悪と仮面のルールの紹介:2017年日本映画。芥川賞作家・中村文則の同名小説を映画化したサスペンス作品です。父から“邪”に染まるように育てられた男が、壮絶な運命に翻弄されながらも愛する女性を守るために罪を重ねていく姿を描いています。
監督:中村哲平 出演者:玉木宏(久喜文宏/新谷弘一)、新木優子(久喜香織)、吉沢亮(伊藤亮祐)、中村達也(久喜幹彦)、光石研(榊原)、村井國夫(久喜捷三)、尾上寛之(サトウ)、柄本明(会田)ほか
映画「悪と仮面のルール」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「悪と仮面のルール」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
悪と仮面のルールの予告編 動画
映画「悪と仮面のルール」解説
この解説記事には映画「悪と仮面のルール」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
悪と仮面のルールのネタバレあらすじ:起
「人間を殺すことを、世界では悪だと言うが、だとしても僕は、悪で構わないと思った」
当時11歳だった久喜文宏はある日、父で大富豪の久喜捷三(村井國夫)から世の中には“邪”が必要であり、自分は将来“邪”なるために作り上げられたこと、そして自分が14歳になったら“地獄”を見せると告げられました。
三は孤児の少女・香織を養子に迎えており、やがて文宏と香織は次第に惹かれ合っていきましたが、文宏は捷三が香織に性的虐待を加えているところを目撃してしまいました。文宏は“地獄”とはおそらく自分が14歳になった時に香織が辱められる姿を見せつけることだと察し、地獄を回避するために密かに父を抹殺する決意をしました。そして文宏は捷三と一緒に別荘に出かけた際に彼を地下室に監禁することにしましたが、捷三は我が子の行動の全てを見切っていたかのように「お前には邪となる素質があった」と告げました。
捷三の殺害に成功した文宏でしたが、やがて自分もまた父と同じ血が流れていることに恐れをなし、香織は自分のそばに居てはいけないと思うようになりました。やがて香織は屋敷から出て行き、文宏はただ見守ることしかできませんでした。
悪と仮面のルールのネタバレあらすじ:承
時は流れ、文宏は顔を整形して“新谷弘一”(玉木宏)と名乗り、香織(新木優子)の近況を探るためかつて捷三が顧客だった探偵の榊原(光石研)を雇いました。
榊原の得た情報によると、香織は現在六本木のクラブでホステスをしており、顧客である矢島孝之という人物は実は詐欺師であり、香織が相続した捷三の遺産3000万円を狙っているとのことでした。覚せい剤常習者である矢島は狙ったターゲットを薬漬けにして陥れるということでした。
さらに榊原は、弘一の他にももう一人香織を調べている人物がいることを告げました。弘一は榊原にその人物について探るよう依頼すると、矢島に密かに近づいて毒殺しました。やがて香織を調べていたもう一人の人物は捷三の跡を継いだ文宏の兄・幹彦(中村達也)であることがわかり、弘一は周囲からあまり良い評判を聞かない幹彦を調べるよう榊原に依頼しました。
そんな時、弘一はいつの間にかポケットに入れられていた携帯電話から自分が“邪の文宏”であることを知っているかのような人物から電話があり、1時間後に指定された場所に行かなければ香織に危害が及ぶと脅されました。指定場所に向かった弘一の前に現れたのは、久喜家の分家の者である伊藤良祐(吉沢亮)という男でした。弘一は自分が文宏の知人であり、文宏本人は死んだと嘘をつきました。伊藤は世間を騒がすテロ組織“JL”のメンバーであり、当初文宏を誘い込むつもりだった伊藤は弘一を仲間に迎え入れることにしました。
悪と仮面のルールのネタバレあらすじ:転
そんなある日、弘一の元を刑事の会田(柄本明)が訪れました。会田はどうやら本物の“新谷弘一”が関わったとされる事件を追っており、弘一(文宏)に対して疑いの目を持っていました。何とか会田の質問をかわした弘一の前に、今度は幹彦の部下が現れました。
幹彦に会った弘一は、人目でその正体が文宏であることを見抜かれてしまいます。軍事関連の事業を手掛ける父の会社を受け継いだ幹彦は日々の生活に憂鬱を感じており、弘一に久喜家が戦争を利用して財を成したこと、一族はその経緯から“邪”に走ったこと、そして弘一に香織を薬漬けにして連れてこいと命じました。その後、榊原の調べで香織に矢島を近づけたのは幹彦であることを知った弘一は引き続き幹彦の同行を探るよう依頼しました。
その頃、弘一は伊藤を通じてJLのアジトに行き、そこで協力者のサトウ(尾上寛之)という男が作った爆弾を預かることにしました。その一方で弘一は正体を隠して香織に会いに行き、束の間の一時を過ごしました。そんな時、弘一は伊藤からサトウが警察に追われているので逃走資金を確保してほしいと頼まれました。そんな弘一の前に再び会田が現れ、「私は別の意味で、あなたに目をつけています」と意味深な発言をして去っていきました。サトウは資金を得るため香織を襲おうとしましたが弘一が止めに入り、やがて幹彦の部下が現れてサトウを連行していくと弘一に1週間以内に香織を連れてくるよう命じられました。
悪と仮面のルールの結末
弘一は榊原に香織の警護を依頼すると、単身爆弾を持って幹彦の元に乗り込みました。秘密の部屋で二人きりになると、弘一は榊原がかつて捷三の依頼で密かに収集していた幹彦の悪事の証拠が入ったUSBメモリを提示しました。弘一は自動的にマスコミにデータが流れるようにセットしてあると告げると、爆弾を起動させ、死にたくなければ30分に電源を切ればいいと告げて部屋を去りました。
結局幹彦は爆弾を解除することなく、幹彦の死を榊原から知らされた弘一は契約終了を告げ、伊藤には自らの正体を明かして逃走資金を渡しました。
その後、会田に会った弘一は改めて自分は本物の“新谷弘一”だと主張しましたが、会田は弘一(文宏)が偽者であること、香織に関わった人物が次々と死亡している事実を見抜いていたうえで「昔のあなたより、今のあなたのほうがまだましだ」と言い放ちました。
弘一は海外に高飛びする前に香織に会い、彼女を車で家まで送ることにしました。弘一は自らの正体を明かさず、しかし涙を流しながら文宏は今は普通の暮らしをしていること、そして香織と過ごした日々は幸せだったことを伝えました。別れ際、香織からありがとうと文宏に伝えてほしいと頼まれた弘一は「僕はあなたが好きです。だからもう、会わない方がいいと思います」と告げて去っていきました。
以上、映画「悪と仮面のルール」のあらすじと結末でした。
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