ぼくが命をいただいた3日間の紹介:2015年日本映画。冬休み、東京から父の実家の田舎に一人でやってきた悠介少年は、初めての田舎の生活と料理に馴染めず、帰りたいと一人孤独になっていました。そんな時、明日香という女の子と仲良くなり、明日香が東京からやってきて、田舎の生活に馴染んだことを知った悠介は、少しずつ変わりはじめ…という内容の食をテーマにした、生きるとはどういう事かを教える短編ヒューマンドラマです。
監督:工藤里紗 出演者:若山耀人(悠介)、平祐奈(明日香)、高橋和也(啓太)、伊藤裕子(里美)、松原智恵子(フミ)、でんでん(源蔵)ほか
映画「ぼくが命をいただいた3日間」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ぼくが命をいただいた3日間」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ぼくが命をいただいた3日間」解説
この解説記事には映画「ぼくが命をいただいた3日間」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ぼくが命をいただいた3日間のネタバレあらすじ:起
東京で暮らす一家の父、啓太(高橋和也)は息子で小学6年生の悠介(若山耀人)に「冬休みになったら、お父さんの田舎に一人で行ってきないさい」と言います。母、里美(伊藤裕子)の実家しか行った事のない悠介は「お父さんの田舎はあるの?」と聞きます。すると啓太は「おじいちゃんとおばあちゃんがいないと、お父さんは生まれないよ」と言って、悠介を送り出します。
啓太の両親の実家はものすごい田舎でした。地図を見ながらやっとの思いでたどり着くと、祖父の源蔵(でんでん)が薪割りをしています。源蔵は木の中にいる虫を見つけ食べます。それを見て驚いた悠介でしたが、家から祖母のフミ(松原智恵子)が出てきて「悠介君、よくきたね」と言って、家の中に入れます。源蔵は悠介に「啓太の部屋を使え」と言います。
夕食の準備が出来て食卓を囲むと、田舎の野菜料理ばかりの上に、蜂の子の煮つけが出てきます。食欲のなくなった悠介は「お腹は減っていない、コンビニはないの?」とフミに聞くと、「町まで行かないとないよ」と言われ、啓太は部屋に戻ります。部屋には父が子供時代に遊んだものや、読んだ本などがありました。源蔵は「そのうち食べるだろう」とフミに言います。
ぼくが命をいただいた3日間のネタバレあらすじ:承
祖父と祖母が寝静まった午後9時、悠介は父の啓太に電話をします。「こんな所にいるのは嫌だ、帰りたい」と言うと、啓太は「ダメだそこにいなさい」と言って電話を切ります。翌朝、夜明け前に源蔵におこされた悠介は、畑でキャベツの収穫を行います。家に帰ると、フミがキャベツの中から青虫を見つけて殺して捨てます。悠介が「どうして殺すの?」と聞くと「生きたままだとまた畑に帰って来るから」とフミは答えます。
フミが「鶏小屋から卵を3つ持ってきて」と悠介に頼みます。鶏小屋で卵を取りたくても取れない悠介の横に、明日香(平祐奈)という女の子がやってきて卵をとります。そして「生みたてだから温かいでしょう」と言います。
朝食が出来て、真っ先に食べようとした悠介に、源蔵が「いただきますと言いなさい」と叱りつけます。叱られて食欲をなくした悠介は、あまり食べずに、家の周りを歩いていました。すると陰から狩猟の恰好をした老人が出てきて驚かされます。
後ろから明日香がやって来て、明日香のお爺ちゃん(辰雄)だと分かると、悠介は安心します。そこへ源蔵もやってきて、明日香に「家に来い」と言います。
ぼくが命をいただいた3日間のネタバレあらすじ:転
源蔵は鶏を一羽取り出し、悠介の目の前で絞めます。明日香と鶏をさばき、フミが悠介の大好きな唐揚げを作ります。しかし悠介は、生きた鶏を殺したのを見て、食欲をなくしてしまい、部屋に戻って寝ます。
翌朝、明日香は悠介を誘って滝を見に行きます。「この滝は、何年経っても変わらない景色だ。田舎の生活は昔と同じ、鶏でも野菜でも、食べるという事は命をいただくという事なんだ」と話をし、自分も東京に住んでいたことを伝えます。
昼間、悠介は源蔵にぬか漬けを習います。夜、フミは啓太に電話します。「生きているうちに孫の悠介に会えるとは思わなかった、ありがとう。でもお父さんが本当に会いたいのは啓太だよ。帰って来て」と言います。啓太は「親父の具合は悪いのか?」と聞くと、フミは「落ち着いているけど、いつ起ってもおかしくない」と言います。啓太は19歳の時、源蔵と仲たがいして家を飛び出していました。それ以来、源蔵とは会っていませんでした。
そのころ、悠介は源蔵に「明日香ちゃんは東京にいたの?、お父さんやお母さんは?」と聞きます。源蔵は「明日香の両親は交通事故で死んだ。生き残った明日香はかわいそうだと辰雄が引き取った」と教えます。
ぼくが命をいただいた3日間の結末
翌朝、悠介は源蔵、辰雄、明日香の4人で鹿狩りに行きます。「生きた鹿をどうして殺すの?かわいそうだ」と言うと、源蔵は「鹿が増えすぎて、人間が食べる野菜などを食べ尽くすんだ。だから鹿を食べて命をいただくんだ」と言います。鹿を仕留め、家で解体し焼肉と鍋を作ります。何かを感じた悠介も、料理作りを手伝いました。
そして食卓を皆で囲み、悠介は大きな声で「いただきます」と言って鹿肉に箸をつけます。そして「おいしい」と言って食べていると、啓太がやって来ます。源蔵が立ち上がり啓太の元へ行くと「ひさしぶりだな」と言ってそのまま倒れます。倒れた源蔵は枕元で啓太と話をします。源蔵は「悠介はいい子だ、オレの孫だ!」と言って二人の間のわだかまりは解けました。
3カ月後、東京の自宅では啓太と悠介がぬか漬けを作っています。悠介の家の食卓には、ぬか漬けや田舎料理がたくさん並ぶようになりました。そして母の里美のお腹には、悠介の弟か妹が宿っていました。
以上、映画「ぼくが命をいただいた3日間」のあらすじと結末でした。
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