映画「劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOMEの紹介：2013年日本映画。「Angel Beats!」で知られるP.A.WORKSと、「とらドラ」など数々の人気作品を生み出した人気脚本家岡田麿里が組んだ人気アニメ作品の映画化。自由奔放な母親によって実家の旅館に預けられた高校生松前緒花が、仕事を覚えながら成長していく姿を描く。作品内のぼんぼり祭りは、舞台となった金沢市で現実の祭りとして毎年開催されるようになった。
監督：安藤真裕 声優：伊藤かな恵（松前緒花 ）、小見川千明鶴来民子）、豊崎愛生（押水菜子）、戸松遥（和倉結名）、能登麻美子（輪島巴）、梶裕貴（種村孝一）、本田貴子（松前皐月）、竹内良太（松前綾人）、久保田民絵（四十万スイ）、ほか
この解説記事には映画「劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
松前緒花の母親松前皐月は高校生時代、その母親であり緒花の祖母に当たる四十万スイと不和を抱えていた。ある日皐月は、喧嘩の果てにクソババアと叫んで家を飛び出す。ふてくされて着衣のまま旅館のプールで泳いでいた所に、東京からやってきたカメラマンの男と出くわし、その様子を撮影されてしまう。家を出る金を貯めるために体を買わないかと提案する皐月に、カメラマンは小馬鹿にした態度で立ち去ってしまった。
そして現代、緒花はスイが経営する旅館喜翆荘で、仲居として日々懸命に働いていた。そんなある日、地域内の別の旅館の跡取り娘である和倉結名が、見習いとして働くために喜翆荘にやってくる。結名の世話は緒花に任される。箱入り娘として育った結名に緒花は困惑させられるが、先輩仲居の助力もあり、結名も少しずつ仕事を覚えていった。
緒花の仲居仲間であり同じ高校の同級生でもある押水菜子は、両親が仕事で忙しく、幼稚園に通っている妹の芋掘り大会に出席できないことを気にかけていた。緒花も子供の頃皐月に同じ思いをさせられたことを打ち明ける。緒花もまた、奔放でありながら女手一つで自分を育てた皐月に複雑な思いを抱いていた。
ある時旅館の物置の掃除をしていた緒花は、そこで古びた業務日誌を見つける。そこには日々の旅館の様子とともに皐月とスイのことも事細かに記されていた。スイは旅館を守るために必死で働いていたが、皐月は現状に不満で早く家を出たいと思っていた。そして東京の大学に行って、「輝きたい」と思っていた。緒花はその記述を呼んで、青春時代の皐月が今の自分と同じ思いを抱いていたのだと知る。日誌には幼い頃に亡くなった父親、松前綾人のことも書かれていた。それは、皐月とプールで出会ったカメラマンであった。
スイと喧嘩をする中で、皐月はつい、亡くなった父親の亡霊ばかり追いかけるスイのようにはなりたくないと口走ってしまう。しかし逆に、何の目的もなく東京に憧れているだけの自分を見透かされてしまう。思い悩んだ皐月は、綾人の部屋に行き悩みを打ち明ける。綾人はそこで、自然のままに悩んでいる今の皐月そのものが「輝いている」のだと告げた。
翌日、綾人は別れを言うこともなく東京に帰ってしまう。しかし皐月は綾人のおかげで夢を見つけることができた。それは、編集者となっていつか綾人と一緒に仕事をすることだった。皐月はスイに頭を下げ東京に行くことを許可してもらう。
皐月の過去を知った緒花は母親のことを少し理解できた気がした。しかし逆に、何の目標も持っていない現在の自分のことが、情けなく思えてくるのだった。
一方、もう一人の同級生であり板前見習いの鶴来民子は、寝ずに考えた朝食の新メニューをあっけなく却下されてしまう。民子はその理由がわからずに落ち込む。
工事の日程に間違いがあり、喜翆荘は一日停電することになってしまった。非常事態を団結することで乗り切ろうとする旅館の面々だったが、そんな中、菜子の妹が行方不明になってしまう。スイの許可を得て、菜子は緒花とともに妹を探しに行くことにした。
菜子の妹は、以前母親と遊びに行くことを約束したデパートの屋上にいた。菜子は妹に、自分が母親が代わりに芋掘り大会に行ってあげると約束する。菜子が大人であろうとする姿を見て、緒花は思わず涙を流してしまう。その後メールが入り、菜子の母親は結局芋掘り大会に参加できるようになった。
緒花は仕事が終わった後に日誌を見直す。皐月も菜子や自分と同じように始めから大人であったわけではなく、悩みながら成長したのだということを、緒花は改めて実感する。そして、自分の緒花という名前が、ハワイ語で「家族」を意味するのだということを知る。
停電が直った板場に緒花が行くと、民子が菜子の妹のために食事を作っていた。緒花は子供のことをよく考えた料理を褒める。その言葉で民子は自分が今まで食べる人への配慮が欠けていたことに気がつく。
過去。夫に先立たれた皐月は緒花を預けようと実家に戻る。しかしそこで毅然と働くスイの姿を影から見て、スイと同じように自分も、自分自身に負けられないのだと思い直す。そして、やはり緒花を連れて一人東京に戻ることを決意するのだった。
以上、映画「劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME」のあらすじと結末でした。
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