イノセンスの紹介:2004年日本映画。劇場版「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」のラストで、草薙素子が失踪してから3年後の2032年。政府直属機関・公安9課で起こる新たな事件を描いた作品です。少女の姿に作られた愛玩用アンドロイドが突然暴走し、持ち主を惨殺する事件が相次ぎます。公安9課の刑事、バトーとトグサが捜査を開始。暴走事故の背後にある、巨大な組織犯罪の真相に迫っていきます。第25回日本SF大賞受賞。第57回カンヌ映画祭コンペティション部門で上映されました。
監督:押井守 声優:大塚明夫(バトー)、山寺宏一(トグサ)、田中敦子(草薙素子)、大木民夫(荒巻大輔)、仲野裕(イシカワ)、榊原良子(ハラウェイ)、竹中直人(キム)
映画「イノセンス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「イノセンス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「イノセンス」解説
この解説記事には映画「イノセンス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
イノセンスのネタバレあらすじ:起
少女の姿をした愛玩用アンドロイドが突然暴走し、持ち主を惨殺。小路の奥に立てこもったアンドロイドは、駆けつけた警官達をも殺害してしまいます。そこへ政府直属・公安9課のバトーが到着。バトーは全身のほとんどを義体化したサイボーグ。圧倒的なパワーと人並み外れた戦闘力でアンドロイドを制圧すると、彼女は「助けて」という言葉を残し、自爆してしまいます。バトーとトグサが、後日管轄の警察署を訪ねると、検死官のハラウェイが、アンドロイドの残骸を調べているところでした。「アンドロイドが暴走するのは、使い捨てをやめてほしいからなのよ」というハラウェイの持論に、賛成しかねる2人。果たして、暴走の原因は何だったのでしょうか。
イノセンスのネタバレあらすじ:承
そこへ新たな殺人事件が。ボートハウスでアンドロイドの製造元「ロクスソルス社」の出荷検査部長が殺されています。アンドロイドに殺害された者の中には、暴力団紅塵会の組長もいました。この殺人は紅塵会による報復ではないかと考えたバトー。「話を聞くだけだよな?」トグサの心配は的中、紅塵会の事務所に乗り込んだ2人は、組員たちと派手に銃撃戦を繰り広げる羽目になってしまいました。出荷検査部長殺しの証拠は見つけたものの、勝手に踏み込んで多数のけが人を出したことに、9課の荒巻所長はご立腹。当面、課としてのバックアップはなし、2人だけで捜査を続けるよう命じられてしまいます。
イノセンスのネタバレあらすじ:転
飼い犬のエサを買うために食料品店に寄ったバトー。妙な気配を感じたのですが、時すでに遅し。義体に埋め込まれた電脳(インターネットに繋がっている脳みそ)を何者かにハッキングされ、自分の意志とは関係なく、自分の腕や店の商品を銃で吹き飛ばして、大騒ぎを起こしてしまったのです。意識を取り戻したバトーは、トグサとともに択捉へ。脳にハッキングを仕掛けた犯人に心当たりがあるようです。それに、ロクスソルス社の本社があるのも択捉経済特区なのでした。
イノセンスの結末
昔の仲間で諜報戦のスペシャリスト、キムの屋敷を訪れた二人。屋敷に仕掛けられた幻覚のトラップをなんとかくぐり抜け、書斎にいたキムを詰問。バトーにハッキングを仕掛けたのはやはりキムでした。さらに、キムの電脳はロクスソルス社と繋がっているではありませんか。黒幕は、やはりロクスソルス社だったのです。真相に迫りつつあるバトーの捜査を妨害するため、キムをけしかけたのでした。沖合に浮かぶ巨大な船。その中にロクスソルス社のアンドロイド工場があります。バトーは単身、船に潜入。トグサは陸上からバックアップ。キムの電脳内の情報を用いて、船内の映像をバトーに送ったり、扉を開いたりします。警備兵らの攻撃を受けて、バトーがピンチに陥ったその時。アンドロイド製造ラインから、製造途中のアンドロイドたちが続々と這い出してきたのです。そして、驚異的な強さで誰彼構わず殺害し始めます。アンドロイド達の中に、ひときわ洗練された挙動を見せる一体が。「少佐か!?」3年前に姿を消した相棒、草薙素子がバトーを援護するため、アンドロイドらを動かし、自らもその中の一体に入り込んでいたのです。制御システムにハッキングし、船内を制圧した2人。アンドロイド製造工程の中で、装置につながれた人間の女の子を見つけます。ロクスソルス社は、アンドロイドにリアリティを持たせるため、少女達を誘拐してきて、その脳みそを違法にコピーしていたのです。何度もコピーされると少女達の脳は破壊されてしまいます。これは看過できない凶悪な組織犯罪。これから入念な取調べがなされ、ロクスソルス社の犯罪行為の全てが明らかになるでしょう。素子との別れの時。バトーは余計なことは聞かず、ただ一言「今、幸せか?」と尋ねます。今の自分に、幸福とか不幸とかという概念はない、と答えた素子。「忘れないで。貴方がネットにアクセスするとき、私は必ず貴方の傍にいる」・・・。エンディングはトグサ宅の玄関先。預かってもらっていた犬を受け取るバトー。トグサの娘がお土産の人形にはしゃぐ声。家の中に消えるトグサ達を、黙って見送るバトーなのでした。
この映画の感想を投稿する