エヴァンゲリオン新劇場版:Qの紹介:2012年日本映画。ヱヴァンゲリヲン新劇場版シリーズ第3作目。『新劇場版:破』の最後から14年後の世界が舞台。特務機関「NERV(ネルフ)」と反NERV組織「ヴィレ」の戦いのなか、14年の眠りから目覚めた碇シンジは、ヴィレ指揮官となった葛城ミサトから二度とヱヴァに乗るなと告げられてしまう。第36回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞。正式な映画タイトル表記は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』で、続編となる『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は2021年に公開。
監督:庵野秀明 声優:緒方恵美(碇シンジ)、林原めぐみ(アヤナミレイ(仮称))、宮村優子(式波・アスカ・ラングレー)、坂本真綾(真希波・マリ・イラストリアス)、石田彰(渚カヲル)ほか
映画「エヴァンゲリオン新劇場版:Q」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「エヴァンゲリオン新劇場版:Q」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
エヴァンゲリオン新劇場版:Qの予告編 動画
映画「エヴァンゲリオン新劇場版:Q」解説
この解説記事には映画「エヴァンゲリオン新劇場版:Q」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
エヴァンゲリオン新劇場版:Q のネタバレあらすじ1:宇宙の一戦
前作第10使徒との戦いから14年後の世界。碇シンジ、綾波レイの二人を取り込んだヱヴァ初号機は、NERVの手によって地球の衛星軌道上に封印されていた。葛城ミサト、赤木リツコら旧NERV職員で結成した反NERV組織「ヴィレ」はこれを奪うため、アスカとマリ両名に「US作戦」遂行を命ずる。
アスカの改2号機、マリの8号機が出撃。NERVはこれを“EVANGELION Mark.04”シリーズの「コード4A」と数体で迎撃を開始するが、2機の連携でこれを撃破。更に、初号機のコンテナに接近したアスカにMark.04の「コード4B」が襲い掛かる。
危機に瀕した改2号機を救ったのは、コンテナ内に封じられたはずの初号機だった。コード4Bを撃破後再び眠りにつく初号機を回収したアスカは、先に降下したマリを追って地球へ帰還する。
エヴァンゲリオン新劇場版:Q のネタバレあらすじ2:14年後の世界
体を拘束された状態のまま目覚めたシンジは、ヴィレが所有する艦隊「AAA ヴンダー」でミサトたちに再会する。周囲の冷たい態度に戸惑いながら、レイを助けた時から14年経ったと聞かされる。そして、初号機から発見されたのは自分だけで、レイはどこにもいなかったとも。
14年前と姿の変わらないアスカにもレイの居場所を問うが、彼女も取り付く島もない。一方的にヱヴァに乗るなと告げられ、もしもの時は付けられた「DSSチョーカー」を使い、命を奪うと脅される。
直後にヴンダーがNERVのヱヴァシリーズ「Mark.09」に強襲され、騒然とする管内。シンジはMark.09から聞こえるレイの声に応え、止めるミサトたちを振り切りそのまま艦隊からMark.09の手に乗り離脱した。
エヴァンゲリオン新劇場版:Q のネタバレあらすじ3:渚カヲル
地面が抉れ、地上に荒廃した姿をさらすNERV本部。案内された先で、シンジは父の碇ゲンドウから共にヱヴァンゲリオン13号機のパイロットになる少年、渚カヲルを紹介される。
一緒にピアノを弾いたのがきっかけになり、シンジはカヲルとの交流で明るい感情を思い出していた。
エヴァンゲリオン新劇場版:Q のネタバレあらすじ4:ニアサードインパクト
朝に自動で供給されるワイシャツに、かつての友人鈴原トウジの名前を見つけ驚くシンジ。NERVに来てから、彼は知り合いや第3新東京市がどうなっているのか、全く分からないままでいた。
真実を知りたいというシンジはカヲルに案内された先で、赤く染まり崩壊した大地と、巨大な十字架が乱立する異様な光景を目の当たりにする。そこでカヲルから、原因がシンジと初号機が起こした「ニアサードインパクト」であり、他の生命は人類を含め絶滅していることを知る。
エヴァンゲリオン新劇場版:Q のネタバレあらすじ5:綾波ユイと綾波レイ
世界崩壊のトリガーが自分だと知り愕然とするシンジだが、レイを助けたということだけが彼を保たせていた。しかし、それも冬月から聞かされた言葉に動揺し、瓦解する。
母の碇ユイ、旧姓綾波ユイは過去の実験でヱヴァのコアに取り込まれ、そのまま初号機の制御システムになったこと、綾波レイはユイの情報を基に複製された存在であり、目的が再びユイを取り戻すことだと知らされる。何より、自分の知る「レイ」がまだ初号機の中に取り込まれ、助けることが出来なかったという事実を突きつけられた。
エヴァンゲリオン新劇場版:Q のネタバレあらすじ6:2本の槍
遂に完成したヱヴァ13号機。シンジは搭乗を拒絶し塞ぎこむ。カヲルはヱヴァに乗れば作動して死ぬと言われたチョーカーをシンジに代わり、自身の首に巻いてみせた。
世界を元に戻すのに必要なロンギヌスとカシウスの2本の槍を手に入れるべく二人はヱヴァ13号機に乗り、レイ――アヤナミレイ(仮称)を乗せたMark.09を連れてサードインパクトの爆心地である、セントラルドグマ最深部を目指す。
目的の槍を見つけたシンジたちだが、Mark.06と第2使徒のリリスを刺し貫く2本ともロンギヌスの槍であることに気付き、訝しんだカヲルは待ったをかける。そこへ、13号機の軌道を感知したヴィレに送り込まれた改2号機と8号機が襲撃。槍を手に入れて世界を変える考えを譲らないシンジはこれを撃退し、カヲルの言葉すら聞き入れず槍を抜いてしまう。
その瞬間、第2使徒リリスの体が崩れ、Mark.06の中にいた第12使徒が活性。アヤナミレイ(仮称)がMark.09の持っていた大鎌でMark.06の首を切り落とし、外に出てシンジとカヲルの乗る13号機を包み込んだ。
パイロット二人の制御を離れた13号機は第12使徒を取り込んで覚醒してしまう。「まさか第1使徒の僕が13番目の使徒に堕とされるとは」と呟くカヲル。今まさにゲンドウの仕掛けた罠により「フォースインパクト」が発動しようとしていた。
エヴァンゲリオン新劇場版:Q の結末:フォースインパクト
第12使徒を取り込み覚醒したヱヴァ13号機が地上に現れ、フォースインパクトの儀式が始まる。13号機の頭上に掲げられた光に吸い寄せられ、崩壊する地上の街並み。止めようとヴィレがヴンダーで特攻を仕掛けるが、Mark.09に制御を奪われ危機に陥る。
駆けつけた改2号機が獣化形態に変形し応戦するが、時間が無く倒しきれないと判断し、アスカとアヤナミレイ(仮称)が脱出したタイミングで自爆した改2号機によりようやく破壊される。
フォースインパクトの原因が自分ではないかと嘆くシンジに、自分がトリガーになってしまったと優しく諭すカヲルは、再会を告げる言葉を残し、現象を止めるためにDSSチョーカーを作動させ、シンジの目の前で自分の命を絶った。
覚醒が止まった13号機だが、止まらないフォースインパクトにマリはシンジが原因と気付きエントリープラグを強制的に排出。エヴァ13号機は活動を止め地上に落ちた。
不時着した地上でアスカに引き起こされるシンジ。気力もなく、立つことすらままならない彼を引っ張り歩き出すアスカに、アヤナミレイ(仮称)も黙ってついていき、幕を閉じるのだった。
以上、映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」のあらすじと結末でした。
新劇場版4部作の完結編「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」のネタバレあらすじはこちら。
エヴァンゲリオン新劇場版4部作のあらすじ一覧
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」のネタバレあらすじ結末
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」のネタバレあらすじ結末
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」のネタバレあらすじ結末
「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」のネタバレあらすじ結末
前作より14年経過した世界で展開される、「新しい」エヴァ。新設定に新キャラクターなど、「新」尽くしの内容には賛否あるところか。旧テレビ版からのファンであれば受け付けないかもしれないが、一部キャラクターに関しては前作までとまるで別キャラクターのような描かれ方がされており、そういった点も含めて「まったく新しい」エヴァの物語がここにあるといった印象。内容に関しては、突然出てくる聞きなれない単語の応酬に付いていけず、「??」と思っている間に置いてけぼりをくらわされるような感覚にもなるが、キャラクターのしゃべる言葉の意味が分からないなりに映像と脚本で力づくで「面白い」と思わせられてしまうエヴァ作品のスタイルを体感することができる。初出の単語の意味やシリーズ作品同士のつながりをあれこれ考える「考察」モノの1ピースとして楽しむ派の「考察材料」としても見る部分は多そうだが、小難しい色々は次作での回収に期待して、派手なアクションや鮮やかに猛りぶつかり合うキャラクターたちの勢いにただ翻弄されてみるだけでも楽しめる作品になっていると感じる。新劇場版シリーズとしてはこれまでの「序」「破」に続く3番目の作品だが、この「Q」でここまでガラリと一変させた物語を、続く最終作「シン」でどうまとめてくるのかも全く想像がつかず、次作をさらに楽しみにさせてくれた。