グッドモーニングショーの紹介:2016年日本映画。テレビのワイドショーを舞台にしたコメディー映画。中井貴一演じる番組メインキャスターが巻き込まれる災難だらけの1日を、情報番組vs報道番組のいざこざや、激しい視聴率競争など、テレビ業界の裏事情を盛り込んで描かれる。第40回モントリオール世界映画祭・ワールドコンペティション部門出品作品。『踊る大捜査線』の脚本をてがけた君塚良一氏が、メガホンを取ったコメディ映画。
監督:君塚良一 出演:中井貴一(澄田真吾/メインキャスター)、吉田羊(澄田明美/澄田の妻)、長澤まさみ(小川圭子/女子アナ)、志田未来(三木沙也/新人アナ)、時任三郎(石山聡/プロデューサー)、濱田岳(西谷颯太/立てこもり犯)、松重豊(黒岩哲人/警察特殊班)、池内博之(秋吉克己/チーフディレクター)、林遣都(松岡宏二/報道担当)、梶原善(館山修平/特集担当)、木南晴夏(新垣英莉/芸能グルメ担当)、大東駿介(府川速人/中継担当)、ほか
映画「グッドモーニングショー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「グッドモーニングショー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
グッドモーニングショーの予告編 動画
映画「グッドモーニングショー」解説
この解説記事には映画「グッドモーニングショー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
グッドモーニングショーの詳細あらすじ:1.出勤
朝7時からの2時間のワイド番組「グッドモーニングショー」のメインキャスター澄田真吾の朝は早いです。起床するのは深夜3時。しかし、その日はいつもと違いました。妻の明美と1人息子が口論していました。何でも付き合っている彼女が妊娠したと言うのです。まだ定職も持たない学生の身分で…と怒ろうとしましたが「親父だって、朝からヘラヘラ笑ってるだけだろ?」と言われ、言葉をなくしてしまいます。そして、妻と子から逃げるように3時45分出勤するのでした。澄田の住むのは府中市。映画中では特に語られませんが、製作がフジプロダクションと東宝なので、フジテレビがあるお台場までタクシーで向かいます。1時間15分かかります。いつもなら、微睡むところですが、その日に限って携帯の電話が鳴りました。パネルに表示された名前はぶっとび女子アナの小川圭子からの物でした。無視すると、あとあと厄介です。「はい、澄田です。圭子ちゃん、おはよう。」圭「澄田さん、おはようございます。」 左を見ると、タクシーが並走していました。それに圭子が乗っています。圭「澄田さん、こないだは凄かったです。」 澄「え、何が? 」圭「私は信じてますからね」 澄「俺、酔いつぶれたけど、何もなかったよね。」圭「今日、発表しちゃいましょうか?」 澄「ちょっと待って、後で話し合おう、ね?」圭子を乗せたタクシーが追い抜いて行くきます。その時、トンネルを抜け、夜景のレインボーブリッジが見えました。スタジオでは深夜3時からセットの組み立てが始まっていました。届いたスポーツ新聞各紙の一面をカッターで切ってボードに張ったりしています。実はワイドショー番組は報道部に間借りしていて、毎日組み立てる必要があるようです。澄田も到着し、打ち合わせが始めました。熱血・報道担当、松岡は国際問題として、どこかの国の反乱によるクーデターをねじこみたいようですが、男勝りの芸能グルメ担当、新垣は芸能人の熱愛報道をトップに持ってこようと揉めていました。政治家の脱税報道もあります。でも、澄田の鶴の一声「ワイドショーは金と女。熱愛報道から行こう」ということになりました。やり手のチーフディレクター秋吉は、「よし、メイン司会がそう言うからには、それで行こう」と決定します。「よっしゃー」と喜ぶ新垣は喜ぶ一方で、松岡は、まだ食い下がりますが報道部に謝りに行きます。そして、チクリ「ワイドショーさんは、我々報道部が必死に集めたネタを、美味しいトコだけ盗っていくんだよな。」女性レポーターのリポート動画を編集しています。スポンサーのライバル会社が写っていました。「これ、まずいよ」「あ、そうですね。これでどうですか? ポン」 リポーター以外がモザイクになりました。「これじゃ何も分からないよ」気をよくした新垣は、今日の視聴者投票について、その場にいる全員に質問します。「別れた恋人からもらったプレゼント。捨てる? とっておく? 捨てる人、はーい。」 ほとんど全員が捨てるに手を上げました。でも澄田はあげません。そこに圭子もやってきて、澄田に耳打ちします。「私は捨てませんよ。」とカバンにつけたストラップはひこにゃんでした。澄「それ、旅行のお土産でみんなに配ったやつ」 圭「私のは特別なんです。ほら可愛いでしょ?」松岡が新人アナの三木に小声で質問しています。「澄田さんと圭子さん、出来てるって噂、本当なんですか?」「小川さん、こないだ振られたでしょ。そこを澄田さんが下手に慰めたもんだから、ぞっこんな訳」「圭子さん、思い込み激しいですからね。澄田さん、ご愁傷様。」澄田が、のらりくらりのプロデューサー・石山に呼ばれました。澄田と石山は同期のようです。石「澄田、ちょっと。」澄「俺? 何?」 石「ここではちょっと。」スタジオの外を出て、屋上に出ました。「今月末で、グッドモーニングショーは終了になることが決まったから。」 澄「え、急だな。俺は? 俺は残留だよな」 石「いや、キャストも一新。番組ごと、全て1から総とっかえだ。朝から暗い顔のオッサンが出てると視聴率も落ちるし、潮時だろう。」その時、澄田の後輩が通りかかりました。澄田は、かつて、夜の報道番組を担当していました。しかし、とある事件が原因で降板し、後輩に司会を譲っていたのです。澄「夜の番組どうだ?」 後「大分慣れてきたんですけれど、今度は朝の番組もやれって言われて」察する澄田。プロデューサーの石山は呑気に手を振っています。多分、新しい朝のワイドショーも澄田の後任に後輩を使うのでしょう。「なー、澄田。最終回はパーッと盛り上げるから。」 澄「まさか、上はまだあのことを怒っているのか?」 石「何だ、澄田? まだ報道に戻りたいのか?」 そこに、何故か、ヘルメットをかぶり、作業着姿で顔に泥を塗りながら笑って、マイクを握っているシーンが映し出されます。石「お前こそ、まだアレを気にしているのか?」
グッドモーニングショーの詳細あらすじ:2.事件発生
朝6時、本番1時間前です。澄田は化粧室に入り、淡いピンクのスーツに着替え、自分で化粧をします。そこに圭子が入ってきました。赤いノースリーブのワンピースです。横に座り、間を詰めてきます。「どうやって発表しましょうか?私達のこと」 澄「圭子くん、いや小川さん、何か誤解があるようだけど。それに後で話し合おうって言ったじゃない」でも圭子は聞く耳持ちません。そこに、AD(アシスタント・ディレクター)が黒いスーツをもってやってきました。「澄田さん、立てこもり事件が発生しました。被害者がいるかもしれないので、これに着替えてください」 澄「ああ、わかった。そこに置いておいて」その少し前、スタジオでは、緊急警報が鳴りました。「品川で立てこもり事件発生。」 場内は騒然となり、秋吉Dは、「警察にすぐ確認とって」 他のスタッフがたちまち、電話をかけます。中継担当の府川は機材を持って、バイクで現場に急行します。お台場から品川まで、レインボーブリッジを渡ればすぐです。そして、秋吉Dは、「(番組)トップは立てこもり事件で行く。スイーツ特集はカットだ。」当然、新垣は怒ります。「2時間も並ばないと買えない限定スイーツなんですよ(クリームエクレア?)。」でも、仕方ありません。お詫びの電話をかけます。電話の向こうで、店主が怒っています。「どうしてくれるの? お客さんが来ると思って、大量に作っておいたのに」横でADが、カンペをゴミ箱に大量に捨てました。圭子と三木アナが階段を降りていました。三木は言います。「私、澄田さんを尊敬しています。妻子もおられるし、だから、あまり困らせないであげてくだ…」 圭子「あら、私だって、尊敬しているわよ。お土産も貰ったし、こないだ優しくしてくれたし。今日、発表するからね。沙也ちゃんも手伝ってね」 2人が通り過ぎた後、階下には澄田が困った顔で立ち尽くしていました。でも、間もなく本番です。スタジオに入ると澄田はニュース原稿の下読みを始めます。反乱軍のクーデターが起こっている国の名前は言いにくく、何度も練習しています。秋吉Dが横で、「国名と国旗を間違えるなよ」と怒鳴っています。新垣は名残惜しそうに、スイーツ特集の編集VTRを眺めています。それは、澄田が激辛スイーツを食べて悶絶するシーンでした。それを見た圭子が「私も澄田さんみたいにバラエティ仕事してみたいな」とか澄田の気持ちを逆撫でします。そこに家から電話がかかってきました。澄田の妻:明美からです。「あなた、子供が生まれたら、うちで育てなきゃいけないでしょ。バリバリ働いてね。」 澄「まもなく本番だから、切るね」 またかかってきます。石山Pに携帯電話を渡し、アゴを掻くふりをします。そして、どこかに行ってしまいました。新垣がベテランの特集担当・館山に質問します。「今の何です?」 館「ああ、澄田さんが『嘘をついてくれ』ってサイン。見てな。」実際、石山Pは、電話に出ると「ああ、奥さんすいません。澄野は今、原稿読みをしていまして」その頃、府川が現場に到着し、カメラのセッティングをはじめます。でも、大分出遅れたせいで、籠城中のカフェは望遠カメラで撮れていますが、やや遠いです。スタジオに電波を送ります。秋吉Dは現場から電波が来たので「よし、現場から絵きた。トップは立てこもり犯で行く。だから芸能人の熱愛報道はカット」当然、新垣は怒ります。「ワイドショーは金と女じゃないんですか?」 池「それよりも、ライブだ。視聴者が見たがっている映像を見せる。それもワイドショーだ」ADが横で、芸能人の熱愛報道のカンペをゴミ箱にバサバサと捨てました。でも、現場で府川は警察特殊班の黒岩警部補から声をかけられていました。「グッドモーニングショーのスタッフの方ですね。少し、そちらの上司とお話しできませんか?」 「は? …分かりました」仕方ないので石山Pに連絡をします。電話を受けた石山Pでしたが、どうにも内容が理解できません。黒「ですからね。そちらの澄田アナウンサーを犯人が要求しているわけなんです」 石「何かの間違いじゃありませんか?」 黒「本人とお話しすることは出来ませんか?」石「いや、澄田は今から生放送の本番ですので。しばらくお待ちください。」
グッドモーニングショーの詳細あらすじ:3.番組開始
さて7時です。いよいよ本番です。澄田家では、眠そうな顔で、リビングのソファーで身体を横にしている息子がグッドモーニングショーを見ていました。父親の澄田が映りました。でも、いつもと違って、深刻そうな顔で「品川で立てこもり事件が起こりました。まずはその事件の続報からです。」 息子は、台所にいる母親に向かって言います。「母さん、事件だって」 明「え?」現場の絵は赤い屋根のカフェから動きません。仕方ないので、政治家の贈収賄報道を紹介することになりました。澄「ええ、現場で動きがありましたら、続報をお届けします。ええ、次は政治家の贈収賄事件です。」(澄田のセリフは、全部パソコン(ワープロ?)打ちされたカンペ原稿を読んでいます)澄「いや、悪いことはできませんね」 圭「ええ、嘘は必ずばれます。」 澄「確かにね。嘘はよくない」圭「嘘をつくとバレちゃいますもんね。」 澄「どうしたの? えらく絡むね。」 三「圭子さんも嘘をつかれたんですか?」圭「はい。私も嘘をつかれたと言うか、隠し事をしていて、実は」 澄「CMです。」秋吉Dが怒ります。「おい、澄田、勝手にCMにするな」 でも、司会がそう言ったからには、CMです。その間に、石山Pが警察からの情報で、犯人が澄田を要求していることを伝えました。「何で?」 石「分からんが、これは、うちだけが独占しているスクープだ。言って犯人にインタビューしてこい」 放送局長が飛んできました。「バカなことを言うな。いいな。澄田、お前は、スタジオで番組を仕切れ」 石山Pは、のらりくらりかわします。「まーまー、局長押さえて。落ち着いて」 そこに新垣が大量に余ったエクレアの1つを持ってきました。「怒りっぽくなるのは、脳に糖分が足りてないせいです。美味しいスイーツがありますよ。コーヒーもつけますからね」その時、館山が他局の様子を見ようとモニターに映した時です。「バーン」銃声が鳴りました。他局の一社が視聴者の情報提供で、スマホに銃声を録画(録音)していたのです。池「何だ、これは? うちには情報来てないぞ。中継の府川は何している?」 その頃、府川はスタジオに戻るべく、バイクに乗っていました。番組は進みます。今日の視聴者投票を圭子と三木アナが説明しています。三「さて、視聴者の皆さんは、別れた恋人からのプレゼント。捨てますか? それともとっておきますか?」 澄「三木ちゃんは、どうなの?」 三「えー、恋人なんていませんから、分かりません」 澄「このー、うまくはぐらかされちゃったかな」 眼鏡の女性ADがマジックで書き殴ったカンペで「小川アナにも聞いて」と出しますが、澄「えー、続いて。スポーツの話題です」澄田も一息つくことにします。そこに石山Pが近づいてきました。「やはりな。澄田、お前に中継リポートに言ってもらうことになった」 澄「現場はちょっと」 フラッシュバックで笑いながら顔に泥を塗るシーンがインサートされます。石「いつまで、アレをひきづってるんだよ」 その時、圭子が、「重大な発表と言えば、私からもあります。私の重大発表というのは」 澄田はカメラ前に滑り込みます。「えー代わりに私から重大発表があります。今から、私、澄田が中継に出ることになりました。圭子くん、三木さん、後はよろしくお願いします。」府川が待っていました。女性ADがヘルメットを持って走ります。「え、バイク? 車じゃないの? 危ないじゃない」女性ADが問答無用で、澄田にヘルメットをかぶせます。澄田「あ、今日の星占い、4月生まれ、何位だっけ?」AD「最下位です」。府川「澄田さん、しっかり捕まっていてください」 澄田「えー」ちょっと、ここで補足。ここまでの澄田の性格的に、澄田の星座は牡牛座っぽいです。4月生まれは、牡羊座と牡牛座の2種類ありますが、周りにふり回れっぱなしの澄田は牡羊座っぽくないです。(ちなみに澄田を演じる中井貴一さん本人は乙女座です。)ちなみに牡羊座は3月21日~4月20日生まれで、牡牛座は4月21日~5月21日生まれです。で、テレビの星占いは太陽星座に対する月星座の位置で決まります。だから、2~3日は順位が変わりません。(変わる場合もあります)月の満ち欠けが、ほぼ1か月のため、1か月間で12星座を一巡します。3年目の浮気とか、3日坊主など。3カ月、3日が最悪の時期ですが、4カ月、4日目は、高順位になります。映画の公開時期が10月初旬なので、10-5=5 5カ月は150度位置に当たり、人間関係に問題がある時期です。そして、牡牛座が最下位の時期は、5+3=8 5-3=2 月の位置が、しし座と水瓶座の時期です。でも、+4の乙女座と-4の山羊座の120度時期は幸運です。最下位の時は、大人しくしていれば、1~3日前か1~3日後にいいことがあるかもしれません。
グッドモーニングショーの詳細あらすじ:4.現場到着
スタジオでは、圭子と三木アナが解説をしはじめました。「犯人の要求が判明しました。要求は、当番組のキャスター澄田アナウンサーを連れて来いと言う物でした。フリップで、現地の地図を説明します。品川の大崎駅から50mも離れていないカフェで、立てこもり事件が発生しました。」 ADの指示で「1分引き延ばして」と出ています。抗議の電話が殺到します。「やらせだろ」 「早く現場を映せ」 「ふざけるな」 「バラエティじゃないんだぞ」その頃、澄田は現場に到着しました。周りは報道陣でいっぱいです。澄田に気づき、一斉にインタビューが開始されようとしました。府川が澄田の耳にイヤホンを差し込み、マイクを渡しますが、澄田は例のトラウマが蘇って、硬直しています。各局のモニターに澄田が写ります。思わず館山は言います。「すげー、澄田祭りだ」石山がイヤホン越しに「澄田、お前の武器は言葉だ。喋らなくてどうする。マイクを死んでも離すな」の一括で、漸く、話し始めました。「あ、大変、失礼しました。現場の澄田です。立てこもり現場近くにいます。あ、今、動きがあったようです。女性の1人が解放されました。お年寄の女性のようです。現在、警察に保護され、救急車で無事、搬送されました。」無事、レポートが終わった後、黒岩が割って入りました。「警視庁の黒岩です。澄田さんには、是非、この事件の解決にご協力願いたい。」澄「は、はい。分かりました。」関係者以外立ち入り禁止のトラテープをくぐって、カフェ近くの敷地内に入ります。何故か府川も潜り込みます。澄「あのー、犯人は何故、私を呼んだのでしょうか?」 黒「分かりません。犯人が乗ってきた自転車の防犯登録番号で名前は判明しました。ニシタニ ソウタ28歳です。聞き覚えありませんか?」 後ろからついてきていた府川は物陰から秋吉Dに電話します。「犯人の名前はニシタニ ソウタ28歳です。漢字は分かりません。警察が澄田さんにそう言うのが聞こえました。」秋吉Dは、スタジオ内に怒鳴ります。「犯人の名前が分かった。ニシタニ ソウタ28。急いでテロップ発注して。CM明けに発表する。」局長が「確かなんだろうな。ちゃんと確認したのか?」 秋吉「府川が警察から直接聞いた情報です。確認するまでもありません。うちだけの独占スクープです。」松岡がカンペを書いて、スタジオのテーブル下に滑り込み、カンペをテーブル下から手渡します。圭子「これを読めばいいのね。」 「はい、本番入ります。3、2,1」 圭子「立てこもり犯の名前が分かりました。ニシタニ ソウタ28歳です」テロップも同時に入りました。館山は、匿名掲示板の2ちゃんねるらしきページやツイッター情報から、ニシタニ ソウタのブログがあることを知ります。そして、そのブログページにある、写真から何かを思い出しかけます。「こいつ、どこかで?」漢字は「西谷颯太」です。小太りで、若干暗そうな印象です。何故か、ブログの写真では少女と一緒に映っています。ただちに、西谷の顔のみ、トリミングされ、目元部分がモザイク処理されました。現場では、澄田が着せ替え人形にされていました。黒岩「犯人は銃で武装し、盗んだ爆弾を携行していることが分かっています。澄田さんには、これを着てもらいます」 防弾チョッキと、耐爆スーツです。黒岩や他の警官も防弾チョッキは着ていますが、耐爆スーツ(防爆衣:アメリカ軍で採用されているMK5は総重量44.7kg)は着ていません。澄田はやっとの思いで、着させられると、黒岩は「歩いてください」と言います。45kg近くある対爆スーツは、ガニ股で足を引きずり歩くのがやっとです。「スイマセン。このスピードでしか、歩けません。いいですか?」黒岩は続けます。「いいですか。我々が交渉します。あなたは私の指示に従ってください。指示に従わない場合は、即出てもらいます。そして3つ約束してください。1つ、犯人と約束しない。犯人を信じない。そして犯人を刺激しないでください。以上です。守ってもらえますか?」 澄田「は、はい、分かりました」 その後、「約束しない、信じない、刺激しない」と呪文のように言い続けるのでした。黒岩が席を外した隙に、府川がやってきました。ヘルメットのひさし部分に、小型カメラを2カ所設置しました。1つは正面用のカメラ。もう一つは澄田の側面が写るようにしました。ただでさえ、余剰スペースがないので澄田は痛がります。澄「やめろ、痛い痛い」 府「痛くない痛くない。すぐ終わりますからね」 澄「そりゃ、お前はな。バラエティーじゃないんだぞ」さらに、保安官バッチのようなものを胸部装甲に張り始めました。「こんなこともあろうかと用意してたんです。じっとしてください」府「おまえ何切れてるんだ?」 「1個じゃバレるから…」 5つ張りました。「この左胸に貼ったのには小型カメラが仕込まれてます。盗撮用のスパイグッズです。残りのはダミーです」 澄「おい、こんなことしたら警察に怒られるだろうが」 府「じゃ、頑張ってください健闘を祈っています。あ、はいマイクです」その頃、黒岩は警視庁の装甲車内で準備が整ったことを報告していました。でもカフェ室内の監視モニターは調子が悪いようです。黒岩が戻ってきました。「澄田さん、そのマイクは何ですか?」 澄「すいません。これ持ってないと落ち着かない物で、おまじないです」黒「胸に何か張りましたか? それは?」 澄「あ、勇気のしるしです」 黒「ヘルメットにも何かつけましたか?」 カメラの取り付け時に少しヘルメットのひさしが動いていたようです。でも警官がやってきます「黒岩警部補、準備が整いました」黒岩は諦めます。「いいですか、澄田さん、くれぐれも勝手なことをしないで下さいよ」 澄田「は、はい。」その頃、澄田家では、妻・明美が息子に向かって、こんなことを話していました。「パパ、生命保険に入っていたかしら?」
グッドモーニングショーの詳細あらすじ:5.カフェ突入
いよいよ、カフェに近づいていきます。澄田は先ほどの3ないを復唱しています。「約束しない、信じない、刺激しない」そこに秋吉Dから指示が来ます。「澄田さん、リポートして」 小声で「現場の澄田です。現在、カフェに向かっています。」恐らく、秋吉Dから、「あ? 声が小さくで聞こえないよ」という指示でもあったのしょう。つい、澄田は大声を出してしまいました。黒岩に気づかれ、「何してるんですか? お静かに」と注意されます。澄田「スイマセン」ふと目線をズラすと、ショットシェルを見つけます。散弾銃の弾です。「ひっ」澄田は思わず、顔をそむけます。そして、澄田は黒岩に「あのー、やっぱりやめませんか? カフェに近づくの?」 そう言って、回れ右して180度後ろに向いた時でした。しかし、秋吉Dから指示が飛びます。「澄田さん、何してるの? そっちライバル会社の看板映ってるよ。映さないようにして」ポカリスウェットのような清涼飲料水の看板がありました。仕方なく、看板に背を向けます。結果、90度回転したことにより、黒岩と目が合いました。「もういいですか? 澄田さん、行きますよ」と言って、前に進み始めます。澄田はカニ歩きで看板を映さないように進みます。で、やっとの思いでカフェ玄関に到着しました。黒岩は言います。「えー、警察です。澄田さんを連れてきました」早速、秋吉Dから指示が飛びます。「はい澄田さん、犯人と交渉」澄田は「えー」と言いながら、「すみません。ニシタニさん、澄田来ました」と小声で言いますが、聞こえませんので、大声で叫びます。当然、黒岩に怒られます。「澄田さん、何してるんですが? 交渉は我々がしますって」 澄「スミマセン。」澄田が店内に顔を向けると、男性がいました。店員のようです。その後ろには猟銃がつきつけられていました。人質2人、男性のお年寄りと妊婦が解放されます。残る人質は10人とテロップが出ます。でも、犯人にも聞こえたようです。「そこの(黒岩に)動くな。澄田? 何で顔隠してるの、顔見せて」黒岩に同行していた警官2人が澄田の対爆スーツを外し始めます。首前にあるガードを外さないとヘルメットのひさしがあげられないからです。やっとこさ、ガードを外すと、ヘルメットのひさしがありました。「あのー、ニシタニさん、私、あなたと会ったことありましたっけ?」 しかし立てこもり犯は澄田に銃を突き付けて言います。「謝って」 澄「はい?」 西「くだらない放送して、ごめんなさいって、視聴者の皆さんに対して、謝って。何だよ。いつも上から目線で、何々と思います。してはいかがでしょうか? 何様なんだよ、お前は?」 澄「あ、はい、すいません。謝ります。あ、子供、謝ったら、子供を解放してあげて」 西「うるせー、さっさと謝れ」スタジオでは新垣が、「たったそれだけのために、こんなことしてるの?」と言います。館山も腑に落ちません。その時、黒岩のイヤホンには、ニシタニのもつ猟銃は、叔父の所有物で、先ほど、なくなっていることに気づいたという連絡が入ります。(タイマー式の爆弾はどうしたのでしょうか? 通販か、ネットを見て自作したのでしょうか?)館山は、ネット情報で、事件現場のカフェが2年前に火災に遭っていると言う情報を知ります。「そうか!」館山は、西谷颯太で検索し、過去VTRから、西谷がインタビューされている映像を見つけます。でも、澄田が恨まれている理由までは分かりません。「お前は何を考えているんだ?」インタビューの顔を見ながら、館山はブログを読み始めました。澄田は、カフェ前に出ます。他局の報道カメラが一斉に澄田に向けられます。マイクで語り始めました。「犯人の要求が分かりました。私達の番組がくだらないそうです。芸能人のスキャンダル、グルメ、スイーツ、確かにくだらないものかもしれません。でも、我々も視聴者の求めているものは何かと考えた結果、そのようなものを流しているのです。ですが、それは視聴率をあげるために、いつしかなっていたのかもしれません」スタジオでは、報道部がブチ切れてました。「いつまで、こんな茶番をやっている。さっさと謝らせろ。えーい、お前らでは無理なら、我々に仕切らせろ。」 報道部スタッフが、コンソールを奪い、カメラを、中継からスタジオ内の情報センターに切り替えました。「ワイドショーの途中ですが、今から特別情報番組に切り替えてお送りします。」その途端に、電話が抗議の鳴り響きます。「何で切り替えた」「さっさと中継に戻せ」「こんな時にニュース、バカか?」などなど。警察の装甲車内では、カメラの調子が悪く、店内の様子が分かりません。考える原因は、マスコミ各局がそれぞれ、強力な電波を垂れ流しているせいです。マスコミを強制排除することにしました。でも1つだけ、許可しました。それは澄田がつけたカメラです。マスコミは地上から近づけないならと、報道ヘリを飛ばし始めます。スタジオでは、秋谷Dが、さっさと、コンソールを奪い返します。「視聴者は澄田の謝罪が見たいんだ。中継に戻すぞ。ワイドショーにはワイドショーの意地がある」報道部長が悔しそうな顔をしています。局長が、やっと食べる気になったエクレアを奪い、新垣が、報道部長にエクレアと冷めたコーヒーを差し出します。「怒りっぽい時は、糖分の補給ですよ。」手渡すと、新垣は「イエーイ! イエス!」ガッツポーズをします。澄田は、まだ謝罪前の演説を続けていました。西谷は切れます。店内で発砲音が聞こえます。「おら、さっさと謝れ。土下座しろ」「は、はい。謝ります。すぐ土下座します」澄田は、対爆スーツを着てるせいで、なかなか座れませんが、それでも、何とか座りました。そして、「ご…」 まで言いかけて、館山から連絡が入ります。
グッドモーニングショーの詳細あらすじ:6.真相判明?
澄田は立ち上がり、店内に戻ります。犯人の西谷は「おいこら、てめー、謝罪1つ満足にできないのか? 人質が死んでもいいのか?」でも、澄田はひるみません。「澄田さん、あなた、このカフェで働いていたそうですね。そして、2年前に、このカフェで火事が起きた。ブログで仕事はキツかったとあります。あなた、私じゃなくて、この店に何か言いたいことがあるんじゃないですか? 私に、テレビに、そのお手伝いをさせてくれませんか?」 「はー? お前、何言ってるんだ? 動くなって言ってるだろ。」黒岩に対して銃口を向けます。警察も手をこまねいているわけではありません。裏口にSWAT部隊が突入待機をしていました。「黒岩さん、いつでも行けます」「合図があるまで待て」西谷が語り始めました「確かに、この店で働いていたし、火事のあった日も働いていた。仕事もきつかった。だが、それが何だ?」また館山がネットが情報を拾い、澄田のイヤホンに伝えます。元店長のブログに「こんな店やめてやる」と書いてあるそうだ。澄田は言います。「西谷さん、あなたもしかして、元店長に会いにきたんじゃないですか? でも店長はやめていなかった。だから、こんなことをしてしまった」 突然、人質の男性が笑い出します。恐怖で思わず笑ってしまったのかもしれません。西谷は、銃を人質に向けます。男性は泣き笑いをしています。黒岩は、「銃を下しなさい」と説得します。「残業はきつかった。なのに残業手当は出ない。サービス残業だ。ワンオフだ。お前のようなヤツは、ここ以外雇ってもらえないとすぐ首をチラつかせやがる。で、あの火事の時も、自分の吸っていたタバコの不始末で火事を起こした癖に.、俺のせいにして、クビにしやがった。」 澄田「だったら、テレビが約束します。あなたの冤罪を調べ直します。だから、銃を下して」黒岩は、澄田からマイクを奪い、コードを外しました。でも、保安官バッチのスパイグッズにはカメラ以外にも集音マイクも取り付けられていたのです。放送は続きます。スタジオでは、圭子が「澄田さん」と思わず叫びますが、三木アナは「ここで死んだら社長賞ですよ」とか、怖いことを言っています。その時、発砲されました。顔をかすめただけですが、澄田は倒れました。(猟銃の衝撃波は鼓膜を破る時もあります。だから、澄田は、鼓膜は破れてないにしても、それなりに衝撃を受け、身体のバランスを崩したと思われます。)「テレビが、お前が約束だと? アンタは俺を知らないと言っているのに。あんなにお願いしたのに。澄田さん、俺は、アンタに調べてくれと、頼んだのさえ、覚えてないのか?」 澄田「え? お願いされた」 西谷「一緒にいたアンタの女に聞いてみろよ。」スタジオでは、圭子が思い出しました。「あ、あの時かも」 三木アナ「え? あの時って、いつですか?」それは、雨の日のこと。テレビ局前で、西谷が黒いパーカーのフードを着て、澄田と圭子が出てくるのを待っていました。ですが、雨は降っているし、澄田はさっさとタクシーに乗り込んでしまったのです。「お願いします。澄田さん。読んでください。調べてください。何度も何度も、そう言ったのに、俺はアンタにとって、ただのゴミで、目にも入らないのか」澄田「違う」 西谷「顔に泥塗って、被災者をバカにするやつは、さぞかし偉いんだろうな」三木「違います。」三木アナがスタジオで叫びました。秋吉Dがスタジオにカメラを切り返します。「私、あの台風の被災現場にいたので、真相を知っています。あの被災現場での生中継が始まる前に、被災して顔が泥まみれの男の子が中継を見にきました。だから、澄田さんは、男の子を元気づけようと、泥を拾って、顔になすりつけて、俺も同じだよ…と笑いながら伝えたんです。澄田さんは言い訳しませんでした。男の子を守るために、黙っていたんです」。ワイドショー側のスタッフが報道部の方を睨み、報道部長は顔をそむけます。澄田をワイドショーに左遷した1人なのでしょう。西谷はそれを聞いても「まーいいさ。アンタにプレゼントだ。ワイドショーの大好きな金と女だ」写真をばらまきました。澄田は写真の1枚を拾います。それは、圭子と澄田が、テーブルで笑っている写真でした。不倫の証拠になるくらいですから、バーとか高級レストランかもしれません。澄田は、保安官バッジ型の盗撮グッズのことを忘れていました。お茶の間にバッチリ中継されます。澄田家では「うわー、不倫交際ばれちゃった」と母親の顔を窺いながら言います。でも妻:明美は「知っていたわ。1カ月前からこの子、パパを見る目が違っていたもの。でもパパの好みじゃないわね。どちらかと言えば、こちらの子ね」といって、三木アナの方を指さして言います。息子「詳しいね」 明美「そりゃ、ママも元女子アナだから」息子は部屋に戻ろうとしますが、明美に言われます。「ちゃんと最後まで見なさい。あなたが馬鹿にした、これがパパの仕事よ」
グッドモーニングショーの詳細あらすじ:7.ネットの悪意
西谷は人質の少女に言います。ブログに一緒に映っていた少女です。「余ったパン、明日からあげれなくてゴメンな」そう言うと、西谷は自分の喉元に銃口を突きつけます「もういいや。」黒岩は言います。「やめなさい。銃を下しなさい」澄田も説得します。「君が死んだら、皆悲しむ。」 西谷「誰が?」 「君のご両親が。俺にも息子がいる。そして、今度、孫が生まれるんだ。抱きたいな、孫。親にとって、それほど子供は大事なんだ。だから、君のご両親もきっと悲しむ。」でも、西谷の決心は揺らぎません。親子仲は最悪なのかもしれません。「だったら、澄田、お前も死のうよ。恥かいたし、もう生きていけないだろ。」 澄田は言います。「こんなもの恥な物か。生きている以上、恥はかき続ける。俺は恥をかいても生きる」澄田家では、息子が感動していました。でも、妻の明美は冷静で、「嘘よ。アナウンサーのアドリブをなめちゃいけないわ」スタジオでは、圭子が「これで、澄田さんたち、助けられないかな?」とモニターを見上げて言います。館山が気づきます。「え? これ使うの、マジで圭子ちゃん」セッティングが勧められます。そして、圭子が言います。「え、ここで視聴者投票のお題を変えようと思います。犯人は命をとっておく? それとも捨てる? どちらがいいでしょうか?」西谷は思わず言います。「お前らバカか。こんな俺なんて、死んだ方がマシと思ってるに違いないだろ」澄田は答えられません。視聴者がバスの中から携帯で、テレビ前からリモコンで、澄田家の2人は参加しません。集計出ました。結果は、とっておく?31%で、捨てる?が69%でした。秋吉Dは思わず言います。「皆、犯人が死ぬとこが見たいんだ」 放送局長が飛び込んできます。「警察から投票結果を公表するなと連絡がきた。流すな」 秋吉Dは「もちろんです。こんな結果流せません。」 澄田にも結果は伝えられます。西谷は察します。「結果出たんだろ。言えよ」 澄田は下を向きます。そこに脱いだヘルメットがありました。ひさしには小型カメラがあるはずです。澄田はアゴをポリポリとかきます。新垣は言います。「嘘をついてくれ?」石山Pが編集を始めました。そして、エンターキーを押します。放送されてしまいました。少女がスマホを西谷に見せます。「結果が出たよ」 結果は「とっておく?」61%「捨てる?」39%。になっていました。西谷「本気かよ」 銃口が喉を離れました。その隙に黒岩が突入サインを送り、SWAT部隊が銃を取り上げました。西谷は連行されていきます。「澄田、やっぱり、お前の番組はくだらない」と悪態をついています。澄田は西谷が残して行った、封筒を拾いました。厚みがあるので、防犯カメラが入っているのかもしれません。黒岩が近づいてきたので、思わず胸元にしまいます。「澄田さん、あなたは3つの約束を破りましたね。約束したし、犯人を信じたし、刺激した。でも、お疲れ様でした。おかげで事件は解決しました。かなり、危なかったですけどね。」そう言って、マイクを澄田に返し、去っていきます。
グッドモーニングショーの詳細あらすじ:8.結末
澄田は少女に話しかけます。「明日もお店にパン買いに来るの?」 少女は「うん」と答え、走っていきました。澄田は取り返したマイクでリポートします。「現場では犯人が逮捕され、人質も全員解放されました。私の女性問題については明日、必ず報告します。それでは、現場から澄田真吾がお送りしました。スタジオにお返しします。」三木アナが「澄田アナありがとうございました。明日は『澄田真吾は事件と女性関係を語る』をお送りします」と締めくくり、番組は無事、9時前に終わりました。放送終了後、三木アナには報道部から「一緒に報道番組をやらないか」という、お誘いが来て、「よっしゃー」と叫び、圭子には、何故か「バラエティー番組をしないか」というお誘いが来て、「何で?」と嘆いています。圭子は、もらったエクレアを銀紙から一口サイズ分だけズラして食べようとします。三木アナが「明日の澄田アナのインタビュー任せてください」と言いながら、圭子の皿からエクレアを取りました。圭子は言います。「私達も、このスイーツみたいなものね。視聴者に消費され、忘れられる。」そこに松岡がエクレアを差し出して、フォローをします。「でも、俺は圭子さんのガツガツした態度嫌いじゃないです。あ、これも食べてください」 その時、圭子は新しい恋を始めました。澄田は、直接スタジオには帰れず、警視庁で事情聴取をしていたようです。テレビ局の入口で石山Pが待っていました。階段を上がります。「疲れたか?」 澄「ああ、たっぷり、警察で怒られてきた。そっちも大変じゃないのか?」「まー、明日、視聴率結果が出るまでの我慢さ」 その時、屋上では半裸に近いサンバ隊に囲まれて、中継が行なわれていました。石「天気予報らしいぞ」 澄「だったら、明日は晴れだな」 2人は思わず笑います。石「どうする? 報道に戻るか?」 澄田「俺は、ワイドショー好きだな。いいじゃない、金と女」石「そうか、今日はゆっくり休め」 廊下を歩いているとADに会ったので、西谷が残した、封筒を渡して、「秋吉に渡してくれ」と伝えました。疲れた澄田は、家に戻ります。しかし、キッチンには、バリケードが気づかれていました。妻の明美が言います。「お帰りなさい。夕飯はないわよ」。澄「ああ、いい。疲れた。寝たい」「あの子、貴方の放送で勇気もらったって、結婚するそうよ」 澄「ったく。勝手にしろ」「明日の独占インタビュー大変ね」 「ああ、しっかり説明させてもらうよ」でもキッチンを通らないと部屋に入れません。結局、バリケードを下すしかありません。テープルを2つ重ねた上に、椅子が積み上げられています。ここでエンドロールとなります。椅子は一人では降ろせましたがを、テーブルは1人では無理です。妻の明美は笑っています。
以上、映画グッドモーニングショーのネタバレあらすじと結末でした。
グッドモーニングショーのレビュー・感想
監督の君塚良一さんは「冬彦さん」でお馴染みの「ずっとあなたが好きだった(1992年)」や「踊る大捜査線」シリーズの脚本を担当しており、「踊る大捜査線」THE MOVIEの1作目(1998)、2作目(2003)で日本アカデミー賞脚本賞を受賞している人です。そして、その「踊る~」の2作目「レインボーブリッジを封鎖せよ」はジブリ映画を除き、実写邦画の興行収入で2016年10月現在で日本一の作品です。最近は監督もされてるらしいです。だから、事件や男と女の問題を作品にするのは得意なのでしょう。困り顔の中井貴一さんが実にはまり役で、たった1日の間(映画では2時間)に大変な事態が次々に起こります。(脚本段階で、主人公:澄田の名前は中井だったほど、イメージが固まっていたそうです。)コメディ映画なので気楽にみるといいのかもしれません。ただ割とブラックな笑いなので人によっては不謹慎と思うかも。でも、映画館の至るところで笑い声が起きてました。
フジテレビの凋落は久しく、マスコミもネットに叩かれっぱなしなので、ネットに悪意をもった映画と思わなくもないです。マスコミが謝罪することはなく、言い訳に終始した映画と思えなくもなく、10年古いなと思わなくもない映画ということを差し引けば、面白かったです。放送作家は現場に立たないから、ワンテンポ時代についていけてないからテレビの斜陽は近づいているのです。とはいえ、顔が見えないネットのノイジー・マイノリティー(騒がしい少数派)が犯罪まがいの行動をしているのも事実ではあります。だからと言ってマスコミに責任がないわけではありません。報道部の体育系っぷりは、現実でもそうらしいです。たとえば、首相動向で各局で、いかに首相を近くで撮影するかで、テレビ局内で評価が決まるとか、バカげた競争をしているそうです。だから、被災地でのマスコミの横暴の話も聞こえるのです。今回の犯人も、わざわざテレビを利用するかな? という気もします。ただ面と向かって話し合いをすれば何か分かりあえるかもしれないというコミュニケーションをテーマにしていたというのでは、いい映画だったと思います。
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