CUTIE HONEY TEARS(キューティーハニー・ティアーズ)の紹介:2016年日本映画。マンガとアニメ双方で人気の永井豪ヒット作「キューティーハニー」を実写映画化。荒廃した近未来が舞台で、天才科学者が創った女性アンドロイド・キューティーハニーが人類の存亡を懸けた戦いに挑む姿を描く。
監督:A.T.ヒグチリョウ 出演:西内まりや(如月瞳/キューティーハニー)、石田ニコル(ジル)、三浦貴大(早見青児)、高岡奏輔(浦木一仁)、永瀬匡(木村龍太)、岩城滉一(如月博士)、ほか
映画「CUTIE HONEY TEARS」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「CUTIE HONEY TEARS」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
CUTIE HONEY TEARSの予告編 動画
映画「CUTIE HONEY TEARS」解説
この解説記事には映画「CUTIE HONEY TEARS」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
CUTIE HONEY TEARSのネタバレあらすじ:ハニー降臨
ある未来的な高層タワーで、白衣を着た白髪の博士とバスローブの女性が逃げていました。ヘリポートかもしれません。でも、ヘリは出払っています。「瞳、私はいいから1人で逃げ続けろ」「そんなこと出来ない。パパを置いては逃げれない」そんなやり取りは、一発の銃声?いや怪光線が妨げます。右胸を撃たれた如月博士は、瞳と呼ばれた女性を突き落としました。下では、警報が鳴り響き、警備兵が、先ほどから起こる上層部の異変に右往左往しています。そこには、少年の姿がありました。マスクをし、銃を持ち、迷彩服を着ています。警備兵はヘルメットをかぶっていますが、少年はかぶっていません。物凄い音がしました。おそらく、先ほど飛び降りた…というよりも突き落された女性の落下音でしょう。人間なら、死んでいますが、落下中、ピンクに発光していました。少年は、恐る恐る近づきます。そこにはピンク色に発光しながら、腕に(H)マークをした女性が倒れていました。恐らく「HONEY」の(H)と思われます。今後も一切、説明は特にありません。(歯車と組み合わせたりして、凝りすぎたデザインのせいで(H)と読むのも一苦労です)とにかく説明が少ない割に無駄が多い作品です。もう理解することは諦めた方がいいです。一見、裸ですが、ピンク色の発光粒子が煙のように立ち上っていますので、下品には見えません。胎児のように手足を曲げています。この時、瞳は生まれ変わったのかもしれません。(ジブリ作品によくある出産、誕生のメタファー(暗喩)なのかも。)スタイリッシュと手抜きをはき違えたスタッフが作った作品なので、現代アートと思って見た方が精神的負担は少ないかもしれません。(分かりやすく安っぽい構造はしてるんですけどね)あと、役者の演技をセリフで喋らせることと思っていて、喋っていない行間の演技こそが、必要というところに気づいていない邦画によくある失敗をしてしまっています。むしろ、PVを作ってきた監督たちなら得意そうな分野のはずなのに。
CUTIE HONEY TEARSのネタバレあらすじ:スラムの救世主
20年が経過しました。記者の早見青児は編集長に歩きながら怒られていました。編集長は永井豪さんのようです。割と芝居がうまいので、映画見ている間は先生と気づきませんでした。(他の劇中キャラより、まともな演技というのも泣けます。)編集長は、いかついスマホを取り出して、ある記事を見せます。それは青児の書いた記事でした。編「こんないい加減な記事を、また書きやがって。」 青「いい加減じゃないです。ちゃんと取材に 基づいて書いてます。」 編「機械兵を素手で倒す救世主? そんなのいるわけないだろ?」青「俺は実際に会ったことあるんですって」 編「お前な。それ、俺の前だけならいいけど、他人前で言うなよ。」 青「あ、はい。冗談です。そんな訳ないですよね。」 編「ま-いいや、こんないい加減な記事が最下層中で受けてるのも事実だ。続けて書け。」編集長は何かを思い出し、言いかけましたが、言うのをやめました。多分「あまり危ないことをするなよ。」…と言いたかったのでしょう。でも、それを言って聞くような青児ではないです。その様子を監視している者がいました。この富裕層全てを監視しているジルです。ヘルメットをかぶることによって、高層タワーの至る所についた監視カメラの映像や音声を拾うことができ、編集長と青児の会話も聞き取ることができたのです。「おかしな記事を書いてる記者か。」背中から幾つかの配線が外れます。ジルもアンドロイドのようです。(「攻殻機動隊」にある表現)原作ではシスタージルという名前で、マスターゾラがかぶっているフードの黒豹が正体でした。なので、シスターは「姉妹」という意味ではありません。今作では、ハニーこと瞳の後継機のようです。「行きます。ルキアついて来なさい。」そう言って、階下に下りて行きました。青児が建物を出ようとしたところにジルは降りてきました。じっと、青児を見つめます。青「ジル様、私のような記者に何か、ご用でしょうか?」 ジ「救世主を知っているそうだな? あの女を見たの?」 青「あの女?何のことでしょうか?」 ジルはいきなり、「だったら、さっきの会話は何だ?」 ルキアがスマホに青児の「俺は実際に会ったことあるんですって」という会話を再生している間に、ジルは青児の首を片手で掴み、そのまま持ち上げます。片手でネックハンギングツリーです。青児はやっとの思いで「う、嘘・で・す…」と言うのがやっとです。ジ「ふん、まーいい。居場所を突き留めたら、真っ先に教えなさい。」そう言うと、やっと青児は解放されました。床にひれ伏しゴホゴホとせき込みます。さて漫画原作の実写映画は、岡田斗司夫さん曰く、3つに分けられ、①アイドル映画、②本気コスプレ、③敢えて外す… で、アメコミ原作のハリウッド映画の最近の成功は②であり、邦画で失敗しているのは①と③の傾向があります。原作に敬意を払わないから、原作ファンさえ評価しない作品になるのです。43年前の作品だから現代風にアレンジをするのは有りにしても、原作を台無しにして、過去作との差別化を強調するあまり、誰も得しないオリジナル作品になっているのです。三池崇史監督は、まだ②をやろうとしているので、好感はもてるのですけれど。後、2004年以降の実写のハニーはピュアさを描こうとする傾向があります。そして、改めて旧作のハニーを見直してみると、ハニーは明るく強く、ちょっぴりお色気です。それでも、如月博士の復讐に燃え、感情に揺らぎがある存在です。敵は盗賊集団パンサークローであり、合成女性怪人や覆面をしたパンサー手下で構成されています。今回の映画で、ジルに世界が支配されているのは、異常気象や未知のウィルスにより人口が激減し、人々を富裕層と貧困層に分断して、人々同士の憎しみを煽っているからです。(と思うのですが、人々は、上下の階層で住分けしていて、特に争っている様子はないんだよな。)
CUTIE HONEY TEARSのネタバレあらすじ:ハニー発見
青児は最下層に降りていました。雨が降り続けています。そして、屋台で何やら麺(ラーメン?)を食べています。屋台で面白いのは、透明のフードをかぶせていることです。それによって、中の演者の顔は見えますが、安っぽさは免れません。「青児ちゃん、あの記事よかったよ。この下層では唯一の娯楽さ。」 とってつけたような救世主ヨイショです。セリフで説明する悪い傾向です。テレビ画面では、クリスが「最下層は今日も雨、明日も雨、ずっと雨」とか言っています。この辺は「ブレードランナー」や「ライアーゲーム」とかのデストピアを連想します。この雨は酸性雨です。上層界の汚染物質を下界に垂れ流した結果、それらが雲となり、雨になっているそうです。雲は地上付近から2kmの高さに発生するので、霧や靄が結露して、下に降っているのかもしれません。その時です。突然、機械兵(ソドム)が数人走ってきました。黒い鉄仮面に赤い目がついています。エヴァ弐号機かアップルシードのブリアレオスのようです。黒いコートを身にまとい武装しています。四角い銃身はH&K G11(ヘッケラー・アンド・コッホ・ゲヴェーアエレフ)のように見えます。というのも空薬莢がでないケースレス弾でも使っているかのように薬莢が出ないのです、この映画。あるいはレーザー銃なのかもしれません。1人の男が追われていました。ヒゲ面の黒瀬という男です。何故か、目立つオレンジのチョッキ型ジャンパーを着ていました。後の展開的に富裕層の住む上層界にでも潜入していたのかもしれませんが、そうでもなく、案外かっぱらいだったのかもしれません。あっさり捕まりました。気づいた青児は「おっちゃん、これ。釣りはいらないよ」と言って、屋台の外に飛び出していきました。屋台の親父は「青ちゃん、これじゃ足りないよ。残してるし」と愚痴をこぼします。青児も透明のビニルコートを着ます。これも顔が見えるような配慮かもしれませんが、安っぽいだけで最下層の貧しさを表しているようにも見えません。青児が最上界に出入りできている、ある程度裕福な象徴なのかもしれません。黒瀬の娘が「パパー、行かないで。連れて行かないで」と言って、機械兵に連行される黒瀬に追い縋ろうとしています。それを黒衣のフードを深くかぶった女性が見ていました。でも通り過ぎます。しかし、娘が機械兵に殴られた時、飛び降りました。「娘には何もしないでくれ」そう言って、娘をかばおうとしますが、ソドムは銃口を向けます。そこに一体のソドムが後ろから近づきます。そして、反対に黒瀬達に銃を向けていたソドムを打ち殺したのです。壊したが正しいかもしれません。何故なら、撃たれた部分は機械がむき出しになっていたからです。周りのソドムが反応し、同士を壊した狂った一体を排除しようとします。しかし、それはソドムではありませんでした。ソドム同士が争っている間に、青児は、黒瀬親子を逃がします。でも、青児は逃げずにとどまっていました。「まさか…」 20年前に見たピンク色の発光を光ったのです。アニメや旧作品なら「ハニーフラッシュ!」と叫ぶシーンですが、静かに変身します。黒い仮面の下からは、赤茶色のショートヘアーの女性が現れ、徒手空拳で戦います。(若干、太極拳?)最上階ではルキアが異変に気づき、現場にメタルボールを飛ばします。黒い撮影型のドローンです。プロペラは見えず、土星のように、中央の球体に外側に巨大な輪があるデザインです。反重力装置で飛んでいるのかもしれません。どうにも科学技術の水準が分かりません。まー、ハニーの空中元素固定装置が既にオーバースペックの技術ですが。
CUTIE HONEY TEARSのネタバレあらすじ:20年ぶりの再会
機械兵ソドム達を瞬く間に倒してしまったので、青児は、瞳に話しかけますが、その時は、赤茶短髪のノースリーブの戦闘服から、黒髪ロングのぱっつんヘアーの黒いスーツに変わっていました。銃を拾って青児に向けます。「助けてくれてありがとう。おかげで…ちょ、ちょっと待って。俺は君の敵じゃない。」でも、瞳が狙っていたのは、青児の背後に飛んでいたメタルボール(撮影用ドローン)でした。瞳「ついてこないで。」 そう言い残して立ち去ろうとしましたが、黒瀬の娘が近寄ります。娘「お姉ちゃん、助けてくれてありがとう。」 少し口元が上に上がった気がしました。すぐに立ち去りました。青児は後を追いかけますが、巻かれ、途方にくれます。目の前で粗悪なマスクをつけたお爺さんがせき込み、苦しそうです。青児は、ガスマスクを差し出し、「爺さん、こっち使ってみな。楽になるから。」 爺「すまねー、すまねー」その頃、ハニーを監視しているメタルボールがいました。どうやら、ソドムでもルキアやジルの管理下でもないようです。何者の監視なのでしょうか? ルキアからジルに漸く連絡が入り、先ほどの戦闘現場で倒れたソドム兵の記憶チップから不鮮明な画像で分析していました。ジル「あの女か?」 ルキア「ノイズが酷いため、100%そうとは言えませんが、70%の確率で、20年前に脱走したコードネーム:キューティ-ハニーと思われます。」 ジ「この一角を封鎖し、ハニーを追い詰め、確保しろ。」一方、青児に連絡が入ります。浦木からの連絡でした。浦「早見、今どこにいる」 青「B地区です。」浦「そうか、例の女は?」 青「スイマセン。巻かれました」 浦「尾行は俺が続けている。A地区だ。場所は…」 青「分かりました。すぐ行きます。」浦木と青児は合流し、路地裏から、工場に入っていく瞳を追います。でも尾行は気づかれていました。上から降ってきた瞳に、青児は蹴倒され、浦木も壁に押さえつけられました。「これ以上追ってくるなら手加減しない。」浦「分かった。」そう言って、瞳のひじに手で降参のタップをしました。「いてて」と言いながら、青児は起き上がり、「いいんですか? 浦木さん」 浦「俺は忙しい。後はお前に任せる。」浦木は抜け目なく、さっき瞳に触れた時、発信器をつけておいたようで、受信機を青児に手渡したのでした。一方、瞳はあるアパートの一室に「ただいま」と言って帰ります。そこには老夫婦が住んでいて出迎えます。婆「ああ、こんなに濡れちゃって。外の雨は危険だから、あれほど出歩かない方がいいよって言ってるのに」瞳「私は大丈夫だから。」 爺「まーまー、ご飯できてるよ。外は寒かったろう。」3人はそろってご飯を食べ始めました。そこに、発信器を辿って青児がやってきます。窓の隙間から一家団らんする瞳を見て、踏み込むか迷います。でも、その考えた隙に瞳が消えていました。目の前に瞳がいて、拳がふりかかってきます。間一髪でよけました。「こんなとこまで追っかけてきたの?覚悟は出来てるわね」 青「ちょ、ちょっと待って。俺はアイツラと違う。」 老夫婦も顔を出します。「どうした? 瞳、お友達なら入ってもらいなさい」 瞳「あ、彼、急な用があるらしいから送ってくるね」屋根のある路地裏で話し合いをすることになりました。瞳「で、敵じゃないなら何の用なの?」 「俺は毎朝新聞の記者、早見青児。救世主、つまり君の記事を書いている。」 瞳「余計なことを。」 青「そんなことないよ。俺はこの下層界の出身だからね。希望を与えたくてね。」 青「汚染された雲が配置されて下層に住む人たちは疫病に苦しんでいる。俺はあの雲を消し去りたい。力を貸してくれないか。」 でも、瞳の返答はさえぎるように放った一言。「無理よ。」だけでした。青「瞳ちゃん味方だろ? 昨日だって」 瞳「私にそんな力はない。ついてこないで。」青「それは無理だ。俺は20年前から君を探していた」 瞳「嘘」 青「あの日、君はタワーから落ちてきた。見つけた時、天使が降ってきたのかと思ったよ。でも、見つけたのは俺だけじゃなかった。ソドム達もすぐ発見したけど、君は傷ついた身体のまま、奴らを倒し、俺を守ってくれた。腕についた(H)の字も確認した。君は、あの頃のまま何も変わっていない。」 瞳「人違いよ」青「え?瞳ちゃん、まだ」 瞳「瞳ちゃんって、なれなれしく呼ばないで」 青「瞳ちゃん」瞳「しつこい」 ドーン。キュイーン。青児を突き飛ばす音と機械の作動音。その物音に反応してか、機械兵ソドム達がやってきました。瞳「私がひきつける。あなたは、おじさんとおばさんを逃がして」 そう言い残すとソドムの来る方向に走っていきました。青児は、立ちあがりながら「ちょっと、瞳ちゃん。たく、分かったよ。了解」とつぶやきます。
CUTIE HONEY TEARSのネタバレあらすじ:レジスタンス
瞳がソドム兵と戦いを続ける一方で、青児は、先ほどの老夫婦の部屋にたどり着きました。爺「おや、瞳の彼氏」 青「逃げてください、早く」 婆「逃げるって、どこに?」 青「案内します。」老夫婦なので、足がもたついて、なかなかうまく走れません。それでも廃工場に逃げ込み、ドラム缶の陰に隠れます。でも、じきに追いつかれてしまいます。爺「瞳は無事なのかい?」 青「大丈夫です。安全なとこに避難しています」 婆「これから、どうするんだい?」 青「僕が囮になります。お二人は、あちらから逃げてください」瞳はソドム兵を倒し続けますが、倒しても倒しても増援が来るのできりがありません。ひとまず隠れることにしました。飛びこんだのはビリヤードやダーツがあるバーのようでした。男達が「ヒュー、可愛い。お姉さん、誰の連れ?」 「良かったら俺らと遊ばない?」でも、ソドム兵が近づいて生きています。「皆、逃げて」間に合いませんでした。血気盛んな若者たちは、飛び込んできたソドム兵に立ち向かいますが、キュー(突く棒)で殴っても、折れるだけ。突き飛ばされ、爆弾をセットされます。危ない。かばおうとしますが、間に合いません。8分割に区分されたライトが順に光ると起爆します。(セット後、9秒で爆発するのでしょうか?)若者たちは全滅し、流石の瞳も至近距離の爆発には耐えれずに、気を失います。でも、ソドム兵に電撃針がうちこまれ、そこに高圧電流が流れます。テスター式のスタンガンのようです。浦木でした。他2人に命令します「女を連れて引き上げるぞ。」瞳は夢を見ていました。如月博士との思い出です。幸せのさ中、事故に遭い、そして、タワーから飛び降りる前の記憶。(事故で死にかけた如月博士の娘をサイボーグ化したのか、元からアンドロイドだったのか分からない描写です。)瞳は目を覚まします。再起動と言った方がいいかもしれません。知らない天井です。身体はピンク色の光に包まれています。爆発によるダメージを修復しているようです。眼鏡の木村がポニーテールの清瀬に説明をしています。「成長型のナノマシンが、彼女の壊れた部位を修復すると同時に、学習して強化している。凄いよ、これ」 清「気持ち悪い。」木村が振り向くと、瞳が身体を起こしていました。思わずのけぞる木村でしたが、めげません。「ねー、この修復中の部分の細胞片を少し分けてくれないかな。研究したいんだ」まだ、太ももの傷は損傷が激しかったようで、まだ治っていません。瞳は無視して、「ここは?」浦木が出てきて答えます。「俺達のアジトだ」 瞳「早見は?」 浦「そこで寝ている」カーテンを開けると、そこには胸に包帯を巻かれた青児がベッドに寝かされていました。気づいた青児は無理に身体を起こそうとします。青「やあ、瞳ちゃん」 瞳「大丈夫なの?」浦「大丈夫なわけないだろ。2日寝てたんだ。寝かしておいてやれ。」 瞳はお構いなしに聞きます。「おじさんとおばさんは?」 青「ごめん、助けられなかった」 浦「ふん、流石、アンドロイド、恩人が死んでも涙1つ流さないか。」 そう言った瞬間、瞳は泣き崩れます。「うう、うわー。」その頃、瞳を逃したソドム兵がジルの処罰を受けていました。ジ「絶対に逃すなと言ったはずだ。」 ジルの手の平が白く発光したかと思うと、ドーム状のエネルギーが室内に広がり、次の瞬間、ソドム兵3体はバラバラに分解され、床に横たわっていました。ジルにも少し、言語中枢がおかしくなっていました。「ワレ…我々には、ジ…時間がない…のだ」最上階に戻り、いつもかぶってるヘルメットを撫でながら言います。「あなたの娘、ハニーが我々を救ってくれる。なー、如月博士」
CUTIE HONEY TEARSのネタバレあらすじ:タワーへ潜入
瞳と青児は廃工場跡に場所を移して話を続けます。「おじさんとおばさんは、私がアンドロイドと分かっても、笑って家族として迎えてくれた。私に関わる人間は皆死んでしまう。だから、私と関わらない方がいい。」 青「俺は、まだ死んでないよ」 瞳「たまたま運がよかっただけよ。どうして、そんなボロボロなのに笑ってられるの?」 青「俺を育ててくれた婆ちゃんに死ぬ間際言われたんだ。『苦しい時こそ笑え』って。いつか、本当に笑える時が来るまで」浦木が入ってきました。「作戦は説明したか?」 青「いえ、まだです」 浦木「そうか。俺達は2日後、高層タワーに爆弾をしかける。」 青「浦木さん、ちょっと待ってください。それは彼女と俺の作戦が成功するまで待ってください」 瞳「作戦?」 青「2日後、タワーの連中、大量の汚染物質を地下に流し込もうとしている。俺達はそれを食い止めたい。手伝ってくれ。瞳ちゃん」 瞳「私は逃げろって言われている。協力できない。」 浦「決まりだな。所詮、アンドロイド。本人にやる気がないなら、俺達は作戦を決行する」 青「待ってください。タワーを爆発したら、地下の人にも影響は出ます。それに、そんなことしたら、上の連中と同じじゃないですか。まだ2日あります。必ず説得して見せます」浦「あまり時間はないぞ。」 青「任せてください」そう言うと、青児はどこかに出かけて行きました。瞳は、行くあてもなく、そこに留まる事にしました。青児は、タワーの根元にある端末につなぎ、情報を引き出そうとしていました。メタルボールが時折通りかかりますので、その都度、隠れます。でも、気づかれたようです。ソドム兵が駆けつけてきますが、その時には青児も消えていました。一台のメタルボールが青児を監視したようですが、その情報はルキアやジルに伝わっていないようです。青児は瞳を先ほどの廃墟に呼び出しました。「瞳ちゃん、如月博士は生きてるよ。」 瞳「嘘?」「少なくとも如月博士のIDを使っている人物が最上階にいる。確かめる必要があるんじゃないのかな?俺達の計画を手伝ってくれるなら、協力するよ」 瞳の目に闘志が宿ります。瞳は白いドレスの正装で、タワーの正面から乗り込みます。当然、人目を引きます。その頃、最上階では、ルキア「ターゲットを確認しました。」 ジル「やっと見つけた。そのまま監視を続けなさい」背中からチューブが外れると背中10か所にデバイスの挿入口が見えます。ジルの目が青く光っています。瞳「ちょっと、皆に見られているんだけど」 青「いいのいいの。いや、もうちょっと胸が合った方がよかったかも?」 瞳「何か言った?」 青「いえ何も」(アニメの主題歌2番では、「プクっとボインの女の子」がハニーの特徴なのですが、1番の「お尻の小さな女の子」を忠実に再現すると、体脂肪率的に胸の比率は小さくなります) 黒い正装の青児は瞳が注目を浴びている間にビルに忍び込み、データの改ざんして、潜入に成功します。目立つ瞳は、クリスの目に留まり、ダンスフロアに招待されます。青児の潜入は気づかれていましたが、青児も考えていたようで、編集長のIDで、工作していました。「編集長すいません」瞳もルキアの監視から逃れられません。ソドム兵がやってきますが、男装の麗人に化けて、やり過ごします。元の姿に戻ると、クリスに別室に連れて行かれました。踊り狂う人々の前に、ファッションショーがはじまります。電子パネルを突き抜けて、女性モデルたちが登場し、その度に歓声が起こります。そして、赤いロングドレスの瞳が登場します。ここで「キューティーハニー」OPがかかりますが、音小さいw でも、当然、ルキアが認識している姿なので、ソドム兵が駆けつけます。でも、ひるみません。戦い続けます。観客とクリスはアトラクションと勘違いしたようで、最高潮に盛り上がります。チャイナドレスに変身し、折れたポールを拾い棍として戦います。スリットからのぞく太ももがエロチックです。
CUTIE HONEY TEARSのネタバレあらすじ:最上階へ
青児は、通気口から潜入します。コンピュータールームに潜入しているようです。流石に都市システムを司るA.I.の中枢だけあって、赤外線による警戒網が張り巡らせています。それでも数秒のインターバルがあるため、何とか進めていましたが、連絡用のスマホを落としてしまいます。幸い溝に落ちただけなので拾うことは可能でしたが、そのわずかな時間が赤外線の接近を許してしまいました。その時です。地下で爆発が起きました。浦木たちが起爆させたのです。それにより発電プラントが破壊され、タワーは非常電源に切り替わります。瞳「早見、何があったの?まだなの?」 青児はそれどころではありません。爆発の衝撃で足を滑らせて、赤外線は、手すりにぶら下がることでやり過ごせましたが、スマホは口にくわえています。また赤外線が迫ってきます。「えーい、ままよ」とケーブルにぶら下がると、ターザンジャンプします。運よく、対岸に渡り切り、スマホに出ることが出来ました。「ああ、ごめん。何でもない。万事順調。もう少し待ってくれ」 瞳「もう心配させないでよ」少し、瞳に青児に対する信頼感が芽生えているようです。青児は、コンピューターのメインルームに辿りつきます。青児はスマホを接続し、ハッキングを開始します。もはや、ポケコンです。でも、ここでは拉致が明かないようです。背後からルキアが迫っていました。でも、瞳が間一髪で倒します。「もう油断しないでよ。それで首尾は?」 青「ここではダメだ。やはり最上階に向かうしかない」その頃、地下の浦木たちも見つかりそうになりソドム兵と戦っていました。爆弾はセットし終わりました。15時には起爆です。青児から連絡が入ります。「浦木さん、もう少し待ってくれ。俺達が必ず何とかして見せる」 でも、浦木は起爆させようとします。「冗談じゃねー。俺達はA.I.を破壊する。」その時、瞳からも連絡が入ります。「待って、私が必ず何とかして見せるから」(ちょっと、この辺よく分かりません。後に爆発は起こっていないので、結局、浦木は起爆スイッチを押してないと思うのですが。)浦木たちも、いつまでも留まる理由がないので撤退を始めます。起爆スイッチを押そうとした時、閉鎖区域に子どもたちが入り込んで遊んでいるのを見かけます。そのため、まず子供たちを救うことにします。でも、最後尾の浦木は撃たれてしまいました。変わって清瀬がマシンガンを撃ち始めます。でも薬莢は出ません。最上階に瞳と青児は向かいます。青「なー、瞳ちゃん、ジルって何なんだ?」 瞳「彼女は新型のアンドロイド。人間たちは部品と同じ。」 青「そうか。話は通じそうにないな。」最上階の部屋では、ジルが待ち構えていました。「よく来た、キューティーハニー。私に倒されるために。あなたは私に勝てない。不完全だから」 ジルと瞳との戦いが始まります。その隙に青児はハッキングを始めます。手ごたえがありました。ナノマシンをバグらせるウイルスを流しはじめます。(ジル役の石田ニコルさんは、キックボクシングの経験者だそうで、動きの切れはあるのですが、時々、発音が変です。CMで見た時は、あまりの棒演技で、アンドロイドであることを意識した演技かと思いましたが、劇中で、それを演じ分けてる感じもないので、普通に大根役者のようです。抑揚のない演技こそ、演技力がある人がしないと酷いことになる典型です)マトリックスのような戦いを白い背景でやってもな。何故か破壊痕にブロックノイズが現れます。ジルの力は圧倒的で、吹っ飛ばされた瞳に激突し、青児は突き飛ばされてしまいます。そして、瞳の胸からジルは空中元素固定装置を引き抜いてしまいました。銀色の球体からピンクの発光体が液体いや血のようにあふれ出ています。でもジルは気づきます。「これは?」 その時、置きあがった青児が銃を拾って、ジルの頭に、銃弾を撃ち込みました。ジルは倒れ、手から空中元素固定装置を手放しました。銃を捨てた青児は瞳を抱き起こします。「瞳ちゃん無事かい?」でも、同時にジルも起き上がります。ジ「ゴミが。」 ふり払った腕が青児を壁に叩きつけました。瞳「早見ー! ジル、許さない!パパを、如月博士を返しなさい。」 ジ「ん、博士か? こんなのでよければ返してやるぞ」そこには、頭部と胸から下がないトルソー(胸像)状態の博士が浮いていました。(「魍魎の匣」です。右胸の欠損だけなら、身体を残していてもよさそうなのに、博士の脳を生かすために心肺機能だけ欲しかったのでしょう。)ジ「博士の脳にしか用はなかったからな、博士は、この都市の制御装置の要として生かしていたが、彼ももう寿命だ。だから、おまえの空中元素固定装置が必要だったのだが、お前自身が装置だったのだな。キューティーハニー。」 瞳「ジル、よくもパパを。」瞳の目が赤く光ります。漸く、キューティーハニーの全機能が100%いや120%解放されたのかもしれません。「何だと?」 「私は不完全。不完全だからこそ、完全を超える!」 完全無欠のハニーいえ瞳にジルは相手になりませんでした。ジルを上回る速さで、ガードを突き破り、完全に粉砕破壊しました。その頃、地下では、浦木が出血がひどくなり、2人を先に行かせて、ソドム兵ごと自爆しようとします。「俺が食い止める。お前たちは先に行け。」清瀬は、機関銃を撃ちながら言います。「何、格好つけてるのよ」でも、木村が爆弾を奪い、ソドム兵に投げつけて、言います。「今更、何言ってるんですが」清瀬は木村に言います。「格好いいじゃん」 その時、ソドム兵の動きも停止しました。ジルの破壊により、都市が機能を止めたのです。清瀬と木村が浦木の両腕を担ぎ、地上に出ました。
CUTIE HONEY TEARSの結末:A.I.の奇跡
瞳「早見。起きて」 青「やあ、瞳ちゃん」 瞳「あなたも大概、不死身ね。」 青「そうだ。雲は」まだ毒ガスは止まっていませんでした。それどころか、増え続け、もう決壊寸前です。青「何故だ? どうして止まらない。」 その時、立体映像が歩いてきました。それは如月博士のものでした。瞳は、抱きつこうとしますが、正面と側面の画像しかない平面画像しないため、突きぬけます。「ジルが、お前たちをおびき寄せるためにまいた罠だ。もう、この都市機能は限界だ。 私も時期に死ぬ。リミットを超えれば、雲は、下層だけでなく上層界にも溢れ出す。」青「アンタが作った町だろ。何か方法はないのか?」 瞳「ここにくれば止められるって」如「瞳、分かっているはずだ。自分の正しいと思ったことをしなさい。今のお前なら止められる。」瞳はハッとし、決意を固めます。「分かったわ」でも、上層界では雲があふれ出ていました。地下でも、雲は溢れています。至る所に地獄があふれ出ていました。青児がマスクを上げたお爺さんが、逃げまどう人々に蹴飛ばされていました。閉鎖地区に入り込んだ子どもたちを助けようとした黒瀬は、煙に飲まれました。最上階では、瞳が胸からこぼれ出た空調元素固定装置を拾っていました。青「瞳ちゃん、博士は君なら防げるって言ってたけど、方法はあるのかい? まさか」 止めようとした青児でしたが、これまでの負傷の蓄積で身体が動きません。瞳「方法はあるわ。任せて」 青「畜生、やめろ、瞳ちゃん」ヘリポートから突き出た鉄骨の上で、拾った空調元素固定装置を胸の前に突き出します。(ハニーフラッシュ!とでも叫び、キューティーハニーOPでもかければ、盛り上がりそうなシーンですが何もありません。つくづく、盛り上げ方を分かっていないスタッフです。)要するに、毒ガスを分子変換して清澄な空気に治しているのです。(ヤマトのコスモクリーナーかよ)青「それ以上はやめろ。やめてくれ。君がそこまでする必要はない」 瞳「そんな顔しないで。『苦しい時こそ、笑え』でしょ?」如月博士の幻影(立体映像)が言います。「いいか瞳、事故したお前に2つの物を埋め込んだ。1つは空調元素固定装置で、もう一つは…」 消えました。(恐らく愛や感情でしょう。)何か善悪アンドロイドの対決はキカイダーっぽい展開を彷彿とします。人々を雲がつつんだと思ったのは一瞬でした。浦木は雲が去っていく方向を見つめます。「まさか」空調元素固定装置が砕けました。同時に、瞳の機能も停止し、ピンクの粒子が宙に舞っていきます。足元を踏み外し、落下します。でも、青児が間一髪で左腕をつかみました。瞳「青児、あなたに会えてよかった… ありがとう」 左腕は消失し、瞳は落下しました。瞳の目からも涙がこぼれます。青「婆ちゃん、もう笑えないよ。こちらこそ、ありがとう。瞳…」地上には太陽が煌々と照らしています。富裕層も貧富層も関係ありません。人工灯でなく、宇宙からの偉大な光の美しさに感動しているようです。黒瀬の娘が「綺麗だね」と父親の黒瀬に向かって言います。唯一事情を知ってる浦木だけが、「クソ」と、停止したソドム兵の頭を蹴りとばし、「いてて」と痛がっています。(というか、何で浦木は察しているんでしょう?)最上階では青児が残っていました。消えていくピンクの光を大事そうに抱きしめて。(アニメ版の「AKIRA」です。)しかし、地上には割れたはずの空調元素固定装置が元の球体に戻り、再び、ピンクの素粒子を放出し始めていました。天に星、地に花、人に愛、愛の戦士キューティーハニーは眠りにつきました。でも、この世に悪がはびこる時、必ず復活します。キューティーハニーは不滅なのだから。(…とでも締めないと終わりそうにありません。)エンディングは西内まりあさんの「ビリーブ」がかかります。
以上、映画のあらすじと結末でした。
CUTIE HONEY TEARSのレビュー・感想
永井豪先生原作の漫画の実写化は2004年に10億円の製作費で5億円しか興行収入しかなく、「事故」とか「反面教師」とかいわれる『デビルマン』をはじめとして、あまり芳しくありません。調べてみると、キューティーハニーは今回で3回目の実写化で、うち1つは2007年のテレビドラマ化。2004年に作られた映画は、現在大ヒット中の『シン・ゴジラ』、そして「新世紀エヴァンゲリオン」でお馴染みの庵野監督が製作。市川実日子さんも出演。興行収入は4.2億円だったらしいけれど、製作に4年かけたせいで、赤字だったらしいです。そのせいで、制作会社のトワーニは倒産しています。他作品を含めれば13作品が実写化されています。(ぶっちゃけ、今回のハニー映画もダメ映画臭が漂い、こけそうなので、怖いもの見たさで見に行きました。)
『キューティーハニー』はアニメが先行で1973年10月から始まり、漫画連載は1974年1月から『週刊少年チャンピオン』で行なわれています。これは、ひもつき(タイアップやメディアミックス)を嫌った集英社の意向で、『マジンガーZ』の『週刊少年ジャンプ』での連載を打ち切られ、『テレビマガジン』へ移籍を余儀なくされた影響もあったのかもしれません。連載当時の様子とリメイクを含んだ漫画が日本文芸社の『週刊漫画ゴラク』で『激マン!~キューティーハニー編』として永井豪先生自ら現在連載中です。
そちらのリメイク版では2020年の設定になっているので、今回の映画の設定もなくはないのかも。永井先生はセルフリメイク好きだし。(ちなみに「デビルマン」も1972~1973年の連載でした。)
とはいえ、今回の映画に対しての永井豪先生のコメントは、「ハニーは嫁に出した」や「作品は監督のもの」と一見、怒っているともとられかねない発言をしている一方で「すばらしい発展形」とも言って、早見青児の編集長として客演しています。「週刊朝日」には、主演の西内まりあさんが「ハニーフラッシュなどのセリフがなくて寂しい」に対して「失笑」と書くなど、手厳しいです。(往年のファンの意見としていますが、ネットでそのような意見はなく、記者の私情が入りすぎですw そもそも、それを決めるのは監督やプロデューサーや脚本家です。)
今回、監督したA.T.さんとヒグチリョウさんはMV(ミュージックビデオ)の製作が主で、映画製作もA.T.さんは初めてで、ヒグチさんが2回目。ドラマ部分の撮影は昨年11~12月の1カ月だけ。モデルで歌手の西内まりあさんが、「この頃、流行りの女の子」である以外、原作要素もほぼ皆無。アメコミのように現在風にアレンジした全くの別物なので、西内まりあさんの2時間PVとして楽しんだ方がいいのかもしれません。ヒットするかは原作ファンの動員は見込めないので、西内さんの集客力にかかっているのかも? 初週土日2日の興行収入は20位。今回の映画のキーワードは20年後。20年前はアニメのリメイクの時期です。アニメのリメイクはOVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)が1994~95年。「美少女戦士セーラームーン」の後番組として始まる「F」が1997~98年。2004年の実写版と同時進行のOVAの「Re」が同じ2004年に製作しています。Reハニーの声は、現在「魔法つかいプリキュア」でキュアマジカル役のほっちゃん(CV堀江結衣さん)で、脚本は、中島かずきさん。(後の「グレンラガン」や「キルラキル」演出も散見しています。)(実写のOP「ハニメーション」が受けたので赤字の穴埋めもあったのかも)アニメ映画は1973年版と「F」の2作が作られています。ほぼ唯一、原作設定の空中元素固定装置は、その後のセーラームーンやプリキュアの変身シーンにも影響を与えています。CG製作は、『シン・ゴジラ』でも活躍した「白組」の担当です。
スタイル抜群の西内まりやちゃんがキューティーハニーを熱演していました。あの体にフィットするような衣装が似合うのは彼女くらいではないでしょうか。美しかったです。あとジル役の石田ニコルちゃんもかっこよかったと思います。