バンコクナイツの紹介:2016年日本,フランス,タイ,ラオス映画。映像制作集団「空族」の富田克也が監督・共同脚本を手がけ、タイ・バンコクや近隣国などを舞台に歴史に翻弄され続けたタイ人娼婦と日本人の元恋人との邂逅、そして失われた人生を取り戻すための旅を描いたロードムービーです。ロカルノ国際映画祭で若手審査員・最優秀作品賞を受賞しています。
監督:富田克也 出演者:スベンジャ・ポンコン(ラック)、スナン・プーウィセット(ナット)、チュティパー・ポンピアン(リン)、タンヤラット・コンプー(カイ)、富田克也(オザワ)ほか
映画「バンコクナイツ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「バンコクナイツ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
バンコクナイツの予告編 動画
映画「バンコクナイツ」解説
この解説記事には映画「バンコクナイツ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
バンコクナイツのネタバレあらすじ:起
タイの首都バンコク。日本人専門の歓楽街のタニヤ通りの人気店「人魚」で働くナンバーワン娼婦のラック(スベンジャ・ポンコン)は5年前に故郷のタイ東北部・イサーンからこの街に出稼ぎのためにやってきました。今ではラックは、日本人のヒモ、ビン(伊藤仁)を連れ回して高級マンションで暮らす一方、バンコクから遥か遠く離れたラオスとの国境付近、メコン川のほとりにあるノンカーイ県に住む家族に仕送りをしていました。そんなある夜、ビンが何でも屋の金城(川瀬陽太)とつるんで企画した裏パーティーで、ラックはかつての恋人だった日本人男性、オザワ(富田克也)と5年ぶりに再会を果たしました。自衛隊を辞め、日本を捨ててタイに流れ着いたオザワはネットゲームで小銭を稼ぐその日暮らしの貧しい日々を送っており、見かねた兄弟分のしんちゃん(長瀬伸輔)に誘われて裏パーティーに参加していたのです。
バンコクナイツのネタバレあらすじ:承
ラックに会うためには金がいることを痛感したオザワは、自衛隊時代の上官で今ではバンコクで店を営む富岡(村田進二)に会い、ラオスで日本人向けの現地妻付き介護老人ホーム事業を展開するために現地での不動産調査を依頼されました。オザワは依頼を引き受け、ラックはオザワがラオスに行くついでにノンカーイの家族に紹介しようと決意しました。ラックの実家には、金の無心ばかりしては何かと確執の絶えない母ボーン(ドコイー・トナビット)と父違いの弟ジミー(ベニー・ライト)がいます。バンコクから遠路はるばるノンカーイへ辿り着いたラックとオザワは、ラックが支えている大家族からの出迎えを受けましが、ボーンはラックが買った家に一人で暮らしており、そこにはボーンの姿はありませんでした。オザワはラックにバンコクを捨ててここで一緒に暮らそうと持ちかけましたが、ラックは家族を支え続けるためにも稼ぎ続けねばならず、ドラッグに溺れるボーンから虐待を受ける妹イン(パンジャリー・ポンコン)も助けねばならないのです。
バンコクナイツのネタバレあらすじ:転
オザワは仕事のため単身ラオスに向かい、そのまま消息を絶ちました。ノンカーイに残されたラックはボーンから冷たい言葉を投げかけられました。自分は所詮母や家族の金づるでしかないことを思い知らされたラックはバンコクに戻り、今まで以上に仕事に精を出すのですが、店では新人のリン(チュティパー・ポンピアン)が台頭しており、ビンとつるんでドラッグに明け暮れていました。しかもラックは、高級マンションをあてがってくれたパトロンからはオザワとの関係を理由にあっさり切り捨てられたうえにマンションをも引き払わざるを得なくなり、故郷のボーンからはしきりに金の無心が絶えず、ラックは追い詰められていました。
バンコクナイツの結末
その頃、ラオスに着いたオザワは、現地を牛耳る謎の集団「古神&JRP」(田我流、Tonde Tribeほか)に連れ去られ、そこでベトナム戦争がこの国にもたらした深い爪痕などを垣間見ることになります。そんなある日、ラックのもとにオザワから連絡があり、二人は5年前に行ったとある島へ向かいました。満月の夜、ラックは自らがHIVに感染していることを明かしますが、オザワは黙って目を閉じるのみでした。ラックはそのまま海へ入っていき、オザワは慌てて彼女を助けて岸辺に連れて行きました。ラックは泣いていました…。
その後、ラックはオザワの前から姿を消し、バンコクに戻ったオザワは拳銃を購入、タニヤ通りでポン引きの仕事に就いていました。一方、ノンカーイに戻ったラックは、幼馴染の親友でHIV患者の姉アップル(マリサ・タンタウィー)の子供を抱っこしていました。
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