僕が君の耳になるの紹介:2021年日本映画。YouTubeで再生回数1000万回を突破したボーカル&手話パフォーマンスグループ「HANDSIGN」の楽曲を原案とし、本作にも出演している聾唖者の忍足亜希子と夫・三浦剛の実話も織り込んで製作したラブストーリーです。ごく普通の大学生と耳が聞こえない女性が恋に落ち、様々な困難を乗り越えながら成長していく姿を描きます。
監督:榎本次郎 出演者:織部典成(山岸純平)、梶本瑞希(福原美咲)、三浦剛(福原光太郎)、忍足亜希子(結衣)、松井健太(満彦)、岡元あつこ(遥香)、小松みゆき(コーチ)、中西悠綺(原玲奈)、濱田英里(福原朋子)、寺田光(純平の妹)、川崎麻世、阿部祐二、新藤栄作、岡田結実、坂東彦三郎、木村祐一(栗橋)、森口瑤子(山岸千夏)ほか
映画「僕が君の耳になる」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「僕が君の耳になる」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
僕が君の耳になるの予告編 動画
映画「僕が君の耳になる」解説
この解説記事には映画「僕が君の耳になる」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
僕が君の耳になるのネタバレあらすじ:起
山岸純平は東京・城南大学に通うごく平凡な大学生です。純平の趣味はギターの弾き語りであり、大学の講義やバイトが終わった後で川原や歩道などに出向いては歌を歌っていました。
この日、純平はいつものように川のそばで歌っていました。誰一人として純平の歌を聴く者はいないと思われたその時、ひとりの若い女性が純平に近づいてきました。女性は純平と目が合うと、両手を顔の横の高さまで掲げてヒラヒラと揺らすジェスチャーをしてみせました。
この時、純平は女性のジェスチャーの意味が理解できていませんでした。女性はそのまま立ち去っていきました。
翌日、純平は不動産会社から自宅マンションの契約更新についての催促状を受け取りました。急に金が必要になった純平は親友の満彦に金を借してくれと頼むも断られ、どうしようかと悩んでいました。
その時、純平は昨日歌を歌っていた時に出会ったあの女性が大学構内でダンスを踊っているのを見かけました。女性の名は福原美咲といい、純平と同じ大学でダンスサークルに入っていました。
純平は満彦に昨日のことを話し、美咲のジェスチャーについて尋ねてみると、満彦は純平の歌は薄っぺらいとバカにされたのではないかとからかいました。実は美咲は耳が聞こえない聴覚障害者であり、ジェスチャーとは手話のことだったのです。
しかし、この時も純平は昨日の手話が何を意味していたのか分かりませんでした。
僕が君の耳になるのネタバレあらすじ:承
純平は耳の聞こえない世界というものがどんなものなのか興味を抱きました。純平は校内で美咲に会いに行き、自分の腕にペンで文字を書いて意思疎通を図りました。すると美咲はスマホ画面にテキストを表示し、「いつも歌ってるね」という返事をしました。純平は美咲が以前から自分のことを知ってくれていたことに感激しました。
美咲の所属するダンスサークルで、耳が聞こえないのは美咲ただひとりでした。美咲はいつも踊るのに苦労し、部員が聾唖者だろうが決して特別扱いしないコーチの方針で常に厳しく叱りつけられていました。
この日も叱られて落ち込んだ美咲は純平の路上ライブに顔を出し、スマホを通じて自分の歌を聴いていると思った相手が聾唖者だとしてがっかりしただろうとメッセージを送りました。純平はまた来てほしいと返し、美咲は喜びました。
美咲は聾学校時代の恩師である結衣と度々会っては相談に乗ってもらっていました。美咲と結衣は純平がバイトをしている喫茶店で手話で語り合い、純平も美咲とコミュニケーションを取るために手話を学ぼうと決心しました。
それからというもの、純平は美咲に手話を教えてほしいと頼み、満彦も付き添うなか一生懸命手話の練習をしました。
一方、美咲はダンスの練習を続けていたのですが、どうしても周囲に合わせることができず、他の部員たちの足を引っ張ってしまっていると感じて家に引きこもってしまいました。純平は美咲を励ますためにダンスサークルの部員たちに協力を求め、ビデオメッセージを作って美咲の家を訪れました。
部員たちは純平に教えてもらった手話で画面越しに美咲にエールを送りました。
僕が君の耳になるのネタバレあらすじ:転
純平や仲間たちに勇気づけられた美咲はダンスの練習を再開し、純平の励ましもあってダンスのコンクールを乗り切ることができました。やがて純平と美咲はデートを重ねるようになっていきましたが、互いに手話でやり取りする姿は周囲の好奇な視線を集めるようになっていました。
純平はその度に自分が健常者であることをアピールしました。美咲は純平が自分といることで変な目で見られてしまうことを危惧していましたが、純平は美咲に告白しました。
純平と美咲は本格的に交際を始めました。美咲の父・光太郎も娘が恋をしたことをとても嬉しく思いました。
そんなある日、純平のバイトの同僚で劇団員でもある遥香は純平にも翌日の舞台を観に来てほしいと誘ってきました。その場には美咲もいたのですが、純平は行くと答え、美咲には明日はバイトだと嘘をついてしまいました。
その翌日。美咲は結衣とカフェで語り合いました。結衣は美咲に、交際相手が健常者だとどうしても相手に気兼ねしてしまうから付き合うなら聾唖者同士がいいのではないかと助言しました。
その帰り道、美咲は舞台を観終わったばかりの純平と出くわしました。純平が嘘をついていたことを知った美咲はショックを受け、その場を逃げ去ろうとしました。純平は追いかけて謝罪しましたが、美咲が車に撥ねられそうになっていることに気付いた純平は彼女を庇って車に撥ねられてしまいました。
僕が君の耳になるの結末
純平は幸いにも軽傷で済みましたが、念のため2、3日の間入院することになりました。故郷からは純平の母・千夏が純平の妹を連れて駆け付けました。純平が聾唖者と付き合っていることを知った千夏は最初のうちは交際に反対しましたが、必死で手話を学んだ純平の想いの強さを知り、交際をやめろと言えなくなっていきました。
千夏も自ら手話を学び、美咲と会話を交わして故郷に引き上げていきました。
純平が退院する時が来ました。美咲はこれ以上純平に負担をかけたくないと別れを決意し、精一杯の大きな声で「純平!」と言いました。美咲が声を出したのは子供の頃以来で、声を笑われてから恐怖のあまり声を出せなくなっていたのです。
美咲は声を出す勇気や人を好きになる勇気をくれた純平に感謝の気持ちを伝えて去っていきました。
美咲のもとに満彦が現れ、純平が待っていると告げて去っていきました。純平への想いがこみ上げてきた美咲は、川のほとりでギターを抱えている純平のもとへ向かいました。純平は美咲のために「僕が君の耳になる」という曲を作っていました。
純平は美咲に二人だけの世界を作りたいと伝え、手話を交えて歌い始めました。美咲は初めて純平と出逢ったあの時のように両手を顔の横の高さまで掲げてヒラヒラと揺らしてみせました。
そして純平と美咲は抱きしめ合いました。
以上、映画「僕が君の耳になる」のあらすじと結末でした。
先日、亡くなったウィリアム・ハートに「愛は静けさの中に」というやはりデフの恋人と手話を通じて愛を深める映画ありましたね。
「蜘蛛女のキス」の翌年の映画ですが、なかなかW・ハートはハンサムでした。