえた信長は何と3人もいたのです。3人のうち1人は本物で、2人は影武者。それは確実なのですが3人とも疑いようがないほど信長であって、見分けが付きません。亡き義元の墓前に影武者の首を捧げては末代までの恥となり、それだけは避けないといけません。そのため何としても本物を見つけなければなりませんでした。
3人全員が自分が信長だと言っています。見分けがつかないので、中でも1番の知性を見せている信長を甲(TAKAHIRO)、威厳はあるものの少し天然な面を見せる信長を乙(市原隼人)、1番のうつけ者に見える信長を丙(岡田義徳)と分かりやすくしたのです。
どちらの信長も本物だと話すため仲違いを始めそうになりますが、互いに協力しあい、この場を乗り切る事にしました。
3人の信長のネタバレあらすじ:承
過去の記憶を辿り、どうにか本物を見極めようとしますが、どれも決め手に欠けてしまい結局は分かりません。水責めや虫食いなど、あらゆる方法を試してみますが、決め手には至りませんでした。
そんな中、蒲原は信長の部下だった兵を捕らえ、ひとまずは乙の前で暴行を始めます。乙は部下を助けたい思いから、自分は偽物だと自供してしまいました。蒲原は甲と丙にも同じ事をしようと試みますが、兵は自害してしまい、せっかくの手がかりを失ってしまいます。
本物の信長を知る家臣が見つかったとの知らせが入り、いまだ曖昧なまま信長たちの尋問はひとまずは中止となります。
度々信長たちの様子を見に来ていた農村一帯をおさめる朽木元春の妻ハル(坂東希)に、信長たちは少しずつ真実を語り始めます。乙も甲も農村の出身で、信長に救われた事で信長に深い感銘を受け影武者になることを決めたのです。自らの身の上を話した甲は、信長に土地を追われた恨みを持つハルにそれを承知で助けてくれるよう懇願しました。
そこに、丙が自らの夢を語り始めます。貧富の差のない全てが平等に生きる事のできる平和な世界、丙こそが本物の信長だったのです。ハルは何も言えずにその場を立ち去りました。
3人の信長のネタバレあらすじ:転
甲と丙がいる牢屋に、乙の話や甲や丙の話を聞いて、信長という人間に心惹かれた者が現れました。半兵衛(前田公輝)です。半兵衛は甲と丙に牢屋の鍵を渡します。甲と丙が脱走した事で騒然となりました。
いよいよ仕方がないと強硬手段に出る蒲原、乙の妻と子を連れ出し、本物の信長を告げよと言います。泣きながら許しを請う乙。そこに甲が我慢出来ずに出てきてしまいます。さらに今川義元の元家臣である瀬名(相島一之)が現れ、信長の猫アレルギーの話をします。さすがにアレルギーは誤魔化しきれず、これにより丙が信長だということが分かってしまいました。
甲も乙も、さすがにもう無理だと覚悟しますが、そこに半兵衛が本物の信長を知る家臣を連れてきます。常に信長の側にいた家臣なので本物を見間違うはずはありません。家臣は3人を見るなり「信長はここにはいない」と叫びます。ずっと本物を探していたはずが、3人全てが影武者だったのです。
真相はこうでした。まず本物の信長は甲と逃げていました。甲が銃撃されてしまったので、甲は本物を乙の元にやります。乙はさらに本物を逃がすために刀だけ受け取り、丙の元へとさらに逃します。1番最古参だった丙は、信長との合流の合図を唯一知る者でした。結局見つかってしまうのですが、目の悪かった瀬名は見分けがつかず、どれが本物か分からずに捕らえていたのです。
丙はきっちり本物を逃がすことに成功しました。そして丙だけが捕まったのです。本物の信長は場所を突き止めて影武者を助けるつもりでした。つまり影武者たちの役目は助けを待つ時間稼ぎだったのです。
3人の信長の結末
蒲原の脳裏にある疑念が生まれます。影武者はもう一人いて農村に一人残った男、それが信長なのではないかと確信し、農村に残る男を捕らえに向かいます。懸命に守ろうとする甲達の姿を見て疑念は確信に変わります。
蒲原は甲と剣を交えながらも本物を追い詰めていきます。しかし追い詰めた先には誰もいません。蒲原は呆然とします。そこに兵を率いた信長が到着しました。やはり本物の信長は農村の男でした。出兵には苦労を強いられてしまいましたが、家臣や甲の働きにより朽木家からの協力を得て、今川義元の残党狩りを成功させたのです。
信長は全ては計画通りだと言います。影武者を捕まえさせて残党を一掃する、つまり蒲原はまんまと信長に良いように踊らされていたのでした。がっくりとうな垂れる蒲原に甲が声をかけます。互いに敵対していましたが、そこには奇妙な関係が生まれていたのです。
「4人目の影武者にならないか?」その問いかけに考えを改めた蒲原は賛同し、信長の影武者になるべく甲たちに付いていく事にするのでした。
以上、映画「3人の信長」のあらすじと結末でした。
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