コンプリシティ/優しい共犯の紹介:2018年日本,中国映画。山形を舞台に、中国から技能実習生として来日しながらも職場から逃亡、不法滞在者となって他人になりすます中国人青年と、彼を受け入れた孤独な蕎麦職人の絆を描いたヒューマンサスペンスです。東京フィルメックス観客賞を受賞し、トロント国際映画祭や釜山国際映画祭などでも高い評価を得た作品です。
監督:近浦啓 出演者:ルー・ユーライ(チャン・リャン/リュウ・ウェイ)、藤竜也(井上弘)、赤坂沙世(中西葉月)、松本紀保(井上香織)、バオ・リンユ(グォイ・シュン)、シェ・リ(シュ・ヂェン)、ヨン・ジョン(ヨン・ジョン)、塚原大助(松村)、浜谷康幸(井上弘毅)、石田佳央(刑事)、酒井小春(小春)、占部房子(井上恭子)ほか
映画「コンプリシティ/優しい共犯」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「コンプリシティ/優しい共犯」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
コンプリシティ/優しい共犯の予告編 動画
映画「コンプリシティ/優しい共犯」解説
この解説記事には映画「コンプリシティ/優しい共犯」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
コンプリシティ/優しい共犯のネタバレあらすじ:起
中国・河南省から技能実習生として日本に働きに来たチェン・リャン(ルー・ユーライ)は、とある電子制御工場で働いていましたが、あまりの劣悪な環境とブラック企業ぶりから逃亡して不法滞在者となっていました。
チェンは故郷の母には研修を続けていると嘘をつき、生活費と偽の在留カードを手に入れるため、窃盗団から斡旋される犯罪に手を染めていました。そして手に入れた偽在留カードの偽名は“リュウ・ウェイ”でした。
チャンはリュウになりすまし、山形国際支援協会から仕事を紹介してもらいました。それは山形県大石田町の蕎麦屋で住み込みで月給16万円というものでした。そこは店主の井上弘(藤竜也)が娘の香織(松本紀保)、店員の小春(酒井小春)と共に営む小さな蕎麦屋で、チャンは自転車に乗って出前の配達をすることになりました。
出前の帰り、チャンは母からの電話を受け、まだ工場で働いていると嘘をつきました。その夜、チャンは弘や香織と食卓を囲み、チャンが北京出身だと聞いた弘は自分も北京で生まれたことを明かしました。店の2階の部屋を与えられたチャンは香織の弟の服を部屋着として提供してもらいました。
コンプリシティ/優しい共犯のネタバレあらすじ:承
翌朝、チャンは蕎麦粉を挽く弘の作業の手伝いをしました。その後、チャンはとあるアトリエに出前に行き、将来留学するために中国語を習っているという葉月(赤坂沙世)という女性と知り合いました。その夜、チャンは居酒屋で窃盗団の仲間たちと飲んでいると、隣の席の男が窃盗団のリーダーの煙草の煙を注意してきました。
翌日は法事のため店は休業、弘の息子で香織の弟・弘毅(浜谷康幸)が現れました。弘毅は昨晩居酒屋にいたあの男であり、香織にチャンが怪しげな連中と一緒にいたことを話しました。その後、チャンは再びあのアトリエに出前に行き、絵を描く葉月を見守りました。
葉月から将来の夢を聞かれたチャンは北京で店を開きたいと答え、すっかり打ち解けあった二人は一緒に団子屋に食べに行き、テレサ・テンの「時の流れに身をまかせ」を口ずさみ、出前の自転車で二人乗りして走りました。
その後、二人は山形市でデートを楽しみ、8月生まれだから“葉月(はづき)”と名付けられたという葉月は誕生日に開かれる町の祭りにチャンを誘いました。しかし、チャンはいつの間にか財布を落としてしまい、葉月は交番に紛失届を出しますが決して身元を知られてはいけないチャンは逃げ出してしまいます。
コンプリシティ/優しい共犯のネタバレあらすじ:転
翌朝、チャンは蕎麦粉を挽く弘から財布の盗難届を出したかと聞かれ、激しく動揺してしまいます。その後、チャンは葉月からボイスメッセージで「北京への留学が決まった」との連絡を受けました。
出前に行ったチャンは道に迷ってしまい、何とか辿り着いた時には既に弘が新しい蕎麦を持ってきていました。謝るチャンに、弘は蕎麦には寿命があると語りました。それからチャンは弘から蕎麦の撃ち方を教わりました。そんな時、チャンは母から研修先に茶を送ったとの電話を受けました。
祭りの日、葉月は客として店を訪れ、チャンは葉月と共に祭りに繰り出しました。二人は立ち並ぶ屋台を歩き、花火大会を見るなど楽しいひと時を過ごしました。そんな時、チャンは故郷の弟から祖母が亡くなったとの知らせを聞き、すぐに帰ってこいと告げられました。
やがて葉月が北京に旅立つ日が訪れ、チャンは駅で彼女を見送りました。葉月は別れ際に「北京で待ってるね」と伝え、いつまでも遠ざかり電車を見つめているチャンに「早く前に進みなさいよ」とボイスメッセージを送りました。
その後、チャンは弘の指導のもと蕎麦打ちを学んでいましたが、そこに何者かから「チャンはいるか」という電話が入ってきました。弘は「そんな人はいない」と答えますが、弘に正体を悟られそうになったチャンはその場から逃げ出してしまいます。
チャンは河原で泣き崩れたあと店に戻り、それからはチャンは作業場で蕎麦を打ち、弘がチャンの代わりに接客や出前をすることになりました。
コンプリシティ/優しい共犯の結末
弘は香織にかねてから行きたがっていた海外旅行に行くよう勧め、その間は店を閉めてチャンに蕎麦打ちを教えることにしました。香織はチャンに「早くお父さんの力になってあげて」と声をかけました。それから弘はチャンにじっくりと蕎麦打ちを教え、北京で蕎麦屋を開くよう勧めました。
そしてある日、警察からチャンの財布が見つかったとの連絡が入りました。警察は財布の中の在留カードが偽物であることを突き止めていました。やがて店に刑事(石田佳央)ら数人が現れました。
弘は厨房には包丁などあって危ないからと刑事たちを店内に留め、その間に作業場で蕎麦を打っていたチャンに先日競馬で儲けた金が入った集金袋を握らせ、白紙のメモを渡して「出前に行け」と命じました。弘はチャンを抱きしめ、「これから先は自分で決めろ」と励ましました。
自転車で店から逃げ出したチャンは最上川を越え、庄内浜まで逃げ延びました。すると、携帯に北京の葉月からボイスメッセージが送られていました。葉月が北京で映画「君の名は」を観たと聞いたチャンは、「僕の名はチャン・リャン」と答えました。
以上、映画「コンプリシティ/優しい共犯」のあらすじと結末でした。
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