あしたになれば。の紹介:2015年日本映画。大阪府南河内地区を舞台に、町おこしのためのグルメコンテストに参加することになった6人の男女高校生のひと夏の恋と友情を描いた青春ドラマです。「青春はいつも甘酸っぱい!」「青春まっただ中。恋も悩みも友情も、あしたになれば、きっといいことが起こるはず。」というキャッチコピーで、監督・脚本は『村の写真集』で第8回上海国際映画祭最優秀作品賞を受賞し、『しあわせのかおり』『乙女のレシピ』で料理が結ぶ心を丁寧に綴った三原光尋、主演はミュージカル『テニスの王子様』の小関裕太です。
監督:三原光尋 出演:小関裕太(松井大介)、黒島結菜(佐々木美希)、葉山奨之(安田元)、小川光樹(大野健二)、山形匠(見村昭吾)、富山えり子(大島玉子)、赤間麻里子(松井順子)、清水美沙(佐々木香織)、赤井英和(松井幸雄)、ほか
映画「あしたになれば。」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「あしたになれば。」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
あしたになれば。の予告編 動画
映画「あしたになれば。」解説
この解説記事には映画「あしたになれば。」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
あしたになれば。のネタバレあらすじ:運命の出会い?
大阪府南東部の南河内市、ぶどう畑が広がる郊外に暮らす高校2年生の松井大介は、夏の全国高等学校野球予選で敗退して以来、すっかり野球への情熱を無くしていました。
そんな夏休みのある日、大介は友人の安田元、大野健二、見村昭吾らと学校に呼び出されました。校長先生から告げられたのは、地元の特産品を使って「ふるさとグルメ」を作る町おこし「南河内グルメ開発プロジェクト」への参加を要請するものでした。
「えー!」「オレ、お断りします。」「忙しいんや。」「受験勉強もあるし。」「オ…オレも…。」大介たちは何とか断ろうとしました。その時、2人の女子高生が入ってきました。それは隣の飛鳥女子学院の生徒でした。「お二方、残念。こいつら…」やって来た佐々木美希と大島玉子に、校長は断ろうとしました。「オレ、やります!」元がいきなり手を挙げました。「オレも!」「よし!やろか!」健二、昭吾が続きました。「松井は?」「こいつ、ぶどうの収穫で忙しいので…」「オ…オレもやります!」大介も慌てて答えました。
それはみんな、清楚で美人な美希が目当てでした。画して、大介たちは美希たちと共に「ふるさとグルメ」を作るため、料理に励むことになりました。
あしたになれば。のネタバレあらすじ:初恋
美希を目当てに、大介たちは初めての料理に挑みました。積極的な元はさりげなく美希の気を引こうとします。そんな姿を見て、負けじと健二、昭吾が気を引こうとしました。「コラッ!」美希に色気づく男子を玉子は一喝しました。
そんな中、各々の試作第1品目ができました。「地元野菜をいっぱい使った南河内カレー」(旨いが普通)、「地元ワインをたっぷり使った特製ツユレ」(旨いが高い)、「関西人大好き粉モン河内スペシャル」(「うどん+お好み焼き」で見た目に「アカンやろ」)は、コンセプトの「旨い、安い、珍しい」を満足させるものでなく、即却下となりました。美希はハンバーガーを作りました。元はかぶりつきました。「ウッ」元は何も言いません。どうやら美希は料理下手で、それはとてもおいしいと言えるものではありませんでした。
その日の帰り道、大介は偶然、美希と帰り道が一緒になり、流れで美希を家に招きました。夕食はタコ焼きでした。「大阪のお家って本当にタコ焼き機があるのね」東京生まれで最近越して来た美希は驚きました。(本格的「7×4」の鉄板が3枚並んだタコ焼き機!)「できたで!」「いただきま~す!」「鰹節いるか?マヨネーズもあるで~」「マヨネーズは邪道や!」「お前は黙っとれ!」母子家庭で一人で食事をすることが多い美希は、久しぶりに賑やかで美味しい食事を楽しみました。
徐々に料理の奥深さに気づき始めた大介たちは、ライバルの大学チームの研究室に忍び込んだり、名産のイチジク農家に試食に行ったりしました。大介たちは次第に料理の面白さに目覚めていきました。そんな中、大介と元の美希に対する想いは日増しに強くなっていきました。「オレ、美希ちゃんに告白する。もう我慢でけへんわ」ある日、積極的な元はついに大介に宣言しました。突然のその言葉に大介は驚きました。
あしたになれば。のネタバレあらすじ:交錯する思い
しかしある日突然、美希が料理の練習に来なくなりました。「も~なんやねん。美希ちゃん…」「ちょっと!あんた!適当な気構えでやんねやったら、今すぐやめや!」「なんや、その言い方!」「なんやとはなんや!」「アーッ!モーやってられるか!」玉子の言葉にキレた元は出ていきました。
その様子を見た大介は、その日、美希の家を訪ねました。しかし、美希はいませんでした。美希は再婚しようとする母・香織と喧嘩し、東京の父のもとに行ってしまっていました。母・香織の話ではもう戻ってこないかもしれないという事でした。「エーッ!」偶然、遅れて美希の家に来た元は、大介の姿を目撃して驚きました。
大介と美希が既にデキていると勘違いした元は、コケにされたと憤りました。それ以来、大介、健二、昭吾は練習に来なくなりました。悩む大介に、ある夜、父・幸雄が河内ワインを片手に語りかけてきました。「オレな、おかあちゃんに10回フラれとるんや。…粘り勝ちっちゅうやっちゃ。お前はそこまでして手に入れたいもんあるか?…お前の手にはお前の人生がある。真っ正直なお前の姿がな。…得意の全力投球や!トコトン、チャレンジするこっちゃ」という父の言葉に、大介は励まされました。
その翌朝、突然、大介のもとに東京から帰ってきた美希が姿を現しました。大介は、畑で採れたばかりのデラウエアを美希に御馳走しました。「あま~い!」ぶどうを頬張り、美希は話し始めました。「私ね、2学期になったら東京へ帰ることにしたの。…私ね、夢があるの。お父さんみたいなパテシエになりたい!だから傍にいたい。…」「美希ちゃん、オレな。美希ちゃんのこと…大好きや!あんな…オレ…オレ…」東京に帰るという美希に、ついに大介は告白しました。「お兄ちゃん!スイカ~!」「スイカなんかいつでも食えるやんか…」空気を読まない妹の出現に大介は頭をかきました。
あしたになれば。のネタバレあらすじ:恋と友情
美希を送った大介は、駅前で因縁の悪ガキどもに捕まってしまいました。大介を助けに来たのは、元たちでした。大喧嘩の末、元も大介もボコボコにやられてしまいます。「アホやな。こんでええのに…」「お前、めっちゃ喧嘩弱いの知ってるからな」「お前もボコボコにやられたやない…」「ハハ…」「オレな、美希ちゃんのこと好きや」「わかっとるわい!」「彼女な、夏が終わったら東京帰る」「どういうことやねん!」「オレ、やりたいことも欲しいもんも諦めへん。せやから、今からオレとお前は友達でライバルや。でも、オレらが協力せな、彼女を喜ばせられへん。ええな…」「なんかよう分からんけど、オレもやるで…」大介と元は仲直りしました。早速、大介は美希にラインを送りました。「辛いことも、あしたになれば、大丈夫」と。
画して、再び6人は再結集しました。最終候補は大介の案で「生地がフワフワでトロトロのジャムがかかってる、ほっぺたみたいにもちもちのドーナツ」になりました。それは美希にとって懐かしい父のお菓子でした。ジャムは地元名産のぶどう、イチジク、みかんを使うことになりました。
なかなかうまくいきませんでしたが、旨いお好み焼きが轢いた道明寺粉を隠し味に使っていると聞き、ようやくドーナツは完成しました。名前は「初恋ドーナツ」となりました。
「南河内グルメ開発プロジェクト」の日が来ました。「おっぱい肉まん」「ナイス親父のホルモンパスタ」「河内ベジサンド」「タコ焼きアイス」「パフェ・ド・カワチ」「スイーツいちじくタルト」「ホクホクコロッケ」など様々な作品が軒を並べました。1番人気は地元農大チームの「生チョコパン・放課後の誘惑」でしたが、地元食材があまり使われていなかったため失格となりました。結局、優勝は婦人会の「ときめきラブ団子」でした。なんと、大介と美希たちの「初恋ドーナツ」は準優勝を勝ち取りました。
あしたになれば。の結末:あしたになれば。
イベントが終わり、大介と美希は約束しました。「あたし…大介くんのこと、ずっとずっと応援する!」「オレも美希ちゃんのこと応援する!」「じゃあ、今度はどっちが先に夢を叶えるか…競争ね!」夜空を打ち上げ花火が彩りました。
大切なものは何かを悟った大介は、再び好きな野球への情熱を取り戻し、甲子園を目指して日々練習に励みました。そんな大介のもとに美希から手紙が届きました。それにはこう書かれていました。
「落ち込むこともありますが、あしたになれば、たくさんの素敵なことが起こる気がして、毎日を頑張っています。大介くんも充実した毎日でありますように。あしたになれば」と…。
(エンドロールと共に主題歌・奥華子の『君がくれた夏』が静かに流れます。)
以上、映画「あしたになれば。」のあらすじと結末でした。
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