ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズの紹介:2018年日本映画。2017年~2018年にかけて放映された“平成仮面ライダーシリーズ”第19作『仮面ライダービルド』の続編となるVシネマ作品で、2019年1月に期間限定で劇場公開されました。監督は『仮面ライダー 平成ジェネレーションズFOREVER』(2018年公開)の山口恭平監督、脚本はテレビ本編全話を執筆した武藤将吾が手掛け、テレビ本編最終回で創造された“新世界”を舞台に、テレビ本編の主人公・桐生戦兔(犬飼貴丈)の相棒・万丈龍我(赤楚衛二)を主役にした全く新しいストーリー、そしてテレビ本編での宿敵だった地球外生命体“エボルト”とのまさかの共闘が描かれます。
監督:山口恭平 出演者:赤楚衛二(万丈龍我/仮面ライダークローズ/仮面ライダークローズエボル)、永尾まりや(馬渕由衣)、高田夏帆(石動美空)、武田航平(猿渡一海/仮面ライダーグリス)、越智友己(内海成彰)、滝裕可里(滝川紗羽)、水上剣星(氷室幻徳/仮面ライダーローグ)、進藤学(柿崎悟志/キルバス(人間態))、勝杏里(仮面ライダーキルバス)、金尾哲夫(エボルト/ブラッドスターク/仮面ライダーエボル)、犬飼貴丈(桐生戦兎)ほか
映画「ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズの予告編 動画
映画「ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ」解説
この解説記事には映画「ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズのネタバレあらすじ:起
10年前、強大な力を秘めた“パンドラボックス”により巨大な壁“スカイウォール”が発生、日本は「東都」「北都」「西都」に分裂しました。そして現代、天才物理学者・仮面ライダービルドこと桐生戦兎(犬飼貴丈)は仲間たちと共に全ての黒幕である地球外生命体・エボルト(声:金尾哲夫)の野望を打ち砕き、この世界と別の並行世界を合わせた“新世界”を創造しましたが、その引き換えとして戦兎と相棒の仮面ライダークローズ・万丈龍我(赤楚衛二)以外の人々は旧世界の記憶がリセットされてしまいました。戦兎と万丈は二人新世界に取り残される形となり、これまでの記憶を記録する作業に入っていました。(以上までテレビ本編のあらすじ)
これまで“筋肉バカ”と仲間たちから呼ばれ続けた万丈は、新世界に入ったことを機に“プロテインの貴公子”を自認しようとするも戦兎に一蹴されてしまいます。二人はちょうど全ての記録作業を終えたばかりでした(テレビ本編のオープニングの前説。このために二人はわざわざ登場人物に声の似た人たち(金尾哲夫(写真)ら)をかき集めた)。
新世界では最初からスカイウォールや仮面ライダーの存在がなかったことにされており、かつての仲間だった石動美空(高田夏帆)はカフェ店員、仮面ライダーグリス・猿渡一海(武田航平)は自ら経営する農場「俺たちの猿渡ファーム」で農作物の収穫に追われ、仮面ライダーローズ・氷室幻徳(水上剣星)は首相補佐官、滝川紗羽(滝裕可里)は幻徳を取材するジャーナリスト、仮面ライダーマッドローグ・内海成彰(越智友己)は中小企業「難波製作所」の工員とそれぞれの人生を歩んでおり、戦兎や万丈のことも覚えていませんでした。
二人は戦兎が作った発明品を万丈が売り捌くことで生計を立てているのですが、万丈が商売に出かけた直後に新世界の創造に使った“白いパンドラパネル”に異変が生じ、中から未知の生命体・キルバス(声:勝杏里)が姿を現しました。
ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズのネタバレあらすじ:承
万丈はフリーマーケットで戦兎の発明品を売りに出しましたが、誰も見向きもせず途方にくれていました。その時、万丈の前に馬渕由衣(永尾まりや)という女性が現れ、万丈と戦兎しか知らないはずの仮面ライダークローズの似顔絵を見せ、クローズを探していると言ってきました。由衣は自分が学校教師だったこと以外の記憶を失っていました。その時、戦兎から万丈に連絡があり、パンドラパネルから現れたキルバスは戦兎の記憶をコピー、たまたまテレビに映っていたカリスマダンサーの柿崎悟志(進藤学)の姿そっくりに擬態すると戦兎の変身ベルト“ビルドドライバー”を奪って去って行ったとの知らせが入りました。
キルバスはそのまま万丈の前に現れると人々を襲い始め、戦兎から奪ったビルドドライバーで仮面ライダービルド・ラビットタンクに変身しました。「探していたぞ、エボルト!」キルバスは万丈の身体に宿るエボルトの遺伝子を欲しており、万丈に襲い掛かってきました。万丈はすかさず仮面ライダークローズに変身しますが、ビルド(キルバス)の強大な力に苦しめられました。その時、由衣は少しずつクローズの記憶を取り戻しつつありました。
柿崎の姿になったキルバスは万丈を利用してパンドラパネルからパンドラボックスを復活させ、その影響で美空、一海、紗羽、幻徳は旧世界の記憶を取り戻しました(なぜか内海は記憶を取り戻さず)。
キルバスは仕上げに万丈の命と引き換えにパンドラボックスの力を開放しようとしましたが、万丈の中の遺伝子からエボルトが遂に復活、ブラッドスタークの姿となって現れました。ブラッドスタークはキルバスに「俺は会いたくなかったよ!」と告げるとパンドラボックスを回収、万丈と由衣を連れてその場から撤退しました。キルバスは戦兎の発明品のひとつを拾うと“キルバスパイダー”へと変化させました。
万丈との連絡が取れずに焦る戦兎は、たまたまテレビで放映されていた内海の密着ドキュメンタリー番組の中の緊急速報「仮面ライダーに告ぐ。至急、政府官邸に集え」を目の当たりにします。
その頃、ブラッドスタークは万丈と由衣をかつて万丈が旧世界で服役していた刑務所へと連れてきていました。ブラッドスタークは(テレビ本編最終話の最終決戦時に)ビルドに倒される前にあらかじめ遺伝子の一部を万丈に植え付けていたことを明かし、そしてキルバスは自らの兄であり“ブラッド族”の王だったこと、破滅型の快楽主義者だったキルバスは自らの星を滅ぼしたことを打ち明けました。キルバスの目的は元々ブラッド族の力の源だったパンドラボックスにあるというブラッドスタークは刑務所の地下にキルバス攻略の糸口があると語りましたが、まだ不完全な復活のためにエネルギーを使い果たし、再び万丈と融合しました。その時、パンドラボックスの影響で全ての記憶を取り戻した由衣は万丈に詰め寄り、自らの身体の傷跡を見せると「あんたは私たちを見殺しにした」と責め立てました。
旧世界で戦兎たちが敵組織“ファウスト”と戦っていた時(テレビ本編参照)、教え子たちと戦禍を逃れようとした由衣はファウストの戦闘員“ガーディアン”部隊と交戦していたクローズに助けを求めましたが、その声は届くことなく、由衣はファウストに捕らえられて人体実験を受け怪人“スマッシュ”にさせられ、アイテム“ロストフルボトル”の実験台にされて使い捨てられて死亡、その時の傷跡を有したまま新世界に転生していたのです。エボルトによれば、ロストフルボトルの実験台になった人間は新世界でも旧世界の記憶を有することがあるといい、由衣は自分や新世界でも意識不明のままの教え子たちを元の姿に戻せと万丈に詰め寄りましたが、万丈の中のエボルトは「お前の感傷に浸っている場合ではない」と突き放しました。
ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズのネタバレあらすじ:転
戦兎が政府官邸に向かうと、そこにはすっかり記憶を取り戻した美空、一海、紗羽、幻徳が集結していました。一海いわく仲間の“北都三羽ガラス”は記憶を取り戻したというのですが、美空の父・惣一や内海は記憶を取り戻していないことから、戦兎は自分を含め旧世界でファウストの人体実験を受けた者だけが記憶を取り戻していることに気が付きました(人体実験を受けた者の詳細についてはテレビ本編を参照)。
その頃、万丈と由衣は看守に変装して刑務所に潜入、万丈はあの時由衣たちの声を聞こうとしなかったことを謝罪しました。「あの頃の俺は自分自身のために、そして自分を信じてくれた者たちのために戦ってきた。お前たちの声を聞く余裕がなかったんだ・・・」
刑務所の地下で万丈から分離したブラッドスターク(エボルト)はパンドラボックスの力でファウストの研究施設を蘇らせ、その中から万丈の研究データを提示しました。続いてエボルトは(テレビ本編で語られてきた)万丈に関する一連の出来事(万丈にかけられた冤罪、エボルトの遺伝子を埋め込まれたまま生まれたという生誕の秘密など)などは全て自分が万丈の強さを示す“ハザードレベル”を上げるために仕組んだことであり、事故死とされていた万丈の両親も実は自分が殺したことも初めて打ち明けました。「ふざけるな!」と怒りを露わにする万丈に対し、ブラッドスタークは「お前は挑発のし甲斐がある」と余裕で返し、万丈の遺伝子データこそがキルバス攻略のカギを握ると断言しました。そしてブラッドスタークは、故郷を滅ぼしたキルバスを倒すために万丈に共闘を持ち掛けました。
しかしその時、その場にキルバスが柿崎の姿で現れ、地球人と組んだエボルトをなじるとキルバスパイダーとビルドドライバーを使って“仮面ライダーキルバス”に変身、パンドラボックスの力でビッグバンを起こして宇宙の全てをリセットするという野望を明かしました。一時的にエボルトと手を組む決断をした万丈は仮面ライダークローズチャージに変身、ブラッドスタークと共にキルバスに戦いを挑みましたが、圧倒的な強さを見せるキルバスは蜘蛛の糸でブラッドスタークの動きを封じると4本の触手で粉砕、ブラッドスタークはクローズチャージに1本のフルボトルを託すとキルバスのパンドラパネルに吸収されていきました。
キルバスがクローズチャージを殺そうとしたその時、一海が変身した仮面ライダーグリスと幻徳が変身した仮面ライダーローグが駆け付け、三人がかりでキルバスに挑みましたが、形勢不利と見るや由衣を連れて一時撤退しました。キルバスはパンドラボックスにエボルトのエネルギーを注入しましたが不完全なままであり、万丈を倒してそのエネルギーを奪うことを誓いました。
万丈がフルボトルを戦兎に託す一方、刑務所を占拠したキルバス(柿崎)はマスコミを通じて万丈に翌朝までに初めて会った場所まで来るよう要求してきました。戦兎はキルバスを倒すには万丈の中のエボルトの遺伝子の力を最大限に増幅するアイテムを開発するしかないと断言しますが、それはエボルトの完全復活にも繋がり、また万丈の身に危険を及ぼす可能性も併せ持ったものでした。それでも万丈は「エボルトは俺が何とかする。俺の身体はどうなってもいい。もう誰かが悲しむ姿を見たくねえんだよ」と覚悟を決めましたが、由衣は「誰もあんたたちが助けてくれるなんて思ってないから」と言い放ってしまいます。美空は自分も人体実験を受けたことを由衣に明かし、教え子たちのためにももう一度万丈を信じてほしいと懇願しました。戦兎は早速万丈のハザードレベルを上げる実験を開始しました。
ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズの結末
翌日、万丈は一海や幻徳と共にキルバスのもとに向かいました。キルバスはライダーキルバスに変身すると万丈らを異次元世界へと転送、万丈は仮面ライダークローズマグマに、一海と幻徳もグリスとローグに変身しました。キルバスは6体のスマッシュを召喚、クローズマグマはスマッシュたちをグリスとローグに任せるとキルバスに立ち向かっていきましたが、キルバスは圧倒的な力でクローズマグマを翻弄しました。その時、クローズマグマの体内からエボルトが仮面ライダーエボル・フェーズ1の姿となって現れました。実は前日、戦兎が万丈を強化していた時にエボルトはあらかじめ完全復活を遂げており、その際に「協力するかどうかはお前たち次第だ」と戦兎たちに告げていたのです。
クローズマグマはエボルトに「裏切ったらただじゃおかねえぞ」と言うと共にキルバスに立ち向かっていきました。その頃、由衣はベルトがないためアジトに残った戦兎たちに、万丈は両親を殺したエボルトと手を組んでいることについて「結局、自分の命が惜しいだけ」と批判しましたが、美空は「逆じゃん・・・万丈はみんなを守りたいから戦ってるんだよ。愛と平和のためなら自分はどうなってもいい、それが万丈龍我なんだよ」と諭しました。その時、戦兎はクローズの能力を最大限に引き出すアイテム“マッスルギャラクシーフルボトル”を完成させ、万丈に届ける役目を由衣に任せました。
クローズマグマ、エボルト、グリス、ローグはキルバスの驚異的な強さに大苦戦を強いられていました。そこへ由衣が紗羽の運転する車で駆け付け、危うくスマッシュに襲われそうになったところを変身解除させられた万丈に救われました。万丈は由衣から受け取ったフルボトルを試そうとしましたが、満身創痍の身では起動させることができず倒れ込んでしまいます。その時、エボルトは万丈たちを見限ってキルバスの側につき、「失望したよ。人間がこれほど弱い生き物だったとはな・・・」と言うと由衣の首を絞め始めました。万丈は「由衣は俺が救う。もう誰も悲しませない!」と立ち上がり、エボルトの力を吸収して最強形態の“仮面ライダークローズエボル”に変身しました。
キルバスはスマッシュたちを吸収してフルパワーを発揮、クローズエボルに必殺のライダーキックを炸裂しました。しかし、クローズエボルは「俺はあいつ(戦兎)に教えられた・・・誰かの力になりたいという正義と、誰かに手を差し伸べたいという優しさを、誰かを守ることの勇気を、誰かのために戦う強さを俺のヒーローが教えてくれたんだ。愛と平和を胸に生きている俺は負ける気がしねえ!」と立ち上がり、遂に潜在能力を覚醒させるとキルバスを圧倒、最後は必殺のライダーキックでキルバスを倒しました。キルバスの死の直前、エボルトは「まだわからないのか。人間だからお前を倒せたんだよ」と告げました。
万丈たちは元の世界に戻り、パンドラボックスは再び白いパンドラパネルに戻りました。万丈はエボルトが由衣に手を出したのはわざと万丈のハザードレベルを上げるためだったことを見破っていました。エボルトは「しばらく地球を離れる。また力を蓄えたら戻って来るよ。それまで暫しの別れだ。チャオ!」と告げると宇宙の彼方に飛び去っていきました。万丈は「二度と戻ってくるんじゃねえ」と呟きました。由衣は万丈に抱き付いて感謝、頬にキスをしました。幻徳はTシャツの文字「ベストマッチ?」を見せて驚き、一海や紗羽も大いに驚いていました。
戦兎は“ジーニアスフルボトル”の浄化機能を利用して由衣の教え子たちを治療、美空は「やっぱりこの世界にも仮面ライダーは必要だね」と新たな発明中の戦兎にささやきかけました。万丈と良い関係になった由衣はフリーマーケットで戦兎の発明品を巧みな話術で売ってみせ、万丈を大いに驚かせました。
以上、映画「ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ」のあらすじと結末でした。
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