ちょっと今から仕事やめてくるの紹介:2017年日本映画。北川恵海原作小説「ちょっと今から仕事やめてくる(ちょいやめ)」の映画化作品。就職に失敗し焦って入った会社がブラックだった。それでもそこにしがみつくしか出来ない隆はあくせく働く毎日であった。そして心が折れる。駅のホームで目を瞑り流れに身を任せると吸い込まれるように線路へと身体が落ちて行くその時、とっさに隆の身体を一人の青年が引っ張った。ヤマモトと名乗るその青年は隆のかつての同級生だという。最初は戸惑う隆だが次第に彼に心を開いていく。監督は2012年の「八日目の蝉」で日本アカデミー賞を受賞した成島出。
監督:成島出 出演:福士蒼汰(ヤマモト)、工藤阿須加(青山隆)、黒木華(五十嵐美紀)、森口瑤子(青山容子)、池田成志(青山晴彦)、ほか
映画「ちょっと今から仕事やめてくる」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ちょっと今から仕事やめてくる」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
「ちょっと今から仕事やめてくる」の予告編 動画
映画「ちょっと今から仕事やめてくる」解説
この解説記事には映画「ちょっと今から仕事やめてくる」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
「ちょっと今から仕事やめてくる」のネタバレあらすじ:1.会社
月曜日は憂鬱、火曜日水曜日と日が進むにつれ次第に気持ちは落ち着くが週末が終わる頃にはまた始めから繰り返される。朝の朝礼は体操から始まり、会社の社訓を読まされる。遅刻の際には罰金があり有給なんてもちろんない。営業の人間はノルマ未達成の際にはこっぴどく怒鳴られしまいには「タコ」の言葉を投げつけられる。隆(工藤阿須加)の成績は悪く、そうやって頭を書類ではたかれるのだ。残業は月に150時間を超えている、それも1回や2回ではない。もちろん残業代は出ない。その日も残業を伝えられ1人会社で書類作りに追われる隆に母親から電話が入る。そんな電話にまともに話すこともなく、隆は忙しいからと言って切ってしまう。その帰り駅のホームで電車を待つ間に部長から電話がかかってくる。自由はない。そうなると身体が鉛のように重いのを感じる。自由になりたい、休みたい、そう思い目を瞑ると自然と身体が線路へと吸い込まれていく。
「ちょっと今から仕事やめてくる」のネタバレあらすじ:2.ヤマモト
電車がホームへとやってきた。隆の身体はゆっくりと線路へと落ちて行く。その時、一人の青年が隆の身体を引っ張りホームへと戻した。その青年は派手なシャツに短パンというラフな格好をしている。そして隆の顔を見てにっこりと笑い「久しぶり」と声を掛けた。ヤマモトと名乗るその青年(福士蒼汰)はどうやら隆の中学の同級生らしい。しかし隆は覚えていない。それでも大阪弁で陽気に話す彼といると自然と顔はほころびを見せる。その後彼と居酒屋で飲みひとしきり話を交わした後、2人は電話番号を交換し家へと帰った。それからヤマモトは度々隆の元へと顔を見せるようになる。突然家の前に現れ連れ出すこともあれば、会社帰りに飲みに誘うことも多かった。しかし彼が同級生ではないと知った時、嘘をついていた彼に不信感を覚えたと同時に、何の繋がりのない人間と本当の意味での友情を結んだことを実感した。
「ちょっと今から仕事やめてくる」のネタバレあらすじ:3.契約
ヤマモトとの出会いが隆を劇的に変えた。ネクタイを明るくしたことで印象もガラっと変わり、内面の変化も見せた。そのおかげで大きな契約へと近づくことができた。会社のトップである先輩五十嵐美紀(黒木華)もまた彼に一目置き、少しずつではあるが良い方向へと向かっていた。しかしある日隆の元に会社から連絡が入る。その契約元からクレームが入った。注文書の内容が間違っていたという。その損失は大きく、結局先輩である五十嵐に契約を引き継ぎ隆は部長から罵声を浴びせられることになる。隆の様子がおかしいことに気付いたヤマモトはその日もまた飲みに誘った。そして隆の話を聞いてから仕事を変えることを提案する。隆にはここにしがみつくしかなかった。今の世の中正社員でいることは貴重だ、辞めたらどうすればいいのか分からない。しかしその思いが隆をある行動へと動かしてしまう。
「ちょっと今から仕事やめてくる」のネタバレあらすじ:4.自殺
五十嵐の様子がおかしかった。隆のパソコンを勝手にいじることもあれば、部長に何やら話をすることもある。隆は身に覚えのないことで部長から叱られしまいには、迷惑をかけたと五十嵐に謝った所で彼女からもまた邪険に扱われてしまう。そしてある日、自殺の想いを抱き会社の屋上へと登った。そこへ現れたのはまたしてもヤマモトだった。その少し前隆はヤマモトの正体を確かめようとインターネットで情報を探した。その結果、彼ヤマモトジュンは3年前に亡くなっていた事が分かった。そんな彼はいつも通りの笑顔で隆を説得した。そして生きる意味を教えてくれた。自分だけじゃない、自分を見守る人のために生きるのだと。それはいつも隆が邪険にしていた彼の両親だった。その後、隆は久しぶりに実家へと帰った。過去に酷い言葉を投げた隆に両親は優しくおかえりと言ってくれる。そして隆は仕事を辞めたいと思っていることを告げると、2人は優しい言葉を投げかけた。
「ちょっと今から仕事やめてくる」のネタバレあらすじ:5.退職
出勤前の朝に隆はヤマモトを呼び出した。そこで改めてこれまでの礼とこれからの事を伝える。「ちょっと仕事やめてくる」、隆の出した答えだった。そして会社へ行き部長にその旨を伝える。既にその日をもって辞めることを決心していた隆の心は晴れ渡っていた。だから部長からどんな罵りの言葉を受けても彼の顔は笑顔だった。最後に部長達に礼を言い隆を会社を後にする。そしてそれ以来ヤマモトとは連絡が取れなくなってしまう。以前見つけたネット記事、そこにあったヤマモトの自殺。彼は天に帰ってしまったのか、そんな事を考えながら隆はヤマモトの死をブログで綴っていた人物に連絡を取る。その人物から紹介されたのはある施設だった。その施設は身寄りのない子供達を預かる場所。ヤマモトもかつて幼少期に両親の死を原因にここに連れられてきた。教えてくれたのは誰よりもヤマモトの事をしる園長大場であった。彼女の出した写真にはヤマモトの姿が2人あった。彼は双子だった。
「ちょっと今から仕事やめてくる」の結末:真実
ヤマモトジュンは3年前に死んだ。そしてジュンを名乗っていたのは双子の兄弟ヤマモトユウであった。ジュンもまたブラック企業に勤めたために自殺してしまった。そして彼と同じ顔をした隆をたまたま見つけ跡を追ったのだ。ヤマモトは人知れずその苦しみと戦っていた。少し前に、ヤマモトは大場の元を訪れていた。実に久しぶりの再会、そしてその時、ある男が訪れてきた時に渡すようある物を託されていた。それは1枚の写真。彼が教師として働いている南太平洋のバヌアツに住む子供達の写真だった。彼は学生時代からバヌアツの虜になっていた。そして現在もまたその地へ戻っていると言う。写真の裏には隆をその地へ誘う言葉が書き記されていた。バヌアツへの招待状、そこへ行けばヤマモトへの恩返しができる。彼を助けることができる。隆は新しい希望を見つけるため、ヤマモトを助けるために海を渡る。
以上、映画「ちょっと今から仕事やめてくる」のあらすじと結末でした。
「ちょっと今から仕事やめてくる」感想・レビュー
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ブラック企業が潰れてくれればいい・・・いや、部下をいじめる上司が幽霊に憑りつかれて懲らしめられればいい!そんな思いで映画ではありませんが、DVDで拝見させて頂きました♡
ハッキリ言って何が訴えたいかよく分からない作品でした。
超ブラック企業に所属していた青山氏はさすがに勤務時間中は所属長から目に余る仕打ちは食らっていますが、土日祝日はキッチリ休めている感じですし、終業後はヤマモト氏と酒を飲みに行ったり、休日はヤマモト氏とバカバカしいことに興じたり超ブラック感が薄まる気がしないでもありません。
それより私も一刻も早く現在不本意に拘束されている会社に辞表を叩きつけて、青山氏みたいにはしゃぎ倒したいです。