エンマの紹介:2006年日本映画。渋谷の街で突然苦しくなり倒れた遥冬は、広い病室にいました。気が付くと5人の男女が寝ていて、自分と同じように記憶がありません。やがて刑事だという韮崎が色々調べ出すと、予告ウィルステロが関係していることがわかります。一人ずつ死んでいき生き残った遥冬と亜美、犯人は誰なのか…という内容のサスペンススリラー映画です。現実と幻覚の境界線が少しわかりづらい所がありますが、ミステリー要素もあり面白い1本です。
監督:長江俊和 出演者:塚本高史(野上遥冬)、近野成美(池内亜美)、佐藤重幸(君嶋勉)、坂本爽(村田卓磨)、ベンガル(韮崎康二郎)、山田明郷(遠山達彦)ほか
映画「エンマ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「エンマ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「エンマ」解説
この解説記事には映画「エンマ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
エンマのネタバレあらすじ:起
「このけいかくはぜったいせいこうする・・・そしてひとりずつしぬ」とひらがなで脅迫文が書かれていました。渋谷の街で、野上遥冬(塚本高史)は突然苦しんで倒れます。意識朦朧の中、病院に運ばれました。隣のベッドには同じような症状で手を伸ばす女性がいます。遥冬が女性の手を掴もうとした時、注射を打たれ意識を失います。
目覚めた遥冬は大きな病室のベッドにいました。周りには同じような人たちがいます。スーツを着た韮崎康二郎(ベンガル)、タトゥーだらけの村田卓磨(坂本爽)、インテリ風の君嶋勉(佐藤重幸)、初老の遠山達彦(山田明郷)、女性の池内亜美(近野成美)の5人でした。
携帯電話は圏外で、モニターには「エンマ遂行中」という表示があり、タイマーが動いています。遥冬を含め共通しているのは、ATMの場所にいたことと、腕の注射の跡がある事でした。すると韮崎が「オレは刑事だ」と言って、順番に持ち物を検査し始めます。
「オレは出て行く」と言ってロックされた扉を開けようとした村田が、突然苦しみだして倒れます。やがて村田は死にました。モニターには村田がリセットしたことが表示されていました。韮崎が「思い出した。オレは予告テロの捜査をしていたんだ」と言って、新聞の切り抜きを見せると、ひらがなで書かれた脅迫文が載っていました。
そしてその予告日は今日でした。「これは薬物テロだ、犯人はこの中にいる」と言い出した韮崎は、君嶋のスーツケースの薬品をぶちまけます。君嶋は「僕は薬品会社で新薬の研究をしているんだ」と言います。
エンマのネタバレあらすじ:承
韮崎は「一言もしゃべらない亜美が怪しい」と言い始めます。遥冬が「この人は犯人じゃない。僕は見たんだ!」と言います。皆が「触るな!」と言う声を聞かず、遠山が村田の体を仰向けに移します。白目になり、こめかみには血の穴があり、Wという文字が浮き上がっていました。すると遠山が苦しみだして倒れ、死んでしまいます。同じようにこめかみに血の穴があり、Sの文字が浮かび上がりました。
君嶋は「ウィルステロだ。触ると感染する」と言います。そして「僕はまだ死にたくない」と言って韮崎に迫ります。すると韮崎は君嶋の足を拳銃で撃ちました。遥冬は「この中には犯人はいない」と言って静めると、韮崎は拳銃でドアの鍵を撃って壊し、部屋を出ます。病院内を逃げる韮崎ですが、中は無人でした。
遥冬は亜美を連れ部屋を出ます。亜美は「帰ってもどうせ一人だから帰りたくない」と遥冬に言います。遥冬の携帯電話が鳴り、出ると「その女に騙されるな」と言う声がしました。少しして韮崎と合流した遥冬らは、一台の車いすを見つけます。
韮崎はATMの場所に、車いすに乗った人物がハンカチを落としたことを思い出します。「もう一人いる」いう韮崎でしたが、車いすに亜美が乗っていたことを思い出し、「お前だな」と言って銃を構えた時、韮崎は苦しみだして倒れ死にました。韮崎にはZという文字が浮かび上がります。
エンマのネタバレあらすじ:転
「私かもしれない」という亜美に、一緒に行こうと遥冬が言いますが、亜美は走っていなくなりました。死んだはずの村田と遠山が順番に現れ、ATMで車いすに乗った亜美が液体の染み込んだハンカチを落とし、苦しみだしたことを思い出させます。そして亜美の腕をとり助けようとした村田、そして遠山がいました。
元の部屋に戻ると、君嶋が「これはゲームだ。文字と思っていたのは数字だ。Wは3、Sは5、Zは2、つまりあの女に触れた順番だ」と言います。遥冬のこめかみから血が出始めます。そこへ亜美が帰ってくると君嶋が死にました。
遥冬は亜美に「本当の事を話してくれ」と頼みます。亜美は「街でハンカチを拾い、落とした人に渡そうと追いかけてATMに入った。そして返そうとして手を伸ばしたらハンカチを落とした」と言います。その返そうとした人は遥冬でした。亜美は「私、あなたに伝えなきゃならない事があるの」と言った時、1の数字が体に浮かび上がりました。そのまま亜美は倒れ死んでしまいます。
やがて遥冬も苦しみだし、意識を失います。目覚めた遥冬のこめかみには、プラグが刺しこまれていました。そして周りには、あの5人がベッドに寝かされ、同じようにこめかみにプラグが刺しこまれています。
エンマの結末
プラグを外し、制御盤を見ると『エンマ遂行中、5人の被害者の記憶を転送中』という表示がありました。テロの犯人は遥冬で、5人の被害者から、それぞれの記憶を移されていました。さっきまで見た病院内の出来事は、遥冬の脳の中の幻覚でした。
あの日、遥冬は予告テロ実行の為に渋谷の街にいました。そしてチャック付きポリ袋に液体と一緒に入れられたハンカチを路上に落とします。これにより、ハンカチを拾った人、そしてその人に触れた人達へ次々感染し、人を殺していくはずでした。しかし、車いすの亜美が落としたハンカチを拾って遥冬を追いかけ、ATM内で渡そうとして手を伸ばし落としたことから、遥冬と中にいた5人に感染したのでした。
完全に思い出した遥冬は病院の屋上にいました。すると亜美がやって来ます。亜美は「いつも家でひきこもり一人だった自分を変えようと、渋谷に出てきた。しかし何もすることがなく困っていると、あなたがハンカチを落とした。このハンカチを拾って届けないと、私は変われないと思ってあなたに届けた・・・ありがとう」と言います。
聞いた遥冬は「もう少し早く君に出会っていれば」と言うと、亜美も「もう少し早く出会っていれば友達になれたのに」と言います。再び遥冬が目覚めます。あの広い病室でした。5人がいたベッドには誰もいませんでした。
以上、映画「エンマ」のあらすじと結末でした。
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