曇天に笑う<外伝> ~決別、犲の誓い~の紹介:2017年日本映画。実写映画化もされた唐々煙のヒット作「曇天に笑う」のスピンオフとなる「曇天に笑う<外伝>」を劇場版アニーション三部作として映画化した第1作です。本作は本編開始以前を描く前日譚となり、破壊神“大蛇(おろち)”の討伐部隊“犲(やまいぬ)”に所属していた主人公・曇天火が、ある事件をきっかけに犲と決別する経緯が描かれます。。
監督:若野哲也 声の出演:中村悠一(曇天火)、梶裕貴(曇空丸)、代永翼(曇宙太郎)、鳥海浩輔(安倍蒼世)、大原さやか(佐々木妃子)、藤原祐規(芦屋睦月)、安元洋貴(鷹峯誠一郎)、藤原貴弘(犬飼善蔵)、岩崎ひろし(屍千狼)、下野紘(武田楽鳥)、佐藤利奈(牡丹)、能登麻美子(錦)、鈴村健一(比良裏)、櫻井孝宏(金城白子)、蜂須賀智隆(北村秀夫)、祐仙勇(土屋ヤス)、堂下勝気(太田医師)、大川透(曇太湖)、折笠富美子(曇小雪)、藤原夏海(曇空丸(幼少期))、佐藤はな(曇宙太郎(幼少期))ほか
映画「曇天に笑う<外伝>決別、犲の誓い」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「曇天に笑う<外伝>決別、犲の誓い」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
曇天に笑う<外伝> ~決別、犲の誓い~の予告編 動画
映画「曇天に笑う<外伝>決別、犲の誓い」解説
この解説記事には映画「曇天に笑う<外伝>決別、犲の誓い」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
曇天に笑う<外伝> ~決別、犲の誓い~のネタバレあらすじ:起
1879年(明治12年)、滋賀県大津。曇天火(中村悠一)は亡き両親の墓参りをしながら過去に想いを馳せていました。時は過去最大の犯罪率という混沌の時代、天火の二人の弟・空丸(梶裕貴)と宙太郎(代永翼)はこの日もひったくりを退治するなど町の自警に努めていました。300年に一度蘇る破壊神“大蛇(おろち)”は消滅、曇天は晴れ、大津の町は活気に満ちていました。
大津にある監獄「獄門処」は北海道に移転することになり、大蛇討伐のために結成された部隊“犲(やまいぬ)”も解散することになりました。犲の隊長で空丸の剣の師匠でもある安倍蒼世(鳥海浩輔)は自らも含む隊員のほとんどが政府軍に転属となる見通しを空丸に伝え、空丸に剣の稽古をつけてやることにしました。その様子を、空丸に想いを寄せる錦(能登麻美子)や牡丹(佐藤利奈)、比良裏(鈴村健一)が微笑ましく見守っていました。
曇天に笑う<外伝> ~決別、犲の誓い~のネタバレあらすじ:承
その頃、天火の元に犲の一員である佐々木妃子(大原さやか)が訪ねてきました。家に帰った空丸と宙太郎が台所で待機していると、部屋から天火と妃子の言い争いが聞こえ、天火は車椅子に乗ってそのまま外へと出ていってしまいました。
妃子は外で待たせていた同僚の芦屋睦月(藤原祐規)と共に帰ろうとしたところを空丸が引き留め、なぜ天火は荒れてしまったのか問いました。そこで妃子は天火の知られざる過去について語ることにしました。
11年前、犲の隊長だった天火と副隊長だった蒼世は、天火三兄弟の父・大湖(大川透)の指導のもと仲間たちと共に訓練に励んでいました。しかし、天火は訓練中も終始ふざけた態度を取っており、太湖の頭を悩ませていました。そんなある日、盗人たちによる立てこもり事件が勃発、警察の要請を受けて犲も出動、大湖は天火に現場の指揮を任せました。陰陽師の能力を持つ睦月は現場となった屋敷内の犯人たちの配置や所持する武器、人質の監禁場所などを探り、天火たちは突入準備に入りますが、太湖は野次馬たちの中に不穏な動きをする者がいることを見逃しませんでした。
天火たちは一気に屋敷に突入、瞬く間に犯人グループを仕留めて人質を救出しましたが、犯人のひとりが外にいた人質の弟に襲い掛かりました。太湖は犯人を倒して人質の弟を助け、天火たちに野次馬の中に犯人グループの見張り役がいたことを指摘しました。
曇天に笑う<外伝> ~決別、犲の誓い~のネタバレあらすじ:転
事件解決後、太湖は単独行動の目立つ睦月を捕まえ、犲は運命共同体でありチームワークが何よりも重要だと説いたうえで、睦月の実力を再確認するため稽古をつけることにしました。太湖との圧倒的な実力差に驚かされた睦月は、太湖に「あなたなら俺を殺せますよね」と語り、犲に選ばれた者は“大蛇の器”候補者ばかりであり、陰陽師の家系に生まれながら器の候補者である睦月は両親から疎まれて育ったことを語り、万が一自分が大蛇となった場合は太湖に斬られることを望みました。太湖も「俺が斬ってやるよ。安心して斬られに来い」と笑顔で語りかけました。
その様子を盗み聞きしていた天火、蒼世、妃子。もし天火が大蛇となった場合は蒼世が斬ると答え、蒼世が大蛇となった場合は「お前たちが斬れ」と約束しました。妃子は「先生(太湖)にだけ辛い思いはさせられない」と語り、自宅に戻った天火は「もし空丸や宙太郎が大蛇だったら、俺に斬れるのか…」と自問自答しましたが、「犲は考えてはいけない。大蛇を倒し、国を守るのが使命だ。犲は決して死んではならない。大蛇に噛みつくその日まで…」と思い直しました。
それから間もなく、太湖と妻・小雪(折笠富美子)は“風魔一族”によって暗殺され、天火はまだ幼い二人の弟を支えなければならなくなりました。そんなある日、天火は蒼世たちに「犲を抜ける」と伝え、「先生の意思はどうする?お前は英雄になるのではなかったのか?」と問い詰める蒼世に対して天火は「荷が重いよ。お前が犲を率いればいい。俺、犲の考え方に向いてねえわ」と語りました。蒼世は「お前には失望した。二度と顔を見せるな」と吐き捨て、他の隊員に「お前たちも抜けたければ抜ければいい」と告げましたが、天火以外は誰一人として犲を抜けるものはいませんでした。
曇天に笑う<外伝> ~決別、犲の誓い~の結末
天火には犲の誰にも明かしていない秘密がありました。それは新政府の秘密機関が極秘裏に開発していた“大蛇細胞”の被験体として志願したことでした。帰宅した天火はまだ幼い弟二人の寝顔を見つめながら、これまで両親から注がれてきた愛情を弟たちにもたっぷり注いでやる決意を新たにしました―――。
―――妃子の回想が終わり、空丸と宙太郎は初めて兄が犲を抜けた理由を知ることとなりました。妃子は「(天火が犲を抜けた)理由はひとつだけではないわ。自分たちのせいだとは思わないでね。私も(天火が)犲を抜けてよかったと思うの。だって天火を殺してしまうことになったかもしれないもの」と空丸と宙太郎に語り掛けました。
その頃、車椅子で外に出た天火は太湖・小雪の墓参りに出向いていました。身体が半分不自由になってしまっている天火は犲のメンバーが今でも顔を見せてくれていることに「しつこいんだよ」といいつつも嬉しそうな表情を浮かべていました。そして「大蛇と一緒に消えてればよかった…」と天火が呟いたところに蒼世が現れ、天火は「一番聞かれたくない奴に聞かれちまったよ」とこぼしました。これから新しい人生を歩む蒼世は過去のことを水に流すと宣言、そして犲のメンバー全員も太湖たちの墓を訪れ、大蛇討伐の任務を終えて犲を解散することを報告、感謝の意を述べました。天火は涙を流しながら「俺、頑張ったかな…」と問いかけ、そして空丸と宙太郎も天火の元に駆け付けて抱きつき、一緒に帰ることにしました。天火は弟二人の成長を喜びながら、また両親の元を訪れることを約束しました。そして天火は見聞を広めるために日本各地を旅すると弟たちや犲のメンバーに告げ、「アイツ、どうしてるかな…」と消息を絶ったままの金城白子(櫻井孝宏)の行く末に思いを馳せていました。
以上、映画「曇天に笑う<外伝> ~決別、犲の誓い~」のあらすじと結末でした。
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