曇天に笑う<外伝> ~桜華、天望の架橋~の紹介:2018年日本映画。実写映画化もされた唐々煙のヒット作「曇天に笑う」のスピンオフとなる「曇天に笑う<外伝>」を劇場版アニーション三部作として映画化した最終章です。本作では主人公・曇天火と同じく“大蛇(おろち)”の細胞を宿した新たな敵が登場、天火の弟である空丸や宙太郎と対峙します。
監督:若野哲也 声の出演:中村悠一(曇天火)、梶裕貴(曇空丸)、代永翼(曇宙太郎)、鳥海浩輔(安倍蒼世)、大原さやか(佐々木妃子)、藤原祐規(芦屋睦月)、安元洋貴(鷹峯誠一郎)、藤原貴弘(犬飼善蔵)、岩崎ひろし(屍千狼)、下野紘(武田楽鳥)、能登麻美子(錦)、松岡禎丞(虎)、白石涼子(亞華羽)、斉藤次郎(山縣有朋)、阪口周平(西野)、菊池康弘(喜多)、佐藤はな(鱗の少女)ほか
映画「曇天に笑う<外伝> 桜華、天望の架橋」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「曇天に笑う<外伝> 桜華、天望の架橋」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
曇天に笑う<外伝> ~桜華、天望の架橋~の予告編 動画
映画「曇天に笑う<外伝> 桜華、天望の架橋」解説
この解説記事には映画「曇天に笑う<外伝> 桜華、天望の架橋」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
曇天に笑う<外伝> ~桜華、天望の架橋~のネタバレあらすじ:起
とある牢獄。収監されている一人の男が、鉄格子の向こうで行われている人体実験の模様を見つめていました。顔に鱗のような模様を持つその男は自らも人体実験の実験体にされようとしていましたが、その場の者全員を惨殺して行方をくらましました。
滋賀県大津。曇一家の自宅では、三男・宙太郎が錦と共に旅に出たまま帰らぬ長兄・天火の帰りを待ちわびていました。次男・空丸は森の中で武田楽鳥と共に鍛錬に励んでいました。そこに牢獄を脱獄した“大蛇(おろち)”の鱗を持つ男・虎が現れ、突如として空丸と武田に襲い掛かってきました。天火の命を狙っているという虎の強さや身のこなしはまさに天火を彷彿とさせるものでした。兄の癖を見抜いているはずの空丸は虎に苦戦を強いられ、虎は思わず「弱えぇなあ」と呟いたところに虎を追う者たちが現れ、虎は「弟がこれじゃあな」と呟くと空丸にとどめを刺さずに立ち去っていきました。気を失った空丸は、虎の身体が朽ち始め、やがて自分も同じように朽ちてゆく悪夢を見ていました。
自宅に担ぎ込まれた空丸を、陸軍参謀局の西野が見舞いに訪れました。西野が言うには虎は極秘裏に大蛇の細胞を埋め込まれた被験者であり、他の同様の被験者たちと共に脱走したというのです。陸軍は被験者たち全員の逮捕もしくは抹殺に動いており、空丸たちの協力の申し出には軍の上層部が絡む機密事項を理由に一度は断りました。しかし、今回の事件にはかつての大蛇討伐部隊“犲(やまいぬ)”の関与も疑われていると話を聞いた空丸たちは改めて協力を志願、折れた西野は手掛かりの場所を記した地図を提示しました。 犲の元隊長・安倍蒼世たちをはじめとする主要メンバーの行方は依然としてわからないなか、空丸と武田は大蛇の被害を食い止めるため虎と刃を交える決意を固めました。
曇天に笑う<外伝> ~桜華、天望の架橋~のネタバレあらすじ:承
その夜、なかなか寝付けない空丸に、彼を慕う錦はこれ以上危険な目に遭わぬよう忠告しましたが、天火が大蛇の細胞に侵されているのを目の当たりにしてきた空丸は「俺がやるしかない」と決意を新たにしました。
翌日、空丸・宙太郎・錦・武田は地図を頼りに実験施設らしき場所を探し当て、内部に潜入すると、そこには惨殺された被験者たちの死体と共に実験の様子を克明に記したメモが発見されました。メモの中には虎らしき人物の実験の様子も書かれており、虎は非常に好戦的だというのです。更に驚くべきことに、この実験には陸軍の大物である山縣有朋や安倍、そして空丸の師匠である鷹峯誠一郎も関与しているというのです。安倍は大蛇細胞を利用して新薬を開発する計画を練っており、山縣も同意していました。
空丸に子供の被験者が襲い掛かり、噛みつきながら「お願い・・・殺して・・・」と呟きながら息を引き取りました。子供を弔い、傷の手当てをした空丸は、なぜ鷹峯が関与しているのか疑問でなりませんでした。
一方、虎は隠れ家で待っていた女性・亞華羽(あげは)に匿われていました。宙太郎は 亞華羽が仕掛けた罠にかかってしまい、 亞華羽は宙太郎の解放と引き換えに空丸たちに即刻立ち去るよう命じ、周りに不審人物を見かけなかったという問いにも答えませんでした。しかし、錦が「獄門処」の脱獄囚である亞華羽を問い詰めようとしたところ、虎が突然襲いかかってきました。ところが、虎は血を吐いて倒れ、元医師である亞華羽は虎は度重なる人体実験により身体中はボロボロであり、余命も長くはないと空丸たちに明かし、余生は虎の自由にさせてほしいと懇願しました。
曇天に笑う<外伝> ~桜華、天望の架橋~のネタバレあらすじ:転
ところが、その場に安倍と鷹峯、元・犲のメンバーらが現れ、虎の身柄を確保しようとしました。安倍らは虎を再び実験材料として再利用しようと考えており、その言葉を聞いた空丸は師匠の口からそんな言葉は聞きたくなかったと呟きました。そこに再び虎が立ち上がり、元・犲のメンバーらと刃を交えながら天火を追っている理由は同じ大蛇の細胞を持つ天火を倒すことで自分が最強であることを証明したかったと告げるといずこへと逃げ去っていきました。安倍たちは空丸たちに「お前たちに用はない」と言い捨てると虎を追いに向かいました。
虎を匿った亞華羽は、予想以上に彼の身体が限界に近付いていることを悟り、自らの過去と重ね合わせていました。亞華羽は弟を医療ミスで死なせた同僚医師を殺し、診療所に火を放っていたのです。亞華羽は虎が最後の患者であり、その最期を看取らせてもらうと宣言しました。ところが、亞華羽は陸軍の仕掛けた罠にかかって捕まってしまい、その場で銃殺されそうになりましたが空丸や西野の部隊の助けを得て窮地を脱しました。西野に今回の件は犲が加担していることを報告した空丸は、西野から犲を止めるよう依頼されました。亞華羽を庇った際に負傷した空丸は彼女に応急処置してもらい、物心ついた時から犯罪に手を染めてきた虎が亞華羽の握り飯に感動して涙したというエピソードを聞きました。
一方その頃、青く光る蝶に導かれた安倍たちは虎が身を隠している洞窟を発見、虎の身柄を施設に戻そうとしましたが、駆け付けた空丸たちは犲のメンバーらと対決、安倍からなぜ虎の情報を得たか問われました。その時、安倍は西野の部下に狙撃され、空丸たちは西野こそが実験の首謀者であることを知りました。西野は空丸たちと犲を一気に始末しようとしましたが、空丸たちはそこに駆け付けた天火と佐々木妃子に助けられました。
曇天に笑う<外伝> ~桜華、天望の架橋~の結末
天火たちと負傷しながらも立ち上がった安倍ら犲のメンバーは虎の身柄を確保しようとする西野一味と戦い、目覚めた虎も一味と戦い始めましたが、暴走した虎は止めに入った亞華羽の身体を貫いてしまいます。それでも虎に優しく接する亞華羽でしたが西野一味の銃弾を浴びて力尽きました。
空丸は虎の暴走を止めるべくたった一人で対決、錦の加勢を得て虎を食い止めました。既に限界を通り越していた虎は亞華羽の幻を見ながら静かに息を引き取り、天火は空丸に「よくやった。虎は“人”として死ねたんだ」と弟の成長を讃えました。
西野や実験に加担したものは裁かれることとなり、大蛇に関するものは全て破棄され、山縣は協力してくれた空丸に感謝の意を示しました。天火は皆を集めて食事しようと言い出し、これまで忍として生きてきた錦は普通の人生を歩みたいと妃子に相談を求めました。
天火は琵琶湖を眺めながら、空丸に今後は世界中を旅して回るという夢を明かし、空丸を自らの後継者に指名しました。大津の空には眩いばかりの晴天が輝いていました。
以上、映画「曇天に笑う<外伝> ~桜華、天望の架橋~」のあらすじと結末でした。
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