劇場版 薄桜鬼 第二章 士魂蒼穹(しこんそうきゅう)の紹介:2014年日本映画。大人気乙女ゲームの劇場版第二章。時代の激流に飲み込まれ、鳥羽伏見の戦いに敗北しながらも北を目指す新選組。新選組と行動を共にすることになった少女、千鶴はこの先何を望むのか。そして変若水を飲み羅刹となった者達、そして鬼たちの行く末は。己の信じるものの為に時代を駆け抜けた男たち。そして彼らと共にあらんとする少女の物語、第二章。
原作:オトメイト 監督:ヤマサキオサム 声優:桑島法子(雪村千鶴)、三木眞一郎(土方歳三)、森久保祥太郎(沖田総司)、鳥海浩輔(斎藤一)、吉野裕行(藤堂平助)、遊佐浩二(原田左之助)、ほか
映画「劇場版 薄桜鬼 第二章 士魂蒼穹」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「劇場版 薄桜鬼 第二章 士魂蒼穹」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
劇場版 薄桜鬼 第二章 士魂蒼穹の予告編 動画
映画「劇場版 薄桜鬼 第二章 士魂蒼穹」解説
この解説記事には映画「劇場版 薄桜鬼 第二章 士魂蒼穹」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
劇場版 薄桜鬼 第二章 士魂蒼穹のネタバレあらすじ:起
慶応四年三月。甲州勝沼にて新政府軍と新選組との戦が始まっていた。だが新政府軍の圧倒的戦力の前にどうすることもできずにもはや袋叩き状態であった。近藤へ撤退を求める永倉だったが、近藤はなかなか頷かない。斎藤も、北から敵に回りこまれ挟み撃ちにされる可能性を示唆していた。
一方、土方は援軍を呼びに戻ることとなった。戦場から離れなければいない土方は、千鶴に戦場から離れるよう説得する。しかし千鶴は皆が戦っているのに自分だけ逃げることはできないという。そんな千鶴に土方は、「なら隊士として近藤の側から離れず、役に立て、ただし絶対に死ぬな。」と刀を合わせて誓い合っていた。
撤退を決めかねている近藤。そんな時、突然羅刹が襲い掛かってくる。近藤に襲い掛かる羅刹に対し、千鶴は果敢に近藤を守ろうとする。そこに原田も駆けつけ何とか羅刹は倒されたのだった。圧倒的に勝ち目のない状況の中、原田に「撤退は負けじゃねえ」と説得された近藤はようやく撤退を決めたのだった。
羅刹となった後も、食事もまともに取らず昼夜働き続ける土方のことを千鶴は案じていた。そんな中、原田と永倉は新選組を抜けることを決め新選組を去っていく。どんどんと仲間が減っていく中、千鶴は自分なりに必死に土方を支えようとする。そんな時、土方が吸血衝動の発作に襲われた。苦しむ土方を気遣う千鶴を必死に追い払う土方の姿を、陰から近藤が見てしまっていた。
その夜市内では羅刹が一人、天霧の前に立ちふさがっていた。羅刹を追いかけてきた山南と平助の前で天霧に倒された羅刹が、突然砂へと変貌し崩れ落ちてしまう。それに驚く二人に、天霧は変若水で得た力は命の前借りであり、力を使い果たせば砂になって死んでしまうことを伝えるのだった。
その後、新選組は流山へと陣を移す。しかしそこも新政府軍に囲まれ窮地に立たされる。羅刹の自分が敵の元へ行くという土方に、近藤は「もう楽にさせてくれ。」と自分が敵の本陣に行くことを決める。必死にそれを止めようとする土方だったが、局長命令だと近藤に言われ引き下がらざるを得ない。近藤は千鶴に、土方を頼むと告げ敵の本陣へ。土方と千鶴、そして新選組の隊士達は裏手から逃げのびる。
しかしその途中、追っ手に見つかってしまった。銃を向ける多数の敵の中、土方は羅刹の力を使い追っ手の者たちをすべて斬り伏せ、隊士達を逃がす。そんな血にまみれた中、近藤を置いて自分だけが生き延びてしまった後悔を千鶴に吐露するのだった。
劇場版 薄桜鬼 第二章 士魂蒼穹のネタバレあらすじ:承
ある日土方は千鶴を伴って出かけて行った。その帰り、土方は忘れ物をしてしまったと一人戻っていく。なかなか戻ってこない土方を茶屋で待つ千鶴の前に現れたのは、一人の少年だった。その少年は千鶴に土方からの手紙を渡すと去っていく。その手紙には千鶴を置いていくことへの謝罪と、静かに暮らしてほしいと書かれていた。泣く泣く住んでいた家に戻った千鶴がぼんやりとしていると、近藤が斬首されたことを耳にしてしまう。
居ても立っても居られなくなった千鶴は、家を飛び出していく。途中、ふらふらになりながら北を目指す沖田と再会する。病の身体を引きずる沖田を止めるが、沖田は聞く耳を持たず千鶴を振り切って去っていった。
その後たまたま出会ったのは、土方の手紙を届けてくれた少年だった。その少年について行けば、彼の家には原田がいた。原田に「もっと自分の望み通りに生きていいんじゃねえか。」と問われた千鶴は「土方さんの側に居たい」とその心の内を吐き出す。その言葉に、原田は関所抜けを手伝うことを決め、なんとか千鶴に関所を超えさせる。山の中を必死に走る千鶴。だがその足元が突然崩れ、崖下に落ちてしまったのだった。
劇場版 薄桜鬼 第二章 士魂蒼穹のネタバレあらすじ:転
崖下に落ちた千鶴を助けたのは、なんと風間だった。鬼のことを何も知らないと言う千鶴に、風間は鬼について話し出す。自分よりも強い力を持つ鬼たちを利用しようとする人間たち。そんな人間と関わらぬようにひっそりと生きていたことを。そんな中の綱道の行動は鬼の矜持に反すると言うのだった。
自分も会津に用があるという風間と共に千鶴は北へ向かう。途中風間が立ち寄ったのは、千鶴が生まれ育ったという雪村家が滅ぼされた地だった。そこで風間は千鶴に雪村家が滅ぼされた理由を話し出す。人間が雪村家を滅ぼしたことを、綱道が羅刹を使ってまで人間に復讐しようとしているとしたら、それは間違っていると言い切る千鶴の前に突然、南雲薫が現れた。千鶴と南雲は兄妹だったのだ。千鶴を手に入れようとする南雲に風間は応戦するも、現れた羅刹の手により千鶴は攫われてしまう。
千鶴が連れていかれた先は若松城だった。地下牢に囚われた千鶴は平助の助けでそこを脱出する。平助と二人、辿り着いた先には父、綱道と山南の姿があった。羅刹を使い鬼の存在を人間たちに認めさせようとする綱道。しかしその為に雪村家を欺き、人間と手を組んだと話しているのを聞いてしまうのだった。
雪村家を滅ぼしたのが綱道であったことを知った千鶴は、父を問い詰めようとする。そんな綱道に従うことにしたのかと思われた山南だったが、実は羅刹を終わりにする為の演技だったのだ。居合わせた羅刹を倒した山南だったが、綱道に撃たれ羅刹としての命を終え、砂になってしまう。そして綱道は若松城から逃げ出したものの、風間の手によって殺される。こうして綱道の計画は阻止されたのだった。
千鶴は平助と共に会津に入る。だがそこに土方の姿はすでになく、斎藤が時間稼ぎをする為に残されていた。千鶴はすぐに後を追うことを決め、仙台へと向かった。
その後会津は戦火に包まれた。そんな中、遂に平助も羅刹の力を使い果たし、砂となってしまう。平助の死を悼む間もなく斎藤を襲ってくる兵士たち。その前に現れたのは土方を追って現れた沖田だった。しかしそんな二人の前に、羅刹兵を伴った南雲が現れる。沖田に挑発され怒りに駆られた様子の南雲と沖田は戦いになる。
戦いの末、南雲の心臓を貫いた沖田だったが、力を使い果たした総司も砂へとその姿を変えてしまった。一人残された斎藤は変若水を飲み干し、沖田の刀と共に敵に向かっていくのだった。
仙台に着いた千鶴だったが既に土方は北の地へと旅立っていた。それでも「あの人の傍に行きたい。」と諦めることをしない千鶴に、風間は自分が連れて行こうと名乗りでる。
劇場版 薄桜鬼 第二章 士魂蒼穹の結末
翌年の春、船で蝦夷の地へと降り立った千鶴と風間。既に死んでいるかもしれない土方を、それでも追っていこうとする千鶴に風間は「行くな。」と引き留めるが、千鶴は「それでも行きます。」とその手を振り払った。
戦場の中、土方を探して駆ける千鶴だったが近くで砲弾が炸裂し気を失ってしまう。次に目が覚めた時、隣にいたのは土方だった。
そして土方は蝦夷にまで自分を追いかけてきた千鶴を抱きしめ、「これからは俺の側にいろ。」と千鶴への想いを告げるのだった。
弁天台場への補給路を断たれた旧幕府軍の劣勢を押し返すため、土方は千鶴と共に出陣する。しかしその戦いの中で土方が銃で撃たれてしまう。羅刹であるはずだがなかなか血の止まらない土方に千鶴は自分の血を飲ませることを決断する。口移しで何とか血を飲ませ、土方はやっと目を覚ました。そして五稜郭に戻ろうとする二人だったが、その前に立ちはだかったのは風間だった。
羅刹はすべて殺すという風間。それに対峙する土方の姿に風間は感服し、まがい物の羅刹という名ではなく「薄桜鬼」という名を与える。刀を交える二人は桜の木の下、激しい戦いを繰り広げる。その戦いの末、土方が勝利する。負けた風間は、「あと残り少ないその命、生かすのだな。」と言い残し去った。
二人が戻ると既に戦は決していた。静かな地を二人見つめて、土方はこれからも共に千鶴と生きて、この先の世を見届けていくことを決意するのであった。
以上、映画「劇場版 薄桜鬼 第二章 士魂蒼穹」のあらすじと結末でした。
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