劇場版 はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~の紹介:2017年日本映画。大和和記の同名ベストセラー少女漫画を、作者の画業50周年を記念して二部作で映画化したアニメーション作品の前編です。大正時代を舞台に、おてんばで勝気な主人公の女学生が運命の許嫁と出逢い、やがて時代の荒波と共に激動の人生を歩んでいくことになります。
監督:古橋一浩 声の出演者:早見沙織(花村紅緒)、宮野真守(伊集院忍)、櫻井孝宏(青江冬星)、中井和哉(鬼島森吾)、梶裕貴(藤枝蘭丸)、瀬戸麻沙美(北小路環)、伊藤静(吉次)、石塚運昇(花村少佐)、森功至(ナレーション)ほか
映画「はいからさんが通る 前編 紅緒、花の17歳」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「はいからさんが通る 前編 紅緒、花の17歳」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
劇場版 はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~の予告編 動画
映画「はいからさんが通る 前編 紅緒、花の17歳」解説
この解説記事には映画「はいからさんが通る 前編 紅緒、花の17歳」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
劇場版 はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~のネタバレあらすじ:起
1918年(大正7年)の東京。17歳の女学生・花村紅緒(早見沙織)は幼い時に母を亡くし、陸軍少佐の父(石塚運昇)に男手ひとつで育てられました。おてんばで勝気な紅緒は剣道の稽古に励み、その腕前は父とも互角に渡り合えるまでに上達していました。
そんなある日、幼馴染で歌舞伎役者の藤枝蘭丸(梶裕貴)と凧揚げに興じていた紅緒は、木に登って落下したところを通りがかった陸軍少尉の伊集院忍(宮野真守)に助けられました。忍は日本人の父とドイツ人の母との間に生まれたハーフで顔立ちも端正なのですが、紅緒は父から忍こそが両家の祖父母の代から既に決められていた許嫁と知るや結婚相手ぐらい自分で決めると猛反発、自分に想いを寄せてくれていた蘭丸との駆け落ちを決意しましたが、結局は居酒屋にいたところを忍に連れ戻されてしまいました。
劇場版 はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~のネタバレあらすじ:承
親友の北小路環(瀬戸麻沙美)が忍に想いを寄せていることを知った紅緒は、彼女と忍の仲を取り持てば一件落着と考えましたが、既に紅緒にぞっこんだった忍は環になびくことはありませんでした。
結局、伊集院家に花嫁修業に行くことになった紅緒は忍や祖母(谷育子)から歓迎されるも、伯爵である昔気質の祖父(麦人)だけはことあるごとに紅緒に辛く当たりました。しかし、そんな紅緒を忍は優しく慰め、これまで反感すら抱いていた紅緒も次第に忍に想いを寄せるようになり、祖父もまた紅緒のおてんばながらも健気な一面に心を開いていきました。
そんなある日、紅緒への想いを捨てきれない蘭丸が職業の女型を活かして女装、“蘭子”と名乗って家政婦として伊集院家に潜り込みましたが、あっさり忍に正体を見破られてしまいます。そんな時、蘭子は誤って大事な皿を割ってしまい、蘭子を庇った紅緒は責任を取って伊集院家を出ていくことになりました。
劇場版 はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~のネタバレあらすじ:転
その頃、紅緒は忍が吉次(伊藤静)という芸者と交流を持っていることを知り、嫉妬心を覚えていました。結局実家からも追い出された紅緒は、真意を確かめるべく吉次のもとに向かいました。そこで紅緒は、第一次世界大戦で死んだ吉次の夫と忍はかつて友人だったこと、夫の死後、後追い自殺を図った吉次を忍が助けたということを知り、打ち解け合いました。しかし、紅緒は吉次の店に来客していた忍の上官・印念中佐(をはり万造)とトラブルを起こし、印念の策略により忍は東京から小倉師団へ左遷させられることになりました。
出発の前日、忍は紅緒の前に現れ、自分が不在の間の伊集院家の留守を託すと、ずっと好きだったことを告白しました。しかし、紅緒は自分の気持ちを正直に伝えることが出来ず、忍が帰って来るまで胸に秘めておくことにしました。やがて戦況は悪化、忍は極寒のシベリアへと転戦しました。そこで忍は軍曹の鬼島森吾(中井和哉)と知り合い、交友を深めましたが、雪の降る前線へ送られた忍の部隊は敵部隊に取り囲まれ、鬼島は何とか脱出するも忍はそのまま行方不明となりました。
劇場版 はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~の結末
やがて紅緒のもとに忍の戦死が伝えられ、紅緒はあの時想いを伝えられなかったことを悔みました。紅緒は忍の頼みどおりに伊集院家を守る決意を固めましたが、没落貴族の伊集院家には財産などなく、しかも忍の祖父母は生活習慣を中々改められないことから、紅緒は生活費を稼ぐため働きに出ざるを得ませんでした。やがて吉次から小さな出版社「冗談社」を紹介された紅緒は、大の女性嫌いだという編集長の青江冬星(櫻井孝宏)に認められ、早速そこで働くことになりました。青江はなぜか紅緒だけには拒否反応を示すことはありませんでした。
1920年(大正9年)7月。満州国で日本軍の警備する村を馬賊が襲撃する事件があり、何と馬賊の首領が小倉師団配属の将校にしてシベリア前線の脱走兵だったという情報が舞い込んできました。もしかしたら忍がまだ生きているのではとほのかな希望を抱いた紅緒は、青江の計らいで出張という名目で満州国に渡ることになりました。やがてハルピンに辿り着いた紅緒は、何と忍に瓜二つの人物がロシア人女性と一緒に歩いている光景を目の当たりにしました。
(「後編 ~花の東京大ロマン~」に続く)
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