その木戸を通っての紹介:1993年日本映画。平松家を継ぎ城勤めを真面目に果たしいた平松正四郎は記憶喪失の娘を家に住まわせることになる。いつしか、その娘に好意を持ち夫婦になるが娘の数奇な運命に翻弄される。叙情豊かな時代劇です。
監督:市川崑 出演:浅野ゆう子(ふさ)、中井貴一(平松正四郎)、榎木孝明(田原角之助)、石坂浩二(岩井勘解由 / 正四郎の父)、神山繁(加島大学)、岸田今日子(むら)、井川比佐志(吉塚助十郎)、フランキー堺(田原権右衛門)、ほか
映画「その木戸を通って」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「その木戸を通って」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「その木戸を通って」解説
この解説記事には映画「その木戸を通って」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
その木戸を通ってのネタバレあらすじ
娘ゆかの婚礼の日に、平松正四郎(中井貴一)は17年前に二人を残して忽然と消えた、妻ふさのことを思い返している。平松の家徳を継ぎ、城代家老の娘との縁組も決まり、順風満帆であった。そんな正四郎の元に、自分の名前も知らず、どこから来たのかも覚えていない娘が尋ねてきた。娘は平松正四郎という名前だけを記憶しており、それでやって来たのである。その事が家老の娘の耳に入り、縁談の仲立ちをした中老の田原権右衛門(フランキー堺)から苦情を言われる。四郎はその娘に見覚えはありませんでした。行き先のない娘を不憫に思った家扶の吉塚助十郎(井川比佐志)夫婦は、娘の面倒をみたいと申し出ますが、正四郎は承知せず、雨の中に追い出してしまいます。気になった正四郎が外に出て探すと、雨に打たれる娘の姿を見て、いたたまれなくなり屋敷に住まわせます。
その木戸を通ってのネタバレあらすじ:ふさとの生活
娘はふさ(浅野ゆう子)と名づけられ、働き者で優しい人柄に家の物から可愛がられました。正四郎もいつしかふさに好意を持つようになりました。そして、家老の娘との縁談を断り、ふさを嫁に迎えたのです。中老の田原権右衛門は当然怒りましたが、正四郎の真剣さとふさの人柄に好感を持ち、後に応援しました。最後まで反対していた正四郎の父(石坂浩二)も婚礼の日に認めたのです。
その木戸を通ってのネタバレあらすじ:ふさの異変
やがて娘が生まれて正四郎の母と同じゆかと名付けました。三人の幸せな日々が続きました。ある日、ふさが取り付かれたように、ここに木戸があってと記憶をたどるように言葉を出します。そして、倒れた後、気づくとその事は何も覚えていません。その事でふさは今の生活を忘れてしまうのではないかと不安に陥ります。正四郎も不吉な予感を感じます。
その木戸を通ってのネタバレあらすじ:ふさが消える
恐れていたことが起こってしまいます。屋敷からふさの姿が消えてしまいます。最後にふさの姿を見た物は、ふらっと木戸から外に出て行くふさを見かけたと話します。正四郎は、必死で付近を探しましたが見つかりませんでした。遠くの村でふさに似た者がいると聞きつければ、確かめに出かけました。そして、十数年の年月が過ぎました。娘の婚礼の日に薪を割りながら木戸を見つめている正四郎の目には、木戸を通って帰って来たふさの幻が見えていました。
心に残ってしまいました。考えさせられる映画でした。
中井貴一さんの演技のうまさと、浅野ゆう子さんの美しさがとても印象的でした。作品は市川崑監督らしい映像でした。