明日泣くの紹介:2011年日本映画。22歳の時に新人賞をとって以来鳴かず飛ばずの作家の武は、ジャズピアニストを目指していた同級生の菊子に再会します。ニューオーリンズでピアノを弾く夢を持っていた菊子は、ジャズバーの前座でピアノを弾きながら客の相手をしていました。賭けマージャンをしながら小説を書く武と、いまだにジャズピアニストの夢を追っている菊子の姿を綴った、雀聖・阿佐田哲也の小説の映画化です。
監督:内藤誠 出演者:斎藤工(武)、汐見ゆかり(定岡菊子)、武藤昭平(島田)、井端珠里(みずゑ)、奥瀬繁(吉永)、マービン・レノアー(クレイグ・ハンター)ほか
映画「明日泣く」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「明日泣く」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
明日泣くの予告編 動画
映画「明日泣く」解説
この解説記事には映画「明日泣く」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
明日泣くのネタバレあらすじ:起
小説家を夢見る高校時代の武(斎藤工)は、小説を読み、一方では賭けマージャンに明け暮れていました。ある日、喫茶店に居ると同級生の定岡菊子(汐見ゆかり)が飛び込んできて、武の横に座ります。菊子を追って喫茶店に入ってきたのは音楽の吉永先生(奥瀬繁)でした。武の顔を見た吉永先生はそのまま出て行き、その後菊子も出て行きます。菊子は父の出身地のニューオーリンズでジャズピアニストとして演奏したい夢があり、吉永先生の特別指導を受けていました。
いつもの喫茶店で、菊子をモデルにした小説を書いていた武が落としたマージャン牌を、上品な中年女性が拾います。そして武の原稿を声を出して読みだします。恥ずかしい武は喫茶店を飛び出しました。マージャンでいつも勝っていた武は、イカサマが得意で、この日も積み込みと、すり替えをやっていましたが、見つかってしまい暴行を受け、追い出されます。
闇カジノにも通っていた武は、負けて帰ろうとした時、喫茶店で会った中年女性に再会します。女性に金を回してもらい、二人でカジノを楽しみます。菊子は突然いなくなり、連絡も取れなくなりました。
武は22歳の時、自分の書いた小説で新人賞をとりました。その後、鳴かず飛ばずの武は父親から「こんなことばかりしていたらオレの二の舞だ」と忠告されますが、その後、父親が死亡し、少額ながら遺産相続をした武は、その金で博打をしながら小説を書いていましたが、全く売れませんでした。
明日泣くのネタバレあらすじ:承
3年後、同じようにマージャン漬けの生活を続ける武は、金が底をつきます。そしてマージャンに負けると編集者の担当者のみずゑ(井端珠里)に前借りする状態でした。闇カジノで中年女性と一緒に楽しんでいる時、警察の手入れがあり逃げ出した武は、ジャズドラマーの島田(武藤昭平)に会い、島田の店に案内されます。
そこでピアノを弾く女性を見た武は戸惑います。それは菊子でした。島田の演奏の前座をしながら客の相手をしていました。カウンターで眠り込んでしまった武が従業員に起こされると、店内で島田と菊子がSEXをしていました。そして菊子の夫が迎えにきます。夫は吉永でした。島田は「菊子を自由にし、好きな事をやらせている変わった夫だ」と言います。
原稿を取に来たみずゑを連れ、ジャズバーに行った武は、みずゑに菊子を見せます。菊子はいつもどおりの曲を弾いた後、突然ジャズを弾きはじめます。客は拍手しましたが、島田は「勝手な事をしやがって」と怒っています。みずゑは「あの人が小説のモデルですね」と武に話します。
翌日、島田は菊子の代わりのピアニストを連れてきます。怒った菊子はそのまま帰りました。後を追った武は「考え直せ」と言いますが、菊子は「好きな事が出来ない仕事はやる意味がない」と言って、『アイル・クライ・トゥモロウ』を口ずさみます。武が「今の心境か?」と聞くと、菊子は「私は一度も泣いたことがない」と言いました。
明日泣くのネタバレあらすじ:転
菊子に誘われた武はジャズバーに入ります。そこではニューオーリンズから来たと言うクレイグ(マービン・レノアー)らが演奏していました。演奏終了後、菊子がピアノを弾き「一緒に演奏しよう」と誘うと、クレイグらも参加します。ジャズを弾く菊子は本当に楽しそうでした。
吉永の部屋に菊子を連れて帰った武は、吉永から「菊子は沖縄生まれで、グアム育ち、父親は観光ガイドだ」と知らされます。そして「高校生の菊子が消えたいといった時、自分が一緒に逃げた」と告白し「私は菊子の親代わりだ」と言います。菊子の話は全て嘘で、自分の理想を話していたのでした。
闇カジノの前で店主に金を借りて入店した武は、中年女性が居ないのが気になり、常連に聞くと「1億円の借金で死んだ」と言われます。その後、警察の手入れがあり、武は捕まります。このことで編集者から契約を解除されました。
その後、菊子が家にやって来ます。菊子は「クレイブが私のピアノに惚れ、一緒にトリオを組むことになった」と言いながら麻薬を取り出します。武が「ここで薬は止めろ」と叱ると「薬も博打も同じだ!」と菊子が言って出て行きます。
武は島田を誘ってジャズバーに行って『定岡菊子トリオ』の演奏を聞きます。島田は「菊子は旦那と別れたそうだ、演奏は悪くないが、客が少なすぎる、これではギャラは持ちだしになる」と言います。島田の言うとおりギャラは少額だったため、クレイブに払うギャラが足りませんでした。
明日泣くの結末
雀荘に菊子がやって来て、武に「金を貸してくれ」と言います。武が「貸す金はない」と言うと、菊子は「武が負けたら私を好きにしていい」と言うと、常連の二人が10万円ずつ卓の上に置きます。形勢不利の中、オーラスを迎えた武は、封印していた積み込みをしているようでした。そして手牌は大四喜を聴牌していました。常連が北を切ります。当たりですが武は悩みます。そして数秒後「ロン」と言いました。
手にした20万円を菊子に渡すと、菊子は「本当は負けるつもりだったでしょう、当面はしのげる」と言って去って行きます。一向に目の出ない武でしたが、菊子の『定岡菊子トリオ』は人気に火が付き、客を集めるようになります。そして満員の客の中演奏が終わった菊子でしたが、刑事が入って来て「クレイグだな、麻薬取締法で署まで来てもらう」と言って連れて行かれました。
再び菊子は行方不明になりました。武は自宅で「明日泣く」という小説を書き終えます。そこへみずゑがやってきました。「編集社が何を言っても、私は大穴の貴方にかけます」と言い、さらに「クレイグの麻薬の件を通報したのは、菊子さんの元夫だそうです。菊子さんは泣きをみましたね」と言います。
その時、菊子から電話が入り「私は泣いていない、今からニューオーリンズに帰って父と暮らす」と強がります。マージャンをしていた武は、テレビでUFOと交信できるピアニスト発見という報道を目にしました。その女性は菊子でした。
以上、映画「明日泣く」のあらすじと結末でした。
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