歩けない僕らはの紹介:2018年日本映画。回復期リハビリテーション病院を舞台に、主人公の新人理学療法士と周りを取り巻く人々の姿を描いた短編作品です。主人公をアイドルグループ「私立恵比寿中学」の元メンバーだった宇野愛海が演じています。
監督:佐藤快磨 出演者:宇野愛海(宮下遥)、落合モトキ(柘植篤志)、板橋駿谷(田口勝)、堀春菜(相馬幸子)、細川岳(翔)、門田宗大(安田太一)、山中聡(日野智久)、佐々木すみ江(青木タエ)ほか
映画「歩けない僕らは」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「歩けない僕らは」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
歩けない僕らはの予告編 動画
映画「歩けない僕らは」解説
この解説記事には映画「歩けない僕らは」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
歩けない僕らはのネタバレあらすじ:起
板金屋で働く柘植篤志(落合モトキ)はいつものように後輩の安田太一(門田宗大)と共に車で帰路についていました。途中のコンビニで安田にコーヒーを買いに行かせた柘植は、車内で煙草を吸い、そのまま意識を失いました。車に戻った安田は異変に気付きました。
宮下遥(宇野愛海)はとある回復期リハビリテーション病院に勤める新人の理学療法士です。宮下は毎朝恋人の翔(細川岳)の車で職場まで送ってもらい、他の新人たちと共に研修に励みながら、自分が受け持つ初の患者である青木タエ(佐々木すみ江)のリハビリをサポートしていました。
やがて休憩時間になり、宮下は気の合う同期の相馬幸子(堀春菜)と恋愛話に花を咲かせました。宮下はこの仕事に就いたことで、翔と一緒に過ごす時間が減ったことを実感していました。
やがてタエが退院する日がやってきました。宮下は課長の日野智久(山中聡)と共に、家族に迎えられて帰路につくタエを見送りました。
歩けない僕らはのネタバレあらすじ:承
帰宅した宮下は、タエが自分の足で亡き主人の墓参りに行きたいと願っていたことを話しました。翔は「別に仏壇でいいじゃん」と言うと、宮下は「歩いてきてくれたら嬉しいでしょ?」と返しました。宮下と翔は互いを「写ルンです」で写し合っていましたが、そろそろフィルムが切れたようです。
すると翔は唐突に「別れようか。前から言おうと思ってたけど」と持ちかけてきました。宮下は「今じゃないでしょ。何で? 応援してくれるって言ったじゃん」と涙ぐみながら、今まで翔のことで我慢していたことがいっぱいあったと打ち明けました。
宮下が新たに担当することになったのは、脳卒中により左半身が不随になり、車椅子生活を余儀なくされた柘植でした。宮下は先輩の田口勝(板橋駿谷)と共に柘植に挨拶し、柘植の身体の状態を確認し始めました。
柘植は「あの、自分、元の仕事に戻れますかね?」と宮下に尋ねてきました。宮下は仕事も大切だがまずは身体を第一に考えてからだと答えると、柘植は「俺には仕事しかないっすよね」と呟きました。宮下は「そういう気持ちがリハビリにすごく大切ですよ」と言うと、柘植は「元の人生に戻れますかね」と問いかけてきました。宮下は何も答えることができませんでした。
それから柘植の辛いリハビリの日々が始まりました。宮下は患者に上手く接する日野に感心しました。柘植は宮下に何か良いことはあったのかと訊くと、宮下は翔にフラれたことを明かし、もう吹っ切れたと伝えました。今は恋人はいないという柘植は、宮下に「互いに頑張りましょう」と呼びかけました。
歩けない僕らはのネタバレあらすじ:転
宮下は懸命に柘植のリハビリに向き合っていました。そんな時、相馬はいつからか仕事を休むようになり、職場に顔を見せなくなっていました。田口から「このまま辞めそうだな」と言われた宮下は、相馬に連絡を取りました。
そんな時、宮下は柘植と見舞いに来た安田の会話を耳にしました。柘植の板金屋の社長の兄も脳梗塞を患ったことがあり、会社側は柘植が仕事に復帰するのは困難だという見方を示していたのです。安田はマイコという人物と柘植を会わせてやりたいと考えていました。柘植は宮下の問いかけに対し、安田は仕事仲間であること以外は多くを語ろうとはしませんでした。
その夜、宮下は相馬に会いました。相馬は「この仕事、向いてなかったのかも」と言うと、宮下は「そんなの、逃げだよ。患者さんから逃げてんじゃん」と返しました。相馬の「自分の人生を本気で考えるのは逃げ?」との言葉に対し、宮下は自分たちの役目は患者の人生に向き合うことだと諭しましたが、相馬は「一度きりの人生を後悔したくない」と辞める意思に変わりはありませんでした。
宮下は柘植のアパートを訪れましたが、柘植はバルコニーで煙草を吸っていました。宮下は柘植が誰かと同棲していたのかと察しましたが、柘植は「詮索しないでくださいよ」と多くを語りませんでした。その夜、宮下はいきつけのバッティングセンターで汗を流しました。
柘植は絶望のあまり自暴自棄になり、リハビリに向き合わなくなっていました。宮下は「歩いて何をしたいかが大事です」と励ましましたが、柘植は「なんで俺なんだよ…」と涙ぐみました。宮下の苦悩を悟った田口は自分が柘植の担当をすると伝えました。
歩けない僕らはの結末
宮下は日野に呼び出され、街を見下ろす高台にある墓地へ、タエの墓参りを手伝うことになりました。タエは宮下のおかげで再び歩けるようになったことを霊前に報告しました。
宮下は「そんなことないです。タエさんが頑張ったから」と謙遜しますが、タエは「そんなことある!」と強調しました。この高台はタエが亡き主人とよく登った思い出の地であり、宮下も頂上まで駆け上がって景色を見てみました。
その夜、宮下は日野や田口と飲みに出かけました。宮下は「なんか柘植さんは、私でよかったのかとか、私じゃなかったらとか…」と呟くと、日野は「あなたの人生に寄り添いますって、そんなおこがましいことないよ。何でこの仕事選んじゃったんだろう」と語りました。田口は「日野さんは生まれ変わってもこの仕事をやりたいですか?」と問うと、日野は笑いながら否定しつつ「でも、辞めなかったなあ」と呟きました。
あくる日、宮下は思い切って柘植に好きな人はいるのか訊いてみました。柘植は「迷惑です。関係ないでしょ」と語ろうとしませんでしたが、宮下は本当に好きな人がいるのなら決して諦めてはならないと諭しました。
柘植は自分のことを好きだったら見舞いに来ているはずだと反論しますが、宮下は「想像はやめましょう。柘植さんは歩けないのは本当です。今は」と語りました。柘植は「じゃあ、歩けるようになるんですか?」と問うと、宮下は「わかりません。柘植さん次第なんで。柘植さんが歩くなら、私は本気で応援します。歩いて伝えに行きましょうよ、愛を」と語りかけました。
それからというもの、柘植は黙って宮下のアシストを受けるようになりました。そして柘植が退院する日、安田に出迎えられた柘植は「宮下先生、ありがとうございました。会いに行ってみようかな」と告げて病院を後にしました。
その夜、宮下はバッティングセンターで翔が新しい彼女といちゃついている様を目の当たりにしました。宮下は「写ルンです」で二人を撮ると、カメラを地面に叩きつけて壊しました。
翌日、宮下は何事もなかったかのように仕事に就いていました。宮下の理学療法士としての人生はまだ始まったばかりです。
以上、映画「歩けない僕らは」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する