花宵道中(はなよいどうちゅう)の紹介:2014年日本映画。江戸の吉原に幼い頃に引き取られた朝霧と、朝霧と同じ置屋にいて身請け後に亡くなった霧里の死因を探り、朝霧に恋をする霧里の弟・半次郎の悲しくも切ない恋の物語。半次郎と年季明けの近い朝霧の恋は成就するのか?霧里の死因は?吉原での切なすぎる女達の話です。
監督:豊島圭介 出演:安達祐実(朝霧)、淵上泰史(半次郎)、小篠恵奈(八津)、三津谷葉子(江利耶)、多岐川華子(絢音)、立花彩野(若耶麻)、友近(女将)、高岡早紀(霧里)、津田寛治(吉田屋藤衛門)、ほか
映画「花宵道中」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「花宵道中」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
花宵道中の予告編 動画
映画「花宵道中」解説
この解説記事には映画「花宵道中」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
花宵道中のネタバレあらすじ:起
江戸時代末期の新吉原。人気女郎の朝霧は生きる気力を無くして、ふらふらと歩いていました。吉原の火事により朝霧達は吉原の外に作られた山田屋の仮宅に入って行きます。
朝霧は客を送り出します。妹分の八津は朝霧に心を寄せる大島屋からの文を見せます。「年が明けたら夫婦になるって書いてあるだろう」と笑顔で言う八津に「男の言葉を信じちゃいけない、痛い思いをするのは女の方なんだよ」と朝霧は言います。
八幡様のお祭りに出かけ、人ごみに押されて倒れた朝霧。すると朝霧を抱き上げ、脱げた下駄を拾ってきてくれて、怪我をした手を手ぬぐいで手当てをしてくれた半次郎と出会います。その日は半次郎の事を想い、笑顔が浮かぶ朝霧でした。
翌朝早くに落としたかんざしを探しに行った朝霧は、半次郎に再会し、壊れたかんざしを直してくれるという半次郎と、3日後に会う約束をします。
その夜、大島屋に裏切られた八津の姿を、朝霧は昔の自分の母親の姿と重ねていました。
花宵道中のネタバレあらすじ:承
3日目の朝、駆け足で八幡様に来た朝霧の前に半次郎の姿は無く、帰り道、女と歩く半次郎を見かけてしまいます。
吉田屋は朝霧を身請けしようとしており、朝霧をお座敷に呼びます。吉田屋は以前、朝霧の恩人でもある姉さん遊女の霧里も身請けしたのですが、霧里はその後すぐに亡くなっており、朝霧の胸のうちは複雑でした。
吉田屋のお座敷に入った朝霧は、そこで吉田屋の連れとして同席している半次郎と会います。
そして半次郎に目をやる朝霧に嫉妬した吉田屋は、無理やり朝霧を膝に乗せて身体を触り、着物を脱がせて目の前で犯し、その姿を半次郎に見せ付けます。
花宵道中のネタバレあらすじ:転
八幡様で待っていた半次郎は朝霧にかんざしを渡すと、帰ろうとする半次郎を呼び止める朝霧。その朝、朝霧を抱きしめる半次郎だった。
朝霧に聞かせるように話す吉田屋が、半次郎が遠縁の娘・しのと祝言を挙げると言います。そして吉田屋は朝霧を身請けしたいと申し出ます。半次郎に裏切られたと思った朝霧でしたが、半次郎は姉の霧里の死因を探る為に吉田屋に近づいたと話します。
半次郎は霧里の死因が吉田屋にあると思っており、朝霧の身請けも霧里と同じではないかと思い、吉田屋に朝霧をなぜ身請けするのかと聞きます。
すると吉田屋は「商売道具として使うんだよ」、半次郎は「しっかり元を取れなかった霧里はどうなったんですか?」と聞き返すと、吉田屋は「追い出した後、のたれ死んだ」と大笑いをします。
ふすまの向こうで話を聞いていた朝霧も吉田屋に飛び掛かりますが、吉田屋に反撃されてしまいます。半次郎は吉田屋を火箸で刺し殺してしまい、朝霧は半次郎を逃がします。
花宵道中の結末
八幡様で半次郎と会った朝霧に、今は廃止になった花魁道中をしたかったと言う半次郎。半次郎自ら染めた着物で花魁道中をする朝霧。抱き合い、愛し合う2人。朝霧を本名の「あさ」と何度も愛おしく呼ぶ半次郎は「お前はもう、この肌は誰にも見せなくていい」と言います。
その後半次郎は捕まり、朝霧は閉じ込められます。そして打首になって亡くなった半次郎の髪が、朝霧の手に戻ってきます。
吉原の川に身を投げた朝霧。仲間たちは「まぶが死んじまって人生に絶望したんだろ」と言います。すると八津は「朝霧姉さんは一生分の花を咲かせたんだよ」と言います。八津の目には、お祭りの日、半次郎に下駄を履かせてもらって微笑んでいる朝霧の顔が目に浮かぶのでした。
以上、映画「花宵道中」のあらすじと結末でした。
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