あの頃、君を追いかけたの紹介:2018年日本映画。2011年に公開された台湾の同名映画を舞台を2000年代の日本に置き換え、『海賊戦隊ゴーカイジャー』『HiGH&LOW』などの山田裕貴とアイドルグループ「乃木坂46」の齋藤飛鳥のダブル主演でリメイクした青春ラブストーリーです。不真面目な生徒だった主人公は学校一の秀才であるヒロインと出会い、勉強を教えてもらううちにやがて恋に落ちていくのですが・・・。
監督:長谷川康夫 出演者:山田裕貴(水島浩介)、齋藤飛鳥(早瀬真愛)、松本穂香(小松原詩子)、佐久本宝(大野陽平)、國島直希(町田健人)、中田圭祐(秋山寿音)、遊佐亮介(杉山一樹)ほか
映画「あの頃、君を追いかけた(2018年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「あの頃、君を追いかけた(2018年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
あの頃、君を追いかけたの予告編 動画
映画「あの頃、君を追いかけた(2018年)」解説
この解説記事には映画「あの頃、君を追いかけた(2018年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
あの頃、君を追いかけたのネタバレあらすじ:起
「笑われる夢にこそ価値がある」・・・そうノートに書き綴った水島浩介(山田裕貴)は仲間たちと共にある人物の結婚式に出席しようとしていました。
10年前、高校生だった浩介は旅館の息子の秋山寿音(中田圭祐)、メタボ体形ながら愛想が良く女子たちの人気者の杉山一樹(遊佐亮介)、幼馴染で魅惑的な小松原詩子(松本穂香)、中華料理屋の息子の大野陽平(佐久本宝)、学校一のスポーツマンで運動神経抜群の町田健人(國島直希)とつるんでいました。
浩介の学校は非常に校則が厳しく、浩介はよく天然パーマの髪型を教師から指摘されていました。ある日、相変わらず授業で不真面目な態度を取っていた浩介は、教師の命令で町でも有名な医者の娘で学校一の優等生である 早瀬真愛(齋藤飛鳥)の前の席に座らさせられました。真愛は教師から浩介の勉強の面倒を見るよう申し付けられましたが、浩介は正直なところ真愛を苦手にしており、真愛もまた浩介や仲間たちの振舞いを「幼稚」と見下していましたが、ただひとり詩子だけは真愛の唯一の理解者でした。
真愛は詩子に浩介のことについて尋ねてみると、詩子は「内面に芸術家と犯罪者が同居していて自分でも困っているのだろう」と答えました。その後、真愛と別れた詩子はひとり神社で猫を抱き、浩介からの寿音の家に行こうという誘いには乗らず、「あなたにさよならを言うために、私は少しだけ死ぬ」という意味深な言葉を残しました。
実家のとうふ屋に戻った浩介は帰ってくるなり全裸になり、母から受験勉強はどうするのか、父からは天然パーマをどうするのか問われました。その後、寿音の家に向かった浩介は寿音、和樹、陽平と遊び、真愛について語り合っていました。
ある日、真愛は教科書を忘れてきてしまいました。すると浩介は自分の教科書を真愛に貸し、自分が教科書を忘れてきたと教師に告げました。普段から不真面目さで教師から目をつけられていた浩介は教師から授業を受ける資格はないと罰を受けますが、真愛は浩介の教科書に「オレは天才だ やれば出来る」「マジメぶってなきゃ早瀬はかわいい」という落書きが書かれていることに気が付きました。
昼食時、真愛は浩介に教科書を返して礼を言うと、なぜ受験科目の数学の勉強をしないのか問いました。「何の役に立つ?」と言う浩介に、真愛は「何の役に立つかわからないから意味があるんだと思う。話すこととは違う純粋な言葉で答えを探すことこそが重要だと思う」と言いました。浩介は「数学の教科書を開くと自分が自分じゃなくなって、まるで町医者の娘にでもなった気分になる」と返すと、真愛は気分をそこねてその場から去ってしまいました。
あの頃、君を追いかけたのネタバレあらすじ:承
ある日、浩介は健人から「浩介にも何か才能があるといいね」と言われ、朝早くから学校に出て勉強している真愛から「自分は果たして将来は(実家の)医者に向いているのかな?」という悩みを聞かされました。真愛は授業中に居眠りしている浩介に教師への感謝の気持ちが足りないと注意しました。浩介は歴史の教師の「日本が戦争に負けた時のイギリスの首相は“愉快なことを理解できない人間に世の中の深刻なことが理解できるはずがない”と言った」との言葉を引用して真愛をからかいました。真愛はアリストテレスの「怒ることは容易い。しかし、適切な相手に適切な怒り方をすることは容易くない」との言葉を引用してやり返しました。
真愛は浩介に手作りの数学のテストと参考書を渡し、翌日までやってくるよう命じました。それでも全くやる気のない浩介に、真愛は「軽蔑したくないから。私が軽蔑するのは努力もせずに人の努力を軽んじる人」と告げました。浩介は夜通しでテストにチャレンジしたのですが結果は散々どころか参考書を全く読んでいないことまでも見抜かれてしまいました。
それからというもの、浩介は人が変わったかのように勉強に打ち込み、その結果テストの点数もアップするなど成績を上げていきました。その頃、浩介は親から店を畳むかもしれないと告げられ、浩介が学校を出るまでは何とか持ちこたえるからと約束されました。
「俺はやればできる」と調子に乗った浩介は、次のテストで勝ったら真愛はポニーテール、負けたら自分は坊主頭になるという勝負を持ち掛けました。「女は負けず嫌いに限る」との持論を持つ浩介は少しずつ真愛に惹かれ始めていました。浩介は必死に勉強に挑みましたが、結果は真愛の勝ちに終わりました。
土砂降りの雨の日、浩介は公約通りに近くの床屋で坊主頭になり、真愛は思わずこれまでに見たことのない笑顔を見せました。翌日、浩介は仲間たちにその床屋がなぜか跡形もなく消えてしまったことを話していると、何と真愛もポニーテールにしていました。浩介たちはその姿に釘付けになってしまいました。
そんなある日、学校内の金庫が何者かに破られ、学費87万円が盗まれるという事件が発生しました。事件発生時刻に学校にいた浩介、健人、真愛に疑いがかけられ、浩介は「生徒たちのこと信用してないでしょ。俺たちのこと犯罪者だと思ってるんですか?」と教師に食ってかかり、これまでおとなしかった真愛も教師に猛反発しました。クラスは騒然となり、浩介とその仲間たち、真愛はまとめて罰を受けることになりました。浩介は泣きじゃくる真愛を「初めてお前のこと偉いと思ったよ」と慰めました。結局、犯人はわからないままでした。
あの頃、君を追いかけたのネタバレあらすじ:転
遂に浩介たちは高校卒業の時を迎え、真愛は卒業生代表としてスピーチに立ちました。真愛と詩子は離れ離れになっても互いに友だちでいようと誓いあいました。その後、浩介や真愛たちは大学受験に臨み、近くの海で遊びながらそれぞれの夢を語り合いました。真愛は改めて医者になりたいと明かし、浩介は「すごい人間になりたい。俺がいると少しだけ世界が変わるような人間に」と語りました。
そんなある夜、浩介のもとに真愛から電話があり、浩介は彼女がいる公園に急ぐと、真愛は第一志望の大学に落ちたことを明かし、「中学から一生懸命勉強を頑張ってきたのに、どうして大事な時で失敗するんだろう」と泣きじゃくっていました。
浩介の実家のとうふ屋はライバルが店じまいしたことで営業を続けることになり、詩子は新しい看板の絵描きを手伝ってくれました。その後、デザイナー志望の詩子は東京の美術大学に合格、陽平は東大に合格、健人は日本で有数のバスケットボールの名門大学に推薦入学、一樹は浪人、寿音はホテル学科のある名古屋の大学に合格、そして真愛は最難関の東京の有名私立大学に合格、仲間たちはそれぞれの道を歩むことになりました。浩介は町を離れる真愛を駅まで送りに行き、彼女にリンゴの絵が描かれたTシャツをプレゼントしました。
浩介は県内の公立大学の文学部に進み、実家を出て寮に入りました。まだ自分自身何をしていいかわからなかった浩介は中国武術研究会に入り、時折真愛と連絡を取り合っていました。真愛は詩子と同居を始めていました。
夏休みになり、浩介は駅の待合室で「長いお別れ」という本を読んでいると、そこに浩介からプレゼントされたTシャツを着た真愛が里帰りしてきました。二人は地元でデートを楽しんだ後、真愛は浩介に「私のこと好き? もしかして私のこと美化しすぎてない?」と問いかけ、「あなたが好きになったのは想像の中の私かも」と言いました。ストレートに想いを打ち明けた浩介に真愛は「もっと考えてから言って。相変わらず幼稚」と素直になれず、浩介はもしかしてフラれてしまったのかと思い悩んだあげく「俺のことどう思ってる?」と返すも「今はやめてくれ」と結局その答えを聞くことはありませんでした。ただ浩介は「これからも好きでいさせてくれ」と真愛に伝えました。
浩介は不安を解消すべく、真愛に成長した姿をみせたいとより一層中国武術に熱を入れ、自ら企画した異種格闘技大会に出場することになりました。しかし、浩介から誘われた真愛は格闘技を殴る蹴るの暴力的なものとしか捉えられずにいました。それでも何とか真愛を説得して誘うことに成功しましたが、浩介は学内最強のテコンドー部の主将と対戦することになり、真愛の姿を見て奮起しますが、結局は格の違いを見せつけられて敗北してしまいました。
真愛は「楽しかった? あんな試合に何の意味があるの? 暴力から一体何を学べるというの?」と言ってしまいました。浩介は「俺は幼稚さ。だから優等生に惚れてきたんだ!」と叫び、二人は口論の末に別れてしまいました。浩介は女は先に成長し、男はそれに気づかないことを思い知らされました。その後、真愛は陽平と付き合うも半年で別れ、浩介は真愛と一切連絡を取り合わないまま2年半の月日が流れていきました。
あの頃、君を追いかけたの結末
そんなある日、日本列島を震度6の巨大地震が襲い、浩介の大学寮にも被害が及びました。浩介は2年半ぶりに真愛に連絡を取り、二人は互いに無事を確認しあいました。真愛から「浩介くらい好いてくれる人はもういないかも」と聞いた浩介はなぜ自分と付き合わなかったのか尋ねてみました。真愛は「自信がなかったのかも。あの頃以上に近づいたら本当の自分の姿を見せてしまうことになる。失望させるかもしれない」と返し、浩介のことを理解できずに近づくことが怖かったことを打ち明けました。真愛はもしあの時浩介が髪を切った日が月の見える日であり、自分が髪を切っていたならば付き合っていたかもしれないと言うと、浩介は「真愛、パラレルワールドを信じるか? この世界の他にもうひとつの世界があるんだよ。そこでは俺たちは付き合ってるんだ」と同じ月を見ながら語り合いました。
時は流れ、結局就職できずに大学をもう1年留年することになった浩介は、パラレルワールドをテーマにしたいくつかのネット小説を無我夢中で書き始めました。そのうちのひとつが出版社の目に留まり、浩介は小説家として生計を立てていくことになりました。しかし、浩介はまだ自分が本当に書きたいものを見いだせないままでした。
そんなある日、浩介はカフェで小説を書いていると、真愛から「浩介に最初に伝えたことがある」と電話が入りました。それは真愛が他の男と結婚するということでした。
事実を笑顔で受け入れた浩介は、式場で久しぶりにかつての仲間たちと再会しました。健人は日本でも有数のバスケットボール選手となり、寿音は世界中のホテルで修行を積んでいました。陽平は総務省に就職して海外留学への夢を追い続け、一樹は友人とスマホアプリの会社を立ち上げ、詩子は売れっ子のイラストレーターとなっていました。
真愛の結婚相手は大学の先輩だということでした。新郎新婦の入場となり、真愛のウェディングドレス姿を見た浩介は「もしそれが好きでたまらない人なら、愛され大切にされるのを、心から祝福できる。永遠に幸せであれ、と」と素直に祝福しました。記念写真を撮った後、唐突に花嫁にキスをさせてほしいという健人に真愛は笑顔でOKを出し、新郎は条件としてまずは自分とキスをしてkらだと言い出しました。その直後、浩介は新郎に思いっきりキスをし、真愛は思わず笑みがこぼれました。浩介の仲間たちも調子に乗って新郎にキスを求めるなか、浩介は真愛に「俺は幼稚だ」と応え、真愛は「約束よ」と応えました。パラレルワールドでは浩介と真愛は結ばれ、結婚式で静かにキスを交わしていました。
浩介は次に書く小説の題材を決めていました。タイトルは「あの頃、君を追いかけた」。
以上、映画「あの頃、君を追いかけた」のあらすじと結末でした。
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