雨にゆれる女の紹介:2016年日本映画。名前や身の上を偽り世間から隠れながら生きる男の元に、同じく秘密を抱えた女が匿って欲しいと連れられて来る。次第に惹かれ合う2人だったが…。監督はアジア映画の映画音楽を手掛けてきた半野喜弘。
監督:半野喜弘 出演:青木崇高(青木崇高)、大野いと(理美)、岡山天音(下田)、水澤紳吾、伊藤佳範、中野順二、杉田吉平、吉本想一郎、河野宏明、原田裕章、上田辰也、ほか
映画「雨にゆれる女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「雨にゆれる女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
雨にゆれる女の予告編 動画
映画「雨にゆれる女」解説
この解説記事には映画「雨にゆれる女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
雨にゆれる女のネタバレあらすじ:起
男(青木崇高)が冒頭、火であぶったナイフを腹あたりにジュッと当てている。
その4年後、男は「飯田健次」という名で鉄工所で働いていた。お腹には何本ものナイフの跡がついている。職場ではほぼしゃべらないため、変人扱いされている飯田。怪我をしたのか、片足を終始引きずって歩いている。
仕事場を出ると廃墟と化した家に直行。何をすることもなく、ただ時間を潰すように暮らしている。朝になると、補聴器とメガネをかけて出勤。そんな飯田に興味をもったのか、仕事場で一緒の若者・下田(岡山天音)が頻繁に話しかけてくる。仕事終わりに一緒に飲みに行こうと誘われる飯田だが、その誘いに決して乗らない。
その夜、自宅に下田が押しかけてきた。男から逃げたいという体調の悪い女・理美(大野いと)を連れてきた下田は、半ば強引に飯田に預けようとする。飯田はいったんは断るが、下田が騒いだため仕方なく理美を家に入れることにした。
理美は家に入ると持っていた薬を一錠飲み、飯田に「死体でも隠してそうな家ですね」と言う。理美が二階にいるため、一階で寝ることにした飯田。翌朝、下田の電話で目が覚めた飯田は理美の姿が見えず、近所を探し回るが見つからない。しかししばらくすると、店員と理美が戻ってきた。
店内でパニック症候群になった理美を店員は送ってきたのだと言う。昨日の昼から何も口にしていなかった理美は、どうやらお腹をすかしていたようだ。店で買ったサンドイッチを頬張る理美に「面倒を起こすなよ。具合がよくなれば出て行け。」と告げる飯田。
雨にゆれる女のネタバレあらすじ:承
飯田が出勤すると、理美も一緒に家を出る。二人とも何も言葉を交わさない。その後、飯田が会社に行くと、下田が逮捕されたことを聞かされる。事務所に入って盗みを働いたそうだ。刑事が飯田に聞き込みにやってくるが、彼は理美の件は隠しておいた。
その日の夜、外で猫の声が聞こえた気がした飯田が窓から外を見ると、雨の中でびしょ濡れで佇む理美を見つける。急いで理美を家に入れる飯田は、びしょ濡れの理美にタオルを渡し、「ここにいてもいいけど…」と言った。「こんなところに一人でいて寂しくないですか?」と尋ねる理美。飯田は「もう慣れたよ。」と本を読みながら答える。
その後も理美は色々なことを尋ねるが、飯田はまともに答えようとしない。すると「私のことを聞いてほしい」と言う理美。「ウソをついていることを誰にも言わないから、メガネと補聴器を外したら?」と言われ、飯田は素直にメガネと補聴器を外した。
その翌日、飯田は理美のためにテレビを調達してくる。朝ご飯も用意するなど、理美に尽くす飯田。しかし理美はまたも発作を起こしてしまう。パニックになる理美を落ち着かせようと必死の飯田。理美は飯田の腕を掴み、「本当の事をなんでもいいから教えて?」と言う。すると姉の事を語り出す飯田。
彼の姉もまた、“さとみ”と言う名だ。精神を乱しており病院に通っていた飯田の姉は、担当医師とつき合い始める。すると症状がよくなり状態が安定。しかし医師と別れることになり姉は自殺。その後、飯田は病院から金をもらっていた。その話を聞いた理美は、飯田の手にやさしく触れる。そして身体を重ねる2人。
雨にゆれる女のネタバレあらすじ:転
翌日、下田がやってきた。彼の父親が会社の社長と話をして釈放されたのだという。理美と健次の関係を知った下田は怒るが、理美は「もう来ないで」とあしらう。これまで一人だった飯田の生活に理美が加わり、二人は寄り添いながら暮らしていた。
幸せそうな理美だったが、どこか寂し気なところもある。彼女は飯田の仕事中、カレンダーに印の書かれた日を見ながら、彼のナイフを握り何か考え込んでいる様子。
ある雨の日、帰宅した飯田に理美が一枚の紙を見せる。玄関に貼られた紙には『くぼかわのりお 4月27日』と書かれていた。その意味を問うが飯田は答えず、逃げ出してしまう。そして道路で泣きだす飯田。
その日帰ってこなかった飯田を心配し、理美が職場へと押しかけてきた。そんな理美に絡む同僚。飯田は「殺すぞ」と同僚二人を殴り倒してしまう。そのために飯田はクビになってしまった。
姉の恋人だった医師を殺した過去を持つ飯田。事件があった日は雨だった。だから彼は雨が嫌いだ。医師を殺害し、そのまま逃亡していることをなぜか知っている理美。実は彼女は、飯田が殺した医師の一人娘・早坂ユリだった。玄関に貼られた紙はユリの自作自演。ユリは飯田にナイフを向ける。
そこへ、下田らしき男がやって来た。慌てて飯田の手の平にマジックペンで文字を書き「逃げて、明日までには行く。お姉さんの自殺した理由を知りたくないの?」とユリは言う。
雨にゆれる女の結末
ある田舎町で落ち合った二人はそのままホテルに入る。ユリはずっと飯田を殺してやりたいと思っていた。しかし今は彼と一緒に生きたいユリは、飯田のように腹に自ら傷を作っていた。
子どもの頃、ユリは一度だけ飯田の姉に会っていた。透き通るようにきれいな肌が羨ましい一方で、爪はボロボロで普通ではない異常を飯田の姉から感じユリ。その日の夜、父に飯田の姉が母親になるのはどうかと聞かれたユリは、「あんな普通じゃない人は嫌。もしそんなことをしたら私死ぬから」と拒否。
それを隣の部屋で聞いていた飯田の姉は自殺した。「自殺とは知らなったの…」と語るユリ。真実を知った飯田は「お前も殺すかもしれない」とその場から立ち去る。
海を眺める飯田。そこには飯田の姉とユリの父がいた。飯田はユリの父親を刺したナイフで自分の腹を刺す。それを眺めるユリ。「絶対に許さない、こんなことで終わりになんてできない。お父さん、この人を助けて!」と、ユリは泣きながら助けを求めるのだった。
以上、映画「雨にゆれる女」のあらすじと結末でした。
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